後藤「765プロの皆さんが第二小隊に体験入隊することになった」
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:12:04.38 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 宿直室】
野明「あ、また765プロの子たち出てる」
山崎「竜宮小町以外もすっかり売れっ子アイドルになっちゃいましたね」
遊馬「隊長は生で見てるんだよな。あー羨ましい」
野明「私も生で見たいなぁ」
後藤「そうか、生で見たいか」
遊馬「うわっ! た、隊長! びっくりさせないでくださいよ!」
後藤「で、生で見たいんでしょ?」
野明「そりゃ、売れっ子アイドルですから。1回位は会って見たいですよ」
後藤「そうか。じゃ明日来るから。事務所とかハンガーとかきれいにしときなさいね」
遊馬「了解……はい?」
後藤「だから。明日、765プロのアイドルが来るから掃除しなさいっていったの」
遊馬「あああああっあっあっ……!」
野明「ほほほほほっほっほっ!」
後藤「あのさ。トドやアシカじゃないんだから」
【特車二課 宿直室】
野明「あ、また765プロの子たち出てる」
山崎「竜宮小町以外もすっかり売れっ子アイドルになっちゃいましたね」
遊馬「隊長は生で見てるんだよな。あー羨ましい」
野明「私も生で見たいなぁ」
後藤「そうか、生で見たいか」
遊馬「うわっ! た、隊長! びっくりさせないでくださいよ!」
後藤「で、生で見たいんでしょ?」
野明「そりゃ、売れっ子アイドルですから。1回位は会って見たいですよ」
後藤「そうか。じゃ明日来るから。事務所とかハンガーとかきれいにしときなさいね」
遊馬「了解……はい?」
後藤「だから。明日、765プロのアイドルが来るから掃除しなさいっていったの」
遊馬「あああああっあっあっ……!」
野明「ほほほほほっほっほっ!」
後藤「あのさ。トドやアシカじゃないんだから」
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:12:31.46 ID:qXeH2EIHo
【翌日 特車二課 事務所】
後藤「――という訳で、今日一日765プロの皆さんが第二小隊に体験入隊することになった」
太田「そ、それで誰が来るのでありますか?!」
野明「あの、真君は来ますか?!」
遊馬「あずささんは?! あずささんは来るんですか?!」
後藤「はいはい静かに。765プロ所属アイドルは全員来ることになっている」
野明「全員……」
後藤「あ、それにプロデューサー2名と事務員が1名、取材記者1名も同行する」
熊耳「大所帯ですね。警備は大丈夫でしょうか。いくらこことはいえ、ファンやマスコミが押し寄せると……」
後藤「あぁ。一応お忍びで来るらしいし、念のための警備は第一小隊にお願いしてある」
進士「第一小隊はとんだ貧乏くじですねぇ」
後藤「もっとも、これは上のえら~い人同士で決まった事だから、恨むならそっちを恨んでもらう」
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:13:55.06 ID:qXeH2EIHo
野明「しつもーん! 体験入隊って、どんなことしてもらうんですか?」
後藤「お前たちには普段通りの事をしてもらう」
遊馬「一日体験っていうと、もっとイベントとか制服着てパトロールとか」
後藤「ビデオカメラは入らないからな。そんな派手なことはせんだろう」
熊耳「とは言っても、ずっと事務所で書き仕事という訳にも……」
後藤「そうだな。午前中はイングラムを使っての訓練の見学、午後は、まぁ適当に中を案内しとけばいいだろう」
遊馬「そんな適当な……」
野明「全員来るんですよね。誰が案内とかするんですか?」
後藤「ここにいる1人につき2人、アイドルを受け持ってもらう」
野明「誰になるんだろう」
遊馬「その担当表ってありますか?」
後藤「それは、発表してからのお楽しみ」
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:14:20.14 ID:qXeH2EIHo
【第二小隊前正門】
P「よし、着いたぞ」
響「まわり、何もないんだ……」
春香「お店とかも何にもないね」
貴音「上海亭なるお店がありましたが……」
伊織「なんでこのスーパーアイドルの伊織ちゃんが警察の護送車両に乗らなきゃいけないのよ!」
亜美「んっふっふ、これから取り調べだよ真美」
真美「んっふっふ、モクヒしてかつ丼めっちゃお代わりしようね亜美」
真「悪い事してここに来た訳じゃないんだから……」
雪歩「やっぱり男の人ばっかりなのかなぁ……」
あずさ「美希ちゃん、着いたわよ」
美希「ん~、もう少し寝てるの……」
やよい「うっう~! 楽しみですぅ!」
律子「はいみんな、おしゃべりしてないで降りて!」
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:14:46.27 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 整備ハンガー】
後藤「や。みんなお元気そうで何より」
亜美「や。じゃないよ隊長! 亜美めっちゃ会いたかったんだよ!」
真美「そうだよ隊長! 真美だってすっごく会いたかったんだよ!」
P「こ、こら! お前ら俺が挨拶してからだろ!」
春香「お久しぶりです、後藤さん」
千早「お元気そうで何よりです」
律子「今日は1日、よろしくお願いします」
後藤「はい、よろしく。それじゃこっちから自己紹介を……どうした?」
野明「後藤隊長が……アイドルに好かれてる……」
遊馬「こんな……こんなことって……」
太田「えぇいうっとおしい! シャキッとせんかお前ら!」
熊耳「太田君の言う通りよ二人とも」
後藤「自己紹介、お願いね」
野明「は、はい。えーとじゃ私から――」
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:15:13.84 ID:qXeH2EIHo
熊耳「自己紹介は以上ですね?」
P「あとはアイドル以外を」
律子「私は竜宮小町のプロデュースを担当しています、秋月律子です」
P「私はそれ以外を担当してるプロデューサーです」
小鳥「主に事務を担当しています音無小鳥です。よろしくお願いします」
吉澤「私は今回の体験入隊の取材をさせていただきます、記者の吉澤です。よろしくお願いします」
熊耳「どうぞよろしく。吉澤さん、ご存じかと思いますが――」
吉澤「はい、あくまでもアイドル主体の取材です。レイバーやその他機密になりそうな点には触れません」
P「一応、765プロと第二小隊の方とで記事の事前チェックはできますので」
熊耳「了解しました」
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:15:39.75 ID:qXeH2EIHo
後藤「担当を発表する。アイドル諸君は担当者を先輩と思って行動するように」
野明「アイドルの後輩か……」
後藤「なお、担当アイドルの振り分けは恣意的な要素が入らないよう、くじ引きにて決めてある」
真「斬新な組み合わせになって面白そうって事かな」
遊馬「組み合わせ考えるのが面倒だっただけだろ」
春香「そ、そうなんですか? いや、確かにそうかも……」
後藤「泉巡査。担当アイドルは天海春香、菊地真」
真「うわぁ、あのパトレイバーのパイロットの方ですよね!」
春香「よろしくお願いします!」
野明「こちらこそよろしく。あ、あはは」
後藤「篠原巡査。水瀬伊織、秋月律子」
律子「えぇ?! 私もですか?」
後藤「なんで? 衣装来て舞台立ってたじゃない」
律子「あ、あれは、その……と、とにかくよろしくお願いします」
伊織「よ、よろしくおねがいしま~す」
篠原「はい、よろしく。……ちぇ、あずささんじゃないのか」
伊織「聞こえたわよ」
篠原「っ! アイドルを生で見れて嬉しいなぁ! って言ったの!」
伊織「にひひ、当然よ」
篠原(か、かわいくない奴)
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:16:27.29 ID:qXeH2EIHo
後藤「太田巡査、如月千早、四条貴音」
千早「よろしくお願いします」
貴音「太田殿、色々教えてくださいね」
太田「よ、よろしくおねがいいたします!」
後藤「お~、あがってるあがってる」
進士「赤面しちゃいますね……」
後藤「山崎巡査、高槻やよい、我那覇響」
響「よろしくおねがいします!」
やよい「よ、よろしくおねがいします……」
山崎「響ちゃん、同じ沖縄出身同士よろしく」
響「そうなのか? 訛ってないから分からなかったさー!」
山崎「やよいちゃんも、よろしく。後で、ここで飼ってる鶏も見せてあげるよ」
やよい「本当ですかぁ? よろしくお願いします!」
伊織「み、見た目の割に意外と優しいのね」
遊馬「ひろみちゃんは見た目で損してるんだよなぁ」
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:17:15.86 ID:qXeH2EIHo
後藤「進士巡査、星井美希、音無小鳥……あれ?」
小鳥「わ、私もですか?」
後藤「なんかリストに入っちゃってるけど、ま、いいか」
吉澤「取材には支障ありませんよ」
P「ま、そういう事なら……」
美希「よろしくなの!」
小鳥「あ、すいません、よろしくお願いします……」
進士「はい。こちらこそよろしくお願いします」
後藤「熊耳巡査部長、萩原雪歩、双海亜美、双海真美」
P「あれ、亜美と真美どこ行った?」
律子「もぅ! 仕事で来てるってのにあの子たちは!」
シゲ「ちょっと後藤さん?俺アイドル預かるって聞いてないっすよ?!」
亜美「ねぇ、ゲームとかないの?」
真美「あそぼうよおっちゃん」
シゲ「あのね! 俺には斯波繁男っていう名前がちゃんと!」
榊「なんでぇ、随分賑やかだな」
シゲ「お、おやっさ~ん! このガ……もとい、アイドルが入ってきて急に!」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:17:48.27 ID:qXeH2EIHo
榊「第二小隊で1日預かるって話だったな。ちょうどいい。シゲ、お前2人預かれ」
シゲ「えぇぇ?! ちょっと、おやっさん? 今日は整備の仕事だってあるし……」
榊「俺がやっといてやる」
シゲ「お、おやっさんが?!」
榊「それとも、俺の整備じゃ不満か?」
シゲ「と、とんでもない! えー、じゃ、その」
榊「そういう訳だ後藤さん」
後藤「はいはい。それじゃ、双海両名の代わりがいるな」
P「では俺がぜひ」
熊耳「よろしくお願いします」
P「こちらこそ、どうぞよろしく」
雪歩「よろしくお願いしますぅ」
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:18:30.14 ID:qXeH2EIHo
後藤「えーと、じゃシゲさんは双海亜美、双海真美、三浦あずさ」
シゲ「3人も?! いや、でもあずささんなら……でへへへ」
亜美「おじさんだね真美……」
真美「いかにも、って感じにの笑い方だね、亜美」
遊馬「ちょっと待った! 隊長、最初からシゲさんも頭数に入れてたんですか?」
後藤「いや、当初は俺も受け持つつもりだった。が。」
遊馬「が?」
後藤「1ヶ月も出向してる俺が受け持つよりは現場の人間に付けたほうが面白そうだろ?」
春香「え~? 私、後藤さんと会うの結構楽しみだったんですよ?」
あずさ「シゲさんが嫌という訳ではないですけど、ちょっと残念です~」
野明「でも、後藤さんとじゃ1日お茶飲んで終わっちゃうかも」
遊馬「絵にならんだろそれじゃ」
雪歩「わ、私はそっちの方がいいかもです……」
律子「あのね……いくら吉澤さんでも記事に出来ないわよ」
後藤「本人目の前にして言うねお前たち」
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:19:05.83 ID:qXeH2EIHo
あずさ「それじゃシゲさん、今日一日、よろしくお願いしますね」
シゲ「まっかせて下さい! ぬはははは!」
亜美「よろしく~!」
真美「いっぱい遊んでね!」
シゲ「あー、はいはい」
亜美「あ~、あずさお姉ちゃんの時と態度が違う!」
真美「ひどいよね。そんな悪い子にはオシオキが必要だよね」
シゲ「あ! こら! そのデータはいじっちゃ駄目だって! あああ!」
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:20:00.88 ID:qXeH2EIHo
後藤「では、午前中はイングラムを使っての訓練を見学してもらう。篠原」
遊馬「はいっ」
後藤「イングラムについて説明してあげなさい」
遊馬「了解。えー、98式AV、通称イングラム。全高8.02メートル、重量6.02トン」
春香「イングラムか……かっこいいな」
野明「えへへ、それほどでも」
進士「泉さんを褒めたんじゃありませんよ」
遊馬「動力SCB、駆動系にSCLMを採用。37ミリリボルバーカノン、――」
小鳥「スタンスティック等のオプション装備を自在に扱う器用さと、抜群の運動性能を誇る」
遊馬「え? あの、ちょっと?」
律子「見る者に与える心理的影響までも考慮して設計された、警察用パトロールレイバーである」
遊馬「――です。あの、隊長……」
後藤「こっち見られても、俺も知らないんだって。なんで詳しいのか」
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:20:42.37 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 埋立地 訓練場】
熊耳「では、今から射撃訓練を行います」
P「いきなりごっつい訓練だなぁ」
真「うわぁ、本物の銃ですよね! ……雪歩、大丈夫?」
雪歩「うん、大丈夫だと思う……ごめんね真ちゃん」
熊耳「萩原さん、駄目そうなら早めに申告して下さい。無理しないように、いい?」
雪歩「はい、ありがとうございます……」
遊馬「よーし、じゃ野明、準備はいいか?」
野明『うぅ、私これ苦手なんだよな……準備出来てるよー』
熊耳「では、みなさん、耳栓は配りましたが、一応手で耳をふさいで下さい」
律子「了解です。ほら、亜美と真美もちゃんと塞ぐのよ」
遊馬「それじゃ行きまーす。野明!」
野明『了解』
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:21:37.59 ID:qXeH2EIHo
美希「うるさいのー!」
響「すっごい音だぞ!」
真「これが本物の音かぁ!」
小鳥「やっぱりリボルバーカノンはいいですよねぇ」
律子「6発だけってのはつまらないですけどね」
進士「太田さんみたいなこと言わないで下さいよ」
野明『終わり! うぅ、みんなの前で撃つことになるなんて……』
遊馬「どれどれ。おー、前よりはマシになってるじゃないか」
あずさ「あんなに小さい的に当てちゃうのね~」
千早(他意はない……他意はないはずよ……)
熊耳「次、太田巡査。準備はいい?」
太田『いつでも大丈夫であります!』
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:22:33.76 ID:qXeH2EIHo
太田『がっはっは! 泉ぃ! 全弾的の中には入るようになったなぁ!』
千早(さっきからこの人、言動ががさつというか……)
野明『うぅ……緊張してなきゃもっと……』
太田『言い訳は見苦しいぞ!』
千早(本当にちゃんとした警察官なのかしら……)
熊耳「おしゃべりはその辺にして、そろそろ初めてちょうだい」
太田『了解しました!』
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:23:10.52 ID:qXeH2EIHo
春香「うっわ、おなかにまで衝撃が来る」
亜美「すっごいハクリョクだね、真美!」
真美「頭の中にまでチョー響いてくるよね亜美!」
進士「どれどれ。……相変わらず驚異的な命中率ですね」
遊馬「これで常識があればなぁ」
太田『聞こえとるぞ篠原ぁ!』
貴音「これは……このようなことが可能なのでしょうか……」
伊織「全弾ど真ん中に命中してるわ……」
やよい「すっごいですぅ!」
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:23:41.23 ID:qXeH2EIHo
千早「そんな……」
後藤「意外か?」
千早「っ! ご、後藤さん?!」
後藤「悪い悪い、驚かせたな」
千早「急に背後に立たないでください……。その、正直に言うと意外でした」
後藤「ま、言動があんなだからな、無理もないさ」
千早「同じイングラムでも、パイロットによる差は大きいんですね」
後藤「そりゃそうさ。お前さんたちアイドルと一緒だ」
千早「言われてみれば、確かに……」
後藤「一朝一夕で身に付く能力じゃないのも、な」
千早「あっ……!」
後藤「ま、この後は模擬戦だ。そっちもよく見てるといいよ」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:24:22.60 ID:qXeH2EIHo
遊馬「野明、準備はいいか?」
野明『いつでもいいよ! 汚名挽回してやるんだから』
熊耳「汚名は返上した方がいいわよ。太田君、準備は出来てる?」
太田『はっ! いつでも行けます!』
熊耳「それでは、はじめっ!」
遊馬『野明、どうせ突っ込んでくるから軽くいなしてやれ! 組み付かれるな!』
野明「分かってる!」
熊耳「太田君、相手は勢いを利用してくるわよ、むやみな突進は――」
太田『ぬおおおおおおおっと、どわああ!』
亜美「あ、こけた」
真美「そして押さえつけられた」
遊馬「勝ったな」
熊耳「……はぁ」
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:24:59.46 ID:qXeH2EIHo
千早「こ、こんなに素早く動けるものなの?!」
春香「すっごい……普通の人間みたいだったね……」
美希「ダンスだって踊れそうなの」
シゲ「ダンスか、簡単な振付なら出来ると思うよ。ちょっとゆっくりになっちゃうけど」
亜美「ほんと? ねぇシゲちん、踊ってよ!」
真美「そうだよ、真美シゲちんのダンス見たいよ~!」
シゲ「なんで俺なのよ?! っていうかそのシゲちんってのやめてもらえる?」
律子「そうよ、亜美、真美。もっと丁寧に言いなさい」
亜美「んじゃおシゲちん」
真美「ねぇおシゲちん、ちょっとだけでいいから~」
シゲ「あのね! 『お』を付けりゃいいってもんじゃないでしょうが!」
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:26:02.86 ID:qXeH2EIHo
熊耳「予定時刻よりはやく終わったわね」
進士「太田さんが瞬殺されましたからねぇ」
太田「ぬぅ~……!」
野明「へっへっへ~、柔よく剛を制す、だよ太田さん」
遊馬「隊長、残りの時間はどうしますか?」
後藤「そうだなぁ。熊耳、何か軽く出来るトレーニングはあるか?」
熊耳「そうですね……いつもの基礎動作訓練とか……でも取材映えはしませんね」
進士「穴を掘ったり埋めたりじゃますますつまらないでしょうしねぇ」
雪歩「穴堀ですか?!」
真「うわっ! 雪歩、いきなり反応しないでよ。するからびっくりしたじゃないか」
熊耳「萩原さんは、レイバーを使っての穴掘りに興味があるの?」
雪歩「はい! ぜひ見てみたいです! 何なら競争してもいいです!」
後藤(競争?)
熊耳「競争はともかく……隊長、よろしいですか?」
隊長「見たいって言ってるんだ。見せてあげたら?」
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:30:03.78 ID:qXeH2EIHo
野明「穴掘りか……アルフォンスが汚れちゃう……」
太田「何とも地味な訓練だな、おい」
小鳥「ぶー、そんなのヘラクレス21とかクラブマンにでもやらせときゃいいのに」
律子「ここはいっそ90mm連装ライアットガンを使っての実践訓練とか」
P「お前らは何を言ってるんだ」
太田「隊長! 2人の要望に応えるためにもぜひ!」
進士「あの、暴走警官を不用意に焚き付けないでほしいんですが……」
P「後でがっつり絞めときます」
後藤「太田、馬鹿な事言ってないでさっさと搭乗しなさいって」
熊耳「泉さん、太田くん、準備しなさい」
遊馬「道具がいるな。シゲさん、何かあります?」
シゲ「災害用にって確か用意してあるはずだよ。見てくるわ」
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:32:20.08 ID:qXeH2EIHo
後藤「えー、ただ穴を掘って終わりじゃつまらん」
遊馬「競争でもしますか?」
後藤「負けた方は勝った方に今日の昼食をおごる、という事にする」
野明「えー?!」
太田「よぉし。やる気が出てきたぞ!」
後藤「もちろん上海亭からの出前だ。アイドルはおごられるだけ、負けても何もなしな」
熊耳「隊長! 警察官という立場でそれは!」
後藤「まぁまぁ。軽いゲームみたいなもんだ。そう固くなるな」
吉澤「大丈夫、その辺は抜きで記事にしますよ」
律子「あの、雪歩は準備しなくていいのよ?」
雪歩「え?」
26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:32:58.13 ID:qXeH2EIHo
春香「野明さん、がんばってくださいね!」
真「ボクたち、応援してますからね!」
野明『おぅ! 絶対勝つからね!』
千早「あの、太田さん、頑張ってください」
貴音「負けは許されぬ戦です。太田殿、ゆめゆめご油断なさりませんよう……!」
太田『お、おぅ!』
進士「なんだか凄いプレッシャーを発してますね」
P「さてはラーメン狙いか……。負けたら食えないって訳でもないのに」
27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:33:59.78 ID:qXeH2EIHo
遊馬「それじゃいくぞー、よーい、はじめっ!」
野明『うりゃあああああ!』
太田『ぬおおおおおお!』
伊織「すごい勢いね」
進士「外部スピーカーで雄たけびを流す意味はあるんですかね?」
遊馬「気合と雰囲気の問題じゃないの?」
亜美「解説の萩原さん、ここまでの両者を見てどうですか?」
雪歩「野明さんの1号機は同じところだけ掘りすぎですね。丁寧さが仇になっている感じです」
真美「対する2号機はどうでしょう?」
雪歩「こちらは一見がさつにも見えますが、堀りはじめとしてはなかなかのスタートですね」
亜美「おおっと、ではすでに勝負は見えたと?」
雪歩「いえ、まだわかりません。両者が自重を考慮しているかどうかが勝負のカギです」
真美「なるほど~。現場からは以上です!」
亜美「いったんスタジオにお返ししまーす!」
P「いや、俺に返されても困るんだが……」
28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:35:33.81 ID:qXeH2EIHo
―――
――
―
雪歩「判定の結果、泉野明巡査の勝ちとします」
春香「なんで雪歩が判定を……」
進士「後半、太田さんが自沈して穴を埋めなければ勝てたんですけどねぇ」
雪歩「穴が深くなっても掘り方を変えなかったのが敗因だと思いますぅ……」
遊馬「弱気な言い方とは裏腹にバッサリ切り捨てたな」
太田「くそぉ……そもそも掘削用の為のレイバーじゃないだろうこいつは」
野明「へっへっへ、言い訳は見苦しいよ、太田さん?」
遊馬「太田の自爆が原因なんだ、浮かれるなよ」
29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:36:34.65 ID:qXeH2EIHo
P「う~ん、まぁレイバーを使っての掘削、と言ってしまえばそれまでだけど……」
律子「予想通り、取材映えしない内容ですね」
P「雪歩の希望を聞いてくれた結果な訳だし、そういう発言は駄目だろ」
吉澤「雪歩ちゃんがチラッと言ってたけど、アイドルとの穴掘り比べなんて面白そうだったけどな」
律子「人間が掘るとこれ位だけど、レイバーだとこんなに掘れるんですよ、っていう感じですか」
P「アリかもしれませんね。……えーと、雪歩? さっきから何を……?」
シゲ「一応あるスコップは全部持ってきたけどね。どれも一緒じゃないの?」
雪歩「この土だとケンスコがいいかなぁ……これは材質的に負けちゃいそうだし……」
響「なあ真、ケンスコって何だ?」
真「ボクに聞かれても……」
進士「あの、彼女は土木作業員じゃなくてアイドルなんですよね?」
律子「登録上はそうなっています」
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:37:37.04 ID:qXeH2EIHo
P「雪歩、準備はいいか?」
雪歩「いつでも大丈夫です」
P「制限時間はイングラムで掘った時と一緒だ。それじゃ、スタート!」
真「相変わらず凄い勢いで掘るなぁ」
太田「……なんだありゃあ」
野明「『なんだ』って……なんだろうね……」
進士「1分も経ってないのにもう穴に全身すっぽり入っちゃってますよ」
後藤「篠原、脱出用にロープ持ってきなさい。長ーいやつね」
篠原「そ、そんなのが必要になる位掘るつもりなんですか彼女は?!」
小鳥「イングラムと違って穴の中に入りながら掘れる分、深さを稼ぎやすいのかもしれないですね」
進士「そういう問題じゃないような気が……」
31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:38:25.55 ID:qXeH2EIHo
P「よし、そこまで!」
太田「……」
野明「……」
篠原「……ロープ、長さ足りねぇや」
律子「雪歩ー! 脱出できるー?」
雪歩「はい……今上がっていきますぅ……」
真「あ、上がってきた。おーい、遊馬さーん! ロープ要らなそうですよ!」
進士「スコップを手足のように使って穴を這い上がってきましたね」
雪歩「ふぅ……。すいません、計測をお願いします」
野明「いやぁ……」
篠原「計測するまでもないだろうこれ……」
太田「深さだけならイングラムが頭まですっぽり入るぞ」
雪歩「直径×深さの勝負にした方が良かったかもです……」
進士「いや、そういう問題じゃないと思いますよ、これ……」
32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:39:17.62 ID:qXeH2EIHo
後藤「という訳で、勝者、萩原雪歩!」
響「すごいぞ雪歩!」
やよい「ロボットに勝っちゃいました!」
あずさ「おめでとう、雪歩ちゃん」
真「やったね、雪歩!」
進士「アイドルの掘削能力を褒めるというのどうなんでしょうね?」
太田「ガテン系アイドルって奴か」
シゲ「聞いたことないよそんなアイドル」
伊織「ちょっと、当初の企画の意図から外れちゃってるじゃない!」
律子「これは人を変えて再トライした方が良くないですか?」
P「そうだな。よし、千早。ちょっとスコップ持ってこっち来てくれ」
千早「わ、私ですか?」
P「スカートを穿いてる子だとちょっとまずいからな。すまんが、頼む」
雪歩「はい、千早ちゃん、スコップ。頑張ってね」
千早「え、えぇ……」
33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:40:01.34 ID:qXeH2EIHo
P「よーし、そこまで! 春香、お疲れ様」
千早「はぁ……はぁ……何で穴堀なんか……」
野明「安心した。普通の穴掘りだったね」
遊馬「あんな人間掘削機が二人もいてたまるかっての」
雪歩「こんな日もあるよ、気にしないで千早ちゃん」
千早「不調だったからという訳では……」
春香「千早ちゃん、お疲れ様……」
千早「ええ……」
熊耳「以上で穴掘り競争は終了します」
後藤「なお、敗者となった第二小隊全員で765プロの皆さんに食事をおごる事とする」
野明「異議なーし!」
遊馬「ま、しょうがないさ」
P「え?! そんな、自分たちの分はこっちで持ちますよ」
後藤「いいからいいから。素直に出されておきなさいって」
34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:40:58.96 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 食堂】
熊耳「みんな遠慮せずに食べてちょうだい」
一同「いただきまーす!」
真「こんなにたくさんの出前なんて大変そうですよね」
春香「全員で押し掛けちゃったもんね」
伊織「そもそも、こんな僻地に出前を持ってきてくれるお店があるなんて驚きだわ」
雪歩「あの、かなり無理させちゃったんじゃ……」
野明「これ位大丈夫。普段は特車二課ほぼ全員分の出前を毎日持ってくるんだから」
真「そんなに大きなお店には見えなかったんだけどな……」
シゲ「小さいよ。店主のおやじと出前の若いのが一人だけだから」
春香「え? 一人で作ってるんですか?」
野明「そうだよ。今日は他の人達とは注文別になったから、おじさんも楽だったんじゃないかな」
春香「実はすごいお店なんですね、あそこ」
篠原「だろ? あそこは我ら特車二課の生命線でもあるからな」
35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:42:11.76 ID:qXeH2EIHo
亜美「でもさ、毎日こ~んなにいっぱい料理作るんっしょ? 大変だよね、真美」
真美「そうだよね~。真美なら絶対いつか『むき~!』ってなっちゃうよ」
篠原「……まぁ、その、なんだ」
シゲ「そ、そうならないように常日頃の信頼関係は大切にしておかないと、ねぇ太田ちゃん?」
太田「おお、おう。遅いからって電話で怒鳴ったりとかはいかんぞ?」
亜美「しないよそんなこと~」
真美「そんな八つ当たりしたってしょうがないじゃん」
進士「だそうですよ、太田さん?」
太田「ぐっ……!」
響「ど、どうしたんだ? なんだか顔色悪いぞ?」
律子「もしかして午前中のトレーニングでお疲れとか?」
伊織「食中毒とかじゃないでしょうね?」
シゲ「なななななななんてこと言うかなこのおデコちゃんは!」
伊織「デコちゃん言うな!」
篠原「そうそう! 犬が舐めた食器で食事しない限りそんなことはないって!」
野明「あのさ……動揺のせいで半分位語っちゃってるよ二人とも」
千早「あの、過去に何か?」
熊耳「何でもないわ。今回の食事は食中毒等も問題はないから、安心して食べてちょうだい」
36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:43:46.28 ID:qXeH2EIHo
野明「そうそう、遠慮しないで……わっ、貴音ちゃんは、味噌ラーメン大盛り?」
太田「食い切れるんだろうな? 残したらタダじゃおかんぞ?」
貴音「らぁめんを残すなどという愚挙、この四条貴音、決していたしません。では、いただきます」
太田「?!」
野明「早っ! もう食べ終わったの?」
進士「太田さんなんてくらべものにならないような食べっぷりでしたね」
貴音「大変美味でありました。ごちそうさまでした」
野明「あ、はい、お粗末様でした……」
貴音「千早。あなたもらぁめんをたのんだのですね」
千早「ええ」
貴音「おいしそうですね」
千早「ええ、とても美味しいわ」
貴音「それは良かった。おいしいらぁめんを曲者に盗られぬよう、わたくしが見ていてあげましょう」
響「こら貴音、ダメだぞ!」
千早「……えぇと、四条さん、一口食べてみる?」
貴音「まぁ、そこまで言うのであれば一口だけ」
響「あ~あ、千早、あんまり甘やかすと癖になっちゃうんだぞ?」
真「犬のしつけじゃないんだから……」
伊織「似たようなもんよ」
37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:44:41.74 ID:qXeH2EIHo
P「それはそうと、上海亭って中華料理店っぽかったですけど、おにぎりまであるんですか?」
進士「美希ちゃんが今食べてるのは熊耳巡査部長謹製おにぎりですよ」
小鳥「あわわ、巡査部長ともあろう人におにぎり作らせちゃった……」
熊耳「気にすることはないわ。お口に合うかどうかは分からいけど」
美希「とっても美味しいの!」
野明「おにぎりだけでいいなんて……もしかして中華料理は嫌いだった?」
美希「違うの。美希、おにぎりがと~っても好きなの!」
篠原「変わった奴……」
律子「そういえば進士さんも出前を取っていないようでしたけど」
進士「えへへ、僕はこれなんです」
美希「可愛いお弁当なの!」
春香「プロデューサーさん、愛妻弁当ですよ、愛妻弁当!」
P「うん、そうだな……でもなんで俺に言う春香?」
真「うわ~、桜でんぶでおっきいハートが」
進士「多美子さんが作ってくれるんです、あ、多美子さんって言うのは僕の奥さんの名前で」
春香「いいなぁ、そういうの羨ましい――小鳥さん、どうかしました?」
小鳥「……ふふふ……あずささん、今晩一緒に1杯どうですか?」
あずさ「えぇ、よろこんでおつきあいします~」
律子「今の二人にはふれてはいけない気がするわ……」
小鳥「あ、律子さんも来ますよね」
あずさ「というか、来てくださいね」
律子「うっ……足にはなってあげますからおごってくださいよ?」
38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:45:22.75 ID:qXeH2EIHo
響「こ、こら、出て来ちゃ駄目だぞ!」
伊織「ちょっと、連れて来ちゃったの?」
P「ん? どうした二人とも?」
山崎「ハム蔵君っていうんだね、今ごはん用意してあげるよ。ははは、ごめんね、ひまわりの種はないんだ」
響「こら! そんなわがまま……え?」
伊織「響、あんたハム蔵の事紹介してたわけ?」
響「いや、自分、ハム蔵にはポケットから出ないように言っておいたし……」
やよい「ひろみさん、もしかしてハム蔵が何て言ったか分かるんですかぁ?!」
山崎「『昼飯を食わせろ。ゆでキャベツでもいいけどひまわりの種はないのか?』って言ったんだよね」
響「す、すごい! 正解だぞ!」
美希「やけに偉そうなの」
伊織「なんでこっち見るのよ!」
39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:48:04.29 ID:qXeH2EIHo
やよい「うっうー! 沖縄の人ってすごいです!」
野明「もしかして、響ちゃんも動物の言葉が分かるの?」
響「はい! でも、自分以外にもハム蔵の言葉分かる人がいるとは思わなかったさー!」
太田「そうか、そういう事だったのか……」
亜美「そっか、沖縄の人にとっては動物との会話は初期スキルなんだね」
真美「ひびきんだけの特殊能力って訳じゃなかったんだね」
響「なんだかすごい誤解されてるぞ……」
遊馬「実際ひろみちゃんは誤解されやすいんだよな」
野明「体は大きいけどやさしいもんね。動物の知識もあるし、ここで家庭菜園でトマトも育ててるし」
やよい「そうなんですかぁ? 私、家庭菜園が趣味なんですよぉ」
山崎「そうなんだ。午後ビニールハウスを見せてあげるよ」
やよい「本当ですかぁ? うっうー! 楽しみです!」
P「みんな、おしゃべりも良いけど箸も動かすんだぞ。あまり遅くなると迷惑だぞ」
40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:48:45.21 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 整備ハンガー】
後藤「さて、午後は各自の作業をアイドルとこなしてもらう」
野明「私と太田さん、シゲさんはイングラムの点検だね」
熊耳「私は篠原巡査、進士巡査と訓練中のデータをまとめます」
山崎「あの、ぼくは鶏たちとトマトの世話をしてもいいでしょうか?」
後藤「ま、いいだろう。765さんの方は何か問題ある?」
P「いえ、特には。あ、それと……」
後藤「あぁ、例の件は榊さんに了解もらって準備してもらうから」
律子「打ち合わせ、15時位からで大丈夫ですか?」
後藤「うん、それくらいには準備も終わるって話だ」
律子「了解。アイドル達には伝えてありますから」
遊馬「あの、隊長? 何かあったんですか?」
後藤「765さんと予定の打ち合わせをな」
熊耳「それでは、アイドルの皆さんは各担当者に付いて行って下さい」
41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:51:09.96 ID:qXeH2EIHo
【???】
???『予定通り動かなかったら、どうなるか分かっているな?』
???「そう心配しなさんな。ちゃーんと約束は守るよ」
???『ふん。予定通り行けばディスクも渡してやろう』
???「やっぱりやめます、ってのはナシだよ」
???『ほぅ。私を脅すつもりか?』
???「脅すだなんてとんでもない。でもね、約束は守ってもらわないと。じゃないと……」
???『じゃないと、なんだ?』
???「これからもお仕事は続けたいでしょ? おたくも」
???『貴様……。まぁいい。結果に関わらず回収できればディスクは渡す。それでいいな?』
???「うんうん、人間素直が一番だよ。それじゃ、頑張ってくれたまえ。それじゃね」
???「そういた事は我々がやると以前にも言ったはずですよ、課長」
???「まぁまぁ。たまにはこうやってお金稼ぎをしてみたくもなるものさ。サラリーマンとしてはね」
???「ディスク回収は、今となっては必要ないのでは? 余計な接点をこれ以上作るのは危険です」
???「保険だよ、保険。格安で売ってあげたんだ。騒ぎはちゃんと起こしてくれないと」
???「しかし、奴の私怨の為にこちらがひきつけ役になるというのは」
???「それこそが目的だよ」
???「まさか、第一小隊の新型機とやりあうのが目的だと?」
???「そ。品定めだよ。我々のデモンストレーションの相手としてAVS-98はどうなのか、というね」
???「まさかグリフォンを出すつもりですか?」
???「それはちゃんとお相手が決まってからさ」
???「奴は我々のひきつけ役をこなせますか?」
???「心配性だな黒崎くんは。大丈夫、彼もプロダクションの社長だ。それくらい上手くやってくれるさ」
42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:51:54.48 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 整備ハンガー】
春香「うわぁ……ボタンとかモニターがいっぱい……!」
太田「なんだ、お前たちレイバーの操縦席を見るのは初めてか?」
真「はい! これを操作してあんな動きが出来るんですよね!」
野明「そうだよ。手足のように操るのは難しいんだから」
千早「そうでしょうね。私にはとても無理だわ……」
貴音「まこと、複雑なものなのですね、れいばぁという物は」
野明「本当は座らせてあげたいんだけど、ごめんね」
春香「いえ、そんな! 壊しちゃったら大変だし」
真「操縦席って結構狭いんですね」
野明「そうでしょ? 乗馬の機種とレイバー乗りは小さい方がいいんだって。隊長が言ってた」
真「実際操縦席見ると分かる気がするなぁ……あれ、点検終わりですか?」
野明「うん、後は整備の人達しかできないから。太田さん、そっちは終わった?」
太田「おぅ。終わったぞ」
野明「よし。それじゃこっちはこれだ」
春香「それは……雑巾、ですか?」
野明「うん。出来るだけ綺麗にしてあげようと思って、よくこうして掃除するんだ」
真「それなら僕にもできます! 手伝ってもいいですか?」
春香「私もやります!」
野明「それじゃ、上は私がやるから足に付いた泥をブラシで落としてもらえる?」
43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:52:25.45 ID:qXeH2EIHo
太田「よーし、それじゃこっちもやるか。お前たち、ツナギは……着ているな」
貴音「さきほど斯波殿に用意して頂きました。して、わたくし達もこれから掃除を?」
太田「掃除は掃除でも、銃の分解クリーニングをする」
千早「銃、ですか……なんだか怖いです」
太田「武器だから当然だろう。だが、クリーニングもせずに使い続ける方がよっぽど怖い」
貴音「なるほど、それは一理ありますね」
太田「俺が銃が好きだというのがない訳ではないが」
千早(やっぱりそういう理由もあるのね)
太田「お前たちが仲間を大切にしているのは見ていてよくわかる。歌やダンスの練習も相当しているんだろう」
貴音「ありがとうございます」
太田「それはそれで大切にしろ。だがな、道具はどうだ?」
千早「道具……ですか?」
太田「歌やダンスと言っても、衣装は必要だし、覚えるための音楽プレーヤーも必要だろう」
貴音「確かに、その通りです」
太田「そういった道具も、大切なお前たちの仲間だ。大切にしてやれ」
千早「言われてみれば……普段使う道具は道具としか見ていなかったです。機械とか、苦手ですし」
44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:53:34.31 ID:qXeH2EIHo
シゲ「これをイングラムも大切に扱ってくれる人が言ってりゃ少しは説得力あるんだけどね」
太田「な、なにおぅ?」
千早「シゲさん、いつの間に?」
亜美「おシゲちんにイングラムの整備見せてもらったんだよ」
真美「真美たちもちょっと手伝ったんだよ」
あずさ「あら、千早ちゃんたちは鉄砲のおそうじ?」
貴音「えぇ。太田殿から道具も大切にするようにと教えていただいていたところです」
シゲ「ま、太田ちゃんが言ってる事は間違っちゃいないよ」
野明「太田さんが言うからちょっと説得力ないかもしれないけどね~」
太田「泉、貴様ぁ!」
貴音「太田殿、今はそれよりも分解掃除の方が先では?」
千早「やり方を教えてください」
太田「……お、おぅ。二人とも軍手をはめてこっちに来い」
野明「あの太田さんをこうも上手く鎮めるなんて、さすがアイドルだよね」
亜美「アイドルが、というかお姫ちんと千早お姉ちゃんがさすが、って感じだよね」
真美「さすがの太田ちゃんもタジタジ、ですな」
シゲ「どこでそんな言葉覚えてくるんだろうね、この子たちは……」
45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:02:51.12 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 ニワトリ小屋】
やよい「うわぁ、これ全部ひろみさんが飼ってるんですかぁ?」
ひろみ「ぼくが、というか、特車二課で、かな。世話はほとんどぼくがやってるけどね」
響「あ、玉子があるぞ!」
ひろみ「これが、ここでは貴重な栄養源なんだ」
やよい「分かります! 玉子があるとないとじゃ大違いですもんね!」
響「確かに、一人暮らしだとそれはすごい分かるぞ!」
ひろみ「近くに食料品店があればいいんだけど、周りは何もないからね」
やよい「お仕事以外の部分も大変なんですね」
響「おなかが空いたらその仕事もできないもんな!」
ひろみ「そうだね……だから食べ物とか食中毒とかは注意しないといけないんだ……」
やよい「ひろみさん?」
ひろみ「な、なんでもないよ。さ、次はトマト畑を見せてあげよう」
46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:03:29.80 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 電算室】
律子「へぇ~、これがさっきの訓練中の動作データですか」
進士「はい。イングラムにはカメラも付いてますから、搭乗者視点での動画もあるんです」
遊馬「まぁ見ても分からん……えーと、秋月さんと音無さんは分かっちゃいそうだからあんまり見ないでね」
小鳥「なんでですか?!」
律子「まぁこういう場所にはあんまり入れてくれるものじゃないですしね。分かりました」
遊馬(分かっちゃいそうって点は否定しないのな)
伊織「地味な作業よね~」
美希「こんな数字ばっかり見てて飽きないの? 美希だったら飽きて寝ちゃうって思うな」
遊馬「あのね、お仕事だから面白かろうがつまらなかろうがやらにゃならんの」
熊耳「練習内容を分析してより良い動きが出来るよう次に生かす。あなた達にも無縁の話ではないとおもうわ」
P「そうだぞ。レッスンの時に先生や俺と律子がやってることと同じなんだぞ」
美希「あ、そっか……」
47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:03:57.83 ID:qXeH2EIHo
律子「自分でもある程度は分かるけど、客観的に見ないと分からない部分の方が多いものよ」
雪歩「確かに、自分では出来たと思っても先生に指摘されちゃうことはよくありますぅ……」
伊織「律子なんて重箱の隅をつつくように見つけてくるのよね」
律子「あのね。本人はそう思っても、傍から見ると目立つものなの」
遊馬「その通り。とは言っても……今回のはなぁ」
進士「太田さん瞬殺されましたからね。それまではいつもの猪突猛進ですし」
遊馬「突撃スピードは速くなっていってるけどな」
熊耳「そればかり速くてもしょうがないわ」
進士「対する泉さんの方は、体捌きのスムーズさはさすがですね」
遊馬「相手が太田みたいな単純な動きだと、迷うことなく動けるんだろうな」
熊耳「次は射撃訓練のデータをみてみましょう。篠原君、お願い」
48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:04:55.41 ID:qXeH2EIHo
小鳥「あの、ずっと気になっていたんですけど、篠原さんってもしかしてあの篠原重工の?」
遊馬「そ。『その』篠原重工の社長が俺の親父」
小鳥「やっぱり! イングラムにも詳しいしもしかして、って思ったんです」
律子「それじゃ、なぜ警察官に?」
伊織「2人とも、その辺にしときなさい。あんまり踏み込んだ事は聞くもんじゃないわよ」
小鳥「え?」
伊織「家がどうであれ、今は警察官なのよ。『あの篠原社長の息子がなぜ』なんて聞き方しちゃ失礼じゃない」
P「伊織、お前……」
小鳥「そうよね。私ったらつい……ごめんなさい、篠原さん」
律子「私も……申し訳ありませんでした」
篠原「あーあー、そんな謝るほどの事じゃないって」
伊織「な、なによ?! それじゃ私がまるで――」
遊馬「俺と伊織ちゃんはちょっと休憩してきまーす!」
伊織「ちょっと?! 何よ急に?! しかもなんで2人だけで?!」
熊耳「……隊長が宿直室の冷蔵庫にジュースを用意してたわ。連れて行ってあげて」
49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:06:11.46 ID:qXeH2EIHo
【宿直室】
篠原「ほれ」
伊織「あ、ありがとう……あんた、もしかして私に何かするつもりじゃないでしょうね」
篠原「ありがとな」
伊織「な、何がよ」
篠原「まさか君からフォローが入るとは思わなかったんだよ」
伊織「……私も、あんたと同じだからよ」
篠原「それじゃやっぱり水瀬って、あの水瀬か」
伊織「その水瀬よ。『あの水瀬のお嬢様がなぜアイドルに?』なんて腐るほど聞かれたわ」
篠原「だろうな。注目度もただの警察官とじゃ大違いだろう」
伊織「私は、『水瀬財閥のお嬢様』じゃなくて、『水瀬伊織』なのよ」
篠原「そう思われるもんだよな。上が立派ならますますだ……っと、水瀬家の事情は知らないぞ?」
伊織「……私はアイドルとして見てほしい。自分がそう思うから、ああいう質問はされたくないわ」
50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:06:59.77 ID:qXeH2EIHo
篠原「でもTVに出りゃそうもいかんだろう」
伊織「もちろん答えは用意してあるし、笑顔で答える自信もあるわ」
篠原「なるほど、しっかりしてるんだな」
伊織「当り前よ。トップアイドルの地位を自分の力で手に入れて、パパやママ、兄さん達に見せつけてやるんだから」
篠原「そうか。伊織ちゃん」
伊織「何よ?」
篠原「兄さんたち、大切にするんだぞ」
伊織「べ、別に私が大切にしなくたって……」
『渋谷区神南にて暴走レイバーによる101発生! 特車二課第一小隊はただちに出動せよ!』
伊織「こ、このサイレンは?」
篠原「第一小隊に出動命令が出たんだよ。俺らもいったん戻ろうぜ」
51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:08:29.64 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 整備ハンガー】
春香「さっきの放送から出動まであっという間でしたね」
シゲ「そりゃそうよ。事件事故は待ってくれないんだよ。ぐずぐずしてらんないの」
真「第一小隊の隊長さんって女性の方なんですね」
千早「さっき指示をだしてた女性ですか?」
野明「南雲しのぶ警部補。怒ると怖いんだよ~」
亜美「でもかっこよかったよね~」
真美「後藤隊長よりももっと隊長してたよね~」
野明「それは……なんとなくわかる気がするなぁ」
後藤「ここにいたか。泉。第二小隊のメンバーを会議室に集めろ」
野明「何かするんですか?」
後藤「765プロの皆さんは今から取材だ。その間、ちょっとミーティングをな」
野明「了解。それじゃ、みんなを集めておきます」
後藤「さて、765プロの人たちは隊長室に来てちょうだい。例の件の打ち合わせをするから」
貴音「例の件……なるほど」
春香「うわー、なんだか緊張してきた」
P「普段通りやれば大丈夫だろ。ほら、俺たちも行こう」
52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:09:21.69 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 会議室】
熊耳「全員揃ったわね」
遊馬「あれ、隊長がいないぞ」
熊耳「隊長は765プロや取材記者の方と打ち合わせだそうよ」
野明「あの、それで打ち合わせっていうのは?」
熊耳「打ち合わせというか、口止めね」
太田「今日の事は記事になるまで他言無用という事でありますか?」
熊耳「一言で言ってしまえばそうね」
進士「この手の取材が入るなら当然ですね」
熊耳「特に今は情報発信手段がさまざまありますからね、十分注意してちょうだい」
遊馬「日記のつもりで書いた事が全世界に広まっちまうもんな」
山崎「怖い世の中になったものですねぇ」
野明「あの、それは分かりましたけど、他には?」
熊耳「後は、今日の訓練の反省と今後の訓練計画についてね」
進士「データは一応まとめて持ってきましたよ」
熊耳「それじゃまず射撃訓練から。1号機のデータを見せてちょうだい」
遊馬「これですね。えー、まず問題点として――」
53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:10:57.79 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 隊長室】
後藤「さて、当初予定していたサプライズライブだが」
亜美「ま、まさか中止?!」
真美「え~?! 真美めっちゃ気合いれてきたのに!」
P「お前らな……話は最後まで聞きなさい」
後藤「当初の予定時間を短縮してもらう事になりそうなんだわ」
小鳥「第一小隊が出動しましたもんね」
後藤「そういう事だ。何かあるとも限らんし、30分位で考えてちょうだい」
律子「曲は何個か飛ばさないといけないですね。今セットリストを――」
P「それなら、これでどうかな」
律子「あ、すいません。……え? これって……」
響「あれ? 曲目少ないぞ?」
貴音「もしや、短縮版なのでは?」
P「出動があるかもしれないって聞いてたからな。事前に何種類か用意してたんだ」
千早「なるほど、これなら30分で収まる内容ですね」
伊織「もぅ! それならそうと最初に言っておきなさいよね!」
54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:11:48.99 ID:qXeH2EIHo
P「いきなり変わるかも、なんて不安要素を事前に伝えたくなかったし、それに――」
春香「それに?」
P「お前たちなら、急に予定変わっても何とかしてくれるだろう、って信頼してるからな」
春香「プロデューサーさん……」
伊織「ふん、当たり前じゃない。私を誰だと思ってるのよ」
美希「でこちゃん、顔が赤いの」
伊織「う、うるさいわね!」
やよい「それじゃ、わたしたちもがんばらなきゃですよね!」
律子「さ、そうと決まれば各自準備はじめて!」
P「では、シゲさん、すいませんが場所をお借りします」
シゲ「はいはい。音響も照明もバッチリよ」
亜美「さっすがおシゲちん、出来る男は違いますな」
真美「整備員のカガミですな」
シゲ「でしょ? でしょ? もっと言ってもっと言って!」
P「最初とはうって変わって仲良しになったなぁ」
後藤「波長が同じなのかもしれないよ」
春香「あ、なんとなくわかるかも」
55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:12:14.85 ID:qXeH2EIHo
『13号埋立地内にて暴走レイバー出現! 特車二課第二小隊はただちに出動せよ!』
律子「13号埋立地って……ここですよね」
後藤「アイドル各員は荷物を持って会議室へ移動しろ。場所は分かるか?」
律子「はい。さっき電算室に行く途中にありましたから」
P「全員、荷物をまとめろ。律子と雪歩は亜美、真美、伊織、やよいと先に会議室へ」
律子「分かりました。みんな、いくわよ。吉澤さんも行きましょう」
P「音無さんは社長へ連絡を」
小鳥「はい。無事だと伝えておきますね」
P「残ったみんなで協力して荷物をまとめよう」
春香「分かりました!」
56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:15:50.41 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 整備ハンガー】
後藤「暴走レイバーだが、どうもこちらに向かっているらしい」
遊馬「隊長! 暴走レイバーの機種は?」
後藤「遠くからのシルエットで見た限りでは、タイプ7に似ているとの事だが、詳細は不明だ」
太田「ブロッケンだと?!」
熊耳「あれで終わりではなかったという事ですか?」
野明「まさか、特車二課が標的なんじゃ……」
後藤「その可能性は非常に高い。泉、太田はイングラムに搭乗。レイバーキャリアには載せずに外に出せ」
野明「了解!」
遊馬「ここで迎え撃つんですか?」
後藤「そうせざるを得ないだろう。進士、山崎はレイバーキャリアで整備ハンガーの入り口をふさげ」
進士「了解しました」
後藤「篠原と熊耳は指揮車を出した後、暴走レイバーの型式を確認しろ」
熊耳「了解しました」
57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:17:46.89 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 会議室】
P「この荷物で最後だな。こっちの状況は?」
小鳥「社長とは連絡が取れました。定期的にこちらの状況を伝えることにしますね」
P「お願いします」
律子「やっぱりみんな動揺はあるみたいですね。やよい、雪歩は特に」
千早「春香や伊織のおかげでだいぶ落ち着きましたけど」
小鳥「間近で本物の事件が発生したんだもの、無理もないわ」
P「よし、みんな、聞いてくれ」
真「プロデューサー! 今外の状況はどうなってるんですか?」
P「落ち着け。今、後藤さんたちが出動した所だ。犯人はこちらに向かっているらしい」
雪歩「やっぱり……」
P「おそらく初めての経験だろうし、怖い気持ちもよくわかる。でも、第二小隊の人達はもっと危険な所にいる」
春香「野明さん達、これから暴走レイバーを止めなきゃいけないんだ」
P「さっきまで一緒に居て、一緒にご飯も食べた人達が今は俺たちを守ってくれているんだ」
やよい「ひろみさん、私たちよりもずっと怖い思いしてるんだ……」
58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:18:50.59 ID:qXeH2EIHo
P「だから、今は彼らを応援し、今俺たちが出来ることをしよう」
あずさ「出来る事、ですか?」
貴音「はて、今は待つ以外に出来る事など……」
P「お前たちは今日最後に何をする予定だ?」
律子「当初の予定ではサプライズライブを――まさか?!」
P「後藤隊長からは中止の要請は来ていない。もちろん、状況的に中止になるかもしれないがな」
春香「そっか。予定通りやることになってもいいように準備しておかなきゃ、ですよね!」
P「その通りだ。おそらく30分も時間が取れないと思う。後はみんながやれる状態かどうか、だが」
亜美「そんなん聞くまでもないっしょ」
真美「真美たち、プロなんだかんね」
P「分かってるさ。お前たちならどんな状況だろうがやってくれるって信じてるからな」
59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:20:07.87 ID:qXeH2EIHo
律子「よーし、そうと決まれば準備はじめるわよ!」
春香「千早ちゃん、セットリストある? 曲はもっと減らさないといけないかも」
千早「ここにあるわ。2,3曲位で考えておいた方がいいかもしれないわね」
美希「短縮版にすればもっと出来るかもしれないの」
真「時間次第だなぁ。最悪、全員で歌えるの1曲になるかもしれないよ」
亜美「その辺は、第二小隊の頑張り次第だね。うんうん」
真美「お手並み拝見といきますか」
伊織「あんた達、何を偉そうに……」
律子「それじゃ、3パターン位で考えておきましょう」
貴音「響。わたくし達は衣装を確認しておきましょう」
響「わかったさー!」
やよい「響さん、私も手伝います!」
雪歩「私はメイク道具の準備を……」
あずさ「雪歩ちゃん、私も手伝うわ」
60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:20:39.39 ID:qXeH2EIHo
小鳥「さすが、ですね」
P「ええ。今までいろいろなトラブルを乗り越えて来ましたからね。これが本来の彼女たちの姿ですよ」
小鳥「プロデューサーさんが、ですよ」
P「え?」
小鳥「さっきまでただの不安そうな女の子だったのに、プロデューサーさんの一言でみんなプロの顔になっちゃいましたよ」
P「それは彼女たちが凄いんであって、俺はすごくないですよ」
小鳥「そうですか?」
P「ええ。もっとも、後藤さんに会う前の俺だったら今と同じことは出来ないかもしれないですね」
小鳥「それじゃ、プロデューサーさんも成長したって事ですね」
P「そうみたいです。さて、俺たちは夕方以降のスケジュール確認をしておきましょうか」
小鳥「そうか、いつここから出られるかわからないですもんね」
P「アイドル達の予定はいれていなかったはずですけど、それ以外は?」
小鳥「今スケジュール帳出しますね。えーと――」
61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:21:42.13 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 埋立地】
太田『おんがああああああ!』
熊耳「太田くん、もう少しそのまま押さえつけて!」
遊馬「野明、相手がブロッケンじゃ太田機もいつまでも持たんぞ! 早く警棒ぶっ刺しちまえ!」
野明『分かってる! 太田さん、行くよ!』
太田『早くしろ泉ぃ!』
野明『 えいっ! あっ!』
太田『こここ、殺す気か貴様ぁ!』
野明『ご、ごめん! 滑っちゃった!』
遊馬「何やってんだ! 装甲分厚いんだから関節部を狙えって言っただろう!」
野明『太田さん、もう一回行くよ!』
太田『ぬおおおおお! 次外したら承知せんぞ!』
62:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:22:27.48 ID:qXeH2EIHo
野明『よし、やった!』
遊馬「隊長、活動の停止を確認しました!」
後藤「よし、あとは機動隊が突入できるようそのまま押さえておけ」
熊耳「了解。太田くんはそのまま押さえておいてちょうだい」
太田『了解であります! しかし、今回は煙は出さないな』
野明『故障しちゃったのかな』
太田『案外、今までのブロッケン事件とは無関係かもしれんぞ』
遊馬「野明、一応周囲の確認しとけよ。仲間がいるっていうパターンかもしれん」
野明「了解。あ、第一小隊が戻ってきたよ」
遊馬「向こうもあっさり終わったみたいだな」
63:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:23:40.19 ID:qXeH2EIHo
後藤「各員、犯人は機動隊により確保された。ごくろうさん」
遊馬「隊長、このブロッケンはどうしますか?」
後藤「とりあえずそのままにしておけ」
遊馬「了解。野明、イングラムはそのままハンガーに入れちまえ」
熊耳「太田くんもね」
野明『了解』
後藤「まさかブロッケンとはな」
熊耳「一連のブロッケンによる犯行と関係があると見たほうがいいのでしょうか?」
後藤「黒いレイバーが出てきてからぱったりなくなったのに、今更か?」
熊耳「それは、確かに気になりますが」
後藤「それにあいつの動きは、明らかにイングラムは眼中になかった」
熊耳「確かに、建物に近づこうとしていましたね」
後藤「単純な暴走事件じゃないだろうな、どっちにしろ」
64:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:24:32.64 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 会議室】
後藤「みんな、いる?」
P「後藤さん! 暴走レイバーは?」
後藤「無事捕まえた。人員に損害はなかったし、レイバーも大きな損壊はなかった」
春香「よ、よかったぁ……」
律子「ありがとうございました」
後藤「いやいや、お仕事をしただけだから」
亜美「お疲れ様でした隊長!」
真美「無事なご帰還、なによりであります!」
後藤「はいはい。それはそうと、準備、出来てる?」
美希「それじゃ、ライブやれるの?!」
65:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:25:19.82 ID:qXeH2EIHo
後藤「時間は短くしてもらいたいけど、やること自体は構わないそうだ」
P「すいません、無理をさせてしまって」
後藤「ま、課長からの指示でもあるから」
P「なるほど……。分かりました。こちらはいつでも準備OKです」
後藤「了解。それじゃ、10分後位に下に来てちょうだい」
真「それじゃ、春香。いつものお願い」
春香「みんな、時間は短いけど精一杯頑張ろう! 765プロー、ファイッ!」
一同「オー!」
66:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:26:15.86 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 整備ハンガー】
野明「これ……何か始まるの?」
太田「集まれって言われたきり隊長も姿を見せんぞ」
遊馬「第一小隊も整備班も全員集合かよ」
進士「あの幕、なんでしょうね?」
野明「何か隠してるのか?」
山崎「あ、幕があがりますよ」
遊馬「こ、これって……」
春香「特車二課のみなさん、こんにちは!」
あずさ「今日は、私たち765体験入隊の為に色々と教えていただき、ありがとうございました」
真「そのささやかなお礼の意味も兼ねまして!」
響「今からシークレットライブを開催しまーす!」
亜美「みんなが頑張って事件解決してくれたおかげだよ!」
真美「兄ちゃん姉ちゃん達に負けないくらい、頑張るからねー!」
貴音「短い時間ではありますが、最後まで楽しんでください」
67:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:27:04.54 ID:qXeH2EIHo
後藤「強制はしてないんだけど、凄い数集まっちゃったな」
P「普通のライブ顔負けの盛り上がりですよ。ありがとうございました」
南雲「うちの隊員も喜んでたわ。見ることも出来ないと思ってたみたいだし」
熊耳「ずっと周辺警備で、午後は出動でしたからね」
後藤「あれ、二人とも、前で見なくていいの?」
南雲「あの群衆の中に混ざって騒ぐ気力も体力も残念ながらないわ」
熊耳「こういう事には慣れていませんので、私もここで」
P「えーと、そちらは確か第一小隊の隊長さん、でしたよね?」
後藤「ちゃんと紹介してなかったか。こちら、第一小隊長の南雲警部補」
南雲「南雲です。よろしく」
P「765プロのプロデューサーです。今日はお世話になりました」
熊耳「それにしても、課長がよく許可しましたね」
後藤「むしろ逆だよ。課長から、極力行うようにとの指示が出たんだ」
南雲「例の週刊誌の件がまだ尾を引いてるのかしら?」
熊耳「イメージアップの為にやってもらう必要があると?」
後藤「いや、そうじゃない。もちろん、それもあるんだろうが」
P「それでは、なぜ?」
後藤「課長が、竜宮小町のファンなんだそうだ」
熊耳「……あぁ」
南雲「……そぅ」
68:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:34:15.53 ID:qXeH2EIHo
【???】
???「――それで、そのまま捕まったのか」
???「あぁ――分かった。――そんなもの放っておけ。役立たずに用はない」
???「――分かった。では、後は頼んだぞ」
???「高木め……次こそ……次は確実に……」
69:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:34:52.55 ID:qXeH2EIHo
【3ヶ月後 765プロ事務所】
春香「た、ただいまっ!」
真「グリフォンの事件、どうなりました?!」
小鳥「特車二課のイングラムが勝ったわ。監禁されていた隊員の人達も、無事解放されたわ」
春香「よ、よかったぁ……野明さん達、勝ったんだ……」
P「ほら、今ニュースで解説してるぞ」
『――イングラムの戦い方は素晴らしかったですよ。性能の劣る機体で戦うには、あれしかなかったでしょう』
あずさ「専門家がここまで褒めるなんて、すごいわね」
伊織「イングラム、頭も片腕も取れちゃってるじゃない……」
律子「相手がそれくらい凄かった、って事でしょうね」
亜美「あんなになってもギブアップできないんだもんね……」
真美「ケーサツのお仕事って、ほんと大変なんだね……」
春香「ここにいない子にも知らせてあげなきゃ」
真「みんな気にしてたもんね」
律子「さ、みんな。特車二課の無事も分かった事だし、お仕事しなきゃ」
P「春香と真はもう少ししたらインタビューな」
春香「了解です。場所はすぐ近くでしたもんね」
P「あぁ。真美は亜美と撮影が入ってたな」
真美「そだよ」
律子「その撮影のすぐ後から竜宮小町は歌番組の収録だからね」
亜美「らじゃー!」
P「よし、それじゃ今日の残りも気を引き締めていこうか!」
70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:36:05.00 ID:qXeH2EIHo
【数日後 特車二課 隊長室】
南雲「それじゃ、765プロが来た時の襲撃とグリフォンの一件は関係なかった、って事?」
後藤「容疑者がアイドル達のファンだった、って事以外喋らないらしく、それ以上の証拠がないんだって」
南雲「タイプ7なんてそうそうあるものじゃないわ。シャフトから提供されたと考えるのが自然だと思うけど」
後藤「盗難届が1件出てたみたいで、むしろこっちが被害者だ、って反応らしいよ」
南雲「真相は闇の中、って訳ね」
後藤「ま、下手に真相が出てきてごたごたするよりはよかったのかもしれないよ。765さんにとっても」
南雲「それって――いえ、なんでもないわ」
後藤「さわらぬ神になんとやらさ。さて、これでしばらくは暇に――」
『台東区下谷にて205発生、特車二課第二小隊はただちに出動せよ!』
南雲「ならないみたいね」
後藤「お仕事があってありがたいこと。それじゃ、行ってきます」
【終わり】
71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:45:16.34 ID:qXeH2EIHo
以上でパトレイバー×アイマスのクロスSS終了です。
見てくれた方、ありがとうございました。
72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:52:11.78 ID:PCXdCJGHo
乙~
面白かった
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1357444153/
【翌日 特車二課 事務所】
後藤「――という訳で、今日一日765プロの皆さんが第二小隊に体験入隊することになった」
太田「そ、それで誰が来るのでありますか?!」
野明「あの、真君は来ますか?!」
遊馬「あずささんは?! あずささんは来るんですか?!」
後藤「はいはい静かに。765プロ所属アイドルは全員来ることになっている」
野明「全員……」
後藤「あ、それにプロデューサー2名と事務員が1名、取材記者1名も同行する」
熊耳「大所帯ですね。警備は大丈夫でしょうか。いくらこことはいえ、ファンやマスコミが押し寄せると……」
後藤「あぁ。一応お忍びで来るらしいし、念のための警備は第一小隊にお願いしてある」
進士「第一小隊はとんだ貧乏くじですねぇ」
後藤「もっとも、これは上のえら~い人同士で決まった事だから、恨むならそっちを恨んでもらう」
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:13:55.06 ID:qXeH2EIHo
野明「しつもーん! 体験入隊って、どんなことしてもらうんですか?」
後藤「お前たちには普段通りの事をしてもらう」
遊馬「一日体験っていうと、もっとイベントとか制服着てパトロールとか」
後藤「ビデオカメラは入らないからな。そんな派手なことはせんだろう」
熊耳「とは言っても、ずっと事務所で書き仕事という訳にも……」
後藤「そうだな。午前中はイングラムを使っての訓練の見学、午後は、まぁ適当に中を案内しとけばいいだろう」
遊馬「そんな適当な……」
野明「全員来るんですよね。誰が案内とかするんですか?」
後藤「ここにいる1人につき2人、アイドルを受け持ってもらう」
野明「誰になるんだろう」
遊馬「その担当表ってありますか?」
後藤「それは、発表してからのお楽しみ」
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:14:20.14 ID:qXeH2EIHo
【第二小隊前正門】
P「よし、着いたぞ」
響「まわり、何もないんだ……」
春香「お店とかも何にもないね」
貴音「上海亭なるお店がありましたが……」
伊織「なんでこのスーパーアイドルの伊織ちゃんが警察の護送車両に乗らなきゃいけないのよ!」
亜美「んっふっふ、これから取り調べだよ真美」
真美「んっふっふ、モクヒしてかつ丼めっちゃお代わりしようね亜美」
真「悪い事してここに来た訳じゃないんだから……」
雪歩「やっぱり男の人ばっかりなのかなぁ……」
あずさ「美希ちゃん、着いたわよ」
美希「ん~、もう少し寝てるの……」
やよい「うっう~! 楽しみですぅ!」
律子「はいみんな、おしゃべりしてないで降りて!」
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:14:46.27 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 整備ハンガー】
後藤「や。みんなお元気そうで何より」
亜美「や。じゃないよ隊長! 亜美めっちゃ会いたかったんだよ!」
真美「そうだよ隊長! 真美だってすっごく会いたかったんだよ!」
P「こ、こら! お前ら俺が挨拶してからだろ!」
春香「お久しぶりです、後藤さん」
千早「お元気そうで何よりです」
律子「今日は1日、よろしくお願いします」
後藤「はい、よろしく。それじゃこっちから自己紹介を……どうした?」
野明「後藤隊長が……アイドルに好かれてる……」
遊馬「こんな……こんなことって……」
太田「えぇいうっとおしい! シャキッとせんかお前ら!」
熊耳「太田君の言う通りよ二人とも」
後藤「自己紹介、お願いね」
野明「は、はい。えーとじゃ私から――」
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:15:13.84 ID:qXeH2EIHo
熊耳「自己紹介は以上ですね?」
P「あとはアイドル以外を」
律子「私は竜宮小町のプロデュースを担当しています、秋月律子です」
P「私はそれ以外を担当してるプロデューサーです」
小鳥「主に事務を担当しています音無小鳥です。よろしくお願いします」
吉澤「私は今回の体験入隊の取材をさせていただきます、記者の吉澤です。よろしくお願いします」
熊耳「どうぞよろしく。吉澤さん、ご存じかと思いますが――」
吉澤「はい、あくまでもアイドル主体の取材です。レイバーやその他機密になりそうな点には触れません」
P「一応、765プロと第二小隊の方とで記事の事前チェックはできますので」
熊耳「了解しました」
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:15:39.75 ID:qXeH2EIHo
後藤「担当を発表する。アイドル諸君は担当者を先輩と思って行動するように」
野明「アイドルの後輩か……」
後藤「なお、担当アイドルの振り分けは恣意的な要素が入らないよう、くじ引きにて決めてある」
真「斬新な組み合わせになって面白そうって事かな」
遊馬「組み合わせ考えるのが面倒だっただけだろ」
春香「そ、そうなんですか? いや、確かにそうかも……」
後藤「泉巡査。担当アイドルは天海春香、菊地真」
真「うわぁ、あのパトレイバーのパイロットの方ですよね!」
春香「よろしくお願いします!」
野明「こちらこそよろしく。あ、あはは」
後藤「篠原巡査。水瀬伊織、秋月律子」
律子「えぇ?! 私もですか?」
後藤「なんで? 衣装来て舞台立ってたじゃない」
律子「あ、あれは、その……と、とにかくよろしくお願いします」
伊織「よ、よろしくおねがいしま~す」
篠原「はい、よろしく。……ちぇ、あずささんじゃないのか」
伊織「聞こえたわよ」
篠原「っ! アイドルを生で見れて嬉しいなぁ! って言ったの!」
伊織「にひひ、当然よ」
篠原(か、かわいくない奴)
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:16:27.29 ID:qXeH2EIHo
後藤「太田巡査、如月千早、四条貴音」
千早「よろしくお願いします」
貴音「太田殿、色々教えてくださいね」
太田「よ、よろしくおねがいいたします!」
後藤「お~、あがってるあがってる」
進士「赤面しちゃいますね……」
後藤「山崎巡査、高槻やよい、我那覇響」
響「よろしくおねがいします!」
やよい「よ、よろしくおねがいします……」
山崎「響ちゃん、同じ沖縄出身同士よろしく」
響「そうなのか? 訛ってないから分からなかったさー!」
山崎「やよいちゃんも、よろしく。後で、ここで飼ってる鶏も見せてあげるよ」
やよい「本当ですかぁ? よろしくお願いします!」
伊織「み、見た目の割に意外と優しいのね」
遊馬「ひろみちゃんは見た目で損してるんだよなぁ」
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:17:15.86 ID:qXeH2EIHo
後藤「進士巡査、星井美希、音無小鳥……あれ?」
小鳥「わ、私もですか?」
後藤「なんかリストに入っちゃってるけど、ま、いいか」
吉澤「取材には支障ありませんよ」
P「ま、そういう事なら……」
美希「よろしくなの!」
小鳥「あ、すいません、よろしくお願いします……」
進士「はい。こちらこそよろしくお願いします」
後藤「熊耳巡査部長、萩原雪歩、双海亜美、双海真美」
P「あれ、亜美と真美どこ行った?」
律子「もぅ! 仕事で来てるってのにあの子たちは!」
シゲ「ちょっと後藤さん?俺アイドル預かるって聞いてないっすよ?!」
亜美「ねぇ、ゲームとかないの?」
真美「あそぼうよおっちゃん」
シゲ「あのね! 俺には斯波繁男っていう名前がちゃんと!」
榊「なんでぇ、随分賑やかだな」
シゲ「お、おやっさ~ん! このガ……もとい、アイドルが入ってきて急に!」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:17:48.27 ID:qXeH2EIHo
榊「第二小隊で1日預かるって話だったな。ちょうどいい。シゲ、お前2人預かれ」
シゲ「えぇぇ?! ちょっと、おやっさん? 今日は整備の仕事だってあるし……」
榊「俺がやっといてやる」
シゲ「お、おやっさんが?!」
榊「それとも、俺の整備じゃ不満か?」
シゲ「と、とんでもない! えー、じゃ、その」
榊「そういう訳だ後藤さん」
後藤「はいはい。それじゃ、双海両名の代わりがいるな」
P「では俺がぜひ」
熊耳「よろしくお願いします」
P「こちらこそ、どうぞよろしく」
雪歩「よろしくお願いしますぅ」
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:18:30.14 ID:qXeH2EIHo
後藤「えーと、じゃシゲさんは双海亜美、双海真美、三浦あずさ」
シゲ「3人も?! いや、でもあずささんなら……でへへへ」
亜美「おじさんだね真美……」
真美「いかにも、って感じにの笑い方だね、亜美」
遊馬「ちょっと待った! 隊長、最初からシゲさんも頭数に入れてたんですか?」
後藤「いや、当初は俺も受け持つつもりだった。が。」
遊馬「が?」
後藤「1ヶ月も出向してる俺が受け持つよりは現場の人間に付けたほうが面白そうだろ?」
春香「え~? 私、後藤さんと会うの結構楽しみだったんですよ?」
あずさ「シゲさんが嫌という訳ではないですけど、ちょっと残念です~」
野明「でも、後藤さんとじゃ1日お茶飲んで終わっちゃうかも」
遊馬「絵にならんだろそれじゃ」
雪歩「わ、私はそっちの方がいいかもです……」
律子「あのね……いくら吉澤さんでも記事に出来ないわよ」
後藤「本人目の前にして言うねお前たち」
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:19:05.83 ID:qXeH2EIHo
あずさ「それじゃシゲさん、今日一日、よろしくお願いしますね」
シゲ「まっかせて下さい! ぬはははは!」
亜美「よろしく~!」
真美「いっぱい遊んでね!」
シゲ「あー、はいはい」
亜美「あ~、あずさお姉ちゃんの時と態度が違う!」
真美「ひどいよね。そんな悪い子にはオシオキが必要だよね」
シゲ「あ! こら! そのデータはいじっちゃ駄目だって! あああ!」
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:20:00.88 ID:qXeH2EIHo
後藤「では、午前中はイングラムを使っての訓練を見学してもらう。篠原」
遊馬「はいっ」
後藤「イングラムについて説明してあげなさい」
遊馬「了解。えー、98式AV、通称イングラム。全高8.02メートル、重量6.02トン」
春香「イングラムか……かっこいいな」
野明「えへへ、それほどでも」
進士「泉さんを褒めたんじゃありませんよ」
遊馬「動力SCB、駆動系にSCLMを採用。37ミリリボルバーカノン、――」
小鳥「スタンスティック等のオプション装備を自在に扱う器用さと、抜群の運動性能を誇る」
遊馬「え? あの、ちょっと?」
律子「見る者に与える心理的影響までも考慮して設計された、警察用パトロールレイバーである」
遊馬「――です。あの、隊長……」
後藤「こっち見られても、俺も知らないんだって。なんで詳しいのか」
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:20:42.37 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 埋立地 訓練場】
熊耳「では、今から射撃訓練を行います」
P「いきなりごっつい訓練だなぁ」
真「うわぁ、本物の銃ですよね! ……雪歩、大丈夫?」
雪歩「うん、大丈夫だと思う……ごめんね真ちゃん」
熊耳「萩原さん、駄目そうなら早めに申告して下さい。無理しないように、いい?」
雪歩「はい、ありがとうございます……」
遊馬「よーし、じゃ野明、準備はいいか?」
野明『うぅ、私これ苦手なんだよな……準備出来てるよー』
熊耳「では、みなさん、耳栓は配りましたが、一応手で耳をふさいで下さい」
律子「了解です。ほら、亜美と真美もちゃんと塞ぐのよ」
遊馬「それじゃ行きまーす。野明!」
野明『了解』
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:21:37.59 ID:qXeH2EIHo
美希「うるさいのー!」
響「すっごい音だぞ!」
真「これが本物の音かぁ!」
小鳥「やっぱりリボルバーカノンはいいですよねぇ」
律子「6発だけってのはつまらないですけどね」
進士「太田さんみたいなこと言わないで下さいよ」
野明『終わり! うぅ、みんなの前で撃つことになるなんて……』
遊馬「どれどれ。おー、前よりはマシになってるじゃないか」
あずさ「あんなに小さい的に当てちゃうのね~」
千早(他意はない……他意はないはずよ……)
熊耳「次、太田巡査。準備はいい?」
太田『いつでも大丈夫であります!』
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:22:33.76 ID:qXeH2EIHo
太田『がっはっは! 泉ぃ! 全弾的の中には入るようになったなぁ!』
千早(さっきからこの人、言動ががさつというか……)
野明『うぅ……緊張してなきゃもっと……』
太田『言い訳は見苦しいぞ!』
千早(本当にちゃんとした警察官なのかしら……)
熊耳「おしゃべりはその辺にして、そろそろ初めてちょうだい」
太田『了解しました!』
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:23:10.52 ID:qXeH2EIHo
春香「うっわ、おなかにまで衝撃が来る」
亜美「すっごいハクリョクだね、真美!」
真美「頭の中にまでチョー響いてくるよね亜美!」
進士「どれどれ。……相変わらず驚異的な命中率ですね」
遊馬「これで常識があればなぁ」
太田『聞こえとるぞ篠原ぁ!』
貴音「これは……このようなことが可能なのでしょうか……」
伊織「全弾ど真ん中に命中してるわ……」
やよい「すっごいですぅ!」
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:23:41.23 ID:qXeH2EIHo
千早「そんな……」
後藤「意外か?」
千早「っ! ご、後藤さん?!」
後藤「悪い悪い、驚かせたな」
千早「急に背後に立たないでください……。その、正直に言うと意外でした」
後藤「ま、言動があんなだからな、無理もないさ」
千早「同じイングラムでも、パイロットによる差は大きいんですね」
後藤「そりゃそうさ。お前さんたちアイドルと一緒だ」
千早「言われてみれば、確かに……」
後藤「一朝一夕で身に付く能力じゃないのも、な」
千早「あっ……!」
後藤「ま、この後は模擬戦だ。そっちもよく見てるといいよ」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:24:22.60 ID:qXeH2EIHo
遊馬「野明、準備はいいか?」
野明『いつでもいいよ! 汚名挽回してやるんだから』
熊耳「汚名は返上した方がいいわよ。太田君、準備は出来てる?」
太田『はっ! いつでも行けます!』
熊耳「それでは、はじめっ!」
遊馬『野明、どうせ突っ込んでくるから軽くいなしてやれ! 組み付かれるな!』
野明「分かってる!」
熊耳「太田君、相手は勢いを利用してくるわよ、むやみな突進は――」
太田『ぬおおおおおおおっと、どわああ!』
亜美「あ、こけた」
真美「そして押さえつけられた」
遊馬「勝ったな」
熊耳「……はぁ」
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:24:59.46 ID:qXeH2EIHo
千早「こ、こんなに素早く動けるものなの?!」
春香「すっごい……普通の人間みたいだったね……」
美希「ダンスだって踊れそうなの」
シゲ「ダンスか、簡単な振付なら出来ると思うよ。ちょっとゆっくりになっちゃうけど」
亜美「ほんと? ねぇシゲちん、踊ってよ!」
真美「そうだよ、真美シゲちんのダンス見たいよ~!」
シゲ「なんで俺なのよ?! っていうかそのシゲちんってのやめてもらえる?」
律子「そうよ、亜美、真美。もっと丁寧に言いなさい」
亜美「んじゃおシゲちん」
真美「ねぇおシゲちん、ちょっとだけでいいから~」
シゲ「あのね! 『お』を付けりゃいいってもんじゃないでしょうが!」
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:26:02.86 ID:qXeH2EIHo
熊耳「予定時刻よりはやく終わったわね」
進士「太田さんが瞬殺されましたからねぇ」
太田「ぬぅ~……!」
野明「へっへっへ~、柔よく剛を制す、だよ太田さん」
遊馬「隊長、残りの時間はどうしますか?」
後藤「そうだなぁ。熊耳、何か軽く出来るトレーニングはあるか?」
熊耳「そうですね……いつもの基礎動作訓練とか……でも取材映えはしませんね」
進士「穴を掘ったり埋めたりじゃますますつまらないでしょうしねぇ」
雪歩「穴堀ですか?!」
真「うわっ! 雪歩、いきなり反応しないでよ。するからびっくりしたじゃないか」
熊耳「萩原さんは、レイバーを使っての穴掘りに興味があるの?」
雪歩「はい! ぜひ見てみたいです! 何なら競争してもいいです!」
後藤(競争?)
熊耳「競争はともかく……隊長、よろしいですか?」
隊長「見たいって言ってるんだ。見せてあげたら?」
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:30:03.78 ID:qXeH2EIHo
野明「穴掘りか……アルフォンスが汚れちゃう……」
太田「何とも地味な訓練だな、おい」
小鳥「ぶー、そんなのヘラクレス21とかクラブマンにでもやらせときゃいいのに」
律子「ここはいっそ90mm連装ライアットガンを使っての実践訓練とか」
P「お前らは何を言ってるんだ」
太田「隊長! 2人の要望に応えるためにもぜひ!」
進士「あの、暴走警官を不用意に焚き付けないでほしいんですが……」
P「後でがっつり絞めときます」
後藤「太田、馬鹿な事言ってないでさっさと搭乗しなさいって」
熊耳「泉さん、太田くん、準備しなさい」
遊馬「道具がいるな。シゲさん、何かあります?」
シゲ「災害用にって確か用意してあるはずだよ。見てくるわ」
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:32:20.08 ID:qXeH2EIHo
後藤「えー、ただ穴を掘って終わりじゃつまらん」
遊馬「競争でもしますか?」
後藤「負けた方は勝った方に今日の昼食をおごる、という事にする」
野明「えー?!」
太田「よぉし。やる気が出てきたぞ!」
後藤「もちろん上海亭からの出前だ。アイドルはおごられるだけ、負けても何もなしな」
熊耳「隊長! 警察官という立場でそれは!」
後藤「まぁまぁ。軽いゲームみたいなもんだ。そう固くなるな」
吉澤「大丈夫、その辺は抜きで記事にしますよ」
律子「あの、雪歩は準備しなくていいのよ?」
雪歩「え?」
26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:32:58.13 ID:qXeH2EIHo
春香「野明さん、がんばってくださいね!」
真「ボクたち、応援してますからね!」
野明『おぅ! 絶対勝つからね!』
千早「あの、太田さん、頑張ってください」
貴音「負けは許されぬ戦です。太田殿、ゆめゆめご油断なさりませんよう……!」
太田『お、おぅ!』
進士「なんだか凄いプレッシャーを発してますね」
P「さてはラーメン狙いか……。負けたら食えないって訳でもないのに」
27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:33:59.78 ID:qXeH2EIHo
遊馬「それじゃいくぞー、よーい、はじめっ!」
野明『うりゃあああああ!』
太田『ぬおおおおおお!』
伊織「すごい勢いね」
進士「外部スピーカーで雄たけびを流す意味はあるんですかね?」
遊馬「気合と雰囲気の問題じゃないの?」
亜美「解説の萩原さん、ここまでの両者を見てどうですか?」
雪歩「野明さんの1号機は同じところだけ掘りすぎですね。丁寧さが仇になっている感じです」
真美「対する2号機はどうでしょう?」
雪歩「こちらは一見がさつにも見えますが、堀りはじめとしてはなかなかのスタートですね」
亜美「おおっと、ではすでに勝負は見えたと?」
雪歩「いえ、まだわかりません。両者が自重を考慮しているかどうかが勝負のカギです」
真美「なるほど~。現場からは以上です!」
亜美「いったんスタジオにお返ししまーす!」
P「いや、俺に返されても困るんだが……」
28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:35:33.81 ID:qXeH2EIHo
―――
――
―
雪歩「判定の結果、泉野明巡査の勝ちとします」
春香「なんで雪歩が判定を……」
進士「後半、太田さんが自沈して穴を埋めなければ勝てたんですけどねぇ」
雪歩「穴が深くなっても掘り方を変えなかったのが敗因だと思いますぅ……」
遊馬「弱気な言い方とは裏腹にバッサリ切り捨てたな」
太田「くそぉ……そもそも掘削用の為のレイバーじゃないだろうこいつは」
野明「へっへっへ、言い訳は見苦しいよ、太田さん?」
遊馬「太田の自爆が原因なんだ、浮かれるなよ」
29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:36:34.65 ID:qXeH2EIHo
P「う~ん、まぁレイバーを使っての掘削、と言ってしまえばそれまでだけど……」
律子「予想通り、取材映えしない内容ですね」
P「雪歩の希望を聞いてくれた結果な訳だし、そういう発言は駄目だろ」
吉澤「雪歩ちゃんがチラッと言ってたけど、アイドルとの穴掘り比べなんて面白そうだったけどな」
律子「人間が掘るとこれ位だけど、レイバーだとこんなに掘れるんですよ、っていう感じですか」
P「アリかもしれませんね。……えーと、雪歩? さっきから何を……?」
シゲ「一応あるスコップは全部持ってきたけどね。どれも一緒じゃないの?」
雪歩「この土だとケンスコがいいかなぁ……これは材質的に負けちゃいそうだし……」
響「なあ真、ケンスコって何だ?」
真「ボクに聞かれても……」
進士「あの、彼女は土木作業員じゃなくてアイドルなんですよね?」
律子「登録上はそうなっています」
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:37:37.04 ID:qXeH2EIHo
P「雪歩、準備はいいか?」
雪歩「いつでも大丈夫です」
P「制限時間はイングラムで掘った時と一緒だ。それじゃ、スタート!」
真「相変わらず凄い勢いで掘るなぁ」
太田「……なんだありゃあ」
野明「『なんだ』って……なんだろうね……」
進士「1分も経ってないのにもう穴に全身すっぽり入っちゃってますよ」
後藤「篠原、脱出用にロープ持ってきなさい。長ーいやつね」
篠原「そ、そんなのが必要になる位掘るつもりなんですか彼女は?!」
小鳥「イングラムと違って穴の中に入りながら掘れる分、深さを稼ぎやすいのかもしれないですね」
進士「そういう問題じゃないような気が……」
31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:38:25.55 ID:qXeH2EIHo
P「よし、そこまで!」
太田「……」
野明「……」
篠原「……ロープ、長さ足りねぇや」
律子「雪歩ー! 脱出できるー?」
雪歩「はい……今上がっていきますぅ……」
真「あ、上がってきた。おーい、遊馬さーん! ロープ要らなそうですよ!」
進士「スコップを手足のように使って穴を這い上がってきましたね」
雪歩「ふぅ……。すいません、計測をお願いします」
野明「いやぁ……」
篠原「計測するまでもないだろうこれ……」
太田「深さだけならイングラムが頭まですっぽり入るぞ」
雪歩「直径×深さの勝負にした方が良かったかもです……」
進士「いや、そういう問題じゃないと思いますよ、これ……」
32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:39:17.62 ID:qXeH2EIHo
後藤「という訳で、勝者、萩原雪歩!」
響「すごいぞ雪歩!」
やよい「ロボットに勝っちゃいました!」
あずさ「おめでとう、雪歩ちゃん」
真「やったね、雪歩!」
進士「アイドルの掘削能力を褒めるというのどうなんでしょうね?」
太田「ガテン系アイドルって奴か」
シゲ「聞いたことないよそんなアイドル」
伊織「ちょっと、当初の企画の意図から外れちゃってるじゃない!」
律子「これは人を変えて再トライした方が良くないですか?」
P「そうだな。よし、千早。ちょっとスコップ持ってこっち来てくれ」
千早「わ、私ですか?」
P「スカートを穿いてる子だとちょっとまずいからな。すまんが、頼む」
雪歩「はい、千早ちゃん、スコップ。頑張ってね」
千早「え、えぇ……」
33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:40:01.34 ID:qXeH2EIHo
P「よーし、そこまで! 春香、お疲れ様」
千早「はぁ……はぁ……何で穴堀なんか……」
野明「安心した。普通の穴掘りだったね」
遊馬「あんな人間掘削機が二人もいてたまるかっての」
雪歩「こんな日もあるよ、気にしないで千早ちゃん」
千早「不調だったからという訳では……」
春香「千早ちゃん、お疲れ様……」
千早「ええ……」
熊耳「以上で穴掘り競争は終了します」
後藤「なお、敗者となった第二小隊全員で765プロの皆さんに食事をおごる事とする」
野明「異議なーし!」
遊馬「ま、しょうがないさ」
P「え?! そんな、自分たちの分はこっちで持ちますよ」
後藤「いいからいいから。素直に出されておきなさいって」
34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:40:58.96 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 食堂】
熊耳「みんな遠慮せずに食べてちょうだい」
一同「いただきまーす!」
真「こんなにたくさんの出前なんて大変そうですよね」
春香「全員で押し掛けちゃったもんね」
伊織「そもそも、こんな僻地に出前を持ってきてくれるお店があるなんて驚きだわ」
雪歩「あの、かなり無理させちゃったんじゃ……」
野明「これ位大丈夫。普段は特車二課ほぼ全員分の出前を毎日持ってくるんだから」
真「そんなに大きなお店には見えなかったんだけどな……」
シゲ「小さいよ。店主のおやじと出前の若いのが一人だけだから」
春香「え? 一人で作ってるんですか?」
野明「そうだよ。今日は他の人達とは注文別になったから、おじさんも楽だったんじゃないかな」
春香「実はすごいお店なんですね、あそこ」
篠原「だろ? あそこは我ら特車二課の生命線でもあるからな」
35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:42:11.76 ID:qXeH2EIHo
亜美「でもさ、毎日こ~んなにいっぱい料理作るんっしょ? 大変だよね、真美」
真美「そうだよね~。真美なら絶対いつか『むき~!』ってなっちゃうよ」
篠原「……まぁ、その、なんだ」
シゲ「そ、そうならないように常日頃の信頼関係は大切にしておかないと、ねぇ太田ちゃん?」
太田「おお、おう。遅いからって電話で怒鳴ったりとかはいかんぞ?」
亜美「しないよそんなこと~」
真美「そんな八つ当たりしたってしょうがないじゃん」
進士「だそうですよ、太田さん?」
太田「ぐっ……!」
響「ど、どうしたんだ? なんだか顔色悪いぞ?」
律子「もしかして午前中のトレーニングでお疲れとか?」
伊織「食中毒とかじゃないでしょうね?」
シゲ「なななななななんてこと言うかなこのおデコちゃんは!」
伊織「デコちゃん言うな!」
篠原「そうそう! 犬が舐めた食器で食事しない限りそんなことはないって!」
野明「あのさ……動揺のせいで半分位語っちゃってるよ二人とも」
千早「あの、過去に何か?」
熊耳「何でもないわ。今回の食事は食中毒等も問題はないから、安心して食べてちょうだい」
36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:43:46.28 ID:qXeH2EIHo
野明「そうそう、遠慮しないで……わっ、貴音ちゃんは、味噌ラーメン大盛り?」
太田「食い切れるんだろうな? 残したらタダじゃおかんぞ?」
貴音「らぁめんを残すなどという愚挙、この四条貴音、決していたしません。では、いただきます」
太田「?!」
野明「早っ! もう食べ終わったの?」
進士「太田さんなんてくらべものにならないような食べっぷりでしたね」
貴音「大変美味でありました。ごちそうさまでした」
野明「あ、はい、お粗末様でした……」
貴音「千早。あなたもらぁめんをたのんだのですね」
千早「ええ」
貴音「おいしそうですね」
千早「ええ、とても美味しいわ」
貴音「それは良かった。おいしいらぁめんを曲者に盗られぬよう、わたくしが見ていてあげましょう」
響「こら貴音、ダメだぞ!」
千早「……えぇと、四条さん、一口食べてみる?」
貴音「まぁ、そこまで言うのであれば一口だけ」
響「あ~あ、千早、あんまり甘やかすと癖になっちゃうんだぞ?」
真「犬のしつけじゃないんだから……」
伊織「似たようなもんよ」
37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:44:41.74 ID:qXeH2EIHo
P「それはそうと、上海亭って中華料理店っぽかったですけど、おにぎりまであるんですか?」
進士「美希ちゃんが今食べてるのは熊耳巡査部長謹製おにぎりですよ」
小鳥「あわわ、巡査部長ともあろう人におにぎり作らせちゃった……」
熊耳「気にすることはないわ。お口に合うかどうかは分からいけど」
美希「とっても美味しいの!」
野明「おにぎりだけでいいなんて……もしかして中華料理は嫌いだった?」
美希「違うの。美希、おにぎりがと~っても好きなの!」
篠原「変わった奴……」
律子「そういえば進士さんも出前を取っていないようでしたけど」
進士「えへへ、僕はこれなんです」
美希「可愛いお弁当なの!」
春香「プロデューサーさん、愛妻弁当ですよ、愛妻弁当!」
P「うん、そうだな……でもなんで俺に言う春香?」
真「うわ~、桜でんぶでおっきいハートが」
進士「多美子さんが作ってくれるんです、あ、多美子さんって言うのは僕の奥さんの名前で」
春香「いいなぁ、そういうの羨ましい――小鳥さん、どうかしました?」
小鳥「……ふふふ……あずささん、今晩一緒に1杯どうですか?」
あずさ「えぇ、よろこんでおつきあいします~」
律子「今の二人にはふれてはいけない気がするわ……」
小鳥「あ、律子さんも来ますよね」
あずさ「というか、来てくださいね」
律子「うっ……足にはなってあげますからおごってくださいよ?」
38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:45:22.75 ID:qXeH2EIHo
響「こ、こら、出て来ちゃ駄目だぞ!」
伊織「ちょっと、連れて来ちゃったの?」
P「ん? どうした二人とも?」
山崎「ハム蔵君っていうんだね、今ごはん用意してあげるよ。ははは、ごめんね、ひまわりの種はないんだ」
響「こら! そんなわがまま……え?」
伊織「響、あんたハム蔵の事紹介してたわけ?」
響「いや、自分、ハム蔵にはポケットから出ないように言っておいたし……」
やよい「ひろみさん、もしかしてハム蔵が何て言ったか分かるんですかぁ?!」
山崎「『昼飯を食わせろ。ゆでキャベツでもいいけどひまわりの種はないのか?』って言ったんだよね」
響「す、すごい! 正解だぞ!」
美希「やけに偉そうなの」
伊織「なんでこっち見るのよ!」
39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:48:04.29 ID:qXeH2EIHo
やよい「うっうー! 沖縄の人ってすごいです!」
野明「もしかして、響ちゃんも動物の言葉が分かるの?」
響「はい! でも、自分以外にもハム蔵の言葉分かる人がいるとは思わなかったさー!」
太田「そうか、そういう事だったのか……」
亜美「そっか、沖縄の人にとっては動物との会話は初期スキルなんだね」
真美「ひびきんだけの特殊能力って訳じゃなかったんだね」
響「なんだかすごい誤解されてるぞ……」
遊馬「実際ひろみちゃんは誤解されやすいんだよな」
野明「体は大きいけどやさしいもんね。動物の知識もあるし、ここで家庭菜園でトマトも育ててるし」
やよい「そうなんですかぁ? 私、家庭菜園が趣味なんですよぉ」
山崎「そうなんだ。午後ビニールハウスを見せてあげるよ」
やよい「本当ですかぁ? うっうー! 楽しみです!」
P「みんな、おしゃべりも良いけど箸も動かすんだぞ。あまり遅くなると迷惑だぞ」
40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:48:45.21 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 整備ハンガー】
後藤「さて、午後は各自の作業をアイドルとこなしてもらう」
野明「私と太田さん、シゲさんはイングラムの点検だね」
熊耳「私は篠原巡査、進士巡査と訓練中のデータをまとめます」
山崎「あの、ぼくは鶏たちとトマトの世話をしてもいいでしょうか?」
後藤「ま、いいだろう。765さんの方は何か問題ある?」
P「いえ、特には。あ、それと……」
後藤「あぁ、例の件は榊さんに了解もらって準備してもらうから」
律子「打ち合わせ、15時位からで大丈夫ですか?」
後藤「うん、それくらいには準備も終わるって話だ」
律子「了解。アイドル達には伝えてありますから」
遊馬「あの、隊長? 何かあったんですか?」
後藤「765さんと予定の打ち合わせをな」
熊耳「それでは、アイドルの皆さんは各担当者に付いて行って下さい」
41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:51:09.96 ID:qXeH2EIHo
【???】
???『予定通り動かなかったら、どうなるか分かっているな?』
???「そう心配しなさんな。ちゃーんと約束は守るよ」
???『ふん。予定通り行けばディスクも渡してやろう』
???「やっぱりやめます、ってのはナシだよ」
???『ほぅ。私を脅すつもりか?』
???「脅すだなんてとんでもない。でもね、約束は守ってもらわないと。じゃないと……」
???『じゃないと、なんだ?』
???「これからもお仕事は続けたいでしょ? おたくも」
???『貴様……。まぁいい。結果に関わらず回収できればディスクは渡す。それでいいな?』
???「うんうん、人間素直が一番だよ。それじゃ、頑張ってくれたまえ。それじゃね」
???「そういた事は我々がやると以前にも言ったはずですよ、課長」
???「まぁまぁ。たまにはこうやってお金稼ぎをしてみたくもなるものさ。サラリーマンとしてはね」
???「ディスク回収は、今となっては必要ないのでは? 余計な接点をこれ以上作るのは危険です」
???「保険だよ、保険。格安で売ってあげたんだ。騒ぎはちゃんと起こしてくれないと」
???「しかし、奴の私怨の為にこちらがひきつけ役になるというのは」
???「それこそが目的だよ」
???「まさか、第一小隊の新型機とやりあうのが目的だと?」
???「そ。品定めだよ。我々のデモンストレーションの相手としてAVS-98はどうなのか、というね」
???「まさかグリフォンを出すつもりですか?」
???「それはちゃんとお相手が決まってからさ」
???「奴は我々のひきつけ役をこなせますか?」
???「心配性だな黒崎くんは。大丈夫、彼もプロダクションの社長だ。それくらい上手くやってくれるさ」
42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:51:54.48 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 整備ハンガー】
春香「うわぁ……ボタンとかモニターがいっぱい……!」
太田「なんだ、お前たちレイバーの操縦席を見るのは初めてか?」
真「はい! これを操作してあんな動きが出来るんですよね!」
野明「そうだよ。手足のように操るのは難しいんだから」
千早「そうでしょうね。私にはとても無理だわ……」
貴音「まこと、複雑なものなのですね、れいばぁという物は」
野明「本当は座らせてあげたいんだけど、ごめんね」
春香「いえ、そんな! 壊しちゃったら大変だし」
真「操縦席って結構狭いんですね」
野明「そうでしょ? 乗馬の機種とレイバー乗りは小さい方がいいんだって。隊長が言ってた」
真「実際操縦席見ると分かる気がするなぁ……あれ、点検終わりですか?」
野明「うん、後は整備の人達しかできないから。太田さん、そっちは終わった?」
太田「おぅ。終わったぞ」
野明「よし。それじゃこっちはこれだ」
春香「それは……雑巾、ですか?」
野明「うん。出来るだけ綺麗にしてあげようと思って、よくこうして掃除するんだ」
真「それなら僕にもできます! 手伝ってもいいですか?」
春香「私もやります!」
野明「それじゃ、上は私がやるから足に付いた泥をブラシで落としてもらえる?」
43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:52:25.45 ID:qXeH2EIHo
太田「よーし、それじゃこっちもやるか。お前たち、ツナギは……着ているな」
貴音「さきほど斯波殿に用意して頂きました。して、わたくし達もこれから掃除を?」
太田「掃除は掃除でも、銃の分解クリーニングをする」
千早「銃、ですか……なんだか怖いです」
太田「武器だから当然だろう。だが、クリーニングもせずに使い続ける方がよっぽど怖い」
貴音「なるほど、それは一理ありますね」
太田「俺が銃が好きだというのがない訳ではないが」
千早(やっぱりそういう理由もあるのね)
太田「お前たちが仲間を大切にしているのは見ていてよくわかる。歌やダンスの練習も相当しているんだろう」
貴音「ありがとうございます」
太田「それはそれで大切にしろ。だがな、道具はどうだ?」
千早「道具……ですか?」
太田「歌やダンスと言っても、衣装は必要だし、覚えるための音楽プレーヤーも必要だろう」
貴音「確かに、その通りです」
太田「そういった道具も、大切なお前たちの仲間だ。大切にしてやれ」
千早「言われてみれば……普段使う道具は道具としか見ていなかったです。機械とか、苦手ですし」
44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 20:53:34.31 ID:qXeH2EIHo
シゲ「これをイングラムも大切に扱ってくれる人が言ってりゃ少しは説得力あるんだけどね」
太田「な、なにおぅ?」
千早「シゲさん、いつの間に?」
亜美「おシゲちんにイングラムの整備見せてもらったんだよ」
真美「真美たちもちょっと手伝ったんだよ」
あずさ「あら、千早ちゃんたちは鉄砲のおそうじ?」
貴音「えぇ。太田殿から道具も大切にするようにと教えていただいていたところです」
シゲ「ま、太田ちゃんが言ってる事は間違っちゃいないよ」
野明「太田さんが言うからちょっと説得力ないかもしれないけどね~」
太田「泉、貴様ぁ!」
貴音「太田殿、今はそれよりも分解掃除の方が先では?」
千早「やり方を教えてください」
太田「……お、おぅ。二人とも軍手をはめてこっちに来い」
野明「あの太田さんをこうも上手く鎮めるなんて、さすがアイドルだよね」
亜美「アイドルが、というかお姫ちんと千早お姉ちゃんがさすが、って感じだよね」
真美「さすがの太田ちゃんもタジタジ、ですな」
シゲ「どこでそんな言葉覚えてくるんだろうね、この子たちは……」
45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:02:51.12 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 ニワトリ小屋】
やよい「うわぁ、これ全部ひろみさんが飼ってるんですかぁ?」
ひろみ「ぼくが、というか、特車二課で、かな。世話はほとんどぼくがやってるけどね」
響「あ、玉子があるぞ!」
ひろみ「これが、ここでは貴重な栄養源なんだ」
やよい「分かります! 玉子があるとないとじゃ大違いですもんね!」
響「確かに、一人暮らしだとそれはすごい分かるぞ!」
ひろみ「近くに食料品店があればいいんだけど、周りは何もないからね」
やよい「お仕事以外の部分も大変なんですね」
響「おなかが空いたらその仕事もできないもんな!」
ひろみ「そうだね……だから食べ物とか食中毒とかは注意しないといけないんだ……」
やよい「ひろみさん?」
ひろみ「な、なんでもないよ。さ、次はトマト畑を見せてあげよう」
46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:03:29.80 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 電算室】
律子「へぇ~、これがさっきの訓練中の動作データですか」
進士「はい。イングラムにはカメラも付いてますから、搭乗者視点での動画もあるんです」
遊馬「まぁ見ても分からん……えーと、秋月さんと音無さんは分かっちゃいそうだからあんまり見ないでね」
小鳥「なんでですか?!」
律子「まぁこういう場所にはあんまり入れてくれるものじゃないですしね。分かりました」
遊馬(分かっちゃいそうって点は否定しないのな)
伊織「地味な作業よね~」
美希「こんな数字ばっかり見てて飽きないの? 美希だったら飽きて寝ちゃうって思うな」
遊馬「あのね、お仕事だから面白かろうがつまらなかろうがやらにゃならんの」
熊耳「練習内容を分析してより良い動きが出来るよう次に生かす。あなた達にも無縁の話ではないとおもうわ」
P「そうだぞ。レッスンの時に先生や俺と律子がやってることと同じなんだぞ」
美希「あ、そっか……」
47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:03:57.83 ID:qXeH2EIHo
律子「自分でもある程度は分かるけど、客観的に見ないと分からない部分の方が多いものよ」
雪歩「確かに、自分では出来たと思っても先生に指摘されちゃうことはよくありますぅ……」
伊織「律子なんて重箱の隅をつつくように見つけてくるのよね」
律子「あのね。本人はそう思っても、傍から見ると目立つものなの」
遊馬「その通り。とは言っても……今回のはなぁ」
進士「太田さん瞬殺されましたからね。それまではいつもの猪突猛進ですし」
遊馬「突撃スピードは速くなっていってるけどな」
熊耳「そればかり速くてもしょうがないわ」
進士「対する泉さんの方は、体捌きのスムーズさはさすがですね」
遊馬「相手が太田みたいな単純な動きだと、迷うことなく動けるんだろうな」
熊耳「次は射撃訓練のデータをみてみましょう。篠原君、お願い」
48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:04:55.41 ID:qXeH2EIHo
小鳥「あの、ずっと気になっていたんですけど、篠原さんってもしかしてあの篠原重工の?」
遊馬「そ。『その』篠原重工の社長が俺の親父」
小鳥「やっぱり! イングラムにも詳しいしもしかして、って思ったんです」
律子「それじゃ、なぜ警察官に?」
伊織「2人とも、その辺にしときなさい。あんまり踏み込んだ事は聞くもんじゃないわよ」
小鳥「え?」
伊織「家がどうであれ、今は警察官なのよ。『あの篠原社長の息子がなぜ』なんて聞き方しちゃ失礼じゃない」
P「伊織、お前……」
小鳥「そうよね。私ったらつい……ごめんなさい、篠原さん」
律子「私も……申し訳ありませんでした」
篠原「あーあー、そんな謝るほどの事じゃないって」
伊織「な、なによ?! それじゃ私がまるで――」
遊馬「俺と伊織ちゃんはちょっと休憩してきまーす!」
伊織「ちょっと?! 何よ急に?! しかもなんで2人だけで?!」
熊耳「……隊長が宿直室の冷蔵庫にジュースを用意してたわ。連れて行ってあげて」
49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:06:11.46 ID:qXeH2EIHo
【宿直室】
篠原「ほれ」
伊織「あ、ありがとう……あんた、もしかして私に何かするつもりじゃないでしょうね」
篠原「ありがとな」
伊織「な、何がよ」
篠原「まさか君からフォローが入るとは思わなかったんだよ」
伊織「……私も、あんたと同じだからよ」
篠原「それじゃやっぱり水瀬って、あの水瀬か」
伊織「その水瀬よ。『あの水瀬のお嬢様がなぜアイドルに?』なんて腐るほど聞かれたわ」
篠原「だろうな。注目度もただの警察官とじゃ大違いだろう」
伊織「私は、『水瀬財閥のお嬢様』じゃなくて、『水瀬伊織』なのよ」
篠原「そう思われるもんだよな。上が立派ならますますだ……っと、水瀬家の事情は知らないぞ?」
伊織「……私はアイドルとして見てほしい。自分がそう思うから、ああいう質問はされたくないわ」
50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:06:59.77 ID:qXeH2EIHo
篠原「でもTVに出りゃそうもいかんだろう」
伊織「もちろん答えは用意してあるし、笑顔で答える自信もあるわ」
篠原「なるほど、しっかりしてるんだな」
伊織「当り前よ。トップアイドルの地位を自分の力で手に入れて、パパやママ、兄さん達に見せつけてやるんだから」
篠原「そうか。伊織ちゃん」
伊織「何よ?」
篠原「兄さんたち、大切にするんだぞ」
伊織「べ、別に私が大切にしなくたって……」
『渋谷区神南にて暴走レイバーによる101発生! 特車二課第一小隊はただちに出動せよ!』
伊織「こ、このサイレンは?」
篠原「第一小隊に出動命令が出たんだよ。俺らもいったん戻ろうぜ」
51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:08:29.64 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 整備ハンガー】
春香「さっきの放送から出動まであっという間でしたね」
シゲ「そりゃそうよ。事件事故は待ってくれないんだよ。ぐずぐずしてらんないの」
真「第一小隊の隊長さんって女性の方なんですね」
千早「さっき指示をだしてた女性ですか?」
野明「南雲しのぶ警部補。怒ると怖いんだよ~」
亜美「でもかっこよかったよね~」
真美「後藤隊長よりももっと隊長してたよね~」
野明「それは……なんとなくわかる気がするなぁ」
後藤「ここにいたか。泉。第二小隊のメンバーを会議室に集めろ」
野明「何かするんですか?」
後藤「765プロの皆さんは今から取材だ。その間、ちょっとミーティングをな」
野明「了解。それじゃ、みんなを集めておきます」
後藤「さて、765プロの人たちは隊長室に来てちょうだい。例の件の打ち合わせをするから」
貴音「例の件……なるほど」
春香「うわー、なんだか緊張してきた」
P「普段通りやれば大丈夫だろ。ほら、俺たちも行こう」
52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:09:21.69 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 会議室】
熊耳「全員揃ったわね」
遊馬「あれ、隊長がいないぞ」
熊耳「隊長は765プロや取材記者の方と打ち合わせだそうよ」
野明「あの、それで打ち合わせっていうのは?」
熊耳「打ち合わせというか、口止めね」
太田「今日の事は記事になるまで他言無用という事でありますか?」
熊耳「一言で言ってしまえばそうね」
進士「この手の取材が入るなら当然ですね」
熊耳「特に今は情報発信手段がさまざまありますからね、十分注意してちょうだい」
遊馬「日記のつもりで書いた事が全世界に広まっちまうもんな」
山崎「怖い世の中になったものですねぇ」
野明「あの、それは分かりましたけど、他には?」
熊耳「後は、今日の訓練の反省と今後の訓練計画についてね」
進士「データは一応まとめて持ってきましたよ」
熊耳「それじゃまず射撃訓練から。1号機のデータを見せてちょうだい」
遊馬「これですね。えー、まず問題点として――」
53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:10:57.79 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 隊長室】
後藤「さて、当初予定していたサプライズライブだが」
亜美「ま、まさか中止?!」
真美「え~?! 真美めっちゃ気合いれてきたのに!」
P「お前らな……話は最後まで聞きなさい」
後藤「当初の予定時間を短縮してもらう事になりそうなんだわ」
小鳥「第一小隊が出動しましたもんね」
後藤「そういう事だ。何かあるとも限らんし、30分位で考えてちょうだい」
律子「曲は何個か飛ばさないといけないですね。今セットリストを――」
P「それなら、これでどうかな」
律子「あ、すいません。……え? これって……」
響「あれ? 曲目少ないぞ?」
貴音「もしや、短縮版なのでは?」
P「出動があるかもしれないって聞いてたからな。事前に何種類か用意してたんだ」
千早「なるほど、これなら30分で収まる内容ですね」
伊織「もぅ! それならそうと最初に言っておきなさいよね!」
54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:11:48.99 ID:qXeH2EIHo
P「いきなり変わるかも、なんて不安要素を事前に伝えたくなかったし、それに――」
春香「それに?」
P「お前たちなら、急に予定変わっても何とかしてくれるだろう、って信頼してるからな」
春香「プロデューサーさん……」
伊織「ふん、当たり前じゃない。私を誰だと思ってるのよ」
美希「でこちゃん、顔が赤いの」
伊織「う、うるさいわね!」
やよい「それじゃ、わたしたちもがんばらなきゃですよね!」
律子「さ、そうと決まれば各自準備はじめて!」
P「では、シゲさん、すいませんが場所をお借りします」
シゲ「はいはい。音響も照明もバッチリよ」
亜美「さっすがおシゲちん、出来る男は違いますな」
真美「整備員のカガミですな」
シゲ「でしょ? でしょ? もっと言ってもっと言って!」
P「最初とはうって変わって仲良しになったなぁ」
後藤「波長が同じなのかもしれないよ」
春香「あ、なんとなくわかるかも」
55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:12:14.85 ID:qXeH2EIHo
『13号埋立地内にて暴走レイバー出現! 特車二課第二小隊はただちに出動せよ!』
律子「13号埋立地って……ここですよね」
後藤「アイドル各員は荷物を持って会議室へ移動しろ。場所は分かるか?」
律子「はい。さっき電算室に行く途中にありましたから」
P「全員、荷物をまとめろ。律子と雪歩は亜美、真美、伊織、やよいと先に会議室へ」
律子「分かりました。みんな、いくわよ。吉澤さんも行きましょう」
P「音無さんは社長へ連絡を」
小鳥「はい。無事だと伝えておきますね」
P「残ったみんなで協力して荷物をまとめよう」
春香「分かりました!」
56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:15:50.41 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 整備ハンガー】
後藤「暴走レイバーだが、どうもこちらに向かっているらしい」
遊馬「隊長! 暴走レイバーの機種は?」
後藤「遠くからのシルエットで見た限りでは、タイプ7に似ているとの事だが、詳細は不明だ」
太田「ブロッケンだと?!」
熊耳「あれで終わりではなかったという事ですか?」
野明「まさか、特車二課が標的なんじゃ……」
後藤「その可能性は非常に高い。泉、太田はイングラムに搭乗。レイバーキャリアには載せずに外に出せ」
野明「了解!」
遊馬「ここで迎え撃つんですか?」
後藤「そうせざるを得ないだろう。進士、山崎はレイバーキャリアで整備ハンガーの入り口をふさげ」
進士「了解しました」
後藤「篠原と熊耳は指揮車を出した後、暴走レイバーの型式を確認しろ」
熊耳「了解しました」
57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:17:46.89 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 会議室】
P「この荷物で最後だな。こっちの状況は?」
小鳥「社長とは連絡が取れました。定期的にこちらの状況を伝えることにしますね」
P「お願いします」
律子「やっぱりみんな動揺はあるみたいですね。やよい、雪歩は特に」
千早「春香や伊織のおかげでだいぶ落ち着きましたけど」
小鳥「間近で本物の事件が発生したんだもの、無理もないわ」
P「よし、みんな、聞いてくれ」
真「プロデューサー! 今外の状況はどうなってるんですか?」
P「落ち着け。今、後藤さんたちが出動した所だ。犯人はこちらに向かっているらしい」
雪歩「やっぱり……」
P「おそらく初めての経験だろうし、怖い気持ちもよくわかる。でも、第二小隊の人達はもっと危険な所にいる」
春香「野明さん達、これから暴走レイバーを止めなきゃいけないんだ」
P「さっきまで一緒に居て、一緒にご飯も食べた人達が今は俺たちを守ってくれているんだ」
やよい「ひろみさん、私たちよりもずっと怖い思いしてるんだ……」
58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:18:50.59 ID:qXeH2EIHo
P「だから、今は彼らを応援し、今俺たちが出来ることをしよう」
あずさ「出来る事、ですか?」
貴音「はて、今は待つ以外に出来る事など……」
P「お前たちは今日最後に何をする予定だ?」
律子「当初の予定ではサプライズライブを――まさか?!」
P「後藤隊長からは中止の要請は来ていない。もちろん、状況的に中止になるかもしれないがな」
春香「そっか。予定通りやることになってもいいように準備しておかなきゃ、ですよね!」
P「その通りだ。おそらく30分も時間が取れないと思う。後はみんながやれる状態かどうか、だが」
亜美「そんなん聞くまでもないっしょ」
真美「真美たち、プロなんだかんね」
P「分かってるさ。お前たちならどんな状況だろうがやってくれるって信じてるからな」
59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:20:07.87 ID:qXeH2EIHo
律子「よーし、そうと決まれば準備はじめるわよ!」
春香「千早ちゃん、セットリストある? 曲はもっと減らさないといけないかも」
千早「ここにあるわ。2,3曲位で考えておいた方がいいかもしれないわね」
美希「短縮版にすればもっと出来るかもしれないの」
真「時間次第だなぁ。最悪、全員で歌えるの1曲になるかもしれないよ」
亜美「その辺は、第二小隊の頑張り次第だね。うんうん」
真美「お手並み拝見といきますか」
伊織「あんた達、何を偉そうに……」
律子「それじゃ、3パターン位で考えておきましょう」
貴音「響。わたくし達は衣装を確認しておきましょう」
響「わかったさー!」
やよい「響さん、私も手伝います!」
雪歩「私はメイク道具の準備を……」
あずさ「雪歩ちゃん、私も手伝うわ」
60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:20:39.39 ID:qXeH2EIHo
小鳥「さすが、ですね」
P「ええ。今までいろいろなトラブルを乗り越えて来ましたからね。これが本来の彼女たちの姿ですよ」
小鳥「プロデューサーさんが、ですよ」
P「え?」
小鳥「さっきまでただの不安そうな女の子だったのに、プロデューサーさんの一言でみんなプロの顔になっちゃいましたよ」
P「それは彼女たちが凄いんであって、俺はすごくないですよ」
小鳥「そうですか?」
P「ええ。もっとも、後藤さんに会う前の俺だったら今と同じことは出来ないかもしれないですね」
小鳥「それじゃ、プロデューサーさんも成長したって事ですね」
P「そうみたいです。さて、俺たちは夕方以降のスケジュール確認をしておきましょうか」
小鳥「そうか、いつここから出られるかわからないですもんね」
P「アイドル達の予定はいれていなかったはずですけど、それ以外は?」
小鳥「今スケジュール帳出しますね。えーと――」
61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:21:42.13 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 埋立地】
太田『おんがああああああ!』
熊耳「太田くん、もう少しそのまま押さえつけて!」
遊馬「野明、相手がブロッケンじゃ太田機もいつまでも持たんぞ! 早く警棒ぶっ刺しちまえ!」
野明『分かってる! 太田さん、行くよ!』
太田『早くしろ泉ぃ!』
野明『 えいっ! あっ!』
太田『こここ、殺す気か貴様ぁ!』
野明『ご、ごめん! 滑っちゃった!』
遊馬「何やってんだ! 装甲分厚いんだから関節部を狙えって言っただろう!」
野明『太田さん、もう一回行くよ!』
太田『ぬおおおおお! 次外したら承知せんぞ!』
62:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:22:27.48 ID:qXeH2EIHo
野明『よし、やった!』
遊馬「隊長、活動の停止を確認しました!」
後藤「よし、あとは機動隊が突入できるようそのまま押さえておけ」
熊耳「了解。太田くんはそのまま押さえておいてちょうだい」
太田『了解であります! しかし、今回は煙は出さないな』
野明『故障しちゃったのかな』
太田『案外、今までのブロッケン事件とは無関係かもしれんぞ』
遊馬「野明、一応周囲の確認しとけよ。仲間がいるっていうパターンかもしれん」
野明「了解。あ、第一小隊が戻ってきたよ」
遊馬「向こうもあっさり終わったみたいだな」
63:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:23:40.19 ID:qXeH2EIHo
後藤「各員、犯人は機動隊により確保された。ごくろうさん」
遊馬「隊長、このブロッケンはどうしますか?」
後藤「とりあえずそのままにしておけ」
遊馬「了解。野明、イングラムはそのままハンガーに入れちまえ」
熊耳「太田くんもね」
野明『了解』
後藤「まさかブロッケンとはな」
熊耳「一連のブロッケンによる犯行と関係があると見たほうがいいのでしょうか?」
後藤「黒いレイバーが出てきてからぱったりなくなったのに、今更か?」
熊耳「それは、確かに気になりますが」
後藤「それにあいつの動きは、明らかにイングラムは眼中になかった」
熊耳「確かに、建物に近づこうとしていましたね」
後藤「単純な暴走事件じゃないだろうな、どっちにしろ」
64:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:24:32.64 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 会議室】
後藤「みんな、いる?」
P「後藤さん! 暴走レイバーは?」
後藤「無事捕まえた。人員に損害はなかったし、レイバーも大きな損壊はなかった」
春香「よ、よかったぁ……」
律子「ありがとうございました」
後藤「いやいや、お仕事をしただけだから」
亜美「お疲れ様でした隊長!」
真美「無事なご帰還、なによりであります!」
後藤「はいはい。それはそうと、準備、出来てる?」
美希「それじゃ、ライブやれるの?!」
65:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:25:19.82 ID:qXeH2EIHo
後藤「時間は短くしてもらいたいけど、やること自体は構わないそうだ」
P「すいません、無理をさせてしまって」
後藤「ま、課長からの指示でもあるから」
P「なるほど……。分かりました。こちらはいつでも準備OKです」
後藤「了解。それじゃ、10分後位に下に来てちょうだい」
真「それじゃ、春香。いつものお願い」
春香「みんな、時間は短いけど精一杯頑張ろう! 765プロー、ファイッ!」
一同「オー!」
66:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:26:15.86 ID:qXeH2EIHo
【特車二課 整備ハンガー】
野明「これ……何か始まるの?」
太田「集まれって言われたきり隊長も姿を見せんぞ」
遊馬「第一小隊も整備班も全員集合かよ」
進士「あの幕、なんでしょうね?」
野明「何か隠してるのか?」
山崎「あ、幕があがりますよ」
遊馬「こ、これって……」
春香「特車二課のみなさん、こんにちは!」
あずさ「今日は、私たち765体験入隊の為に色々と教えていただき、ありがとうございました」
真「そのささやかなお礼の意味も兼ねまして!」
響「今からシークレットライブを開催しまーす!」
亜美「みんなが頑張って事件解決してくれたおかげだよ!」
真美「兄ちゃん姉ちゃん達に負けないくらい、頑張るからねー!」
貴音「短い時間ではありますが、最後まで楽しんでください」
67:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:27:04.54 ID:qXeH2EIHo
後藤「強制はしてないんだけど、凄い数集まっちゃったな」
P「普通のライブ顔負けの盛り上がりですよ。ありがとうございました」
南雲「うちの隊員も喜んでたわ。見ることも出来ないと思ってたみたいだし」
熊耳「ずっと周辺警備で、午後は出動でしたからね」
後藤「あれ、二人とも、前で見なくていいの?」
南雲「あの群衆の中に混ざって騒ぐ気力も体力も残念ながらないわ」
熊耳「こういう事には慣れていませんので、私もここで」
P「えーと、そちらは確か第一小隊の隊長さん、でしたよね?」
後藤「ちゃんと紹介してなかったか。こちら、第一小隊長の南雲警部補」
南雲「南雲です。よろしく」
P「765プロのプロデューサーです。今日はお世話になりました」
熊耳「それにしても、課長がよく許可しましたね」
後藤「むしろ逆だよ。課長から、極力行うようにとの指示が出たんだ」
南雲「例の週刊誌の件がまだ尾を引いてるのかしら?」
熊耳「イメージアップの為にやってもらう必要があると?」
後藤「いや、そうじゃない。もちろん、それもあるんだろうが」
P「それでは、なぜ?」
後藤「課長が、竜宮小町のファンなんだそうだ」
熊耳「……あぁ」
南雲「……そぅ」
68:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:34:15.53 ID:qXeH2EIHo
【???】
???「――それで、そのまま捕まったのか」
???「あぁ――分かった。――そんなもの放っておけ。役立たずに用はない」
???「――分かった。では、後は頼んだぞ」
???「高木め……次こそ……次は確実に……」
69:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:34:52.55 ID:qXeH2EIHo
【3ヶ月後 765プロ事務所】
春香「た、ただいまっ!」
真「グリフォンの事件、どうなりました?!」
小鳥「特車二課のイングラムが勝ったわ。監禁されていた隊員の人達も、無事解放されたわ」
春香「よ、よかったぁ……野明さん達、勝ったんだ……」
P「ほら、今ニュースで解説してるぞ」
『――イングラムの戦い方は素晴らしかったですよ。性能の劣る機体で戦うには、あれしかなかったでしょう』
あずさ「専門家がここまで褒めるなんて、すごいわね」
伊織「イングラム、頭も片腕も取れちゃってるじゃない……」
律子「相手がそれくらい凄かった、って事でしょうね」
亜美「あんなになってもギブアップできないんだもんね……」
真美「ケーサツのお仕事って、ほんと大変なんだね……」
春香「ここにいない子にも知らせてあげなきゃ」
真「みんな気にしてたもんね」
律子「さ、みんな。特車二課の無事も分かった事だし、お仕事しなきゃ」
P「春香と真はもう少ししたらインタビューな」
春香「了解です。場所はすぐ近くでしたもんね」
P「あぁ。真美は亜美と撮影が入ってたな」
真美「そだよ」
律子「その撮影のすぐ後から竜宮小町は歌番組の収録だからね」
亜美「らじゃー!」
P「よし、それじゃ今日の残りも気を引き締めていこうか!」
70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:36:05.00 ID:qXeH2EIHo
【数日後 特車二課 隊長室】
南雲「それじゃ、765プロが来た時の襲撃とグリフォンの一件は関係なかった、って事?」
後藤「容疑者がアイドル達のファンだった、って事以外喋らないらしく、それ以上の証拠がないんだって」
南雲「タイプ7なんてそうそうあるものじゃないわ。シャフトから提供されたと考えるのが自然だと思うけど」
後藤「盗難届が1件出てたみたいで、むしろこっちが被害者だ、って反応らしいよ」
南雲「真相は闇の中、って訳ね」
後藤「ま、下手に真相が出てきてごたごたするよりはよかったのかもしれないよ。765さんにとっても」
南雲「それって――いえ、なんでもないわ」
後藤「さわらぬ神になんとやらさ。さて、これでしばらくは暇に――」
『台東区下谷にて205発生、特車二課第二小隊はただちに出動せよ!』
南雲「ならないみたいね」
後藤「お仕事があってありがたいこと。それじゃ、行ってきます」
【終わり】
71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:45:16.34 ID:qXeH2EIHo
以上でパトレイバー×アイマスのクロスSS終了です。
見てくれた方、ありがとうございました。
72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/01/14(月) 21:52:11.78 ID:PCXdCJGHo
乙~
面白かった
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1357444153/
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Entry ⇒ 2014.02.24 | Category ⇒ 機動警察パトレイバー | Comments (0)
野明「明日、香貫花と太田さんがデートするんだって!」
1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:00:36.47 ID:RCKOm1eR0
遊馬「はは、まっさか」
ひろみ「そんな」
進士「あり得ませんよ」
熊耳「太田君が明日、警視総監賞をもらうって方がまだ現実味があるわよ」
遊馬「そりゃあり得ない!!」
一同「あっはははははははは!!!」
野明「だって!昨日聞いたんだよ!シゲさんだって!」
シゲ「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん!!!!!!!!」
野明「し……シゲさん………!」
遊馬「いつの間に……」
遊馬「はは、まっさか」
ひろみ「そんな」
進士「あり得ませんよ」
熊耳「太田君が明日、警視総監賞をもらうって方がまだ現実味があるわよ」
遊馬「そりゃあり得ない!!」
一同「あっはははははははは!!!」
野明「だって!昨日聞いたんだよ!シゲさんだって!」
シゲ「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん!!!!!!!!」
野明「し……シゲさん………!」
遊馬「いつの間に……」
2 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:01:42.21 ID:RCKOm1eR0
シゲ「本当なんだってば!明日、太田さんと香貫花が初デュェェェェェェィトするんだって!」
進士「いくら香貫花さんがアメリカから来てるからって」
シゲ「ま、場所はどこだかまた分からないけどぉ…そのうち整備班のサイバーネットワークを駆使して」
後藤「上野だって」
一同「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!?」
後藤「……ゴキブリ見っけたみたいな声ださないでよ」
遊馬「……いつの間に」
後藤「ずーーーーっといたよ」
3 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:02:13.17 ID:RCKOm1eR0
後藤「それが俺も昨日、こっそり聞いちゃってさぁ……」
シゲ「ね?ね?後藤隊長もそう言ってるんだからさぁ……」
進士「……確かに太田さんって香貫花さんと文通のみならず3日に一度アメリカに電話してるらしいですよ」
遊馬「国際電話ってのはちょーっと掛けただけでもウン千円だぜ。それを3日に一度ってのは……」
ひろみ「た、ただ事じゃありませんね……」
4 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:02:56.90 ID:RCKOm1eR0
遊馬「そう言えば太田って香貫花のこと香貫花って呼ぶしな……」
進士「それは外国人ですし、同僚ですから特別なことではないと思いますけど……」
遊馬「でも権力に弱い太田だぞ。いくら香貫花の命令に素直に従うったって、一応上司っちゃ上司だぞ」
ひろみ「熊耳さんのことは、あんまりおタケさんって呼びませんよね」
熊耳「意外と呼ばれてるけど?」
遊馬「でも“香貫花”ほどじゃあ……」
熊耳「結構な頻度で呼ばれてるけれど?」
一同(………なんで張り合ってるんだよこの人は)
6 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:05:18.27 ID:LRkxf1DFO
パトレイパーか
4
7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:05:38.38 ID:RCKOm1eR0
シゲ「………ま、とりあえず」
シゲ「張った!張った!張った!」
遊馬「何もなしに1万!」
整備員A「Aに1万!!」
進士「Bに5千円!!」
整備員B「Cに3千円!!」
整備員C「じゃあDに3千円!」
遊馬「……Dって何だよ」
シゲ「プロポーズ」
遊馬「太田が!プロポーズ!!」
一同「ギャハハハハハハハ!!!」
野明「ちょ……ちょっと………」
8 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:07:04.02 ID:nMmcWzOq0
>>3
パトの時代背景を感じさせる。
いまだと無料で通話できるからなあ~
9 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:07:04.40 ID:vdp5BCFFO
なつい
10 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:07:09.76 ID:RCKOm1eR0
熊耳「 お や め な さ い ! 」バンッ
一同「!?」
熊耳「いくら太田君と香貫花さんのこととは言え、人の恋路で賭け事だなんて最低よ!遊びじゃないんだから!」
野明「くまがみさん………!」
一同「………」
遊馬「そ……そういやAとかDだのはともかく、BだのCだのの判断はわからんちんだな……」
進士「つまり賭事としても成立してないんじゃありませんか……コレ」
シゲ「あ、ば、バレた?」
後藤「と、言うわけで。ハイ、掛け金は回収しまーす」
遊馬「あああ!!ちょ!隊長!!」
熊耳「篠原巡査!己がしたことを少しは反省しなさい。みんなもよ!!」
一同「はい…………」
11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:08:32.16 ID:RCKOm1eR0
後藤「まあこの金はアレだ。初デート資金にでもしてもらおうや」
遊馬「なーーんで太田に!!」
後藤「……篠原、スポンサーとしちゃ、デートが上手く行っとるかどうか…見届ける権利くらいありそうなもんだなぁ。なぁ?」
一同「………!」
野明「隊長、私も3千円!」
ひろみ「ぼくも3千円………」
熊耳「………」
熊耳「………私は2万円」
一同「おお………」
12 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:10:02.38 ID:RCKOm1eR0
【翌日】
―上野駅前―
遊馬「……時間になったな」
野明「2人とも来ないね」
後藤「あれじゃないの」
シゲ「えーっ……姿は似てますけどアレですかぁ?」
進士「アレですよアレ」
シゲ「もうちょっと近づいて………」
熊耳「ダメです!私達が来てるってカンづかれたら……」
シゲ「大丈夫だってぇ」
後藤「香貫花ってカン、いいのよ?尾行巻く訓練を……確かアメリカで受けたって聞いたし」
シゲ「うへぇ!」
野明「スッゴーい香貫花!」
遊馬「……なんでもござれだな」
ひろみ「……あの、その前にいくら非番とは言えこんな大人数じゃ」
一同「大丈夫!大丈夫!」
13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:10:33.46 ID:RCKOm1eR0
遊馬「な……なんか話してるぞ」
野明「熊耳さん読唇術使えないの?」
熊耳「……いくらなんだって無茶よ」
後藤「『ま、っ、たか』『いい、え…おーた…そ、れ、じゃ……い、き、ま……しょ』」
後藤「だって」
一同「 」
野明「……ま、まさか後藤隊長が読唇術使えたなんて」
シゲ「流石は往年のカミソリ後藤だよね……」
14 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:11:14.38 ID:RCKOm1eR0
熊耳「と、とりあえず……アレが太田君と香貫花さんってことは確定したわよね」
進士「話し込んでますね」
野明「隊長!2人が話してる内容って……」
ひろみ「あの……金杯見たいから、家に帰るそうです………」
ズコッーーー!!
遊馬「な……なんだってんだよ!この大事な時に!」
進士「まあ良いじゃないですか……前々からそう言う人ですし……」
熊耳「……あら、どこかに移動するみたいよ」
15 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:11:41.90 ID:RCKOm1eR0
野明「……動物園とか?」
遊馬「ここは……美術館か」
進士「博物館でしょうかね……」
シゲ「アメ横かねぇ………」
熊耳「えっ………」
野明「ど、どうしたの熊耳さん!」
熊耳「駅の中に戻って行ったけど……」
一同「な……なんで………!?」
16 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:13:00.97 ID:RCKOm1eR0
【電車内】
ガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタン
野明「山手線かあ」
遊馬「なんで上野駅に集まったんだか……」
進士「もしやアレじゃありません……山手線を一周するのがデートだとか」
野明「……ちょっと初デートであんまりじゃない、それ」
シゲ「2人とも…そんなに鉄道に興味あり気には思えないしねぇ……あ、気づかれちゃうから顔隠して隠して」
野明「あれ、なんか2人……いまから降りるみたいだよ」
遊馬「おっ、案外すぐだな」
アキハバラー!アキハバラー!
ズコッーーー!!
18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:17:28.24 ID:RCKOm1eR0
野明「あ……アキバ………?」
シゲ「ま……まあ……アキバもいいんだけどね」
進士「太田さんと香貫花さんが……」
遊馬「初デートでアキバって…お前……」
熊耳「……頭がグラグラして来たわ」
ひろみ「あ…アイドルがすきな太田さんらしいですけど………」
シゲ「でもさ」
一同(……周りに喧嘩を売ってるとしか思えない)
19 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:17:56.11 ID:RCKOm1eR0
【秋葉原駅前】
遊馬「…一体、どこから回るつもりかあの2人」
野明「アキバなんてめったに来ないからなぁ………」
進士「どこに行くつもりでしょうか……」
シゲ「はい!寒いからおでん缶だよー!美味しいけど、たべるぅ?」
熊耳「シゲさん…いつの間にそんなもの……」
野明「あたしさつまあげ!」
遊馬「なっ!2つも取るなよ!1つよこせ!」
進士「僕だいこんで……」
ひろみ「こんにゃくで……」
熊耳「あなたたち遠足に来てるんじゃないんだから……私はウズラね」
20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:18:18.15 ID:RCKOm1eR0
シゲ「あれ、なんか様子が変だよ太田さん」
熊耳「……なんだか焦り出したわよ」
野明「あっ、また駅に戻った!」
遊馬「またかよ……」
シゲ「ちょっとテンパり過ぎなんじゃないの太田さんさぁ……ぬあああああ!!!!って俺の分がないッ!?」
21 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:19:57.75 ID:RCKOm1eR0
【電車内】
ガタンガタンガタンガタンガタンガタン………
遊馬「太田のヤツ…一体どこに行くつもりなんだか」
シゲ「多分、俺が思うにこのまま田町まで行って、歩いて三田駅……で、芝公園まで行くんじゃないの?」
野明「芝公園……って事は東京タワー?」
熊耳「まあ、定番と言えば定番ね」
進士「でももう少し、おしゃれな所に行きませんかね?今は色々出来てるんですから……」
ひろみ「……香貫花さんも東京慣れしてますしね」
熊耳「東京タワーって言うのが太田くんらしいじゃない。なんだか」
熊耳「………ハァ」
野明「ど、どうしたんですか熊耳さん」
熊耳「ついに香貫花さんにも太田くんにも先越されちゃったなーって」
熊耳「もうすぐ30なのにねぇ……南雲隊長みたいになるのかしら………ハァ」
一同(………掛ける言葉が見つからない)
22 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:20:35.10 ID:27DlpTNb0
当時のアキバとかディープってレベルじゃねーぞ。
あれ?おでん缶っていつ頃からだっけ
23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:21:47.26 ID:RCKOm1eR0
【芝公園駅】
シゲ「ねっ、ビンゴでしょ?」
野明「わあ!本当に東京タワーだ!」
遊馬「……東京に出てきてお前何年だっちゅうの」
野明「うるさいな。何年経っても物珍しいものは物珍しいの」
遊馬「タワーなら確か札幌にもあるだろ」
野明「……まあ、さっぽろテレビ塔の方がイケてるけどぉ?」
シゲ「しっかし太田ちゃんも奥手だよねぇ。電車乗ってる間に歩いてる間にもなーんにもしゃべんないんだからさぁ」
野明「あ、ノッポンだ!遊馬!写真!写真!おーい!」
遊馬「バカ!野明お前!」
24 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:22:46.22 ID:RCKOm1eR0
野明「大丈夫だって!太田さん達、もう上に行ったみたいだし」
遊馬「そう言う問題じゃ」
熊耳「ここから先は、どうせ見失わないんだし、良いじゃない。すいません、一枚いいですか?」
遊馬「熊耳さんまで……」
シゲ「ほら遊馬ちゃん入らないの?」
遊馬「……入りますけど」
一同「ハイチーーーズ!」
25 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:23:49.13 ID:RCKOm1eR0
【特別展望台】
熊耳「………居たわよ」
進士「まあ、ここまで来たからには特別展望台まで登りたいものですよね」
遊馬「……しかし、景色見るだけで1,420円ってのは、ちょーっと高いんじゃないのか?」
野明「ここまで来て野暮なこと言わないでよね」
進士「こう言うところに来るのはカップルとか観光客が殆どですから」
シゲ「いちゃつくショバ代ってワケね」
ひろみ「あ、なんか2人とも結構イイ感じみたいですよ」
26 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:23:52.85 ID:vOb77FbhO
なんやかんやで流されちゃうおタケさんか好きさ
27 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:24:40.76 ID:RCKOm1eR0
シゲ「ここでさ、人もあんまりいないんだから太田さんも香貫花の肩をガッと抱いてさ、ブチューってしちゃえばいいのにね」
進士「まっさかぁ!太田さんがそんなこと出来るタイプの人間だと思います?」
シゲ「まあ……無理だよね……」
野明「……さっきからなーんにも喋んないけどあの2人」
熊耳「大丈夫なのかしらね……」
遊馬「意外と奥手そうだよな。太田も香貫花も」
シゲ「ああ……一生前に進まないタイプのやつね」
一同「ああ………」
28 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:25:26.45 ID:RCKOm1eR0
【1時間経過】
野明「………あの位置から微動だにしないけど」
遊馬「……何見てんだろうな」
ひろみ「っていうか何だか逆に長年連れ添った夫婦の雰囲気的なものを感じます……」
熊耳「……あの2人を飽きずに見てる私達も私達だけど」
シゲ「………うーん」
野明「どうしたのシゲさん」
シゲ「この後どこ行くのかなぁって、あの2人。やっぱりさ、東京タワーって言ったら……」
野明「ま……まさか……」
シゲ「ろう人形館」
野明「んぎゃああああっ!!」
進士「……あそこは色んな意味ですごいですからね」
30 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:28:09.48 ID:nMmcWzOq0
支援
31 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:29:18.73 ID:RCKOm1eR0
シゲ「でもさ、1000円払ってパンダデメキン見るよりかコスパ良いじゃない?」
熊耳「……最早コスパの問題なのかしらね」
進士「コストパフォーマンスの面から言えばセット券がいいんじゃないんですか?」
シゲ「ありゃダメよ。特別展望台までついてないしさ、結果的に特別展望台からろう人形館が一番いいんだよね」
野明「あ、あ、あたし……ろう人形館はパス……」
遊馬「なんだよ野明、怖いのかぁ?」
野明「こ、怖いよ……そりゃ。昔東京観光に来てさ、それ以来……夢に出てくるんだからな……」
32 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:30:42.54 ID:RCKOm1eR0
進士「……確かになんかアソコにある人形全てが目が虚ろで無機質ですもんね」
シゲ「マリリン・モンローとかモナリザとか吉田茂とかさ…あんまりだよね……」
遊馬「確かに……アンネ・フランクと中世の拷問は……」
シゲ「……なんか取り憑いてそうだよね」
熊耳「ごっ……拷問!?」
遊馬「妙にリアルなんですよ……血とか…切り口が………」
野明「ぎゃああああ!やめてぇ!思い出させないでよぉ!」
ひろみ「ひぃぃぃぃ………」
熊耳「非科学的非科学的非科学的非科学的非科学的非科学的非科学的非科学的非科学的非科学的非科学的」
33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:30:44.51 ID:nMmcWzOq0
入ったら気絶する人が……
34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:31:19.81 ID:RCKOm1eR0
シゲ「あっ、太田ちゃん達……下に降りるみたいよ」
野明「……どうしよう遊馬」
遊馬「……どうしようもこうしようも行くしかないだろ」
ひろみ「く……熊耳さん大丈夫ですか?無理しないで下さい」
熊耳(裏声)「だ!大丈夫よ!大丈夫!全然!」
36 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:32:28.26 ID:RCKOm1eR0
【タワービル(現フットタウン3F)・ろう人形館】
シゲ「中に入ったよ」
遊馬「じゃあ………俺達も………」
野明「う……うげえ…なんか空気がおかしいよ……」
熊耳「ぅぅ………」
シゲ「大丈夫熊耳さん?止めとけば?」
熊耳「い、いくわよ……いきます……」
進士「相変わらずマリリン・モンローは似てませんね……」
シゲ「このマリリンのろう人形ってさ、秘宝館とかに行くとよく有るらしいんだよ。ハンドル回すとスカートが捲れたりするんだよねぇ」
男一同「へぇ」
野明「えっ、何?秘宝館って何?遊馬」
遊馬「……お前は知らんでいい」
37 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:34:18.86 ID:RCKOm1eR0
遊馬「じゃあそろそろ先にいこうぜ」
ひろみ「あ、あの……遊馬さん……」
遊馬「どうしたひろみ」
ひろみ「く……熊耳さんが……」
熊耳「 」チーン
一同(も……もう………?)
38 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:35:02.62 ID:RCKOm1eR0
―そして―
熊耳「ぅ……ぅぅ………」
ひろみ「く……熊耳さん……」パタパタ
野明「な……なんか良かったような良くなかったような……」
遊馬「まあ、こうなることは予測出来てたしな」
シゲ「だからって、ちょっと入っただけで倒れちゃうかなぁ……」
進士「……向こうの人も気を使ってお金、返してくれましたしね」
熊耳「はっ!」
ひろみ「あ、気がつきましたか熊耳さん」
39 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:36:03.66 ID:RCKOm1eR0
熊耳「お、太田くんと!香貫花さんはどうしたの!ねぇ!」
野明「ま……まだ出てきてませんけど……」
進士「そろそろ出てきそうな気がしますけど……」
シゲ「あっ!なんか誰か出てくるよ!」
遊馬「隠れろ!」
キャッキャッキャッキャッキャッキャッ
一同「………」
野明「……ねえ遊馬」
遊馬「なんだ野明」
野明「あの二人さ……手、繋いでるよね」
遊馬「……まあな」
熊耳「な……何があったのよ……あの二人………」
進士「さ……さあ………」
遊馬・シゲ「うがあああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
野明「ちょっと落ち着いて落ち着いてぇ!!」
40 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:36:44.32 ID:RCKOm1eR0
【電車内】
ガタンガタン……ガタンガタン………
野明「ふぅ……重い」
遊馬「そんなに土産物を買いこむからだ」
シゲ「なーに買ったのよそんなに」
野明「クッキーに金平糖にタワージュエルストラップに日本列島キーホルダー、ゴジラストラップでしょ」
野明「それから東京タワーライター、東京タワーマグネットに東京駅の発車ベルキーホルダー、曲がる鉛筆とタペストリー、ノッポンバッジにノッポンボールペンにノッポンキーホルダー!」
遊馬「……野明、お前はアホか」
41 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:37:29.12 ID:RCKOm1eR0
野明「むっ、東京タワーはテンションあがるんだぞ」
遊馬「だからってさ、いつでも来れるんだからこんなに買いこまなくても」
野明「あ……そうか……」
遊馬「お前な……」
野明「ふん。離島根性が抜けなくて悪うござんしたね!」
熊耳「で、この後だけど……2人はどこにいくつもりかしらね」
シゲ「まあ……多分この後は、三田に戻ってるみたいだし、都営浅草線に乗り換えて……」
一同「浅草」
42 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:38:14.83 ID:RCKOm1eR0
【浅草】
野明「ほ……本当に浅草だ」
遊馬「シゲさんさ、なんでこう…人のデートルートをポンポン当てられるんだよ」
シゲ「まあね!デートは1万回以上したからね!シュミレーションだけど!」
一同「………」
シゲ「なんだよ悲しい顔しないでよね!おれっちレベルになるとさ、デートで話す内容何かも考えちゃうワケ!!」
野明「じゃあさ、シゲさん。この電気ブランっていうのは?」
シゲ「ああ、神谷バーのね」
44 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:40:37.77 ID:RCKOm1eR0
シゲ「電気ブランってぇぇぇのは!ブランデーとジンとワインとキュラソーと薬草が入ってる酒なんだよね!詳しい材料とかは内緒らしいんだけど!」ペラペラペラペラ
シゲ「元々はさ、「電氣ブランデー」って名前だったんだけどねぇ、その後『ブランデー』じゃああああああないってことで、電気ブランになああああああああああああったワケ!」ペラペラペラペラ
シゲ「ちなみに電気ブランの電気ってのは、当時電気がハイカラだったから使われたのよ。舌が痺れるからってのはさ、ありゃガセよ!ガセ!」ペラペラペラペラ
一同「へぇ」
シゲ「それから、電気ブラン(30度)、電気ブランオールド(40度)の2種類があって!!!」ペラペラペラペラ
シゲ「メニューじゃ30度の方をデンキブラン、40度の方が電氣ブランってなああああああああああああああああああああああああってるワケ!」ペラペラペラペラ
シゲ「電気ブランの説明終わりイエーーーイ!!!!!!!!!!」
一同「オオー」パチパチパチパチ
47 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:41:30.17 ID:RCKOm1eR0
野明「他には!他には!」
シゲ「ええと……浅草はチベット語の”アーシャークシャ”から来てるとか」
一同「へぇ」
シゲ「花やしきは、元々は菊を展示する植物園だったから『花やしき』とか」
一同「へぇ」
シゲ「浅草寺のおみくじは凶が多いとか」
一同「あ、それは知ってる」
シゲ「……まあさ、こんなこと調べててもさ、彼女は出来ないんだけどね」
進士「あ、香貫花さんと太田さんが腕を組み始めましたよ」
シゲ「うがあああああああああ!!!!!!!」
48 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:42:03.29 ID:RCKOm1eR0
【浅草寺】
野明「………」
遊馬「どうした野明」
野明「……いつ見ても思ったより提灯って小さく感じるんだよね」
遊馬「お前んとこの時計台ほどじゃないだろ」
野明「……返す言葉もございません」
熊耳「この辺りは出動でも良く来るわよね」
進士「そうですね。まあ、とりわけ上野周辺は多いですからねぇ」
遊馬「……あれ、そういやひろみは」
49 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:42:07.11 ID:8ISAgJ650
やべえ映像が頭の中で再現されまくりw
50 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:42:27.26 ID:RCKOm1eR0
店員「お兄さんお兄さん、これ食べていきなよ」
ひろみ「す……すいません……」もぐもぐ
店員「おいしい?今ね、これ3袋で1000円だから~お得だよ~」
ひろみ「じゃあいただきます」
店員「まいどー」
店員「お兄さんお兄さんうちの人形焼きもおいしいから……」
ひろみ「え、じゃあ……」
遊馬「……無限地獄に堕ちてるな」
野明「ひろみちゃん……」
51 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:43:33.11 ID:RCKOm1eR0
シゲ「ひろみちゃん、どーしたのよ…その量さぁ……」
ひろみ「な……なんかいつの間に……」どっさり
シゲ「進士さんも……」
進士「多美子さんが人形焼き好きなんですよ。買って帰らなくっちゃ」どっさり
遊馬「……」ジッ
野明「……なんだよ遊馬。揚げ饅頭が美味しかったから……つい」
遊馬「端から見れば俺達も立派なおのぼりさんだろうな」
シゲ「……何しに来たんだろうね、俺達」
52 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:44:14.82 ID:RCKOm1eR0
熊耳「あら、相変わらず2人は腕は組んでるものの、無言のままよ」
進士「あ、太田さんがハトに襲われてます」
遊馬・シゲ「ヤレヤレ!やっちまえ!!」
野明「そんなことより遊馬!おみくじ!おみくじ!」
遊馬「やめとけって。どうせ凶しか出ないんだからさ」
野明「その中から大吉引くってのが醍醐味だろ?よいしょ」
カラカラカラカラ
野明「……あ、32番……えっと、これだこれ」
野明「………」
野明「ぬわあああああああ!!?」
遊馬「どうした。まさか大吉か?」
野明「………大凶だって」
53 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:44:53.10 ID:RCKOm1eR0
熊耳「あら……なになに……」
熊耳「『大きな過ちに注意』ですって」
野明「お……大きな過ちって………?」
遊馬「『目上の人間に注意せよ』」
シゲ「目上の人間って言うとさ、後藤隊長かね」
野明「も……もしかして……ご、後藤隊長をレ、レイバーで踏み潰しちゃうとか……」
シゲ「んふっ!」
遊馬「大丈夫だって。レイバーで踏んだくらいじゃ、あのオッサンは死なないっちゅうの」
野明「う……うん……」
54 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:45:22.30 ID:RCKOm1eR0
進士「まあ、こう言うのは事前に注意すればいいものですから」
ひろみ「泉さんは心がけがいいから大丈夫ですよ」
野明「うん……」
遊馬「……だから言ったろ。落ち込むくらいなら引くなって。まあ気にするな」
野明「うん。よし。じゃあ!」
野明「大吉がでるまで引き直そう!!」
ズコーーーーッ!!!!!!!!!!!
55 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:46:28.40 ID:RCKOm1eR0
【電車内】
ガタンガタン……ガタンガタン…
野明「……大吉出すまで5000円掛かった。スッカラカンだよ遊馬」
遊馬「大きな過ちってこの事だな、野明」
熊耳「でも目上の人に注意って……何かしらね」
進士「ま、ちょっとした占いですから」
シゲ「もう時間が時間だしさ、このまま上野に行って食事した後に解散って感じかね」
野明「結局腕組んだのと、手を繋いだくらいだったよね」
遊馬「……何を期待してたんだ野明」
野明「べ……別に期待はしてないけど……」
シゲ「香貫花に一発くらい殴られるもんだと思ったけどね、太田さん」
一同(期待外れだったなぁ………)
56 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:46:54.43 ID:RCKOm1eR0
【上野駅】
遊馬「…なんか普通のつまらんデートを見させられた感じだったな」
ひろみ「っていうか僕たち……普通に東京観光してしまいましたよね」
野明「……ね」
シゲ「もうすぐ上野だし、この後特に何も起きそうもないしさ、このまま飲みにでも行こうよ」
熊耳「そうね。じゃあ……」
一同「んーーーーーーーーーーー?」
シゲ「ねえ……なんでJRの改札に入ったのよ」
58 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:48:06.42 ID:RCKOm1eR0
遊馬「まだ……どこかいくつもりか」
熊耳「やっぱり……夜景を見に?」
遊馬「太田が夜景って熊耳さん」
一同「………」
シゲ「ちょっと面白そうだからついてく?」
一同「賛成」
59 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:48:41.04 ID:RCKOm1eR0
【車内】
ガタンガタン………ガタン………
熊耳「山手線ね……このまま行くと池袋、もしくは新宿ってところかしら」
遊馬「太田が新宿って!」
シゲ「新宿のホテルのレストランで夜景を背にして愛を囁く太田さん……」
一同「ぶふふふふふふ!!!!!!!!」
熊耳「わ……笑っちゃ悪いわよ……ぷふっ」
60 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:49:08.89 ID:RCKOm1eR0
ウグイスダニーウグイスダニー
一同「……ん」
一同「……ん」
一同「…………ん?」
シゲ「今さ……降りたよね」
遊馬「あ……ああ………」
一同「 」
61 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:49:34.41 ID:RCKOm1eR0
【鶯谷】
野明「え、なに……なにこれココ」
遊馬「いや……まさか……」
ひろみ「 」
熊耳「 」
野明「ラ………」
遊馬「……皆まで言うな野明!」
62 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:50:00.46 ID:RCKOm1eR0
シゲ「えっ……だって……さっきまでアレだよね……無言だったし……えっ」
進士「いや…ほら……秋葉原の時みたいに間違えて降りたとかですよ……きっと」
遊馬「間違えてここまで来るかよ……」
野明「ごめん、あたし理解出来ないっていうか……えっ…えっ?」
シゲ「いきなり、いきなり、初デートで行っちゃうの?えっ?」
熊耳「お……太田くんも香貫花さんも……ぶっ飛んでるとは……思ったけれど……そんな………」
進士「……確かに色々飛ばし過ぎてますけどね」
ひろみ「 」
65 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:52:05.11 ID:xK7L5mlF0
香貫花の登場はまだかいなっと
66 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:52:48.18 ID:RCKOm1eR0
シゲ「もしかしたらさ……初デートだなんて思いこんでたのは俺達だけなんじゃないの」
遊馬「……そういや誰も直接本人からそんな話を聞いてなかったもんな」
野明「確かに……初デートだなんて誰も一言も……」
進士「……もしかしたら随分前から関係が出来上がってたのかもしれませんよ」
ひろみ「なんだかぎこちないを通り越して夫婦みたいでしたしね……」
熊耳「……人は見かけによらないっていうけど」
一同「…………」
69 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:56:10.50 ID:RCKOm1eR0
遊馬「……前で立ち止まって何か話込んでるぞ」
野明「……なんで」
進士「……なんか怒ってますよ」
遊馬「初デートの可能性もなきにしもあらずだもんな」
野明「ま……まさかホントに初デートで………?」
進士「なら怒って当然ですよね……」
遊馬「当然というより最低だな」
シゲ「……後で野郎共引っ張り出してリンチだな太田は」
熊耳「悪い仲間に何か吹き込まれたのかしら……」
野明「見損なったよ太田さん……」
一同「…………」
70 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:57:35.76 ID:RCKOm1eR0
遊馬「……ここは覚悟して太田の野郎を殴りに行くべきか」
シゲ「おうよ!」
ひろみ「ぼ……僕も今回は………」
熊耳「あら、香貫花さんがこっち見たわ」
一同「えっ」
71 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:58:11.77 ID:RCKOm1eR0
シゲ「め……目があった?」
野明「こっち………くる………?」
一同「げっ」
ツカツカツカツカツカツカ!!!!
一同「 」
おばさん「アンタら何よ!!こんなところまで付けてきて!!!!」
一同「え?」
72 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:59:11.07 ID:RCKOm1eR0
おばさん「ちょっと、アンタ!こいつらシメてやって!」
野明「え……あれ……かぬ………え?」
おじさん「あ……あのぅ………警察………呼びますよ………?」
遊馬「お………おおた…………?えっ?」
おばさん「おおた?誰よそれ!」
おじさん「………」
シゲ「よ……よくみりゃ全然違う……アカの他人……アレェ?」
ひろみ「 」
おばさん「何よ!」
一同「す………」
一同「すいませんでしたああああああ!!!」ダダダダダダッ!
74 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 02:00:59.67 ID:RCKOm1eR0
一同「………」ハァ、ハァ
遊馬「に……逃げ切ったか」
野明「う……うん…え…なに………なにがなんなんだかあたしさっぱり」
熊耳「香貫花さんが香貫花さんじゃなくておばさんで太田くんが太田くんじゃなくておじさんだったのよ」
一同「えっえっえっえっえっえっ」
シゲ「え……じゃ何……俺達さ、ずっと」
一同『 ア カ の 他 人 の デ ー ト を追いかけ続けてた……ってワケ(ですか)?』
一同「…………」
77 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 02:04:12.47 ID:RCKOm1eR0
遊馬「………誰だよあれが香貫花と野明だなんて言ったのは」
一同「…………」
一同「…………」
一同「あああああああああ!!!!!!!!!!」
進士「じゃあまさか……」
シゲ「よくみりゃ全然似てなかったけどさ……後藤さんにああ言われちゃさ………」
野明「じゃあ…あたしたち…後藤隊長に騙されて休みを1日無駄にさせられたってワケ?」
一同「後藤隊長ずるっけーーー!!!!!!」
78 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 02:04:58.92 ID:RCKOm1eR0
【訂正】
遊馬「………誰だよあれが香貫花と太田だなんて言ったのは」
一同「…………」
一同「…………」
一同「あああああああああ!!!!!!!!!!」
進士「じゃあまさか……」
シゲ「よくみりゃ全然似てなかったけどさ……後藤さんにああ言われちゃさ………」
野明「じゃあ…あたしたち…後藤隊長に騙されて休みを1日無駄にさせられたってワケ?」
一同「後藤隊長ずるっけーーー!!!!!!」
79 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 02:06:33.79 ID:RCKOm1eR0
「お兄さん達、遊んで行かない?」ポンッ
一同「ギャアアアアアアアアア!!?ゴメンナサアアアアアイ!!!!!!」
後藤「お前達、まだやってるの?」
一同「たい……ちょう………?」
一同「隊長おおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
80 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 02:07:15.04 ID:RCKOm1eR0
遊馬「何なんですか隊長!!!!」
シゲ「今日ばっかりはアンマリですよ後藤さん!!」
後藤「いやだ、ごめんってば。別にさ、騙すつもりは無かったんだけどね」
遊馬「……騙す気しか無かったんでしょう」
熊耳「もしかして隊長……まさかずっと私の後を……」
後藤「雷おこし、食べる?」ニヤッ
一同「 」
81 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 02:07:53.28 ID:RCKOm1eR0
遊馬「……なんでワザワザこんなことするんですか隊長!」
後藤「だって、お前達さ、覗くなって言われても覗くでしょ?」
一同「うっ……」
後藤「良かったじゃないの。みんなでお出かけ出来てさぁ」
一同「よくありませんよ!」
後藤「ってことでさ、ま。カンパの金の中から奢るからさ」
遊馬「……元々は」
野明「あたしたちのお金なんですけどね……」
野明「……隊長、そういえば、今香貫花と太田さんは?」
後藤「お舟の上じゃないの」
一同「?」
84 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 02:11:36.99 ID:RCKOm1eR0
【東京湾】
香貫花「ごめんなさいね、グランマったら急に……クルージングに行かないとか言い出して」
太田「……いや、俺はかまわないが体調が悪いなんて言っていたが大丈夫なのか?」
香貫花「嘘よ。全くなんのつもりなんだか……」
太田「お……おお……」
香貫花「でも今日は良かったわ。後藤隊長にいいガイドを紹介してもらって」
太田「………そうか」
香貫花「いやね、数年東京から離れてるだけでも分からなくなっちゃうなんて」
太田「ま…まあ……今は色々出来るのが早いからな……」
87 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 02:14:09.87 ID:RCKOm1eR0
香貫花「まさか太田、あなたにガイドの才能があるなんてね。グランマも大喜びしていたわ。ありがとう」
太田「ああ。その……おばあさんにもよろしく伝えておいて……くれ」
香貫花「そうね。グランマもアナタを気に入ったみたいだし、今度もガイド、頼もうかしら」
太田「……よ、喜んで」
香貫花「ふふっ。よろしくお願いするわ」
香貫花「でも珍しいわ。グランマが男の人をあんなに誉めるなんて。太田が好きなのかしら」
太田「………変な冗談はよせぃ」
香貫花「ふふふっ」
91 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 02:17:59.57 ID:RCKOm1eR0
香貫花「でもビックリしたわ。まさか太田が、最後にこんな気の利いたところで夕食をご馳走してくれるなんて夢にも思わなかったわよ」
太田「い……嫌だったか」
香貫花「嫌じゃないわよ。全く」
太田「そうか……」
香貫花「……でも」
太田「……でもなんだ」
香貫花「……いきなりどうしたの?」
太田「こ……細かい事は気にするな」
香貫花「そうね、ごめんなさい」
太田「………」
香貫花「………」
香貫花「カンパイ」
太田「……乾杯」
チーン
【パトレイバーで学ぶ東京観光・終】
■To be continued
92 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 02:19:32.83 ID:RCKOm1eR0
この物語はフィクションである
……が、
10年後においては定かではない。
25周年だからパトレイバーSSが今年こそ増えますように増えますように増えますように
94 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 02:24:27.30 ID:8ISAgJ650
乙!
しかしパトSSは増えようがないだろw
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1357315236/
シゲ「本当なんだってば!明日、太田さんと香貫花が初デュェェェェェェィトするんだって!」
進士「いくら香貫花さんがアメリカから来てるからって」
シゲ「ま、場所はどこだかまた分からないけどぉ…そのうち整備班のサイバーネットワークを駆使して」
後藤「上野だって」
一同「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!?」
後藤「……ゴキブリ見っけたみたいな声ださないでよ」
遊馬「……いつの間に」
後藤「ずーーーーっといたよ」
3 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:02:13.17 ID:RCKOm1eR0
後藤「それが俺も昨日、こっそり聞いちゃってさぁ……」
シゲ「ね?ね?後藤隊長もそう言ってるんだからさぁ……」
進士「……確かに太田さんって香貫花さんと文通のみならず3日に一度アメリカに電話してるらしいですよ」
遊馬「国際電話ってのはちょーっと掛けただけでもウン千円だぜ。それを3日に一度ってのは……」
ひろみ「た、ただ事じゃありませんね……」
4 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:02:56.90 ID:RCKOm1eR0
遊馬「そう言えば太田って香貫花のこと香貫花って呼ぶしな……」
進士「それは外国人ですし、同僚ですから特別なことではないと思いますけど……」
遊馬「でも権力に弱い太田だぞ。いくら香貫花の命令に素直に従うったって、一応上司っちゃ上司だぞ」
ひろみ「熊耳さんのことは、あんまりおタケさんって呼びませんよね」
熊耳「意外と呼ばれてるけど?」
遊馬「でも“香貫花”ほどじゃあ……」
熊耳「結構な頻度で呼ばれてるけれど?」
一同(………なんで張り合ってるんだよこの人は)
6 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:05:18.27 ID:LRkxf1DFO
パトレイパーか
4
7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:05:38.38 ID:RCKOm1eR0
シゲ「………ま、とりあえず」
シゲ「張った!張った!張った!」
遊馬「何もなしに1万!」
整備員A「Aに1万!!」
進士「Bに5千円!!」
整備員B「Cに3千円!!」
整備員C「じゃあDに3千円!」
遊馬「……Dって何だよ」
シゲ「プロポーズ」
遊馬「太田が!プロポーズ!!」
一同「ギャハハハハハハハ!!!」
野明「ちょ……ちょっと………」
8 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:07:04.02 ID:nMmcWzOq0
>>3
パトの時代背景を感じさせる。
いまだと無料で通話できるからなあ~
9 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:07:04.40 ID:vdp5BCFFO
なつい
10 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:07:09.76 ID:RCKOm1eR0
熊耳「 お や め な さ い ! 」バンッ
一同「!?」
熊耳「いくら太田君と香貫花さんのこととは言え、人の恋路で賭け事だなんて最低よ!遊びじゃないんだから!」
野明「くまがみさん………!」
一同「………」
遊馬「そ……そういやAとかDだのはともかく、BだのCだのの判断はわからんちんだな……」
進士「つまり賭事としても成立してないんじゃありませんか……コレ」
シゲ「あ、ば、バレた?」
後藤「と、言うわけで。ハイ、掛け金は回収しまーす」
遊馬「あああ!!ちょ!隊長!!」
熊耳「篠原巡査!己がしたことを少しは反省しなさい。みんなもよ!!」
一同「はい…………」
11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:08:32.16 ID:RCKOm1eR0
後藤「まあこの金はアレだ。初デート資金にでもしてもらおうや」
遊馬「なーーんで太田に!!」
後藤「……篠原、スポンサーとしちゃ、デートが上手く行っとるかどうか…見届ける権利くらいありそうなもんだなぁ。なぁ?」
一同「………!」
野明「隊長、私も3千円!」
ひろみ「ぼくも3千円………」
熊耳「………」
熊耳「………私は2万円」
一同「おお………」
12 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:10:02.38 ID:RCKOm1eR0
【翌日】
―上野駅前―
遊馬「……時間になったな」
野明「2人とも来ないね」
後藤「あれじゃないの」
シゲ「えーっ……姿は似てますけどアレですかぁ?」
進士「アレですよアレ」
シゲ「もうちょっと近づいて………」
熊耳「ダメです!私達が来てるってカンづかれたら……」
シゲ「大丈夫だってぇ」
後藤「香貫花ってカン、いいのよ?尾行巻く訓練を……確かアメリカで受けたって聞いたし」
シゲ「うへぇ!」
野明「スッゴーい香貫花!」
遊馬「……なんでもござれだな」
ひろみ「……あの、その前にいくら非番とは言えこんな大人数じゃ」
一同「大丈夫!大丈夫!」
13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:10:33.46 ID:RCKOm1eR0
遊馬「な……なんか話してるぞ」
野明「熊耳さん読唇術使えないの?」
熊耳「……いくらなんだって無茶よ」
後藤「『ま、っ、たか』『いい、え…おーた…そ、れ、じゃ……い、き、ま……しょ』」
後藤「だって」
一同「 」
野明「……ま、まさか後藤隊長が読唇術使えたなんて」
シゲ「流石は往年のカミソリ後藤だよね……」
14 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:11:14.38 ID:RCKOm1eR0
熊耳「と、とりあえず……アレが太田君と香貫花さんってことは確定したわよね」
進士「話し込んでますね」
野明「隊長!2人が話してる内容って……」
ひろみ「あの……金杯見たいから、家に帰るそうです………」
ズコッーーー!!
遊馬「な……なんだってんだよ!この大事な時に!」
進士「まあ良いじゃないですか……前々からそう言う人ですし……」
熊耳「……あら、どこかに移動するみたいよ」
15 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:11:41.90 ID:RCKOm1eR0
野明「……動物園とか?」
遊馬「ここは……美術館か」
進士「博物館でしょうかね……」
シゲ「アメ横かねぇ………」
熊耳「えっ………」
野明「ど、どうしたの熊耳さん!」
熊耳「駅の中に戻って行ったけど……」
一同「な……なんで………!?」
16 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:13:00.97 ID:RCKOm1eR0
【電車内】
ガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタン
野明「山手線かあ」
遊馬「なんで上野駅に集まったんだか……」
進士「もしやアレじゃありません……山手線を一周するのがデートだとか」
野明「……ちょっと初デートであんまりじゃない、それ」
シゲ「2人とも…そんなに鉄道に興味あり気には思えないしねぇ……あ、気づかれちゃうから顔隠して隠して」
野明「あれ、なんか2人……いまから降りるみたいだよ」
遊馬「おっ、案外すぐだな」
アキハバラー!アキハバラー!
ズコッーーー!!
18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:17:28.24 ID:RCKOm1eR0
野明「あ……アキバ………?」
シゲ「ま……まあ……アキバもいいんだけどね」
進士「太田さんと香貫花さんが……」
遊馬「初デートでアキバって…お前……」
熊耳「……頭がグラグラして来たわ」
ひろみ「あ…アイドルがすきな太田さんらしいですけど………」
シゲ「でもさ」
一同(……周りに喧嘩を売ってるとしか思えない)
19 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:17:56.11 ID:RCKOm1eR0
【秋葉原駅前】
遊馬「…一体、どこから回るつもりかあの2人」
野明「アキバなんてめったに来ないからなぁ………」
進士「どこに行くつもりでしょうか……」
シゲ「はい!寒いからおでん缶だよー!美味しいけど、たべるぅ?」
熊耳「シゲさん…いつの間にそんなもの……」
野明「あたしさつまあげ!」
遊馬「なっ!2つも取るなよ!1つよこせ!」
進士「僕だいこんで……」
ひろみ「こんにゃくで……」
熊耳「あなたたち遠足に来てるんじゃないんだから……私はウズラね」
20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:18:18.15 ID:RCKOm1eR0
シゲ「あれ、なんか様子が変だよ太田さん」
熊耳「……なんだか焦り出したわよ」
野明「あっ、また駅に戻った!」
遊馬「またかよ……」
シゲ「ちょっとテンパり過ぎなんじゃないの太田さんさぁ……ぬあああああ!!!!って俺の分がないッ!?」
21 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:19:57.75 ID:RCKOm1eR0
【電車内】
ガタンガタンガタンガタンガタンガタン………
遊馬「太田のヤツ…一体どこに行くつもりなんだか」
シゲ「多分、俺が思うにこのまま田町まで行って、歩いて三田駅……で、芝公園まで行くんじゃないの?」
野明「芝公園……って事は東京タワー?」
熊耳「まあ、定番と言えば定番ね」
進士「でももう少し、おしゃれな所に行きませんかね?今は色々出来てるんですから……」
ひろみ「……香貫花さんも東京慣れしてますしね」
熊耳「東京タワーって言うのが太田くんらしいじゃない。なんだか」
熊耳「………ハァ」
野明「ど、どうしたんですか熊耳さん」
熊耳「ついに香貫花さんにも太田くんにも先越されちゃったなーって」
熊耳「もうすぐ30なのにねぇ……南雲隊長みたいになるのかしら………ハァ」
一同(………掛ける言葉が見つからない)
22 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:20:35.10 ID:27DlpTNb0
当時のアキバとかディープってレベルじゃねーぞ。
あれ?おでん缶っていつ頃からだっけ
23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:21:47.26 ID:RCKOm1eR0
【芝公園駅】
シゲ「ねっ、ビンゴでしょ?」
野明「わあ!本当に東京タワーだ!」
遊馬「……東京に出てきてお前何年だっちゅうの」
野明「うるさいな。何年経っても物珍しいものは物珍しいの」
遊馬「タワーなら確か札幌にもあるだろ」
野明「……まあ、さっぽろテレビ塔の方がイケてるけどぉ?」
シゲ「しっかし太田ちゃんも奥手だよねぇ。電車乗ってる間に歩いてる間にもなーんにもしゃべんないんだからさぁ」
野明「あ、ノッポンだ!遊馬!写真!写真!おーい!」
遊馬「バカ!野明お前!」
24 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:22:46.22 ID:RCKOm1eR0
野明「大丈夫だって!太田さん達、もう上に行ったみたいだし」
遊馬「そう言う問題じゃ」
熊耳「ここから先は、どうせ見失わないんだし、良いじゃない。すいません、一枚いいですか?」
遊馬「熊耳さんまで……」
シゲ「ほら遊馬ちゃん入らないの?」
遊馬「……入りますけど」
一同「ハイチーーーズ!」
25 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:23:49.13 ID:RCKOm1eR0
【特別展望台】
熊耳「………居たわよ」
進士「まあ、ここまで来たからには特別展望台まで登りたいものですよね」
遊馬「……しかし、景色見るだけで1,420円ってのは、ちょーっと高いんじゃないのか?」
野明「ここまで来て野暮なこと言わないでよね」
進士「こう言うところに来るのはカップルとか観光客が殆どですから」
シゲ「いちゃつくショバ代ってワケね」
ひろみ「あ、なんか2人とも結構イイ感じみたいですよ」
26 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:23:52.85 ID:vOb77FbhO
なんやかんやで流されちゃうおタケさんか好きさ
27 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:24:40.76 ID:RCKOm1eR0
シゲ「ここでさ、人もあんまりいないんだから太田さんも香貫花の肩をガッと抱いてさ、ブチューってしちゃえばいいのにね」
進士「まっさかぁ!太田さんがそんなこと出来るタイプの人間だと思います?」
シゲ「まあ……無理だよね……」
野明「……さっきからなーんにも喋んないけどあの2人」
熊耳「大丈夫なのかしらね……」
遊馬「意外と奥手そうだよな。太田も香貫花も」
シゲ「ああ……一生前に進まないタイプのやつね」
一同「ああ………」
28 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:25:26.45 ID:RCKOm1eR0
【1時間経過】
野明「………あの位置から微動だにしないけど」
遊馬「……何見てんだろうな」
ひろみ「っていうか何だか逆に長年連れ添った夫婦の雰囲気的なものを感じます……」
熊耳「……あの2人を飽きずに見てる私達も私達だけど」
シゲ「………うーん」
野明「どうしたのシゲさん」
シゲ「この後どこ行くのかなぁって、あの2人。やっぱりさ、東京タワーって言ったら……」
野明「ま……まさか……」
シゲ「ろう人形館」
野明「んぎゃああああっ!!」
進士「……あそこは色んな意味ですごいですからね」
30 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:28:09.48 ID:nMmcWzOq0
支援
31 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:29:18.73 ID:RCKOm1eR0
シゲ「でもさ、1000円払ってパンダデメキン見るよりかコスパ良いじゃない?」
熊耳「……最早コスパの問題なのかしらね」
進士「コストパフォーマンスの面から言えばセット券がいいんじゃないんですか?」
シゲ「ありゃダメよ。特別展望台までついてないしさ、結果的に特別展望台からろう人形館が一番いいんだよね」
野明「あ、あ、あたし……ろう人形館はパス……」
遊馬「なんだよ野明、怖いのかぁ?」
野明「こ、怖いよ……そりゃ。昔東京観光に来てさ、それ以来……夢に出てくるんだからな……」
32 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:30:42.54 ID:RCKOm1eR0
進士「……確かになんかアソコにある人形全てが目が虚ろで無機質ですもんね」
シゲ「マリリン・モンローとかモナリザとか吉田茂とかさ…あんまりだよね……」
遊馬「確かに……アンネ・フランクと中世の拷問は……」
シゲ「……なんか取り憑いてそうだよね」
熊耳「ごっ……拷問!?」
遊馬「妙にリアルなんですよ……血とか…切り口が………」
野明「ぎゃああああ!やめてぇ!思い出させないでよぉ!」
ひろみ「ひぃぃぃぃ………」
熊耳「非科学的非科学的非科学的非科学的非科学的非科学的非科学的非科学的非科学的非科学的非科学的」
33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:30:44.51 ID:nMmcWzOq0
入ったら気絶する人が……
34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:31:19.81 ID:RCKOm1eR0
シゲ「あっ、太田ちゃん達……下に降りるみたいよ」
野明「……どうしよう遊馬」
遊馬「……どうしようもこうしようも行くしかないだろ」
ひろみ「く……熊耳さん大丈夫ですか?無理しないで下さい」
熊耳(裏声)「だ!大丈夫よ!大丈夫!全然!」
36 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:32:28.26 ID:RCKOm1eR0
【タワービル(現フットタウン3F)・ろう人形館】
シゲ「中に入ったよ」
遊馬「じゃあ………俺達も………」
野明「う……うげえ…なんか空気がおかしいよ……」
熊耳「ぅぅ………」
シゲ「大丈夫熊耳さん?止めとけば?」
熊耳「い、いくわよ……いきます……」
進士「相変わらずマリリン・モンローは似てませんね……」
シゲ「このマリリンのろう人形ってさ、秘宝館とかに行くとよく有るらしいんだよ。ハンドル回すとスカートが捲れたりするんだよねぇ」
男一同「へぇ」
野明「えっ、何?秘宝館って何?遊馬」
遊馬「……お前は知らんでいい」
37 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:34:18.86 ID:RCKOm1eR0
遊馬「じゃあそろそろ先にいこうぜ」
ひろみ「あ、あの……遊馬さん……」
遊馬「どうしたひろみ」
ひろみ「く……熊耳さんが……」
熊耳「 」チーン
一同(も……もう………?)
38 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:35:02.62 ID:RCKOm1eR0
―そして―
熊耳「ぅ……ぅぅ………」
ひろみ「く……熊耳さん……」パタパタ
野明「な……なんか良かったような良くなかったような……」
遊馬「まあ、こうなることは予測出来てたしな」
シゲ「だからって、ちょっと入っただけで倒れちゃうかなぁ……」
進士「……向こうの人も気を使ってお金、返してくれましたしね」
熊耳「はっ!」
ひろみ「あ、気がつきましたか熊耳さん」
39 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:36:03.66 ID:RCKOm1eR0
熊耳「お、太田くんと!香貫花さんはどうしたの!ねぇ!」
野明「ま……まだ出てきてませんけど……」
進士「そろそろ出てきそうな気がしますけど……」
シゲ「あっ!なんか誰か出てくるよ!」
遊馬「隠れろ!」
キャッキャッキャッキャッキャッキャッ
一同「………」
野明「……ねえ遊馬」
遊馬「なんだ野明」
野明「あの二人さ……手、繋いでるよね」
遊馬「……まあな」
熊耳「な……何があったのよ……あの二人………」
進士「さ……さあ………」
遊馬・シゲ「うがあああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
野明「ちょっと落ち着いて落ち着いてぇ!!」
40 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:36:44.32 ID:RCKOm1eR0
【電車内】
ガタンガタン……ガタンガタン………
野明「ふぅ……重い」
遊馬「そんなに土産物を買いこむからだ」
シゲ「なーに買ったのよそんなに」
野明「クッキーに金平糖にタワージュエルストラップに日本列島キーホルダー、ゴジラストラップでしょ」
野明「それから東京タワーライター、東京タワーマグネットに東京駅の発車ベルキーホルダー、曲がる鉛筆とタペストリー、ノッポンバッジにノッポンボールペンにノッポンキーホルダー!」
遊馬「……野明、お前はアホか」
41 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:37:29.12 ID:RCKOm1eR0
野明「むっ、東京タワーはテンションあがるんだぞ」
遊馬「だからってさ、いつでも来れるんだからこんなに買いこまなくても」
野明「あ……そうか……」
遊馬「お前な……」
野明「ふん。離島根性が抜けなくて悪うござんしたね!」
熊耳「で、この後だけど……2人はどこにいくつもりかしらね」
シゲ「まあ……多分この後は、三田に戻ってるみたいだし、都営浅草線に乗り換えて……」
一同「浅草」
42 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:38:14.83 ID:RCKOm1eR0
【浅草】
野明「ほ……本当に浅草だ」
遊馬「シゲさんさ、なんでこう…人のデートルートをポンポン当てられるんだよ」
シゲ「まあね!デートは1万回以上したからね!シュミレーションだけど!」
一同「………」
シゲ「なんだよ悲しい顔しないでよね!おれっちレベルになるとさ、デートで話す内容何かも考えちゃうワケ!!」
野明「じゃあさ、シゲさん。この電気ブランっていうのは?」
シゲ「ああ、神谷バーのね」
44 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:40:37.77 ID:RCKOm1eR0
シゲ「電気ブランってぇぇぇのは!ブランデーとジンとワインとキュラソーと薬草が入ってる酒なんだよね!詳しい材料とかは内緒らしいんだけど!」ペラペラペラペラ
シゲ「元々はさ、「電氣ブランデー」って名前だったんだけどねぇ、その後『ブランデー』じゃああああああないってことで、電気ブランになああああああああああああったワケ!」ペラペラペラペラ
シゲ「ちなみに電気ブランの電気ってのは、当時電気がハイカラだったから使われたのよ。舌が痺れるからってのはさ、ありゃガセよ!ガセ!」ペラペラペラペラ
一同「へぇ」
シゲ「それから、電気ブラン(30度)、電気ブランオールド(40度)の2種類があって!!!」ペラペラペラペラ
シゲ「メニューじゃ30度の方をデンキブラン、40度の方が電氣ブランってなああああああああああああああああああああああああってるワケ!」ペラペラペラペラ
シゲ「電気ブランの説明終わりイエーーーイ!!!!!!!!!!」
一同「オオー」パチパチパチパチ
47 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:41:30.17 ID:RCKOm1eR0
野明「他には!他には!」
シゲ「ええと……浅草はチベット語の”アーシャークシャ”から来てるとか」
一同「へぇ」
シゲ「花やしきは、元々は菊を展示する植物園だったから『花やしき』とか」
一同「へぇ」
シゲ「浅草寺のおみくじは凶が多いとか」
一同「あ、それは知ってる」
シゲ「……まあさ、こんなこと調べててもさ、彼女は出来ないんだけどね」
進士「あ、香貫花さんと太田さんが腕を組み始めましたよ」
シゲ「うがあああああああああ!!!!!!!」
48 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:42:03.29 ID:RCKOm1eR0
【浅草寺】
野明「………」
遊馬「どうした野明」
野明「……いつ見ても思ったより提灯って小さく感じるんだよね」
遊馬「お前んとこの時計台ほどじゃないだろ」
野明「……返す言葉もございません」
熊耳「この辺りは出動でも良く来るわよね」
進士「そうですね。まあ、とりわけ上野周辺は多いですからねぇ」
遊馬「……あれ、そういやひろみは」
49 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:42:07.11 ID:8ISAgJ650
やべえ映像が頭の中で再現されまくりw
50 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:42:27.26 ID:RCKOm1eR0
店員「お兄さんお兄さん、これ食べていきなよ」
ひろみ「す……すいません……」もぐもぐ
店員「おいしい?今ね、これ3袋で1000円だから~お得だよ~」
ひろみ「じゃあいただきます」
店員「まいどー」
店員「お兄さんお兄さんうちの人形焼きもおいしいから……」
ひろみ「え、じゃあ……」
遊馬「……無限地獄に堕ちてるな」
野明「ひろみちゃん……」
51 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:43:33.11 ID:RCKOm1eR0
シゲ「ひろみちゃん、どーしたのよ…その量さぁ……」
ひろみ「な……なんかいつの間に……」どっさり
シゲ「進士さんも……」
進士「多美子さんが人形焼き好きなんですよ。買って帰らなくっちゃ」どっさり
遊馬「……」ジッ
野明「……なんだよ遊馬。揚げ饅頭が美味しかったから……つい」
遊馬「端から見れば俺達も立派なおのぼりさんだろうな」
シゲ「……何しに来たんだろうね、俺達」
52 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:44:14.82 ID:RCKOm1eR0
熊耳「あら、相変わらず2人は腕は組んでるものの、無言のままよ」
進士「あ、太田さんがハトに襲われてます」
遊馬・シゲ「ヤレヤレ!やっちまえ!!」
野明「そんなことより遊馬!おみくじ!おみくじ!」
遊馬「やめとけって。どうせ凶しか出ないんだからさ」
野明「その中から大吉引くってのが醍醐味だろ?よいしょ」
カラカラカラカラ
野明「……あ、32番……えっと、これだこれ」
野明「………」
野明「ぬわあああああああ!!?」
遊馬「どうした。まさか大吉か?」
野明「………大凶だって」
53 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:44:53.10 ID:RCKOm1eR0
熊耳「あら……なになに……」
熊耳「『大きな過ちに注意』ですって」
野明「お……大きな過ちって………?」
遊馬「『目上の人間に注意せよ』」
シゲ「目上の人間って言うとさ、後藤隊長かね」
野明「も……もしかして……ご、後藤隊長をレ、レイバーで踏み潰しちゃうとか……」
シゲ「んふっ!」
遊馬「大丈夫だって。レイバーで踏んだくらいじゃ、あのオッサンは死なないっちゅうの」
野明「う……うん……」
54 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:45:22.30 ID:RCKOm1eR0
進士「まあ、こう言うのは事前に注意すればいいものですから」
ひろみ「泉さんは心がけがいいから大丈夫ですよ」
野明「うん……」
遊馬「……だから言ったろ。落ち込むくらいなら引くなって。まあ気にするな」
野明「うん。よし。じゃあ!」
野明「大吉がでるまで引き直そう!!」
ズコーーーーッ!!!!!!!!!!!
55 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:46:28.40 ID:RCKOm1eR0
【電車内】
ガタンガタン……ガタンガタン…
野明「……大吉出すまで5000円掛かった。スッカラカンだよ遊馬」
遊馬「大きな過ちってこの事だな、野明」
熊耳「でも目上の人に注意って……何かしらね」
進士「ま、ちょっとした占いですから」
シゲ「もう時間が時間だしさ、このまま上野に行って食事した後に解散って感じかね」
野明「結局腕組んだのと、手を繋いだくらいだったよね」
遊馬「……何を期待してたんだ野明」
野明「べ……別に期待はしてないけど……」
シゲ「香貫花に一発くらい殴られるもんだと思ったけどね、太田さん」
一同(期待外れだったなぁ………)
56 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:46:54.43 ID:RCKOm1eR0
【上野駅】
遊馬「…なんか普通のつまらんデートを見させられた感じだったな」
ひろみ「っていうか僕たち……普通に東京観光してしまいましたよね」
野明「……ね」
シゲ「もうすぐ上野だし、この後特に何も起きそうもないしさ、このまま飲みにでも行こうよ」
熊耳「そうね。じゃあ……」
一同「んーーーーーーーーーーー?」
シゲ「ねえ……なんでJRの改札に入ったのよ」
58 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:48:06.42 ID:RCKOm1eR0
遊馬「まだ……どこかいくつもりか」
熊耳「やっぱり……夜景を見に?」
遊馬「太田が夜景って熊耳さん」
一同「………」
シゲ「ちょっと面白そうだからついてく?」
一同「賛成」
59 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:48:41.04 ID:RCKOm1eR0
【車内】
ガタンガタン………ガタン………
熊耳「山手線ね……このまま行くと池袋、もしくは新宿ってところかしら」
遊馬「太田が新宿って!」
シゲ「新宿のホテルのレストランで夜景を背にして愛を囁く太田さん……」
一同「ぶふふふふふふ!!!!!!!!」
熊耳「わ……笑っちゃ悪いわよ……ぷふっ」
60 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:49:08.89 ID:RCKOm1eR0
ウグイスダニーウグイスダニー
一同「……ん」
一同「……ん」
一同「…………ん?」
シゲ「今さ……降りたよね」
遊馬「あ……ああ………」
一同「 」
61 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:49:34.41 ID:RCKOm1eR0
【鶯谷】
野明「え、なに……なにこれココ」
遊馬「いや……まさか……」
ひろみ「 」
熊耳「 」
野明「ラ………」
遊馬「……皆まで言うな野明!」
62 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:50:00.46 ID:RCKOm1eR0
シゲ「えっ……だって……さっきまでアレだよね……無言だったし……えっ」
進士「いや…ほら……秋葉原の時みたいに間違えて降りたとかですよ……きっと」
遊馬「間違えてここまで来るかよ……」
野明「ごめん、あたし理解出来ないっていうか……えっ…えっ?」
シゲ「いきなり、いきなり、初デートで行っちゃうの?えっ?」
熊耳「お……太田くんも香貫花さんも……ぶっ飛んでるとは……思ったけれど……そんな………」
進士「……確かに色々飛ばし過ぎてますけどね」
ひろみ「 」
65 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:52:05.11 ID:xK7L5mlF0
香貫花の登場はまだかいなっと
66 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:52:48.18 ID:RCKOm1eR0
シゲ「もしかしたらさ……初デートだなんて思いこんでたのは俺達だけなんじゃないの」
遊馬「……そういや誰も直接本人からそんな話を聞いてなかったもんな」
野明「確かに……初デートだなんて誰も一言も……」
進士「……もしかしたら随分前から関係が出来上がってたのかもしれませんよ」
ひろみ「なんだかぎこちないを通り越して夫婦みたいでしたしね……」
熊耳「……人は見かけによらないっていうけど」
一同「…………」
69 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:56:10.50 ID:RCKOm1eR0
遊馬「……前で立ち止まって何か話込んでるぞ」
野明「……なんで」
進士「……なんか怒ってますよ」
遊馬「初デートの可能性もなきにしもあらずだもんな」
野明「ま……まさかホントに初デートで………?」
進士「なら怒って当然ですよね……」
遊馬「当然というより最低だな」
シゲ「……後で野郎共引っ張り出してリンチだな太田は」
熊耳「悪い仲間に何か吹き込まれたのかしら……」
野明「見損なったよ太田さん……」
一同「…………」
70 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:57:35.76 ID:RCKOm1eR0
遊馬「……ここは覚悟して太田の野郎を殴りに行くべきか」
シゲ「おうよ!」
ひろみ「ぼ……僕も今回は………」
熊耳「あら、香貫花さんがこっち見たわ」
一同「えっ」
71 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:58:11.77 ID:RCKOm1eR0
シゲ「め……目があった?」
野明「こっち………くる………?」
一同「げっ」
ツカツカツカツカツカツカ!!!!
一同「 」
おばさん「アンタら何よ!!こんなところまで付けてきて!!!!」
一同「え?」
72 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 01:59:11.07 ID:RCKOm1eR0
おばさん「ちょっと、アンタ!こいつらシメてやって!」
野明「え……あれ……かぬ………え?」
おじさん「あ……あのぅ………警察………呼びますよ………?」
遊馬「お………おおた…………?えっ?」
おばさん「おおた?誰よそれ!」
おじさん「………」
シゲ「よ……よくみりゃ全然違う……アカの他人……アレェ?」
ひろみ「 」
おばさん「何よ!」
一同「す………」
一同「すいませんでしたああああああ!!!」ダダダダダダッ!
74 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 02:00:59.67 ID:RCKOm1eR0
一同「………」ハァ、ハァ
遊馬「に……逃げ切ったか」
野明「う……うん…え…なに………なにがなんなんだかあたしさっぱり」
熊耳「香貫花さんが香貫花さんじゃなくておばさんで太田くんが太田くんじゃなくておじさんだったのよ」
一同「えっえっえっえっえっえっ」
シゲ「え……じゃ何……俺達さ、ずっと」
一同『 ア カ の 他 人 の デ ー ト を追いかけ続けてた……ってワケ(ですか)?』
一同「…………」
77 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 02:04:12.47 ID:RCKOm1eR0
遊馬「………誰だよあれが香貫花と野明だなんて言ったのは」
一同「…………」
一同「…………」
一同「あああああああああ!!!!!!!!!!」
進士「じゃあまさか……」
シゲ「よくみりゃ全然似てなかったけどさ……後藤さんにああ言われちゃさ………」
野明「じゃあ…あたしたち…後藤隊長に騙されて休みを1日無駄にさせられたってワケ?」
一同「後藤隊長ずるっけーーー!!!!!!」
78 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 02:04:58.92 ID:RCKOm1eR0
【訂正】
遊馬「………誰だよあれが香貫花と太田だなんて言ったのは」
一同「…………」
一同「…………」
一同「あああああああああ!!!!!!!!!!」
進士「じゃあまさか……」
シゲ「よくみりゃ全然似てなかったけどさ……後藤さんにああ言われちゃさ………」
野明「じゃあ…あたしたち…後藤隊長に騙されて休みを1日無駄にさせられたってワケ?」
一同「後藤隊長ずるっけーーー!!!!!!」
79 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 02:06:33.79 ID:RCKOm1eR0
「お兄さん達、遊んで行かない?」ポンッ
一同「ギャアアアアアアアアア!!?ゴメンナサアアアアアイ!!!!!!」
後藤「お前達、まだやってるの?」
一同「たい……ちょう………?」
一同「隊長おおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
80 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 02:07:15.04 ID:RCKOm1eR0
遊馬「何なんですか隊長!!!!」
シゲ「今日ばっかりはアンマリですよ後藤さん!!」
後藤「いやだ、ごめんってば。別にさ、騙すつもりは無かったんだけどね」
遊馬「……騙す気しか無かったんでしょう」
熊耳「もしかして隊長……まさかずっと私の後を……」
後藤「雷おこし、食べる?」ニヤッ
一同「 」
81 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 02:07:53.28 ID:RCKOm1eR0
遊馬「……なんでワザワザこんなことするんですか隊長!」
後藤「だって、お前達さ、覗くなって言われても覗くでしょ?」
一同「うっ……」
後藤「良かったじゃないの。みんなでお出かけ出来てさぁ」
一同「よくありませんよ!」
後藤「ってことでさ、ま。カンパの金の中から奢るからさ」
遊馬「……元々は」
野明「あたしたちのお金なんですけどね……」
野明「……隊長、そういえば、今香貫花と太田さんは?」
後藤「お舟の上じゃないの」
一同「?」
84 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 02:11:36.99 ID:RCKOm1eR0
【東京湾】
香貫花「ごめんなさいね、グランマったら急に……クルージングに行かないとか言い出して」
太田「……いや、俺はかまわないが体調が悪いなんて言っていたが大丈夫なのか?」
香貫花「嘘よ。全くなんのつもりなんだか……」
太田「お……おお……」
香貫花「でも今日は良かったわ。後藤隊長にいいガイドを紹介してもらって」
太田「………そうか」
香貫花「いやね、数年東京から離れてるだけでも分からなくなっちゃうなんて」
太田「ま…まあ……今は色々出来るのが早いからな……」
87 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 02:14:09.87 ID:RCKOm1eR0
香貫花「まさか太田、あなたにガイドの才能があるなんてね。グランマも大喜びしていたわ。ありがとう」
太田「ああ。その……おばあさんにもよろしく伝えておいて……くれ」
香貫花「そうね。グランマもアナタを気に入ったみたいだし、今度もガイド、頼もうかしら」
太田「……よ、喜んで」
香貫花「ふふっ。よろしくお願いするわ」
香貫花「でも珍しいわ。グランマが男の人をあんなに誉めるなんて。太田が好きなのかしら」
太田「………変な冗談はよせぃ」
香貫花「ふふふっ」
91 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 02:17:59.57 ID:RCKOm1eR0
香貫花「でもビックリしたわ。まさか太田が、最後にこんな気の利いたところで夕食をご馳走してくれるなんて夢にも思わなかったわよ」
太田「い……嫌だったか」
香貫花「嫌じゃないわよ。全く」
太田「そうか……」
香貫花「……でも」
太田「……でもなんだ」
香貫花「……いきなりどうしたの?」
太田「こ……細かい事は気にするな」
香貫花「そうね、ごめんなさい」
太田「………」
香貫花「………」
香貫花「カンパイ」
太田「……乾杯」
チーン
【パトレイバーで学ぶ東京観光・終】
■To be continued
92 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 02:19:32.83 ID:RCKOm1eR0
この物語はフィクションである
……が、
10年後においては定かではない。
25周年だからパトレイバーSSが今年こそ増えますように増えますように増えますように
94 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/01/05(土) 02:24:27.30 ID:8ISAgJ650
乙!
しかしパトSSは増えようがないだろw
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1357315236/
Entry ⇒ 2014.02.24 | Category ⇒ 機動警察パトレイバー | Comments (0)
野明・遊馬「南雲隊長にテレビ取材!?」
1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:36:58.44 ID:vOIZTMEX0
香貫花「警視庁特車2課について…」カタカタカタ
香貫花「ある者は合法的悪の組織、ある者は税金の墓場、ある者は警官のオソロシ所、ある者は…以下略」カタカタカタ
香貫花「人々は、まるで社会不適合者の集まりかのように2課を表現するのだが……実際の所そうであるのだからたちが悪い。」カタカタカタ
香貫花「しかし組織としてのカラーはどうであれ、個人が単一であることは決してない。」カタカタカタ
香貫花「第1小隊…特車2課の良心である、彼らの苦悩と不遇は計り知れない」
香貫花「第1小隊の隊員達と、その隊長についてのエピソードを以下に記す」カタカタカタ
香貫花「警視庁特車2課について…」カタカタカタ
香貫花「ある者は合法的悪の組織、ある者は税金の墓場、ある者は警官のオソロシ所、ある者は…以下略」カタカタカタ
香貫花「人々は、まるで社会不適合者の集まりかのように2課を表現するのだが……実際の所そうであるのだからたちが悪い。」カタカタカタ
香貫花「しかし組織としてのカラーはどうであれ、個人が単一であることは決してない。」カタカタカタ
香貫花「第1小隊…特車2課の良心である、彼らの苦悩と不遇は計り知れない」
香貫花「第1小隊の隊員達と、その隊長についてのエピソードを以下に記す」カタカタカタ
2 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:38:27.82 ID:vOIZTMEX0
特車2課・第2小隊オフィス
野明・遊馬「南雲隊長にテレビ取材!?」
進士「そうらしいんですよ」
野明「へぇー!でっ、でっ、何の番組?」
進士「ズバリ、『踊る大捜査網SP・美人すぎるレイバー隊長に密着!』ですって。」
遊馬「確かに、南雲隊長はけっこうな美人だもんな。そりゃ話題になるってもんだ」
山崎「南雲隊長がいつも隣にいる後藤隊長はうらやましいですよね」
シゲ「ぜーんぜん相手にされてないけど!」
一同「ぶっははははははははは!!」
3 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:38:52.57 ID:vOIZTMEX0
遊馬「よーし、ちょっくら休憩中だし覗きに行くか」
野明「行こう行こう!」
太田「……くだらん」
遊馬「とか言っちゃって太田ぁ、ついてく気まんまんじゃないか」
太田「い、いや、別にだなぁ!俺はお茶をだなぁ!」
香貫花「嘘おっしゃい。今まで一度しか入れたこと無かったわよ。しかもまっずいの。」
太田「き、気分がだなぁ!変わってだなぁ!」
遊馬「よーし、いくぞぉ……」こっそり
一同「おーっ」こっそり
太田「し、仕方がない。あくまで俺は監視の為だぞぉ、監視」こっそり
4 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:39:20.88 ID:vOIZTMEX0
第1小隊・オフィス
レポーター「はい、みなさんこんにちは!今日はなんと、“あの”特車2課に来ちゃいました!」
レポーター「今日は美人すぎるレイバー隊長としてインターネットで話題の……」
後藤「あ、どうも後藤です」
レポーター「そ、そっちじゃない、カメラマンっ!」ヒソヒソ
レポーター「特車2課第1小隊隊長、南雲しのぶ警部補に密着します!よろしくお願いします」
南雲「南雲です。本日はよろしくお願いします」
南雲(……2課の宣伝の為って課長に押し付けられたけど…気が進まないわ、やっぱり)
5 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:39:48.28 ID:vOIZTMEX0
レポーター「で、お隣にいるのは……」
後藤「隣の第2小隊隊長の後藤です。どうも」
レポーター「ああ、ペンペン草も生えない第2小隊の隊長さんで」
後藤「いや……まあ……」
レポーター「で、そのお隣が福島課長、そしてそのまたお隣が……」
五味丘「五味丘です」
結城「ゆ、結城です!」
レポーター「第1小隊のフォワードのお二人ですね。本日はよろしくお願いします。」
レポーター「それではお話を……って、ん?」
7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:41:22.59 ID:vOIZTMEX0
遊馬「どけよ太田ぁ!椅子なんかに登ったらこっちが見えないだろ」コソコソ
太田「よく見えんのだ!」コソコソ
野明「ちょっとやめなよ、収録中みたいだしさぁ!」コソコソ
遊馬「だってよ、太田くん」コソコソ
太田「お前はいけしゃあしゃあと……」コソコソ
香貫花「シャラァーップ!静かになさい!」 コソコソ
太田「おっとっと………」ぐらっ
野明「い……椅子のバランスがぁ!」ぐらっ
遊馬「ちょ!太田ぁ!危ない……」ぐらぐらっ
シゲ「やだ、下敷きになっちゃう!」
太田「ぬおおおおっ!?」
シゲ「いんやあああああぁぁあ゛ぁあああ!」
ズッドーン!
進士「ちょ、ちょっと大丈夫ですか!?」
野明「た、大変だ!医務室に運ばないと……」
ワーワーワーワーワーワーワーワー!
8 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:41:50.05 ID:vOIZTMEX0
レポーター「ず、随分賑やかなご様子で……」
南雲「ま……まあ………」
福島「ごほん!」
南雲(後藤さん、何とか……)チラッ
後藤「…………」ボケー
南雲(ご・と・う・さ・ん!)チラッチラッ
後藤「…………」ボケー
南雲(後藤さん!後藤さん!)チラッチラッチラッ
後藤「…………」ボケー
南雲(………ダメだわ)
ワーワーワーワーワーワーワーワー!
9 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:42:49.71 ID:vOIZTMEX0
―屋外―
遊馬「ったく、大袈裟なんだよ」
野明「でも良かったじゃない。一応は二人とも何ともなかったみたいでさ。」
遊馬「何ともないどころか、元気1000倍だっちゅうの」
太田「ぬおおおおっ!銃だぁ!銃が撃てるぞぉおおおお!!」
香貫花「太田、落ち着きなさい!みっともないとこ、テレビに映りたいのあなたは!」
太田「ぐへっ!俺の銃の腕前を全国に知らしめるいい機会だああああああああ!!!」
後藤「張り切り過ぎないでちょうだいね。あくまで今日の主役はさ、第1小隊なんだからさぁ…」
太田「撃つぞおおおお!撃つぞおおおお!撃つぞおおおお!」
後藤「……聞いてよね」
10 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:43:23.23 ID:vOIZTMEX0
レポーター「と、いう訳で今回はレイバーでの射撃訓練を見学させてもらうことになりましたが……あれ、南雲隊長」
南雲「………」
レポーター「あ、頭を抱えられているようですが大丈夫ですか?」
南雲「……ごめんなさい、ちょっとした眩暈です。続けて下さい」
レポーター「では登場していただきましょう!第1小隊所属レイバー、97式改です!」
97式改「…………」
ズシーン!ズシーン!ズシーン!
11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:43:50.65 ID:vOIZTMEX0
レポーター「この重量感!この迫力!いかがでしょうか!機動隊員をイメージしたこのデザイン、いかにもパトレイバーという感じで素晴らしいですね!」
レポーター「では早速、射撃の準備、お願いいたします!」
南雲「始めるぞ、五味丘」
五味丘「了解!」
シバ「ちょーっとまったぁ!!!」タッタッタッ
レポーター「あれ、向こうから人がやってきてますが……あの方は」
南雲「ああ、あれは……」
12 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:44:00.09 ID:3dhqQ8H20
今どきパトレイバーかよ
13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:44:33.72 ID:vOIZTMEX0
シバ「レイバーのことなら、なーんでも聞いてちょうだいな!」ぬっ
レポーター「い、いつの間に!あ、あなたは!?」
シバ「特車2課整備班自称副班長シバシゲオ!シゲさんって呼んでよね!以後、お見知りおきを!いえーい!」
レポーター「整備班の方でしたか。あっ、そうだ、97式改について、少し教えていただくんでしたね。よろしくお願いします」
シバ「まぁーっかしといて!」
シバ「この97式改の正式名称は『パイソン』!パトレイバー第1号のサーペントを改修した機体で、じゃあどこが違うかと言うと装甲と操縦系なんだけどね!
あと大型シールド、あれも違うんだよね!どこがどう違うかっていうとぉ……長くなっちゃうからいいかぁ!でも!以外と凄い機体なんですよ皆さん!」
レポーター「はあ……」
シバ「イングラムを始めとするAVシリーズ、あ、エッチじゃない方よ!そっちとは違ってワイヤーで制御するから不便っちゃ不便なんだけど、
乗り手が良けりゃそんなの関係ない!うちの97式改なんて、格上のヘラクレスに勝っちゃったんだからさぁ!!」
レポーター「なるほど……」
15 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:45:11.38 ID:vOIZTMEX0
シバ「それから、スタンスティックなんだけどね、これもすんごいのよ!何がすごいかっていうと……」
ペラペラペラペラ
五味丘「あの……そろそろ始めたいんですが」
シバ「それからね、銃なんだけど……」
ペラペラペラペラペラペラ
五味丘「あのぉ……」
シバ「ああ、あと忘れてた!強化スチールなんだけどね!」
ペラペラペラペラペラペラペラペラ
五味丘「………」
南雲「………」
16 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:46:22.15 ID:vOIZTMEX0
30分後
レポーター「あ、ありがとうございました……」
シバ「あれ、もう終わりぃ?」
レポーター「そ、それでは、五味丘さん、射撃の方、お願いします!」
パイソン(五味丘)「了解!」
南雲「五味丘、頼んだぞ」
パイソン(五味丘)「任せてください、南雲隊長!」
南雲「五味丘………」
ガシャン!ガシャン!ガシャン!
パイソン(五味丘)「………」グググッ
ズキューーン!
レポーター「おーっと!ついに引き金が引かれましたー!」
レポーター「……って、アレ?」
五味丘「いや、私はまだ……」
南雲「………まさか」
18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:46:38.44 ID:CZSWLiim0
完璧に脳内再生出来るのが怖い
19 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:47:04.79 ID:vOIZTMEX0
ズキューーン!ズキューーン!ズキューーン!
イングラム(太田)「………」
進士「すごい!4連続射撃、成功ですよ太田さん!」
イングラム(太田)「………他愛もない」クルクルパッ
イングラム(野明)「すごいよね、太田さん。特にあのクルクルやってリボルバーしまうの」
遊馬「この凄さが実戦で全く生かされないっちゅうのが一番すごいよな」
イングラム(太田)「ぬわぁんだとぉ!!」
遊馬「本当のことだろ」
イングラム(太田)「貴様ぁ………!」
20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:47:30.97 ID:vOIZTMEX0
ズキューーン!
遊馬「ちょ、ちょっと太田ぁ!ペイント弾だからって危ないだろお前!」
イングラム(太田)「まてぃ篠原!まてぇ!!!!」
香貫花「やめなさい太田!やめろってのがわかんないの!?」
ズキューーン!ズキューーン!ズキューーン!
イングラム(野明)「ちょっと、やめなって太田さん!」
香貫花「太田ぁ!」
レポーター「………」
南雲「………」
五味丘「………」
21 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:48:15.52 ID:vOIZTMEX0
―隊長室―
レポーター「さ、さて、今度は南雲隊長のデスクがあるという隊長室に潜入してみたいと思います!よろしくお願いします」
南雲「よろしくお願いします」
南雲「どうぞ」
ガチャ
レポーター「失礼しまーす」
レポーター「小綺麗なデスク!几帳面なんですね」
レポーター「で、お隣のデスクは……」
ごっちゃー
南雲「……後藤のデスクです」
レポーター「な、なるほど……」
南雲(散々片付けてって言ったのに後藤さん……)
22 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:48:45.52 ID:vOIZTMEX0
レポーター「ご、後藤隊長とお二人っきりでお仕事してらっしゃるんですねー」
南雲「ええ」
レポーター「お二人のお付き合いは長いんですか?」
南雲「そうね、もうかれこれ2~3年は経ちます。」
レポーター「ずっと二人きりでお仕事してらっしゃるんですか」
南雲「ずっと、と言う訳ではありませんが家族といるよりも長い時間、彼の顔を見ることになりますね」
レポーター「なるほど……と、なると」
南雲「なると?」
24 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:49:21.42 ID:vOIZTMEX0
レポーター「恋愛感情を抱いてしまったり…だとかー?どうなんです、そこんところ!」ニヤニヤ
南雲「ありません」
レポーター「えー、でも」
南雲「ありません」
レポーター「いや、ほら例えば…」
南雲「ありません」
レポーター「……」
ガタッ
南雲「!」
南雲「少し失礼」
レポーター「えっ……」
カツカツカツカツカツカツ……
ガチャッ!
第2小隊一同「うわぁ!?」
南雲「……」
25 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:50:22.37 ID:vOIZTMEX0
野明「ご、後藤隊長を探しに来たらた…たまたま、ねっ!」
遊馬「そっ!そう!たまたま!たまたま!」
南雲「……待機中よ。戻りなさい」
第2小隊一同「はーい………」
南雲「………」ハァ
レポーター「……大変ですね」
26 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:50:25.69 ID:B9lVF6DDO
ペラペラの部分は全部千葉さんのアドリブですね分かります
27 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:50:46.95 ID:vOIZTMEX0
第2小隊・オフィス
一同「………」
野明「なんか、さあ……遊馬」
遊馬「なんだ……」
野明「なんか……今日1日の行動を振り返ってみるとさ」
遊馬「……振り返ってみると?」
野明「……あたしたち、なんか南雲隊長に悪いこと、しちゃってるような気がするんだよね」
香貫花「そうでしょうね。主に誰かさんのせいで」ジッ
太田「なっ、なにっ!お前ら俺のせいだとでもいいたいのか!?」
進士「そりゃ全部じゃないですけど」
山崎「原因がないわけでは……」
28 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:51:13.61 ID:vOIZTMEX0
太田「そんなことを言ったら篠原だって!散々人にケンカをふっかけときながら……」
香貫花「シット!売られた喧嘩を買う太田が一番バカだって言ってんのよわかんないの!?」
太田「し、しかし!」
香貫花「しかしももなにもなーい!」
野明「このままじゃ、まずいよね」
遊馬「まずいよな」
山崎「と言っても、どうすれば……」
遊馬「そりゃアレだろう、第1小隊のカッチョイイ部分が沢山とれりゃ、わざわざ、カッコ悪い部分なんか使いやしないだろってこと」
野明「そういうもんかなぁ」
30 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:53:32.70 ID:vOIZTMEX0
遊馬「そういうもんなの。どっちにしろ罪滅ぼしするべきだろ、俺たちは」
野明「罪滅ぼしって、例えば?」
遊馬「例えばさ、午後にレイバーで模擬戦やるだろ?あれでわざと負けるんだよ、俺達がさ」
野明「わざと負ける!?」
遊馬「しかし、あっさり負けたんじゃダメだ。ギリギリまで粘って負けるんじゃなきゃ画面的に映えん。」
遊馬「そうすりゃ、第1小隊の活躍が全国のお茶の間の皆さんにお届け出来るって寸法さ」
31 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:55:02.01 ID:vOIZTMEX0
香貫花「なるほどね。だけど、あの南雲隊長がそれを良しとするかしら」
遊馬「そこが問題なんだよ。あの人頭堅いから、聞くわけ無いもんなぁ」
野明「じゃ、じゃあ、やるとしたらさ、全部こっちで上手くやらなきゃならないわけ?」
遊馬「だから“罪滅ぼし”っていっただろ。その位のことはしなきゃ」
野明「そんなこと言ったってさぁ、実際にやるのはフォワードなんだからね遊馬!」
遊馬「フォワードとバックアップは一心同体!だろ?」
野明「都合いいんだから」
32 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:55:23.71 ID:vOIZTMEX0
野明「…あっ、そうだもうこんな時間だ。みんなに出前聞きにいかなくっちゃ!」
ガチャッ!
シバ「よお、みんな元気してるぅ?」
野明「あ、そうだシゲさん、出前なんにします」
シバ「そのことなんだけどさぁ…こっちも焼肉定食ご飯大盛りスープをコーヒーにチェンジと杏仁豆腐を頼みたいのはやまやまなんだけどね」
シバ「出前禁止だって、課長からお達しがきちゃったのよ」
野明「で、出前禁止ぃ!?」
33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:56:04.18 ID:vOIZTMEX0
シバ「今日の昼食はこれだって。ほい」
遊馬「コッペパン中身なし」
山崎「めざし」
進士「水道水……」
野明「ってなんなのコレぇ!?」
シバ「全国に特車2課の困窮っぷりをアピールするんだと」
遊馬「困窮っぷりって言ったって……」
シバ「あ、ちなみに弁当も禁止らしいから」
進士「ぅええ!」
シバ「じゃあ……整備の若いのにも説明してくるわ……殴られちゃうんじゃないかな俺」
トボトボ……
野明「や……やりすぎだよね、これ」
香貫花「日頃の行いのツケってやつよね」
進士「うぐっ!多美子さぁん!ごめんね多美子さぁん!!あああ!」
太田「さっきからなんで皆俺を見る!俺を見る!」
34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:57:15.83 ID:vOIZTMEX0
控え室
レポーター「……ったく最悪よ、こんなとこぉ。なーんで昼飯がクソまずい中華弁当なんだっつうの!」
カメラマン「仕方ないじゃない。お役所なんてこんなもんよ。」
レポーター「それより画よ画!今まで全く、ぜーんぜん面白くもなんともない映像ばっかじゃないのよ!」
P「めざし食ってる警察官ってかなり面白いと思うけど」
レポーター「それもそうね。んじゃ、このまま2課のダメダメ面白名場面にでもしちゃう?」
P「いいねーそれ。視聴率取れそうだ!」
カメラマン「編集しちゃえばこっちのもんですしね」
レポーター「でも、あの堅物女、マジムカつくのよ!余裕ぶっこいちゃってさぁ!恋バナの一つも出来やしないんだからぁ。ま、相手があのオッサンじゃあね」
35 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:57:54.66 ID:vOIZTMEX0
カメラマン「そうそう、そういや南雲隊長にさ、お願いしようと思うんだけど無理かなコレ。」
レポーター「……何頼むの?」
カメラマン「コスプレ」
レポーター「ばっかじゃないの?あの女隊長がやるわきゃないじゃないのよ!」
P「えー?でもさ、エリートで堅物の女隊長がコスプレ披露なんてバカウケだと思わない?」
レポーター「安っぽい企画ね」
カメラマン「わざわざ衣装まで用意して来たんだけどさぁ、これ!」
レポーター「やだ、ほとんど布ないじゃないの!」
36 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:58:02.05 ID:vOIZTMEX0
P「若者に今大人気の鉄腕……なんとかのヒロインの格好だと。しかし、本当に布ないねぇ」
レポーター「ふぅ~ん」ニヤッ
カメラマン「あれ、何か思いついた顔してない?」
レポーター「あのいけすかない女隊長の鼻をへし折ってやんのよ!たしかアンタ、レイバーの整備の学校でてるんだったわよね」
カメラマン「ま、まあ……」
レポーター「ぐふ、ふふふ……ふふふふふ!!!」
37 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:58:31.40 ID:vOIZTMEX0
隊長室
レポーター「と、言うわけで!」ニコーッ
南雲「……はい?」
レポーター「午後に行われる予定の第2小隊とのレイバー対決、一つお願いがあるんです!」
南雲「お願いって……」
後藤「聞くだけ聞いてあげれば?」
レポーター「後藤隊長さん話がわかるぅー!お願いっていうのはですね、私たちと賭けして欲しいんですよぉ!」
南雲「賭けって……警察官に何言ってるのよ」
レポーター「まさか、犯罪に巻き込む訳には行きませんから。もし、第1小隊が負けたら、私たちのお願いを一つ聞いて貰う、これだけです!」
38 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:58:54.88 ID:vOIZTMEX0
南雲「そんなこと言われたって」
レポーター「課長さんには許可は取ってますから、ねっ?」
カメラマン「番組を盛り上げるためですから、ねっ?」
P「2課寄りの番組に仕上げますから、ねっ?」
南雲「でも……」
後藤「お願い、聞いてあげたら?」
南雲「後藤さんたら全く人事だと思っちゃって…」
後藤「あれ、じゃあ何、しのぶさんはうちの第2小隊に勝てる自信、ないのぉー?」ニヤニヤ
南雲「ッ!」
39 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:59:17.79 ID:vOIZTMEX0
南雲「そ、そんな訳、あるわけないでしょう。うちの五味丘巡査部長が負けるわけがないわよ」
後藤「じゃあ決まり?」
南雲「良いわよ。分かったわよ。何でもお好きにどーぞ」
レポーター「じゃあ、そゆことでー」ニヤニヤ
カメラマン「失礼しまーす」ニヤニヤ
P「しまーす」ニヤニヤ
後藤「はいご苦労様」ニヤニヤ
ガチャッ
南雲「……」
41 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:00:46.64 ID:vOIZTMEX0
―作業場―
整備員A「ちょ、ちょっと勘弁してくださいよシゲさん!」
シバ「好きでこんなもん配ってんじゃないのよぉ!こんなもん…かわいい後輩達に配る身にもなってよねぇ……!」
整備員B「弁当なしなんてあんまりです!おやっさんなんて、堂々と外で食ってんじゃないですか!」
シバ「おやっさんだからいいんだよ!」
整備員一同「なるほど」
整備員B「…って!だからってこんな食事納得できるかよ!」
整備員C「そうだ!」
整備員一同「そうだ!そうだ!」
シバ「ちょっと!ちょっと!落ち着いてよ!話せばっ!話せばわかる!!」
ワーワーワーワーワーワーワー
42 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:02:57.01 ID:FUuWs0J2i
未来派ラバーズ
43 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:03:38.68 ID:VoeTvRVKO
しのぶさん万歳
45 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:05:02.09 ID:vOIZTMEX0
こっそり
レポーター「潜入せぇーこお!」ヒソヒソ
P「案外簡単だったね」ヒソヒソ
カメラマン「……やばくないっすか?」ヒソヒソ
レポーター「バレたらバレたときよ、ほらっ」ヒソヒソ
カメラマン「了解っ!」ヒソヒソ
カメラマン「バランサーをちょちょいといじくってーっ」ヒソヒソ
レポーター「みてらっしゃい!あの女隊長の恥ずかしい姿を全国に晒してやるんだからぁ……!」
レポーター「あの女の恥ずかしい姿全国に晒してやるわ!ぐへへへへへ……」
46 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:05:35.69 ID:vOIZTMEX0
―屋外―
レポーター「さーて、やって参りましたぁ!当番組のメインイベント!小隊対抗!レイバー格闘一本勝負!!!」
レポーター「実況は私が担当させていただきます。解説は……」
シバ「整備班シバシゲオでーす!よろしくぅ!」
レポーター「シバさん、今回使用するレイバーについてですが……」
シバ「流石にイングラムだとかパイソンだとかは使えないからね。教習所から教習レイバーを二機借りて来ましたぁー!で、この教習用レイバーなんだけど、パイソンの改良前と同性能なんだよね。
モーターも結構具合いいのよ?あともちろんリニアアクチュエーターじゃなくてワイヤー式なんだけど使い方によっちゃあ…」
レポーター「はい、ありがとうございましたー!」
レポーター「ルールは簡単!倒れたら負け!それでは、対戦を行う前に、第一小隊側のパイロットを決めてください」
47 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:06:16.42 ID:vOIZTMEX0
南雲「五味丘巡査部長で行きます」
レポーター「第2小隊は……」
太田「もちろんこの俺g」
後藤「泉、篠原ー、いけるかぁ?」
太田「ごっ、後藤隊長ぉ!?」
後藤「頼んだよ」
野明「りょ、了解!」
太田「何故!何故泉なのですかぁ!?銃の腕前ならぁ!!!」
後藤「格闘勝負って言っとるでしょ。それにお前不器用だし」
レポーター「と、いう訳で両者出揃いましたー!」
レポーター「ちなみに、この勝負第一小隊が負けた暁には罰ゲームとして…なーんと!」
一同「……なんと?」
レポーター「こちらの、『鉄腕ナントカ』の衣装を南雲隊長に着ていただきます!」
南雲「な…!」
48 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:06:45.51 ID:vOIZTMEX0
一同「おおおおおおお!!」
野明「こ……これはぁ……」
香貫花「何というか……」
遊馬「ど……どきつぅ……」
後藤「………」ニヤニヤ
レポーター「南雲隊長、頑張ってくださいねー(棒読み)」
南雲「………」
49 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:07:06.47 ID:vOIZTMEX0
レポーター「んじゃあ、早速対決スタートといきましょうか!」
野明「……大丈夫、かなぁ」
遊馬「やるしかないだろ。…わかっちょるだろうな野明」
野明「……わかってるけどさ」
南雲「……」
五味丘「あの……」
南雲「……頼んだわよ」
五味丘「はっ、はいっ!」
シバ「両者出揃ったところでぇ……」
シバ「レイバーファイト、レディー……」
教習用レイバー(野明)「……」
教習用レイバー(五味丘)「……」
シバ「ゴオオオォォオオオォォ!!!!」
50 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:07:45.88 ID:vOIZTMEX0
レポーター「さて始まりました、第1小隊vs第2小隊。シバさんはどちらが勝つと予想していますか?」
シバ「そうっすねー、泉ちゃんは器用だし、力業も行けるんだけどね。五味丘さんはこの手の機体は使い慣れてるし、柔道も上手いしねぇ……やっぱ経験の差から第1小隊だと思いますけど」
レポーター「なるほど。ただ、お話し聞く限りでは泉さんにも勝機はあると」
シバ「ま、『なくはない』ってとこかな」
野明(五味丘さんは強いし、気を抜けばそれこそ下手な負け方しちゃうぞ…)
野明(そしたら第2小隊的にもまずいしなぁ……かと言ったら勝ったら勝ったで南雲隊長が……)
51 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:08:19.96 ID:vOIZTMEX0
野明「遊馬ぁ!やっぱりそんな器用にまけるなんて無茶だよ!」コソコソ
遊馬「何言ってんだよ、負けるなら簡単だろ。隙を作りゃいい」コソコソ
野明「でもあんまりコテンパにやられすぎちゃっても…バレバレなんじゃないの」コソコソ
遊馬「だからさ、隙をついて来る五味丘巡査部長の隙をついて、表面的には互角にして、最終的に負ければいい」コソコソ
野明「簡単に言ってくれちゃってさ」コソコソ
52 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:09:16.22 ID:vOIZTMEX0
遊馬「考えなしなわけじゃないぞ。不意に覚悟もなく責められたんじゃ、万が一にもお前が勝っちまうかも知れない。」コソコソ
遊馬「だからだな、正面から負ける覚悟をして挑めば、戦闘力も知識が野明より遥かに上の五味丘巡査部長が間違いなく勝つ。」コソコソ
野明「なんか、その言い方、私が運だけみたいに聞こえるぞ」コソコソ
遊馬「事実そうなんだから」コソコソ
野明「……まあ、否定はしないけど」コソコソ
野明「だけど隙を作るって言ったって、あんまり堂々とし過ぎたって不自然だよ」コソコソ
遊馬「それを考えるのがお前の仕事だろ」コソコソ
野明「投げっぱなしにしてくれちゃってさ。いつも遊馬は……」コソコソ
53 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:10:14.41 ID:FUuWs0J2i
キミにイかれてメチャメカ狂い
54 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:12:34.75 ID:vOIZTMEX0
香貫花「二人とも、なにボケッとしてるのよ!来るわよ!」
野明・遊馬「うぇっ!?」
ガシッ!
教習用レイバー(五味丘)「もらった!」
教習用レイバー(野明)「遊馬が話掛けるからぁ!」
遊馬「計画通りにいかなかったのを人のせいにするんじゃない!」
55 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:14:05.05 ID:vOIZTMEX0
レポーター「おおっと、第1小隊のレイバーが第2小隊のレイバーにつかみかかった!」
シバ「やっぱり反応速いよねぇ。一方の泉ちゃんはボケッとしちゃってどーしちゃったのよ?」
教習用レイバー(五味丘)「このまま一気に………!」
野明(このままじゃ、流石にまずい!)
教習用レイバー(野明)「やられるか!」ガシッ!
教習用レイバー(五味丘)「!」
レポーター「泉巡査も反撃に出ました!敵の腰を掴んだぞ!」
シバ「攻撃の間を縫って腰を掴んだのは流石だね。五分五分に持ち込んだってとこかなぁ…」
教習用レイバー(野明)「ぐぅぅっ!」ググググ……
教習用レイバー(五味丘)「……ぐっ!」ググググ……
レポーター「両者一歩も譲らず!」
シバ「消耗戦かなぁ…こりゃ」
遊馬「野明…このままじゃ……」コソコソ
教習用レイバー(野明)「わかってるよぉ………何とか、隙を作ろうとはしてるんだけどさぁ…どう動けばいいんだか……」コソコソ
五味丘(南雲隊長の為にも……負ける訳には行かない!)
五味丘(しかし……どうしたんだこの機体は……さっきから重いぞ……!)
教習用レイバー(野明)「うううっ……」
56 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:14:32.07 ID:vOIZTMEX0
遊馬「足だ野明。いいか、脱出するふりして隙を作れ。五味丘さんが引っ掛けられるように絶妙な感じで。」コソコソ
教習用レイバー(野明)「絶妙って……簡単にいってくれるよな……」コソコソ
シバ「……んー?」
レポーター「どうしましたシバさん」
シバ「五味丘さんの機体…なーんか重そうに見えるんだけど」
レポーター「そ、そうですか?」
シバ「うーん……なーんかちょっと変な気がするんだけど気のせいかなぁ」
レポーター「き……きのせいですよ」
57 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:15:07.51 ID:vOIZTMEX0
野明(と…言いつつもやるしかないか!)
教習用レイバー(野明)「たあああああああああああ!!!!!」
レポーター「おおっと、泉機が動き始めた!」
シバ「ああ……泉ちゃん、ダメだってぇ!」
教習用レイバー(五味丘)「隙あり!」
ガッ!
野明(…よし!)
遊馬(いけ、野明!)
シバ「こりゃ第1小隊の勝ちだなぁ……」
レポーター「なんかちょっと残念そうですね」
シバ「そ、そんなワケないじゃないのよ!ねぇ!」
58 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:15:35.18 ID:vOIZTMEX0
南雲「畳みかけろ!」
教習用レイバー(五味丘)「行きます!」
野明(よし……!)
遊馬(……これで!)
太田「……こう言うのは、どうも好かん」
後藤「………」
59 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:16:48.60 ID:vOIZTMEX0
ガコン!
レポーター「……」ニヤッ
教習用レイバー(五味丘)「えっ……?」
ズドン!!
シバ「あ……」
遊馬「……あれ?」
レポーター「なーんと!泉機の足を取りに行った五味丘機がバランスを崩した!」
教習用レイバー(野明)「えっ、ええっ!?」
山崎「いっ……一体これ……」
進士「どういうことです!?」
レポーター「で、ルールでは先に倒れた方が負けと言うことですので……」
レポーター「第2小隊の勝利です!!」
教習用レイバー(五味丘)「………」
教習用レイバー(野明)「えっ……えっ?」
遊馬「えっ、えっ」
後藤「……勝っちゃったみたい、しのぶさん」
南雲「………」
60 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:17:15.42 ID:vOIZTMEX0
遊馬「ど……どうしよ」
野明「……なんでちょっと嬉しそうなんだよ遊馬」
レポーター「と、いう訳で第1小隊の隊長さんには約束通り、鉄腕ナントカのコスプレをお願いします!」ニヤニヤ
P「お願いします」ニヤニヤ
カメラマン「お願いします」ニヤニヤ
後藤「お願いします」ニヤニヤ
南雲「……」
61 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:17:50.09 ID:vOIZTMEX0
野明「ちょ、ちょっと待った!今のは絶対に…何かおかしかったよ!」
遊馬「そうだ!あんな勝ち方するなんて絶対におかしいぞ!」
レポーター「それでもあなた方の勝ちは勝ちですから。っていうか、なんで勝ったって言うのにそんなに必死なんです?」
野明「そ……それは……」
香貫花「仮に機体の不具合で勝敗が決まったのであれば、それは実力で勝てたとは言えないんじゃなくて?」
野明「そっ、そう!それ!」
62 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:18:30.86 ID:vOIZTMEX0
レポーター「でも事前に整備班の皆さん方が調整してたんでしょ?じゃあ特車2課の整備班は整備すらろくに出来ないって結論になりますけど」
野明「そ、そうは言ってないじゃない!」
レポーター「でも、そーいうことになっちゃいますよぉ?素直に勝ちを喜ぶべきだと思いますけど」
野明「うっ………」
レポーター「では!お約束通り、南雲隊長、お願いしまーす!」
野明「……」
63 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:25:00.04 ID:vOIZTMEX0
ウーッ!ウーッ!ウーッ!ウーッ!
一同「!」
『出動命令!千代田区にて数台のレイバーが乱闘騒ぎを起こしている模様!至急両小隊は現場に急行されたし!繰り返す……』
野明「!」
遊馬「出動命令だ野明!」
レポーター「ちょっと……!」
南雲「続きは後ほど。出動しますので」
南雲「行くぞ」
五味丘・結城「了解しました!」
後藤「うちにも出てるみたいだから、行こっか」
第二小隊一同「了解!」
レポーター(ちいい!良いとこだったのにぃ……)
65 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:25:34.60 ID:vOIZTMEX0
P「どうする?」
レポーター「いいわ…今はついてって出動するとこ撮るわよ。急いで!」
レポーター(第1小隊の失態でもとれりゃあ万々歳だわ……ニヒヒ)
カメラマン「く、車手配しましょう!」
シバ「ちょっとアンタらダメだよ!ここで大人しくしてくんなきゃさ!」
レポーター「邪魔はしませんから、ねっ!」
P「好きにしていいって本庁のお墨付きですし!」
タタタタタッ……
シバ「ちょっ!ちょっと!ちょっとぉ!」
66 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:25:52.60 ID:vOIZTMEX0
シバ「行っちゃったよ…どうしよう」
後藤「いいんじゃないの」ヌッ
シバ「ごっ、後藤さぁん!?」
後藤「上のお墨付きなんだから、止めらんないって。」
シバ「……一体上は何かんがえてんすかね」
後藤「期待してるんでしょ。それより、例の件、頼みました。」
シバ「え……ええ……」
後藤「♪ないてーないてーみれんがぁーきえるぅまぁでぇー」
シバ「……大丈夫かね、色々と」
67 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:26:44.91 ID:rmO5dD0I0
香貫花ってアニメと漫画じゃ全然印象違うよな
68 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:26:48.89 ID:vOIZTMEX0
―都内某所―
不良仕様レイバー(不良A)『ゴラァ!誰だポリ公呼んだのは!』
南雲「状況は」
警官「ええっと、不良グループの『灸曲兆神』と『邪蛇羽魔』が衝突…その後レイバーにて乱闘騒ぎを起こした模様で……」
遊馬「不良がバイクの代わりにレイバーってか」
進士「お金、あるんですねぇ……」
後藤「とんだボンボンだなぁ……」
南雲『搭乗員に告ぐ。直ちに迷惑行為を止め、速やかにレイバーから降りるように。今なら公務執行妨害は免れる』
不良仕様レイバー(不良A)『うるせーババア!』
不良仕様レイバー(不良B)『引っ込んでろ年増!』
不良仕様レイバー(不良C)『やーい、行き遅れ!』
不良仕様レイバー(不良D)『賞味期限切れ!』
南雲『……』
イングラム(野明)「……ああ」
69 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:28:17.45 ID:vOIZTMEX0
レポーター「オバサンかわいそwwwww」
P「ちょwwwww笑いすぎwwwwwwww」
レポーター「とってるwwwww?」
カメラマン「もちwwwwwwwwww」
後藤『あー、代わりまして第二小隊の後藤だけども、これ以上罪を重ねるより、早く降りてきた方がお得だと思うんだけど』
不良仕様レイバー(不良A)『うるせぇ!寝ぼけたカエルみたいな顔しやがって!』
後藤『知ってる。そんなことより、いい加減降りてきてくれない?』
不良仕様レイバー(不良A)『やなこった!っつうか、俺たち責めんなら社会を責めな!俺たちはアンチテーゼしてんだよ!』
後藤『君が社会に対して何を思ったかは知らないが、こんなことしてたって、寝ぼけたカエルみたいな顔と一緒にネットの掲示板あたりで笑い物になるのがオチなわけ。
自分の名前を検索すると恥ずかしい過去がバンバンでてくるわけ。しかも一銭にもならないわけ。こっちは給料でるけど』
70 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:28:48.18 ID:vOIZTMEX0
不良仕様レイバー(不良B)『なんだお前!うぜえんだよ死ね!』
不良仕様レイバー(不良C)『一時休戦だ!こいつら、やっちまおうぜ!!!』
レポーター「おっと、皆様ご覧頂いてますでしょうか!不良グループが暴走を始めました!」
後藤「ごめん。失敗、しちゃったみたい」
南雲「……」ハァ
後藤「と言うわけで泉、太田。お客さんのお相手、して差し上げろ」
イングラム(野明)「了解!」
イングラム(太田)「俺はああいう人種がダイッ嫌いなんだぁ!根性叩き直してくれるわあああああッ」
71 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:29:22.95 ID:vOIZTMEX0
南雲「結城、五味丘……いけるか」
パイソン(五味丘)「準備は出来ています」
不良仕様レイバー(不良A)「イングラム2機は分がわりーな……」
不良仕様レイバー(不良C)「ヘッド、俺らがイングラムを引きつけとくんで……ヘッドは逃げてください!」
不良仕様レイバー(不良A)「いいのか?」
不良仕様レイバー(不良C)「灸曲兆神は俺が守ります!パイソンなら……逃げ切れるはずですヘッド!」
不良仕様レイバー(不良D)「ヘッドも逃げてください!邪蛇羽魔は永久に不滅です!」
不良仕様レイバー(不良B)「お前……」
不良仕様レイバー(不良A)「……行くぞ。お互い、いいダチ、持ったな」
不良仕様レイバー(不良B)「……ああ」
72 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:30:23.24 ID:vOIZTMEX0
イングラム(野明)「そこの不良レイバー2機!逃げたって無駄だぞ!」
不良仕様レイバー(不良C・D)「ウオオオオオオ!!!」ガシャン!
イングラム(野明)「ちょっ!?」
イングラム(太田)「ドケェ!お前らっ………」
不良C(ヘッド……!)
不良D(どうぞ……ご無事で)
遊馬「やられたか!あの2機、パイソンじゃあ……」
イングラム(太田)「どけぇ!」
香貫花「太田!逃げたレイバーは追わずに先にそっちを片付けなさい!」
イングラム(太田)「しかし……」
後藤「南雲隊長のとこなら大丈夫じゃない。パイソンより格上の機体を何度も倒してるんだし」
香貫花「太田、右!」
イングラム(太田)「ぬぉ!?」
香貫花「……気を抜いたらやられるわよ!目の前の敵に集中しなさい!」
遊馬「さっさと終わりにして、第1小隊の援護に回るぞ、野明!」
イングラム(野明)「了解!」
73 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:31:26.87 ID:vOIZTMEX0
レポーター「面白いことになってきたわね」
P「熱いよねぇ、レイバー戦って」
レポーター「違うわよ。あの女の情けないとこ、撮れるかもって」
カメラマン「……こだわるね」
レポーター「ああ言う女って大ッ嫌いなのよね。なんかカンに触るっていうかさ、鼻持ちならないっていうかさ」
レポーター「って訳で……運転、あたしにさしてくんない?」
P「……何する気だい」
レポーター「あの女の失態を全国にながして公開処刑してやんのよ!下手すりゃクビよクビ!」
レポーター「その上あたしは警察の闇を暴いたジャーナリストとしてステップアップ!完璧ね!」
P「……女って」
カメラマン「……こわい」
74 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:32:05.11 ID:vOIZTMEX0
南雲「わかったわ…了解。残りはそちらに任せます」
南雲「…結城、五味丘!こちらに目標のレイバーが2機、接近する」
パイソン(結城)「あ、あの南雲隊長……相手は格上って……」
南雲「心配は無用だ。今までも不利な状況にも打ち勝ってきた。機体の性能だけが勝負を決める訳ではない」
パイソン(五味丘)「そうだ。結城……我々次第で勝負はどうにでも動く」
パイソン(結城)「……はいっ!」
南雲「……くるぞ」
不良仕様レイバー(不良A)「狗の雑魚レイバーが!」
不良仕様レイバー(不良B)「俺達に道を開けろォ!!跪けぇ!」
パイソン(五味丘)「やらせるかァ!!」カチャッ
不良仕様レイバー(不良A)「威嚇用のリボルバーがどうした!!」
南雲「五味丘!足元を狙え!」
五味丘(……これ以上、南雲隊長に恥をかかせる訳にはいかない!)
五味丘「これ以上は!」
76 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:32:34.06 ID:vOIZTMEX0
レポーター「さぁて、ここでクイズです。第1小隊のパイソンと不良仕様レイバー2機、どちらが勝つでしょうか?宛先は画面下にあります、電話番号まで……」
南雲「!」
レポーター「おっと、交戦中の第1小隊でーす。南雲隊長、凛々しいお姿で」
パイソン(結城)「なっ……!」
南雲「結城、こっちはいい!戦闘に集中しろ!」
レポーター「どうも~」
南雲「あなた方は一体何をしてるのか自分で……!」
レポーター「車の中から第1小隊の活躍を報道してるんです」
南雲「……任務の妨げです。下がってください」
77 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:33:06.05 ID:vOIZTMEX0
レポーター「それは無理です。自由に撮影していいって警備部の偉い人が言ってましたから」
南雲「……任務の妨げになる場合は別です。公務執行妨害よ。第1、こんな報道をしてるとなれば、視聴者の印象は最悪でしょうに」
レポーター「編集次第でどうとでもなるわ。第1、印象サイアクの特車2課の言うことなんて誰がまともに取るんだか」
レポーター「報道は第三の権力なのよ!アンタら如きに逆らえないわ!」
P「ちょっと……ヤバいって!」
レポーター「ビビるんじゃないわよ。あなた1人でどうなるっていうのかしら。」
南雲「………」
79 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:33:45.17 ID:vOIZTMEX0
パイソン(五味丘)「ここから先は一歩も行かせん……!動けば撃つ!」
不良仕様レイバー(不良A)「……グッ」
パイソン(結城)「絶対に行かせない!観念しろ!」グググッ
不良仕様レイバー(不良B)「……!」グググッ
レポーター(そうだ。いいこと思いついた)ニヤッ
レポーター「……ま、いっかぁ。撤収するわよ」
南雲「……」
レポーター「じゃ、さよなら隊長さん」ブルルル……
南雲「安全な場所に避難してください」
レポーター「わかってますわかってます……って」
レポーター「おおっと、ハンドルを握ってる手が滑っちゃったわ」ブルルル!
P「ちょ、ちょっとぉ!?」
南雲「なっ…!?」
80 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:34:25.76 ID:vOIZTMEX0
レポーター「ああ。ハンドルの調子が悪くって、偶然にもパイソンの足の下に……」
パイソン(結城)「なっ!」
不良仕様レイバー(不良B)「隙あり!」ズゴッ!
パイソン(結城)「!?」
ズドォオオオォォ………
81 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:35:17.66 ID:vOIZTMEX0
南雲「なっ!?」
レポーター「転んだとこ、撮った?」
カメラマン「撮ったけどさぁ……!」
レポーター「よし、もう一丁!」
カメラマン「これ以上は本気で不味いって……!」
P「何考えてんだよ!」
レポーター「大丈夫大丈夫ぅw」
P「大丈夫って、これは明らかに……」
レポーター「知ってる?あたしって警備部トップのとんでもないスキャンダル…握ってるのよ。しかもね、そいつ、警視総監の席、狙ってるらしいわよぉ……」
P「……!」
レポーター「そっ。しかもさ、そのトップは特車2課の隊長達を目の敵にしてるとあれば……」
P「……」
カメラマン「………」
P「やっちまおうぜ!!」
カメラマン「おうよ!バッチリ撮ってやらぁ!!!!!」
82 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:36:16.02 ID:vOIZTMEX0
ブウウウウウン!!
南雲「……どういうつもりなのよ」
南雲「五味丘!足元に中継車が接近するぞ!」
パイソン(五味丘)「しかし、下手に交わせば……彼らが相手レイバーの下敷きになります!」
レポーター「ヒャッホォー!」
南雲「………ッ」ギュウウッ
キイイッ!ブウウウウウン……!
レポーター「困ってる困ってるwいーい映像がとれそうよー!」
パイソン(五味丘)「そこの中継車!速やかに……!」
不良仕様レイバー(不良A)「って、がら空き!いっただきぃ!」ダッ
五味丘「!?」
ズドォオオオ……… !
パイソン(五味丘)「………ッ!」
南雲「……五味丘!?」
83 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:36:51.46 ID:vOIZTMEX0
南雲「無事か五味丘!」
パイソン(五味丘)「…申し訳ありません南雲隊長。機体は無事ですが
南雲「どうした!」
パイソン(五味丘)「左足が……」
レポーター「なんか清々したし、退散しましょw」
P「これ以上はこっちが危ないからなw」
カメラ「高みの見物ですねw」
レポーター「おばさんざっまwwww」
84 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:37:13.33 ID:vOIZTMEX0
ブウウウン……
不良仕様レイバー(不良A)「ぬわっ!」
不良仕様レイバー(不良B)「って、そこの車!邪魔なんだよ!」
レポーター「あっ、ごめんごめーんw」
不良A「……どうする」
不良B「さっきからちょこまかと……自分達が流れ作ってる顔しやがって気にくわねぇ」
不良A「……先にやっちまおうぜ」
不良B「やっちまうか」
レポーター「……えっ」
85 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:37:33.17 ID:vOIZTMEX0
不良仕様レイバー(不良A)「まてゴラァ!踏み潰してくれるわ!!!」 ドドドドドドドド
不良仕様レイバー(不良B)「オラオラオラ!!」ドドドドドドドド
レポーター「ちょ!ちょっとぉ!?」
P「な、なんだよいきなりぃっ!!」
カメラマン「やだぁ、やだよぉ!!ママァ!」
不良仕様レイバーA「マスゴミ死ねやあああああああ!!!」
レポーター「ちょっと!ちょっと来ないでよ!」
P「もっと飛ばせ!飛ばせって!」
レポーター「やってるわよバカァ!!」
カメラマン「やだ!やだ!やだぁ!」
86 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:37:55.57 ID:vOIZTMEX0
不良仕様レイバーA「追いつめるぞぉおぁお!!」ドドドドドドドド
カメラマン「やめて!やめて!こないでぇ!」
不良仕様レイバーB「マスゴミめ……いつも俺達をいつもバカにしやがってクソ野郎!ぶっ殺してやる!!」
レポーター「こんなことになるんだったらあんなことしなきゃ良かったぁ!」
不良仕様レイバーB「ぐへへへ!終わりだ!!!」ジャキッ
レポーター「………ッ!」ギュッ
レポーター(もう、だめだぁ!)
不良仕様レイバーB「観念しろぉ……!」
ドゴォッ!!!
レポーター「ぐうっ……」
87 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:38:21.94 ID:vOIZTMEX0
レポーター「………」
レポーター「……あれっ?」
不良仕様レイバーB「痛ぇぇぇぇ!!」
パイソン(結城)「……余所見をするな」ググググッ
レポーター「れ、レイバー!」
不良仕様レイバーB「ぐぅっ!ポリごときにやられるかよォォッ!性能はこっちの方が…」
結城「……それはどうか」
不良仕様レイバーB「…って、あれっ!や、ヤベッ!なんか…アレッ!アレッ!」 カチャカチャカチャカチャ
不良仕様レイバーB「……ポリの手が払えねぇ」サァァ
88 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:39:04.18 ID:vOIZTMEX0
レポーター「なに?なに?どしたのよいきなり!」
カメラマン「…そうか、過度な改造で全体のバランスが狂ってるんだ」
南雲「結城、そのまま腰を落とせ!!」
パイソン(結城)「……」グイッ
不良仕様レイバーB「……!」
パイソン(結城)「観念しろ!」グワッ
不良仕様レイバーB「ぬわああああ!?」
……ズドォオオオオ!!!
不良B「 」
レポーター「やったぁ!やったわ!」
89 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:39:31.95 ID:vOIZTMEX0
結城「……あと一体」
南雲「結城!後ろ!」
結城「っ!?」
………ドゴォ!
南雲「!」
不良仕様レイバーA「ケッ!他愛もないなぁ!このままコテンパにしてやる!」
南雲「………結城!結城!答えろ結城!」
結城「………」
不良仕様レイバーA「どぅあああああああああああ!!死ねよオオオオ!!!」グワッ
南雲「結城、起きろ結城!!」
南雲「………」ギュッ
90 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:39:59.61 ID:vOIZTMEX0
………ガシッ
不良仕様レイバーA「!?」
パイソン(五味丘)「………」グググッ
不良仕様レイバーA「なっ……!」
パイソン(五味丘)「まだ私がいる。相手になろう」
南雲「五味丘……負傷は……!」
パイソン(五味丘)「これ以上、特車2課の……第1小隊の看板に泥を塗るわけにはいきません」
南雲「……しかし」
不良仕様レイバーA「ねちっこいんだよ!ぶっ潰してやる!!」
南雲(このタイプも過剰な改造のせいかバランスが悪い…そこを付けばなんとかなるけれど)
91 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:40:33.15 ID:tmkL531MO
劇2探しながら支援
92 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:40:33.64 ID:vOIZTMEX0
パイソン(五味丘)「………」グッ
南雲(チャンスはそうないわ…やれるのか)
南雲「………」ギュッ
南雲(……やれる。やってくれる。私の部下なら)
不良仕様レイバーA「どぅあああああああ!!」ドドドドドドドド
南雲「五味丘!右36度を狙え!」
五味丘「了解!」
五味丘(左足、動いてくれ…動け………)
不良仕様レイバーA「ポリ公ぶっ殺す!!」
五味丘「動けえ!!」ググッ
不良仕様レイバーA「……!」
パイソン(五味丘)「第1小隊を……」ジャキッ
パイソン(五味丘)「舐めるなァァアアア!!!」
93 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:41:10.19 ID:vOIZTMEX0
ドゴォ!
不良仕様レイバーA「のぉ!?」
パイソン(五味丘)「……ッ!」
南雲「……ッ!」
ビビビビビビビビビビ……
ビビビビビ……
ビビビビ……
不良仕様レイバーA「……」
不良仕様レイバーA「 」ガクッ
パイソン(五味丘)「………停止、しました」
南雲「………」
南雲「よくやった……五味丘」
95 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:41:41.06 ID:vOIZTMEX0
レポーター「や、やばかったわね」
P「とりあえず……助かった……」
レポーター「ったく、でもあの女の泣き顔とりそこねたわ」チッ
P「あのさぁ………」
不良仕様レイバーB「………」ピカッ
カメラマン「あれっ」
レポーター「どしたの」
カメラマン「……あのレイバー、一瞬光らなかった」
レポーター「まさか」
不良仕様レイバーB「…………」ググググッ
レポーター「あ……あれ?」
カメラマン「まだ動い……てる?」
96 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:42:22.81 ID:vOIZTMEX0
P「っていうか、こっちみて……る?」
不良仕様レイバーB「………」ガシャン
南雲「まだ……一機動いている?」
南雲「……結城!」
結城「すいません、まだ動けそうに……」
南雲「………ッ」
不良仕様レイバーB「待てやアアアアアぁ!!!」ドドドドド
レポーター・P・カメラマン「いやああああああっ!!!!?」ブウウン
不良仕様レイバーB「オラオラオラ!!」ドドドドドド
『待て!』
不良仕様レイバーB「!?」ビクッ
97 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:43:13.70 ID:vOIZTMEX0
『そこのレイバー、止まりなさい!止まらなければ』
不良仕様レイバーB「………おわっ!」
イングラム(野明)「力ずくでも止める!!」
イングラム(太田)「撃つぞぉ……撃つぞぉ……」
不良仕様レイバーB「あわわわわ第2小隊ぃ!!」
イングラム(野明)「偽物損壊、道路交通法違反、公務執行妨害もろもろの罪で逮捕する!」ジャキッ
不良仕様レイバーB「あばばばばば」
98 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:45:13.47 ID:vOIZTMEX0
後藤「ってことで、はい、お疲れ様」
南雲「後藤さん!」
後藤「処理はこっちでやっとくから、…一緒についてってあげたら?病院」
南雲「……ええ、そうさせてもらうわ」
後藤「じゃあ、そう言うことで」
南雲「そう言うことで」
南雲「………」スタスタ
南雲「……」クルッ
後藤「なに?」
南雲「ありがとう」
後藤「どういたしまして」
99 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:45:42.02 ID:vOIZTMEX0
再び特車2課
レポーター「と言うわけで今回はありがとうございましたー」
2課一同「……」
野明「………」
遊馬「………」
太田「………」
進士「……」
山崎「……」
香貫花「………」
100 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:46:23.12 ID:vOIZTMEX0
レポーター(ま、あの女を泣かせられなかったのと、コスプレさせられなかったのは残念だけど)
レポーター(ま、編集しだいでなんとでもw)
P「んじゃ、我々はこれで。放送をお楽しみに…」そそくさ
カメラマン「じゃあ失礼……」そそくさ
レポーター「放映をお楽しみにー」
101 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:48:44.18 ID:vOIZTMEX0
後藤「あっ、そうだ」
カメラマン「な……なにか」
後藤「ちょっとお願い、聞いてくれる?」
カメラマン「……なんです?」
後藤「ネット、強い?誰に聞いてもわからんのよ、これがさぁ」
カメラマン「ええまぁ…」
後藤「そりゃ助かる。で、この動画を公開したいんだけど…」
カメラマン「……これですか?」
後藤「そう、これ」
103 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:49:19.20 ID:vOIZTMEX0
ピッ
―――――
レポーター「潜入せぇーこお!」
P「案外簡単だったね」
カメラマン「……やばくないっすか?」
レポーター「バレたらバレたときよ、ほらっ」
カメラマン「了解っ!」
カメラマン「バランサーをちょちょいといじくってーっ」
レポーター「みてらっしゃい!あの女隊長の恥ずかしい姿を全国に晒してやるんだからぁ……!ニヒヒッ」
―――――――
ピッ
104 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:50:09.72 ID:vOIZTMEX0
カメラマン「ぬぁ!」
後藤「………」ニヤニヤ
レポーター「ちょっと、ちょっとどう言うつもりなのよコレ!!」
P「あ、あ、あんたらどういう………」
シバ「だめだよぉ、あんな変な改造しちゃさぁ。俺達が直さなきゃ死んじゃってたよ、五味丘さん」
カメラマン「しっ……知ってたのか!」
レポーター「で……でも……!これネットに上げたらアンタらだって……」
後藤「そりゃまずいよ。警備部長のクビくらいは飛ぶ?」
進士「飛びますね」
後藤「飛ぶって」ニヤニヤ
レポーター・P・カメラマン(やべぇ、このオッサン、やべぇ……)
105 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:51:39.90 ID:vOIZTMEX0
レポーター「や、やれるもんならやってみなさいよ!どうせ…」
後藤「進士、ここ押せばいいのか」
進士「はい、そこをポチッと」
後藤「そうか、ポチッと……」
P「わ、わ、わ、分かりました!なんでもします!!ですから!」
後藤「具体的に」
P「……番組を2課の皆さんの望む通りに!」
後藤「らしいから、お前たち、色々お願いしてみたら?」
シバ「じゃあ、レイバーうんちくのコーナー!!」
野明「じゃ、じゃあアルフォンスのPV!」
太田「ま……松本加奈ちゃんを司会にだな」
山崎「クジラ特集を……」
進士「多美子さん特集を!」
整備員A「おれは……」
整備員B「俺が!俺が!」
ワーワー!ワーワー!ワーワー!
106 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:52:13.00 ID:vOIZTMEX0
南雲「……ゆすりね、まるで」
後藤「あ、お帰りしのぶさん。どうだった?」
南雲「五味丘は左足首骨折。結城は軽い脳震盪と靭帯損傷……大したことはない……とは言い難いわね」
南雲「でもま、これで偏向的な番組にはならなそうで、課長も大喜びね。それに、少しは石を投げられずに済むんじゃなあい?」
後藤「石はともかく、せめて仕事はやめて欲しいなぁ……」
南雲「……ふふっ」
107 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:52:49.10 ID:vOIZTMEX0
南雲「で、あの映像、どうするの後藤さん」
後藤「上に持って行ったって仕方ないし、だからってこのままにしとくのもなんだか」
南雲「まさか、本当にあなた……」
後藤「まさか。そのまま流すなんて自殺行為はしないよ。一目みりゃ、うちだってわかるんだし」
南雲「じゃあ……」
後藤「そのための『編集機能』でしょ」ニヤッ
南雲「……呆れた」
108 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:54:06.72 ID:vOIZTMEX0
―――――
数日後
『特車2課とは我々の街を守る、正義の味方そのものなのである!』
松本加奈「特車2課って本当、カッコイイですよね。ぼく、感動しちゃった!」
松本加奈「南雲隊長もすんごく美人だったよね!後藤隊長も足がすんごく早かったし!」
松本加奈「じゃあみんなも、ぼくの大好きな野明センパ……じゃなかった、特車2課を応援してあげてね!バイバーイ」
♪キッミニーイーカレテメタメタ
プチッ
109 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:55:18.44 ID:vOIZTMEX0
野明「すっごくい格好良く移ってたね!みんなもアルフォンスも!」
遊馬「でも流石に後藤隊長に関しては詐欺だと言われても仕方ないぞ」
香貫花「4000メートル走るはずが、実際には1000メートルも走ってない上に私と競り合ったんだから、ひどく遅いくらいよ」
山崎「それにしても南雲隊長は素敵でしたね」
太田「加奈ちゃんはもっと素敵だぁ……」
進士「ネットでの評判も上々な様ですよ。元々特車2課支持派が多数でしたから」
進士「ちなみに香貫花さんも綺麗だって話題になってますよ。」
香貫花「そう?よく写ってるってことかしらね。後でグランマにも送ってあげなきゃ…」
進士「で、あのレポーターは…番組のヤラセの様子が映った謎の動画の流出が原因で大変なことになってますね。番組、全部降板ですって」
遊馬「ざまぁみろってんだ」
進士「まあ、前々から良くない噂がありましたからねぇ……」
香貫花「自業自得よ」
110 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:55:40.65 ID:vOIZTMEX0
野明「………」
遊馬「どうしたんだ野明、真剣な顔して。熱でもあるのか」
野明「後藤隊長、あの映像を持ってたってことはさ、レイバーに細工されてたの、試合の前から知ってたんだよね」
遊馬「まあな、シゲさん達も調整したって言ってたわけだし」
野明「だとしたら何でわざわざ敢えて第1小隊のレイバーの調子を悪くしたまま、試合したのかなぁって。折角なら直しちゃえば良かったのに」
山崎「確かに……」
111 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:56:02.95 ID:vOIZTMEX0
香貫花「それもそうよねぇ、偏向的でない番組を作らせるだけの目的であれば、あの動画だけで十分よ。アンフェアな試合なんて必要ないわ」
遊馬「未遂の時点で十分問題だからな。わざわざ証明する必要もないって訳だ」
野明「なんでそんなこと……したんだろう」
遊馬「確かに、物事には必ず目的ってのがある。あの隊長のことだからなおのことだ」
香貫花「そうね。隊長は目的を持っていた……とすれば、出動の件は差し引いて考えてた方が、いいかもしれないわ」
遊馬「そこから残る純然たる事実と結果を導きだすとすれば……」
112 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:56:32.55 ID:vOIZTMEX0
野明「うーん……」
山崎「………」
太田「 」
進士「太田さん…思考停止してます?」
遊馬「…まさか」
野明「まさか?」
遊馬「単に隊長は南雲さんにあの格好をさせたかったんじゃ」
野明「まさか……後藤隊長が」
一同「……後藤隊長なら」
一同「………」
一同「………ずるっけー!」
113 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:58:18.84 ID:vOIZTMEX0
―――――――
香貫花「我々は一人のカミソリ中年の手のひらで踊らされていただけなのかもしれない」カタカタカタ
香貫花「かくして、特車2課はそんな日常的『非日常』を越えてゆきながら、今日も東京の平和を守っているのである」
香貫花「………とりあえず、今日はここまででいいかしらね。しかし、第1小隊に関するデータが少ないから追加しろだなんて」
香貫花(日本……か)
香貫花「……ふふっ」
おしまい
114 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:59:20.45 ID:FUuWs0J2i
乙
115 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 02:01:16.42 ID:vOIZTMEX0
お付き合いありがとうございました
南雲隊長と第1小隊がすごい頑張ってることを全面にだしたかったんですが結果
いつもより地味で変な話になってしまいました。大変申し訳ありませんでした
何が言いたいかと言うと
南雲しのぶさんは苦労人かわいい!!!!
116 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 02:02:04.83 ID:B9lVF6DDO
乙
また書いてくれ
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1335541018/
特車2課・第2小隊オフィス
野明・遊馬「南雲隊長にテレビ取材!?」
進士「そうらしいんですよ」
野明「へぇー!でっ、でっ、何の番組?」
進士「ズバリ、『踊る大捜査網SP・美人すぎるレイバー隊長に密着!』ですって。」
遊馬「確かに、南雲隊長はけっこうな美人だもんな。そりゃ話題になるってもんだ」
山崎「南雲隊長がいつも隣にいる後藤隊長はうらやましいですよね」
シゲ「ぜーんぜん相手にされてないけど!」
一同「ぶっははははははははは!!」
3 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:38:52.57 ID:vOIZTMEX0
遊馬「よーし、ちょっくら休憩中だし覗きに行くか」
野明「行こう行こう!」
太田「……くだらん」
遊馬「とか言っちゃって太田ぁ、ついてく気まんまんじゃないか」
太田「い、いや、別にだなぁ!俺はお茶をだなぁ!」
香貫花「嘘おっしゃい。今まで一度しか入れたこと無かったわよ。しかもまっずいの。」
太田「き、気分がだなぁ!変わってだなぁ!」
遊馬「よーし、いくぞぉ……」こっそり
一同「おーっ」こっそり
太田「し、仕方がない。あくまで俺は監視の為だぞぉ、監視」こっそり
4 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:39:20.88 ID:vOIZTMEX0
第1小隊・オフィス
レポーター「はい、みなさんこんにちは!今日はなんと、“あの”特車2課に来ちゃいました!」
レポーター「今日は美人すぎるレイバー隊長としてインターネットで話題の……」
後藤「あ、どうも後藤です」
レポーター「そ、そっちじゃない、カメラマンっ!」ヒソヒソ
レポーター「特車2課第1小隊隊長、南雲しのぶ警部補に密着します!よろしくお願いします」
南雲「南雲です。本日はよろしくお願いします」
南雲(……2課の宣伝の為って課長に押し付けられたけど…気が進まないわ、やっぱり)
5 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:39:48.28 ID:vOIZTMEX0
レポーター「で、お隣にいるのは……」
後藤「隣の第2小隊隊長の後藤です。どうも」
レポーター「ああ、ペンペン草も生えない第2小隊の隊長さんで」
後藤「いや……まあ……」
レポーター「で、そのお隣が福島課長、そしてそのまたお隣が……」
五味丘「五味丘です」
結城「ゆ、結城です!」
レポーター「第1小隊のフォワードのお二人ですね。本日はよろしくお願いします。」
レポーター「それではお話を……って、ん?」
7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:41:22.59 ID:vOIZTMEX0
遊馬「どけよ太田ぁ!椅子なんかに登ったらこっちが見えないだろ」コソコソ
太田「よく見えんのだ!」コソコソ
野明「ちょっとやめなよ、収録中みたいだしさぁ!」コソコソ
遊馬「だってよ、太田くん」コソコソ
太田「お前はいけしゃあしゃあと……」コソコソ
香貫花「シャラァーップ!静かになさい!」 コソコソ
太田「おっとっと………」ぐらっ
野明「い……椅子のバランスがぁ!」ぐらっ
遊馬「ちょ!太田ぁ!危ない……」ぐらぐらっ
シゲ「やだ、下敷きになっちゃう!」
太田「ぬおおおおっ!?」
シゲ「いんやあああああぁぁあ゛ぁあああ!」
ズッドーン!
進士「ちょ、ちょっと大丈夫ですか!?」
野明「た、大変だ!医務室に運ばないと……」
ワーワーワーワーワーワーワーワー!
8 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:41:50.05 ID:vOIZTMEX0
レポーター「ず、随分賑やかなご様子で……」
南雲「ま……まあ………」
福島「ごほん!」
南雲(後藤さん、何とか……)チラッ
後藤「…………」ボケー
南雲(ご・と・う・さ・ん!)チラッチラッ
後藤「…………」ボケー
南雲(後藤さん!後藤さん!)チラッチラッチラッ
後藤「…………」ボケー
南雲(………ダメだわ)
ワーワーワーワーワーワーワーワー!
9 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:42:49.71 ID:vOIZTMEX0
―屋外―
遊馬「ったく、大袈裟なんだよ」
野明「でも良かったじゃない。一応は二人とも何ともなかったみたいでさ。」
遊馬「何ともないどころか、元気1000倍だっちゅうの」
太田「ぬおおおおっ!銃だぁ!銃が撃てるぞぉおおおお!!」
香貫花「太田、落ち着きなさい!みっともないとこ、テレビに映りたいのあなたは!」
太田「ぐへっ!俺の銃の腕前を全国に知らしめるいい機会だああああああああ!!!」
後藤「張り切り過ぎないでちょうだいね。あくまで今日の主役はさ、第1小隊なんだからさぁ…」
太田「撃つぞおおおお!撃つぞおおおお!撃つぞおおおお!」
後藤「……聞いてよね」
10 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:43:23.23 ID:vOIZTMEX0
レポーター「と、いう訳で今回はレイバーでの射撃訓練を見学させてもらうことになりましたが……あれ、南雲隊長」
南雲「………」
レポーター「あ、頭を抱えられているようですが大丈夫ですか?」
南雲「……ごめんなさい、ちょっとした眩暈です。続けて下さい」
レポーター「では登場していただきましょう!第1小隊所属レイバー、97式改です!」
97式改「…………」
ズシーン!ズシーン!ズシーン!
11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:43:50.65 ID:vOIZTMEX0
レポーター「この重量感!この迫力!いかがでしょうか!機動隊員をイメージしたこのデザイン、いかにもパトレイバーという感じで素晴らしいですね!」
レポーター「では早速、射撃の準備、お願いいたします!」
南雲「始めるぞ、五味丘」
五味丘「了解!」
シバ「ちょーっとまったぁ!!!」タッタッタッ
レポーター「あれ、向こうから人がやってきてますが……あの方は」
南雲「ああ、あれは……」
12 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:44:00.09 ID:3dhqQ8H20
今どきパトレイバーかよ
13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:44:33.72 ID:vOIZTMEX0
シバ「レイバーのことなら、なーんでも聞いてちょうだいな!」ぬっ
レポーター「い、いつの間に!あ、あなたは!?」
シバ「特車2課整備班自称副班長シバシゲオ!シゲさんって呼んでよね!以後、お見知りおきを!いえーい!」
レポーター「整備班の方でしたか。あっ、そうだ、97式改について、少し教えていただくんでしたね。よろしくお願いします」
シバ「まぁーっかしといて!」
シバ「この97式改の正式名称は『パイソン』!パトレイバー第1号のサーペントを改修した機体で、じゃあどこが違うかと言うと装甲と操縦系なんだけどね!
あと大型シールド、あれも違うんだよね!どこがどう違うかっていうとぉ……長くなっちゃうからいいかぁ!でも!以外と凄い機体なんですよ皆さん!」
レポーター「はあ……」
シバ「イングラムを始めとするAVシリーズ、あ、エッチじゃない方よ!そっちとは違ってワイヤーで制御するから不便っちゃ不便なんだけど、
乗り手が良けりゃそんなの関係ない!うちの97式改なんて、格上のヘラクレスに勝っちゃったんだからさぁ!!」
レポーター「なるほど……」
15 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:45:11.38 ID:vOIZTMEX0
シバ「それから、スタンスティックなんだけどね、これもすんごいのよ!何がすごいかっていうと……」
ペラペラペラペラ
五味丘「あの……そろそろ始めたいんですが」
シバ「それからね、銃なんだけど……」
ペラペラペラペラペラペラ
五味丘「あのぉ……」
シバ「ああ、あと忘れてた!強化スチールなんだけどね!」
ペラペラペラペラペラペラペラペラ
五味丘「………」
南雲「………」
16 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:46:22.15 ID:vOIZTMEX0
30分後
レポーター「あ、ありがとうございました……」
シバ「あれ、もう終わりぃ?」
レポーター「そ、それでは、五味丘さん、射撃の方、お願いします!」
パイソン(五味丘)「了解!」
南雲「五味丘、頼んだぞ」
パイソン(五味丘)「任せてください、南雲隊長!」
南雲「五味丘………」
ガシャン!ガシャン!ガシャン!
パイソン(五味丘)「………」グググッ
ズキューーン!
レポーター「おーっと!ついに引き金が引かれましたー!」
レポーター「……って、アレ?」
五味丘「いや、私はまだ……」
南雲「………まさか」
18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:46:38.44 ID:CZSWLiim0
完璧に脳内再生出来るのが怖い
19 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:47:04.79 ID:vOIZTMEX0
ズキューーン!ズキューーン!ズキューーン!
イングラム(太田)「………」
進士「すごい!4連続射撃、成功ですよ太田さん!」
イングラム(太田)「………他愛もない」クルクルパッ
イングラム(野明)「すごいよね、太田さん。特にあのクルクルやってリボルバーしまうの」
遊馬「この凄さが実戦で全く生かされないっちゅうのが一番すごいよな」
イングラム(太田)「ぬわぁんだとぉ!!」
遊馬「本当のことだろ」
イングラム(太田)「貴様ぁ………!」
20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:47:30.97 ID:vOIZTMEX0
ズキューーン!
遊馬「ちょ、ちょっと太田ぁ!ペイント弾だからって危ないだろお前!」
イングラム(太田)「まてぃ篠原!まてぇ!!!!」
香貫花「やめなさい太田!やめろってのがわかんないの!?」
ズキューーン!ズキューーン!ズキューーン!
イングラム(野明)「ちょっと、やめなって太田さん!」
香貫花「太田ぁ!」
レポーター「………」
南雲「………」
五味丘「………」
21 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:48:15.52 ID:vOIZTMEX0
―隊長室―
レポーター「さ、さて、今度は南雲隊長のデスクがあるという隊長室に潜入してみたいと思います!よろしくお願いします」
南雲「よろしくお願いします」
南雲「どうぞ」
ガチャ
レポーター「失礼しまーす」
レポーター「小綺麗なデスク!几帳面なんですね」
レポーター「で、お隣のデスクは……」
ごっちゃー
南雲「……後藤のデスクです」
レポーター「な、なるほど……」
南雲(散々片付けてって言ったのに後藤さん……)
22 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:48:45.52 ID:vOIZTMEX0
レポーター「ご、後藤隊長とお二人っきりでお仕事してらっしゃるんですねー」
南雲「ええ」
レポーター「お二人のお付き合いは長いんですか?」
南雲「そうね、もうかれこれ2~3年は経ちます。」
レポーター「ずっと二人きりでお仕事してらっしゃるんですか」
南雲「ずっと、と言う訳ではありませんが家族といるよりも長い時間、彼の顔を見ることになりますね」
レポーター「なるほど……と、なると」
南雲「なると?」
24 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:49:21.42 ID:vOIZTMEX0
レポーター「恋愛感情を抱いてしまったり…だとかー?どうなんです、そこんところ!」ニヤニヤ
南雲「ありません」
レポーター「えー、でも」
南雲「ありません」
レポーター「いや、ほら例えば…」
南雲「ありません」
レポーター「……」
ガタッ
南雲「!」
南雲「少し失礼」
レポーター「えっ……」
カツカツカツカツカツカツ……
ガチャッ!
第2小隊一同「うわぁ!?」
南雲「……」
25 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:50:22.37 ID:vOIZTMEX0
野明「ご、後藤隊長を探しに来たらた…たまたま、ねっ!」
遊馬「そっ!そう!たまたま!たまたま!」
南雲「……待機中よ。戻りなさい」
第2小隊一同「はーい………」
南雲「………」ハァ
レポーター「……大変ですね」
26 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:50:25.69 ID:B9lVF6DDO
ペラペラの部分は全部千葉さんのアドリブですね分かります
27 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:50:46.95 ID:vOIZTMEX0
第2小隊・オフィス
一同「………」
野明「なんか、さあ……遊馬」
遊馬「なんだ……」
野明「なんか……今日1日の行動を振り返ってみるとさ」
遊馬「……振り返ってみると?」
野明「……あたしたち、なんか南雲隊長に悪いこと、しちゃってるような気がするんだよね」
香貫花「そうでしょうね。主に誰かさんのせいで」ジッ
太田「なっ、なにっ!お前ら俺のせいだとでもいいたいのか!?」
進士「そりゃ全部じゃないですけど」
山崎「原因がないわけでは……」
28 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:51:13.61 ID:vOIZTMEX0
太田「そんなことを言ったら篠原だって!散々人にケンカをふっかけときながら……」
香貫花「シット!売られた喧嘩を買う太田が一番バカだって言ってんのよわかんないの!?」
太田「し、しかし!」
香貫花「しかしももなにもなーい!」
野明「このままじゃ、まずいよね」
遊馬「まずいよな」
山崎「と言っても、どうすれば……」
遊馬「そりゃアレだろう、第1小隊のカッチョイイ部分が沢山とれりゃ、わざわざ、カッコ悪い部分なんか使いやしないだろってこと」
野明「そういうもんかなぁ」
30 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:53:32.70 ID:vOIZTMEX0
遊馬「そういうもんなの。どっちにしろ罪滅ぼしするべきだろ、俺たちは」
野明「罪滅ぼしって、例えば?」
遊馬「例えばさ、午後にレイバーで模擬戦やるだろ?あれでわざと負けるんだよ、俺達がさ」
野明「わざと負ける!?」
遊馬「しかし、あっさり負けたんじゃダメだ。ギリギリまで粘って負けるんじゃなきゃ画面的に映えん。」
遊馬「そうすりゃ、第1小隊の活躍が全国のお茶の間の皆さんにお届け出来るって寸法さ」
31 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:55:02.01 ID:vOIZTMEX0
香貫花「なるほどね。だけど、あの南雲隊長がそれを良しとするかしら」
遊馬「そこが問題なんだよ。あの人頭堅いから、聞くわけ無いもんなぁ」
野明「じゃ、じゃあ、やるとしたらさ、全部こっちで上手くやらなきゃならないわけ?」
遊馬「だから“罪滅ぼし”っていっただろ。その位のことはしなきゃ」
野明「そんなこと言ったってさぁ、実際にやるのはフォワードなんだからね遊馬!」
遊馬「フォワードとバックアップは一心同体!だろ?」
野明「都合いいんだから」
32 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:55:23.71 ID:vOIZTMEX0
野明「…あっ、そうだもうこんな時間だ。みんなに出前聞きにいかなくっちゃ!」
ガチャッ!
シバ「よお、みんな元気してるぅ?」
野明「あ、そうだシゲさん、出前なんにします」
シバ「そのことなんだけどさぁ…こっちも焼肉定食ご飯大盛りスープをコーヒーにチェンジと杏仁豆腐を頼みたいのはやまやまなんだけどね」
シバ「出前禁止だって、課長からお達しがきちゃったのよ」
野明「で、出前禁止ぃ!?」
33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:56:04.18 ID:vOIZTMEX0
シバ「今日の昼食はこれだって。ほい」
遊馬「コッペパン中身なし」
山崎「めざし」
進士「水道水……」
野明「ってなんなのコレぇ!?」
シバ「全国に特車2課の困窮っぷりをアピールするんだと」
遊馬「困窮っぷりって言ったって……」
シバ「あ、ちなみに弁当も禁止らしいから」
進士「ぅええ!」
シバ「じゃあ……整備の若いのにも説明してくるわ……殴られちゃうんじゃないかな俺」
トボトボ……
野明「や……やりすぎだよね、これ」
香貫花「日頃の行いのツケってやつよね」
進士「うぐっ!多美子さぁん!ごめんね多美子さぁん!!あああ!」
太田「さっきからなんで皆俺を見る!俺を見る!」
34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:57:15.83 ID:vOIZTMEX0
控え室
レポーター「……ったく最悪よ、こんなとこぉ。なーんで昼飯がクソまずい中華弁当なんだっつうの!」
カメラマン「仕方ないじゃない。お役所なんてこんなもんよ。」
レポーター「それより画よ画!今まで全く、ぜーんぜん面白くもなんともない映像ばっかじゃないのよ!」
P「めざし食ってる警察官ってかなり面白いと思うけど」
レポーター「それもそうね。んじゃ、このまま2課のダメダメ面白名場面にでもしちゃう?」
P「いいねーそれ。視聴率取れそうだ!」
カメラマン「編集しちゃえばこっちのもんですしね」
レポーター「でも、あの堅物女、マジムカつくのよ!余裕ぶっこいちゃってさぁ!恋バナの一つも出来やしないんだからぁ。ま、相手があのオッサンじゃあね」
35 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:57:54.66 ID:vOIZTMEX0
カメラマン「そうそう、そういや南雲隊長にさ、お願いしようと思うんだけど無理かなコレ。」
レポーター「……何頼むの?」
カメラマン「コスプレ」
レポーター「ばっかじゃないの?あの女隊長がやるわきゃないじゃないのよ!」
P「えー?でもさ、エリートで堅物の女隊長がコスプレ披露なんてバカウケだと思わない?」
レポーター「安っぽい企画ね」
カメラマン「わざわざ衣装まで用意して来たんだけどさぁ、これ!」
レポーター「やだ、ほとんど布ないじゃないの!」
36 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:58:02.05 ID:vOIZTMEX0
P「若者に今大人気の鉄腕……なんとかのヒロインの格好だと。しかし、本当に布ないねぇ」
レポーター「ふぅ~ん」ニヤッ
カメラマン「あれ、何か思いついた顔してない?」
レポーター「あのいけすかない女隊長の鼻をへし折ってやんのよ!たしかアンタ、レイバーの整備の学校でてるんだったわよね」
カメラマン「ま、まあ……」
レポーター「ぐふ、ふふふ……ふふふふふ!!!」
37 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:58:31.40 ID:vOIZTMEX0
隊長室
レポーター「と、言うわけで!」ニコーッ
南雲「……はい?」
レポーター「午後に行われる予定の第2小隊とのレイバー対決、一つお願いがあるんです!」
南雲「お願いって……」
後藤「聞くだけ聞いてあげれば?」
レポーター「後藤隊長さん話がわかるぅー!お願いっていうのはですね、私たちと賭けして欲しいんですよぉ!」
南雲「賭けって……警察官に何言ってるのよ」
レポーター「まさか、犯罪に巻き込む訳には行きませんから。もし、第1小隊が負けたら、私たちのお願いを一つ聞いて貰う、これだけです!」
38 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:58:54.88 ID:vOIZTMEX0
南雲「そんなこと言われたって」
レポーター「課長さんには許可は取ってますから、ねっ?」
カメラマン「番組を盛り上げるためですから、ねっ?」
P「2課寄りの番組に仕上げますから、ねっ?」
南雲「でも……」
後藤「お願い、聞いてあげたら?」
南雲「後藤さんたら全く人事だと思っちゃって…」
後藤「あれ、じゃあ何、しのぶさんはうちの第2小隊に勝てる自信、ないのぉー?」ニヤニヤ
南雲「ッ!」
39 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 00:59:17.79 ID:vOIZTMEX0
南雲「そ、そんな訳、あるわけないでしょう。うちの五味丘巡査部長が負けるわけがないわよ」
後藤「じゃあ決まり?」
南雲「良いわよ。分かったわよ。何でもお好きにどーぞ」
レポーター「じゃあ、そゆことでー」ニヤニヤ
カメラマン「失礼しまーす」ニヤニヤ
P「しまーす」ニヤニヤ
後藤「はいご苦労様」ニヤニヤ
ガチャッ
南雲「……」
41 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:00:46.64 ID:vOIZTMEX0
―作業場―
整備員A「ちょ、ちょっと勘弁してくださいよシゲさん!」
シバ「好きでこんなもん配ってんじゃないのよぉ!こんなもん…かわいい後輩達に配る身にもなってよねぇ……!」
整備員B「弁当なしなんてあんまりです!おやっさんなんて、堂々と外で食ってんじゃないですか!」
シバ「おやっさんだからいいんだよ!」
整備員一同「なるほど」
整備員B「…って!だからってこんな食事納得できるかよ!」
整備員C「そうだ!」
整備員一同「そうだ!そうだ!」
シバ「ちょっと!ちょっと!落ち着いてよ!話せばっ!話せばわかる!!」
ワーワーワーワーワーワーワー
42 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:02:57.01 ID:FUuWs0J2i
未来派ラバーズ
43 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:03:38.68 ID:VoeTvRVKO
しのぶさん万歳
45 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:05:02.09 ID:vOIZTMEX0
こっそり
レポーター「潜入せぇーこお!」ヒソヒソ
P「案外簡単だったね」ヒソヒソ
カメラマン「……やばくないっすか?」ヒソヒソ
レポーター「バレたらバレたときよ、ほらっ」ヒソヒソ
カメラマン「了解っ!」ヒソヒソ
カメラマン「バランサーをちょちょいといじくってーっ」ヒソヒソ
レポーター「みてらっしゃい!あの女隊長の恥ずかしい姿を全国に晒してやるんだからぁ……!」
レポーター「あの女の恥ずかしい姿全国に晒してやるわ!ぐへへへへへ……」
46 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:05:35.69 ID:vOIZTMEX0
―屋外―
レポーター「さーて、やって参りましたぁ!当番組のメインイベント!小隊対抗!レイバー格闘一本勝負!!!」
レポーター「実況は私が担当させていただきます。解説は……」
シバ「整備班シバシゲオでーす!よろしくぅ!」
レポーター「シバさん、今回使用するレイバーについてですが……」
シバ「流石にイングラムだとかパイソンだとかは使えないからね。教習所から教習レイバーを二機借りて来ましたぁー!で、この教習用レイバーなんだけど、パイソンの改良前と同性能なんだよね。
モーターも結構具合いいのよ?あともちろんリニアアクチュエーターじゃなくてワイヤー式なんだけど使い方によっちゃあ…」
レポーター「はい、ありがとうございましたー!」
レポーター「ルールは簡単!倒れたら負け!それでは、対戦を行う前に、第一小隊側のパイロットを決めてください」
47 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:06:16.42 ID:vOIZTMEX0
南雲「五味丘巡査部長で行きます」
レポーター「第2小隊は……」
太田「もちろんこの俺g」
後藤「泉、篠原ー、いけるかぁ?」
太田「ごっ、後藤隊長ぉ!?」
後藤「頼んだよ」
野明「りょ、了解!」
太田「何故!何故泉なのですかぁ!?銃の腕前ならぁ!!!」
後藤「格闘勝負って言っとるでしょ。それにお前不器用だし」
レポーター「と、いう訳で両者出揃いましたー!」
レポーター「ちなみに、この勝負第一小隊が負けた暁には罰ゲームとして…なーんと!」
一同「……なんと?」
レポーター「こちらの、『鉄腕ナントカ』の衣装を南雲隊長に着ていただきます!」
南雲「な…!」
48 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:06:45.51 ID:vOIZTMEX0
一同「おおおおおおお!!」
野明「こ……これはぁ……」
香貫花「何というか……」
遊馬「ど……どきつぅ……」
後藤「………」ニヤニヤ
レポーター「南雲隊長、頑張ってくださいねー(棒読み)」
南雲「………」
49 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:07:06.47 ID:vOIZTMEX0
レポーター「んじゃあ、早速対決スタートといきましょうか!」
野明「……大丈夫、かなぁ」
遊馬「やるしかないだろ。…わかっちょるだろうな野明」
野明「……わかってるけどさ」
南雲「……」
五味丘「あの……」
南雲「……頼んだわよ」
五味丘「はっ、はいっ!」
シバ「両者出揃ったところでぇ……」
シバ「レイバーファイト、レディー……」
教習用レイバー(野明)「……」
教習用レイバー(五味丘)「……」
シバ「ゴオオオォォオオオォォ!!!!」
50 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:07:45.88 ID:vOIZTMEX0
レポーター「さて始まりました、第1小隊vs第2小隊。シバさんはどちらが勝つと予想していますか?」
シバ「そうっすねー、泉ちゃんは器用だし、力業も行けるんだけどね。五味丘さんはこの手の機体は使い慣れてるし、柔道も上手いしねぇ……やっぱ経験の差から第1小隊だと思いますけど」
レポーター「なるほど。ただ、お話し聞く限りでは泉さんにも勝機はあると」
シバ「ま、『なくはない』ってとこかな」
野明(五味丘さんは強いし、気を抜けばそれこそ下手な負け方しちゃうぞ…)
野明(そしたら第2小隊的にもまずいしなぁ……かと言ったら勝ったら勝ったで南雲隊長が……)
51 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:08:19.96 ID:vOIZTMEX0
野明「遊馬ぁ!やっぱりそんな器用にまけるなんて無茶だよ!」コソコソ
遊馬「何言ってんだよ、負けるなら簡単だろ。隙を作りゃいい」コソコソ
野明「でもあんまりコテンパにやられすぎちゃっても…バレバレなんじゃないの」コソコソ
遊馬「だからさ、隙をついて来る五味丘巡査部長の隙をついて、表面的には互角にして、最終的に負ければいい」コソコソ
野明「簡単に言ってくれちゃってさ」コソコソ
52 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:09:16.22 ID:vOIZTMEX0
遊馬「考えなしなわけじゃないぞ。不意に覚悟もなく責められたんじゃ、万が一にもお前が勝っちまうかも知れない。」コソコソ
遊馬「だからだな、正面から負ける覚悟をして挑めば、戦闘力も知識が野明より遥かに上の五味丘巡査部長が間違いなく勝つ。」コソコソ
野明「なんか、その言い方、私が運だけみたいに聞こえるぞ」コソコソ
遊馬「事実そうなんだから」コソコソ
野明「……まあ、否定はしないけど」コソコソ
野明「だけど隙を作るって言ったって、あんまり堂々とし過ぎたって不自然だよ」コソコソ
遊馬「それを考えるのがお前の仕事だろ」コソコソ
野明「投げっぱなしにしてくれちゃってさ。いつも遊馬は……」コソコソ
53 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:10:14.41 ID:FUuWs0J2i
キミにイかれてメチャメカ狂い
54 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:12:34.75 ID:vOIZTMEX0
香貫花「二人とも、なにボケッとしてるのよ!来るわよ!」
野明・遊馬「うぇっ!?」
ガシッ!
教習用レイバー(五味丘)「もらった!」
教習用レイバー(野明)「遊馬が話掛けるからぁ!」
遊馬「計画通りにいかなかったのを人のせいにするんじゃない!」
55 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:14:05.05 ID:vOIZTMEX0
レポーター「おおっと、第1小隊のレイバーが第2小隊のレイバーにつかみかかった!」
シバ「やっぱり反応速いよねぇ。一方の泉ちゃんはボケッとしちゃってどーしちゃったのよ?」
教習用レイバー(五味丘)「このまま一気に………!」
野明(このままじゃ、流石にまずい!)
教習用レイバー(野明)「やられるか!」ガシッ!
教習用レイバー(五味丘)「!」
レポーター「泉巡査も反撃に出ました!敵の腰を掴んだぞ!」
シバ「攻撃の間を縫って腰を掴んだのは流石だね。五分五分に持ち込んだってとこかなぁ…」
教習用レイバー(野明)「ぐぅぅっ!」ググググ……
教習用レイバー(五味丘)「……ぐっ!」ググググ……
レポーター「両者一歩も譲らず!」
シバ「消耗戦かなぁ…こりゃ」
遊馬「野明…このままじゃ……」コソコソ
教習用レイバー(野明)「わかってるよぉ………何とか、隙を作ろうとはしてるんだけどさぁ…どう動けばいいんだか……」コソコソ
五味丘(南雲隊長の為にも……負ける訳には行かない!)
五味丘(しかし……どうしたんだこの機体は……さっきから重いぞ……!)
教習用レイバー(野明)「うううっ……」
56 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:14:32.07 ID:vOIZTMEX0
遊馬「足だ野明。いいか、脱出するふりして隙を作れ。五味丘さんが引っ掛けられるように絶妙な感じで。」コソコソ
教習用レイバー(野明)「絶妙って……簡単にいってくれるよな……」コソコソ
シバ「……んー?」
レポーター「どうしましたシバさん」
シバ「五味丘さんの機体…なーんか重そうに見えるんだけど」
レポーター「そ、そうですか?」
シバ「うーん……なーんかちょっと変な気がするんだけど気のせいかなぁ」
レポーター「き……きのせいですよ」
57 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:15:07.51 ID:vOIZTMEX0
野明(と…言いつつもやるしかないか!)
教習用レイバー(野明)「たあああああああああああ!!!!!」
レポーター「おおっと、泉機が動き始めた!」
シバ「ああ……泉ちゃん、ダメだってぇ!」
教習用レイバー(五味丘)「隙あり!」
ガッ!
野明(…よし!)
遊馬(いけ、野明!)
シバ「こりゃ第1小隊の勝ちだなぁ……」
レポーター「なんかちょっと残念そうですね」
シバ「そ、そんなワケないじゃないのよ!ねぇ!」
58 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:15:35.18 ID:vOIZTMEX0
南雲「畳みかけろ!」
教習用レイバー(五味丘)「行きます!」
野明(よし……!)
遊馬(……これで!)
太田「……こう言うのは、どうも好かん」
後藤「………」
59 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:16:48.60 ID:vOIZTMEX0
ガコン!
レポーター「……」ニヤッ
教習用レイバー(五味丘)「えっ……?」
ズドン!!
シバ「あ……」
遊馬「……あれ?」
レポーター「なーんと!泉機の足を取りに行った五味丘機がバランスを崩した!」
教習用レイバー(野明)「えっ、ええっ!?」
山崎「いっ……一体これ……」
進士「どういうことです!?」
レポーター「で、ルールでは先に倒れた方が負けと言うことですので……」
レポーター「第2小隊の勝利です!!」
教習用レイバー(五味丘)「………」
教習用レイバー(野明)「えっ……えっ?」
遊馬「えっ、えっ」
後藤「……勝っちゃったみたい、しのぶさん」
南雲「………」
60 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:17:15.42 ID:vOIZTMEX0
遊馬「ど……どうしよ」
野明「……なんでちょっと嬉しそうなんだよ遊馬」
レポーター「と、いう訳で第1小隊の隊長さんには約束通り、鉄腕ナントカのコスプレをお願いします!」ニヤニヤ
P「お願いします」ニヤニヤ
カメラマン「お願いします」ニヤニヤ
後藤「お願いします」ニヤニヤ
南雲「……」
61 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:17:50.09 ID:vOIZTMEX0
野明「ちょ、ちょっと待った!今のは絶対に…何かおかしかったよ!」
遊馬「そうだ!あんな勝ち方するなんて絶対におかしいぞ!」
レポーター「それでもあなた方の勝ちは勝ちですから。っていうか、なんで勝ったって言うのにそんなに必死なんです?」
野明「そ……それは……」
香貫花「仮に機体の不具合で勝敗が決まったのであれば、それは実力で勝てたとは言えないんじゃなくて?」
野明「そっ、そう!それ!」
62 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:18:30.86 ID:vOIZTMEX0
レポーター「でも事前に整備班の皆さん方が調整してたんでしょ?じゃあ特車2課の整備班は整備すらろくに出来ないって結論になりますけど」
野明「そ、そうは言ってないじゃない!」
レポーター「でも、そーいうことになっちゃいますよぉ?素直に勝ちを喜ぶべきだと思いますけど」
野明「うっ………」
レポーター「では!お約束通り、南雲隊長、お願いしまーす!」
野明「……」
63 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:25:00.04 ID:vOIZTMEX0
ウーッ!ウーッ!ウーッ!ウーッ!
一同「!」
『出動命令!千代田区にて数台のレイバーが乱闘騒ぎを起こしている模様!至急両小隊は現場に急行されたし!繰り返す……』
野明「!」
遊馬「出動命令だ野明!」
レポーター「ちょっと……!」
南雲「続きは後ほど。出動しますので」
南雲「行くぞ」
五味丘・結城「了解しました!」
後藤「うちにも出てるみたいだから、行こっか」
第二小隊一同「了解!」
レポーター(ちいい!良いとこだったのにぃ……)
65 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:25:34.60 ID:vOIZTMEX0
P「どうする?」
レポーター「いいわ…今はついてって出動するとこ撮るわよ。急いで!」
レポーター(第1小隊の失態でもとれりゃあ万々歳だわ……ニヒヒ)
カメラマン「く、車手配しましょう!」
シバ「ちょっとアンタらダメだよ!ここで大人しくしてくんなきゃさ!」
レポーター「邪魔はしませんから、ねっ!」
P「好きにしていいって本庁のお墨付きですし!」
タタタタタッ……
シバ「ちょっ!ちょっと!ちょっとぉ!」
66 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:25:52.60 ID:vOIZTMEX0
シバ「行っちゃったよ…どうしよう」
後藤「いいんじゃないの」ヌッ
シバ「ごっ、後藤さぁん!?」
後藤「上のお墨付きなんだから、止めらんないって。」
シバ「……一体上は何かんがえてんすかね」
後藤「期待してるんでしょ。それより、例の件、頼みました。」
シバ「え……ええ……」
後藤「♪ないてーないてーみれんがぁーきえるぅまぁでぇー」
シバ「……大丈夫かね、色々と」
67 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:26:44.91 ID:rmO5dD0I0
香貫花ってアニメと漫画じゃ全然印象違うよな
68 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:26:48.89 ID:vOIZTMEX0
―都内某所―
不良仕様レイバー(不良A)『ゴラァ!誰だポリ公呼んだのは!』
南雲「状況は」
警官「ええっと、不良グループの『灸曲兆神』と『邪蛇羽魔』が衝突…その後レイバーにて乱闘騒ぎを起こした模様で……」
遊馬「不良がバイクの代わりにレイバーってか」
進士「お金、あるんですねぇ……」
後藤「とんだボンボンだなぁ……」
南雲『搭乗員に告ぐ。直ちに迷惑行為を止め、速やかにレイバーから降りるように。今なら公務執行妨害は免れる』
不良仕様レイバー(不良A)『うるせーババア!』
不良仕様レイバー(不良B)『引っ込んでろ年増!』
不良仕様レイバー(不良C)『やーい、行き遅れ!』
不良仕様レイバー(不良D)『賞味期限切れ!』
南雲『……』
イングラム(野明)「……ああ」
69 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:28:17.45 ID:vOIZTMEX0
レポーター「オバサンかわいそwwwww」
P「ちょwwwww笑いすぎwwwwwwww」
レポーター「とってるwwwww?」
カメラマン「もちwwwwwwwwww」
後藤『あー、代わりまして第二小隊の後藤だけども、これ以上罪を重ねるより、早く降りてきた方がお得だと思うんだけど』
不良仕様レイバー(不良A)『うるせぇ!寝ぼけたカエルみたいな顔しやがって!』
後藤『知ってる。そんなことより、いい加減降りてきてくれない?』
不良仕様レイバー(不良A)『やなこった!っつうか、俺たち責めんなら社会を責めな!俺たちはアンチテーゼしてんだよ!』
後藤『君が社会に対して何を思ったかは知らないが、こんなことしてたって、寝ぼけたカエルみたいな顔と一緒にネットの掲示板あたりで笑い物になるのがオチなわけ。
自分の名前を検索すると恥ずかしい過去がバンバンでてくるわけ。しかも一銭にもならないわけ。こっちは給料でるけど』
70 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:28:48.18 ID:vOIZTMEX0
不良仕様レイバー(不良B)『なんだお前!うぜえんだよ死ね!』
不良仕様レイバー(不良C)『一時休戦だ!こいつら、やっちまおうぜ!!!』
レポーター「おっと、皆様ご覧頂いてますでしょうか!不良グループが暴走を始めました!」
後藤「ごめん。失敗、しちゃったみたい」
南雲「……」ハァ
後藤「と言うわけで泉、太田。お客さんのお相手、して差し上げろ」
イングラム(野明)「了解!」
イングラム(太田)「俺はああいう人種がダイッ嫌いなんだぁ!根性叩き直してくれるわあああああッ」
71 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:29:22.95 ID:vOIZTMEX0
南雲「結城、五味丘……いけるか」
パイソン(五味丘)「準備は出来ています」
不良仕様レイバー(不良A)「イングラム2機は分がわりーな……」
不良仕様レイバー(不良C)「ヘッド、俺らがイングラムを引きつけとくんで……ヘッドは逃げてください!」
不良仕様レイバー(不良A)「いいのか?」
不良仕様レイバー(不良C)「灸曲兆神は俺が守ります!パイソンなら……逃げ切れるはずですヘッド!」
不良仕様レイバー(不良D)「ヘッドも逃げてください!邪蛇羽魔は永久に不滅です!」
不良仕様レイバー(不良B)「お前……」
不良仕様レイバー(不良A)「……行くぞ。お互い、いいダチ、持ったな」
不良仕様レイバー(不良B)「……ああ」
72 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:30:23.24 ID:vOIZTMEX0
イングラム(野明)「そこの不良レイバー2機!逃げたって無駄だぞ!」
不良仕様レイバー(不良C・D)「ウオオオオオオ!!!」ガシャン!
イングラム(野明)「ちょっ!?」
イングラム(太田)「ドケェ!お前らっ………」
不良C(ヘッド……!)
不良D(どうぞ……ご無事で)
遊馬「やられたか!あの2機、パイソンじゃあ……」
イングラム(太田)「どけぇ!」
香貫花「太田!逃げたレイバーは追わずに先にそっちを片付けなさい!」
イングラム(太田)「しかし……」
後藤「南雲隊長のとこなら大丈夫じゃない。パイソンより格上の機体を何度も倒してるんだし」
香貫花「太田、右!」
イングラム(太田)「ぬぉ!?」
香貫花「……気を抜いたらやられるわよ!目の前の敵に集中しなさい!」
遊馬「さっさと終わりにして、第1小隊の援護に回るぞ、野明!」
イングラム(野明)「了解!」
73 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:31:26.87 ID:vOIZTMEX0
レポーター「面白いことになってきたわね」
P「熱いよねぇ、レイバー戦って」
レポーター「違うわよ。あの女の情けないとこ、撮れるかもって」
カメラマン「……こだわるね」
レポーター「ああ言う女って大ッ嫌いなのよね。なんかカンに触るっていうかさ、鼻持ちならないっていうかさ」
レポーター「って訳で……運転、あたしにさしてくんない?」
P「……何する気だい」
レポーター「あの女の失態を全国にながして公開処刑してやんのよ!下手すりゃクビよクビ!」
レポーター「その上あたしは警察の闇を暴いたジャーナリストとしてステップアップ!完璧ね!」
P「……女って」
カメラマン「……こわい」
74 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:32:05.11 ID:vOIZTMEX0
南雲「わかったわ…了解。残りはそちらに任せます」
南雲「…結城、五味丘!こちらに目標のレイバーが2機、接近する」
パイソン(結城)「あ、あの南雲隊長……相手は格上って……」
南雲「心配は無用だ。今までも不利な状況にも打ち勝ってきた。機体の性能だけが勝負を決める訳ではない」
パイソン(五味丘)「そうだ。結城……我々次第で勝負はどうにでも動く」
パイソン(結城)「……はいっ!」
南雲「……くるぞ」
不良仕様レイバー(不良A)「狗の雑魚レイバーが!」
不良仕様レイバー(不良B)「俺達に道を開けろォ!!跪けぇ!」
パイソン(五味丘)「やらせるかァ!!」カチャッ
不良仕様レイバー(不良A)「威嚇用のリボルバーがどうした!!」
南雲「五味丘!足元を狙え!」
五味丘(……これ以上、南雲隊長に恥をかかせる訳にはいかない!)
五味丘「これ以上は!」
76 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:32:34.06 ID:vOIZTMEX0
レポーター「さぁて、ここでクイズです。第1小隊のパイソンと不良仕様レイバー2機、どちらが勝つでしょうか?宛先は画面下にあります、電話番号まで……」
南雲「!」
レポーター「おっと、交戦中の第1小隊でーす。南雲隊長、凛々しいお姿で」
パイソン(結城)「なっ……!」
南雲「結城、こっちはいい!戦闘に集中しろ!」
レポーター「どうも~」
南雲「あなた方は一体何をしてるのか自分で……!」
レポーター「車の中から第1小隊の活躍を報道してるんです」
南雲「……任務の妨げです。下がってください」
77 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:33:06.05 ID:vOIZTMEX0
レポーター「それは無理です。自由に撮影していいって警備部の偉い人が言ってましたから」
南雲「……任務の妨げになる場合は別です。公務執行妨害よ。第1、こんな報道をしてるとなれば、視聴者の印象は最悪でしょうに」
レポーター「編集次第でどうとでもなるわ。第1、印象サイアクの特車2課の言うことなんて誰がまともに取るんだか」
レポーター「報道は第三の権力なのよ!アンタら如きに逆らえないわ!」
P「ちょっと……ヤバいって!」
レポーター「ビビるんじゃないわよ。あなた1人でどうなるっていうのかしら。」
南雲「………」
79 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:33:45.17 ID:vOIZTMEX0
パイソン(五味丘)「ここから先は一歩も行かせん……!動けば撃つ!」
不良仕様レイバー(不良A)「……グッ」
パイソン(結城)「絶対に行かせない!観念しろ!」グググッ
不良仕様レイバー(不良B)「……!」グググッ
レポーター(そうだ。いいこと思いついた)ニヤッ
レポーター「……ま、いっかぁ。撤収するわよ」
南雲「……」
レポーター「じゃ、さよなら隊長さん」ブルルル……
南雲「安全な場所に避難してください」
レポーター「わかってますわかってます……って」
レポーター「おおっと、ハンドルを握ってる手が滑っちゃったわ」ブルルル!
P「ちょ、ちょっとぉ!?」
南雲「なっ…!?」
80 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:34:25.76 ID:vOIZTMEX0
レポーター「ああ。ハンドルの調子が悪くって、偶然にもパイソンの足の下に……」
パイソン(結城)「なっ!」
不良仕様レイバー(不良B)「隙あり!」ズゴッ!
パイソン(結城)「!?」
ズドォオオオォォ………
81 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:35:17.66 ID:vOIZTMEX0
南雲「なっ!?」
レポーター「転んだとこ、撮った?」
カメラマン「撮ったけどさぁ……!」
レポーター「よし、もう一丁!」
カメラマン「これ以上は本気で不味いって……!」
P「何考えてんだよ!」
レポーター「大丈夫大丈夫ぅw」
P「大丈夫って、これは明らかに……」
レポーター「知ってる?あたしって警備部トップのとんでもないスキャンダル…握ってるのよ。しかもね、そいつ、警視総監の席、狙ってるらしいわよぉ……」
P「……!」
レポーター「そっ。しかもさ、そのトップは特車2課の隊長達を目の敵にしてるとあれば……」
P「……」
カメラマン「………」
P「やっちまおうぜ!!」
カメラマン「おうよ!バッチリ撮ってやらぁ!!!!!」
82 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:36:16.02 ID:vOIZTMEX0
ブウウウウウン!!
南雲「……どういうつもりなのよ」
南雲「五味丘!足元に中継車が接近するぞ!」
パイソン(五味丘)「しかし、下手に交わせば……彼らが相手レイバーの下敷きになります!」
レポーター「ヒャッホォー!」
南雲「………ッ」ギュウウッ
キイイッ!ブウウウウウン……!
レポーター「困ってる困ってるwいーい映像がとれそうよー!」
パイソン(五味丘)「そこの中継車!速やかに……!」
不良仕様レイバー(不良A)「って、がら空き!いっただきぃ!」ダッ
五味丘「!?」
ズドォオオオ……… !
パイソン(五味丘)「………ッ!」
南雲「……五味丘!?」
83 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:36:51.46 ID:vOIZTMEX0
南雲「無事か五味丘!」
パイソン(五味丘)「…申し訳ありません南雲隊長。機体は無事ですが
南雲「どうした!」
パイソン(五味丘)「左足が……」
レポーター「なんか清々したし、退散しましょw」
P「これ以上はこっちが危ないからなw」
カメラ「高みの見物ですねw」
レポーター「おばさんざっまwwww」
84 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:37:13.33 ID:vOIZTMEX0
ブウウウン……
不良仕様レイバー(不良A)「ぬわっ!」
不良仕様レイバー(不良B)「って、そこの車!邪魔なんだよ!」
レポーター「あっ、ごめんごめーんw」
不良A「……どうする」
不良B「さっきからちょこまかと……自分達が流れ作ってる顔しやがって気にくわねぇ」
不良A「……先にやっちまおうぜ」
不良B「やっちまうか」
レポーター「……えっ」
85 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:37:33.17 ID:vOIZTMEX0
不良仕様レイバー(不良A)「まてゴラァ!踏み潰してくれるわ!!!」 ドドドドドドドド
不良仕様レイバー(不良B)「オラオラオラ!!」ドドドドドドドド
レポーター「ちょ!ちょっとぉ!?」
P「な、なんだよいきなりぃっ!!」
カメラマン「やだぁ、やだよぉ!!ママァ!」
不良仕様レイバーA「マスゴミ死ねやあああああああ!!!」
レポーター「ちょっと!ちょっと来ないでよ!」
P「もっと飛ばせ!飛ばせって!」
レポーター「やってるわよバカァ!!」
カメラマン「やだ!やだ!やだぁ!」
86 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:37:55.57 ID:vOIZTMEX0
不良仕様レイバーA「追いつめるぞぉおぁお!!」ドドドドドドドド
カメラマン「やめて!やめて!こないでぇ!」
不良仕様レイバーB「マスゴミめ……いつも俺達をいつもバカにしやがってクソ野郎!ぶっ殺してやる!!」
レポーター「こんなことになるんだったらあんなことしなきゃ良かったぁ!」
不良仕様レイバーB「ぐへへへ!終わりだ!!!」ジャキッ
レポーター「………ッ!」ギュッ
レポーター(もう、だめだぁ!)
不良仕様レイバーB「観念しろぉ……!」
ドゴォッ!!!
レポーター「ぐうっ……」
87 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:38:21.94 ID:vOIZTMEX0
レポーター「………」
レポーター「……あれっ?」
不良仕様レイバーB「痛ぇぇぇぇ!!」
パイソン(結城)「……余所見をするな」ググググッ
レポーター「れ、レイバー!」
不良仕様レイバーB「ぐぅっ!ポリごときにやられるかよォォッ!性能はこっちの方が…」
結城「……それはどうか」
不良仕様レイバーB「…って、あれっ!や、ヤベッ!なんか…アレッ!アレッ!」 カチャカチャカチャカチャ
不良仕様レイバーB「……ポリの手が払えねぇ」サァァ
88 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:39:04.18 ID:vOIZTMEX0
レポーター「なに?なに?どしたのよいきなり!」
カメラマン「…そうか、過度な改造で全体のバランスが狂ってるんだ」
南雲「結城、そのまま腰を落とせ!!」
パイソン(結城)「……」グイッ
不良仕様レイバーB「……!」
パイソン(結城)「観念しろ!」グワッ
不良仕様レイバーB「ぬわああああ!?」
……ズドォオオオオ!!!
不良B「 」
レポーター「やったぁ!やったわ!」
89 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:39:31.95 ID:vOIZTMEX0
結城「……あと一体」
南雲「結城!後ろ!」
結城「っ!?」
………ドゴォ!
南雲「!」
不良仕様レイバーA「ケッ!他愛もないなぁ!このままコテンパにしてやる!」
南雲「………結城!結城!答えろ結城!」
結城「………」
不良仕様レイバーA「どぅあああああああああああ!!死ねよオオオオ!!!」グワッ
南雲「結城、起きろ結城!!」
南雲「………」ギュッ
90 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:39:59.61 ID:vOIZTMEX0
………ガシッ
不良仕様レイバーA「!?」
パイソン(五味丘)「………」グググッ
不良仕様レイバーA「なっ……!」
パイソン(五味丘)「まだ私がいる。相手になろう」
南雲「五味丘……負傷は……!」
パイソン(五味丘)「これ以上、特車2課の……第1小隊の看板に泥を塗るわけにはいきません」
南雲「……しかし」
不良仕様レイバーA「ねちっこいんだよ!ぶっ潰してやる!!」
南雲(このタイプも過剰な改造のせいかバランスが悪い…そこを付けばなんとかなるけれど)
91 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:40:33.15 ID:tmkL531MO
劇2探しながら支援
92 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:40:33.64 ID:vOIZTMEX0
パイソン(五味丘)「………」グッ
南雲(チャンスはそうないわ…やれるのか)
南雲「………」ギュッ
南雲(……やれる。やってくれる。私の部下なら)
不良仕様レイバーA「どぅあああああああ!!」ドドドドドドドド
南雲「五味丘!右36度を狙え!」
五味丘「了解!」
五味丘(左足、動いてくれ…動け………)
不良仕様レイバーA「ポリ公ぶっ殺す!!」
五味丘「動けえ!!」ググッ
不良仕様レイバーA「……!」
パイソン(五味丘)「第1小隊を……」ジャキッ
パイソン(五味丘)「舐めるなァァアアア!!!」
93 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:41:10.19 ID:vOIZTMEX0
ドゴォ!
不良仕様レイバーA「のぉ!?」
パイソン(五味丘)「……ッ!」
南雲「……ッ!」
ビビビビビビビビビビ……
ビビビビビ……
ビビビビ……
不良仕様レイバーA「……」
不良仕様レイバーA「 」ガクッ
パイソン(五味丘)「………停止、しました」
南雲「………」
南雲「よくやった……五味丘」
95 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:41:41.06 ID:vOIZTMEX0
レポーター「や、やばかったわね」
P「とりあえず……助かった……」
レポーター「ったく、でもあの女の泣き顔とりそこねたわ」チッ
P「あのさぁ………」
不良仕様レイバーB「………」ピカッ
カメラマン「あれっ」
レポーター「どしたの」
カメラマン「……あのレイバー、一瞬光らなかった」
レポーター「まさか」
不良仕様レイバーB「…………」ググググッ
レポーター「あ……あれ?」
カメラマン「まだ動い……てる?」
96 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:42:22.81 ID:vOIZTMEX0
P「っていうか、こっちみて……る?」
不良仕様レイバーB「………」ガシャン
南雲「まだ……一機動いている?」
南雲「……結城!」
結城「すいません、まだ動けそうに……」
南雲「………ッ」
不良仕様レイバーB「待てやアアアアアぁ!!!」ドドドドド
レポーター・P・カメラマン「いやああああああっ!!!!?」ブウウン
不良仕様レイバーB「オラオラオラ!!」ドドドドドド
『待て!』
不良仕様レイバーB「!?」ビクッ
97 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:43:13.70 ID:vOIZTMEX0
『そこのレイバー、止まりなさい!止まらなければ』
不良仕様レイバーB「………おわっ!」
イングラム(野明)「力ずくでも止める!!」
イングラム(太田)「撃つぞぉ……撃つぞぉ……」
不良仕様レイバーB「あわわわわ第2小隊ぃ!!」
イングラム(野明)「偽物損壊、道路交通法違反、公務執行妨害もろもろの罪で逮捕する!」ジャキッ
不良仕様レイバーB「あばばばばば」
98 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:45:13.47 ID:vOIZTMEX0
後藤「ってことで、はい、お疲れ様」
南雲「後藤さん!」
後藤「処理はこっちでやっとくから、…一緒についてってあげたら?病院」
南雲「……ええ、そうさせてもらうわ」
後藤「じゃあ、そう言うことで」
南雲「そう言うことで」
南雲「………」スタスタ
南雲「……」クルッ
後藤「なに?」
南雲「ありがとう」
後藤「どういたしまして」
99 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:45:42.02 ID:vOIZTMEX0
再び特車2課
レポーター「と言うわけで今回はありがとうございましたー」
2課一同「……」
野明「………」
遊馬「………」
太田「………」
進士「……」
山崎「……」
香貫花「………」
100 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:46:23.12 ID:vOIZTMEX0
レポーター(ま、あの女を泣かせられなかったのと、コスプレさせられなかったのは残念だけど)
レポーター(ま、編集しだいでなんとでもw)
P「んじゃ、我々はこれで。放送をお楽しみに…」そそくさ
カメラマン「じゃあ失礼……」そそくさ
レポーター「放映をお楽しみにー」
101 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:48:44.18 ID:vOIZTMEX0
後藤「あっ、そうだ」
カメラマン「な……なにか」
後藤「ちょっとお願い、聞いてくれる?」
カメラマン「……なんです?」
後藤「ネット、強い?誰に聞いてもわからんのよ、これがさぁ」
カメラマン「ええまぁ…」
後藤「そりゃ助かる。で、この動画を公開したいんだけど…」
カメラマン「……これですか?」
後藤「そう、これ」
103 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:49:19.20 ID:vOIZTMEX0
ピッ
―――――
レポーター「潜入せぇーこお!」
P「案外簡単だったね」
カメラマン「……やばくないっすか?」
レポーター「バレたらバレたときよ、ほらっ」
カメラマン「了解っ!」
カメラマン「バランサーをちょちょいといじくってーっ」
レポーター「みてらっしゃい!あの女隊長の恥ずかしい姿を全国に晒してやるんだからぁ……!ニヒヒッ」
―――――――
ピッ
104 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:50:09.72 ID:vOIZTMEX0
カメラマン「ぬぁ!」
後藤「………」ニヤニヤ
レポーター「ちょっと、ちょっとどう言うつもりなのよコレ!!」
P「あ、あ、あんたらどういう………」
シバ「だめだよぉ、あんな変な改造しちゃさぁ。俺達が直さなきゃ死んじゃってたよ、五味丘さん」
カメラマン「しっ……知ってたのか!」
レポーター「で……でも……!これネットに上げたらアンタらだって……」
後藤「そりゃまずいよ。警備部長のクビくらいは飛ぶ?」
進士「飛びますね」
後藤「飛ぶって」ニヤニヤ
レポーター・P・カメラマン(やべぇ、このオッサン、やべぇ……)
105 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:51:39.90 ID:vOIZTMEX0
レポーター「や、やれるもんならやってみなさいよ!どうせ…」
後藤「進士、ここ押せばいいのか」
進士「はい、そこをポチッと」
後藤「そうか、ポチッと……」
P「わ、わ、わ、分かりました!なんでもします!!ですから!」
後藤「具体的に」
P「……番組を2課の皆さんの望む通りに!」
後藤「らしいから、お前たち、色々お願いしてみたら?」
シバ「じゃあ、レイバーうんちくのコーナー!!」
野明「じゃ、じゃあアルフォンスのPV!」
太田「ま……松本加奈ちゃんを司会にだな」
山崎「クジラ特集を……」
進士「多美子さん特集を!」
整備員A「おれは……」
整備員B「俺が!俺が!」
ワーワー!ワーワー!ワーワー!
106 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:52:13.00 ID:vOIZTMEX0
南雲「……ゆすりね、まるで」
後藤「あ、お帰りしのぶさん。どうだった?」
南雲「五味丘は左足首骨折。結城は軽い脳震盪と靭帯損傷……大したことはない……とは言い難いわね」
南雲「でもま、これで偏向的な番組にはならなそうで、課長も大喜びね。それに、少しは石を投げられずに済むんじゃなあい?」
後藤「石はともかく、せめて仕事はやめて欲しいなぁ……」
南雲「……ふふっ」
107 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:52:49.10 ID:vOIZTMEX0
南雲「で、あの映像、どうするの後藤さん」
後藤「上に持って行ったって仕方ないし、だからってこのままにしとくのもなんだか」
南雲「まさか、本当にあなた……」
後藤「まさか。そのまま流すなんて自殺行為はしないよ。一目みりゃ、うちだってわかるんだし」
南雲「じゃあ……」
後藤「そのための『編集機能』でしょ」ニヤッ
南雲「……呆れた」
108 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:54:06.72 ID:vOIZTMEX0
―――――
数日後
『特車2課とは我々の街を守る、正義の味方そのものなのである!』
松本加奈「特車2課って本当、カッコイイですよね。ぼく、感動しちゃった!」
松本加奈「南雲隊長もすんごく美人だったよね!後藤隊長も足がすんごく早かったし!」
松本加奈「じゃあみんなも、ぼくの大好きな野明センパ……じゃなかった、特車2課を応援してあげてね!バイバーイ」
♪キッミニーイーカレテメタメタ
プチッ
109 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:55:18.44 ID:vOIZTMEX0
野明「すっごくい格好良く移ってたね!みんなもアルフォンスも!」
遊馬「でも流石に後藤隊長に関しては詐欺だと言われても仕方ないぞ」
香貫花「4000メートル走るはずが、実際には1000メートルも走ってない上に私と競り合ったんだから、ひどく遅いくらいよ」
山崎「それにしても南雲隊長は素敵でしたね」
太田「加奈ちゃんはもっと素敵だぁ……」
進士「ネットでの評判も上々な様ですよ。元々特車2課支持派が多数でしたから」
進士「ちなみに香貫花さんも綺麗だって話題になってますよ。」
香貫花「そう?よく写ってるってことかしらね。後でグランマにも送ってあげなきゃ…」
進士「で、あのレポーターは…番組のヤラセの様子が映った謎の動画の流出が原因で大変なことになってますね。番組、全部降板ですって」
遊馬「ざまぁみろってんだ」
進士「まあ、前々から良くない噂がありましたからねぇ……」
香貫花「自業自得よ」
110 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:55:40.65 ID:vOIZTMEX0
野明「………」
遊馬「どうしたんだ野明、真剣な顔して。熱でもあるのか」
野明「後藤隊長、あの映像を持ってたってことはさ、レイバーに細工されてたの、試合の前から知ってたんだよね」
遊馬「まあな、シゲさん達も調整したって言ってたわけだし」
野明「だとしたら何でわざわざ敢えて第1小隊のレイバーの調子を悪くしたまま、試合したのかなぁって。折角なら直しちゃえば良かったのに」
山崎「確かに……」
111 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:56:02.95 ID:vOIZTMEX0
香貫花「それもそうよねぇ、偏向的でない番組を作らせるだけの目的であれば、あの動画だけで十分よ。アンフェアな試合なんて必要ないわ」
遊馬「未遂の時点で十分問題だからな。わざわざ証明する必要もないって訳だ」
野明「なんでそんなこと……したんだろう」
遊馬「確かに、物事には必ず目的ってのがある。あの隊長のことだからなおのことだ」
香貫花「そうね。隊長は目的を持っていた……とすれば、出動の件は差し引いて考えてた方が、いいかもしれないわ」
遊馬「そこから残る純然たる事実と結果を導きだすとすれば……」
112 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:56:32.55 ID:vOIZTMEX0
野明「うーん……」
山崎「………」
太田「 」
進士「太田さん…思考停止してます?」
遊馬「…まさか」
野明「まさか?」
遊馬「単に隊長は南雲さんにあの格好をさせたかったんじゃ」
野明「まさか……後藤隊長が」
一同「……後藤隊長なら」
一同「………」
一同「………ずるっけー!」
113 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:58:18.84 ID:vOIZTMEX0
―――――――
香貫花「我々は一人のカミソリ中年の手のひらで踊らされていただけなのかもしれない」カタカタカタ
香貫花「かくして、特車2課はそんな日常的『非日常』を越えてゆきながら、今日も東京の平和を守っているのである」
香貫花「………とりあえず、今日はここまででいいかしらね。しかし、第1小隊に関するデータが少ないから追加しろだなんて」
香貫花(日本……か)
香貫花「……ふふっ」
おしまい
114 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 01:59:20.45 ID:FUuWs0J2i
乙
115 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 02:01:16.42 ID:vOIZTMEX0
お付き合いありがとうございました
南雲隊長と第1小隊がすごい頑張ってることを全面にだしたかったんですが結果
いつもより地味で変な話になってしまいました。大変申し訳ありませんでした
何が言いたいかと言うと
南雲しのぶさんは苦労人かわいい!!!!
116 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/04/28(土) 02:02:04.83 ID:B9lVF6DDO
乙
また書いてくれ
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1335541018/
Entry ⇒ 2014.02.24 | Category ⇒ 機動警察パトレイバー | Comments (0)
泉野明「第1回!特車二課第2小隊鍋パーティー!」
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:28:54.20 ID:S9UMy1Kl0
グツグツ……グツグツ……
野明「………」
遊馬「………」
進士「………」
ひろみ「……」
太田「………」
香貫花「……」
熊耳「………」
後藤「あー………」
後藤「これより、親睦を深める為の、第2小隊鍋パーティーを開催しようと思う」
第2小隊一同「……ぃぇーぃ」
グツグツ……グツグツ……
野明「………」
遊馬「………」
進士「………」
ひろみ「……」
太田「………」
香貫花「……」
熊耳「………」
後藤「あー………」
後藤「これより、親睦を深める為の、第2小隊鍋パーティーを開催しようと思う」
第2小隊一同「……ぃぇーぃ」
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:30:42.07 ID:S9UMy1Kl0
後藤「えー、乾杯」
香貫花・熊耳「乾杯」チーン
熊耳「………」グビグビ
香貫花「………」グビグビ
後藤「じゃあ、後はよろしく」クルッ
ガシッ!!!!
遊馬「……」
太田「……」
ひろみ「……」
進士「………」
野明「………」
後藤「な、なによ……」
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:33:05.52 ID:S9UMy1Kl0
遊馬「……今日という今日は逃がしゃしませんよぉ、隊長ぉ!」ガシッ
後藤「別に俺は逃げるってわけじゃ……」グググッ
ひろみ「香貫花さんと熊耳さんが揃ってるんです……」ガシッ
後藤「だから何よ………」グググッ
進士「旅館での惨劇を忘れたとは言わせませんよ!!」 ガシッ
太田「はわわわわわ」ガシッ
野明「お、太田さんが思い出してパニクっちゃってるよ!」ガシッ
ひろみ「太田さん!太田さん!」ガシッ
後藤「離してよ………」グググッ
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:34:01.81 ID:L1Xilze80
旅館での悲劇ってあれか
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:34:34.05 ID:S9UMy1Kl0
後藤「第一、そんなこと言われても、俺、知らないしさぁ……」グググググ
遊馬「知らないんじゃなくて、逃げたっちゅーんでしょうに!」ガシッ
進士「今度という今度はぜっっっったいに逃がしませんからね……!」ガシッ
香貫花「………」グビグビ
熊耳「相変わらずすごい飲みっぷりね香貫花さん」グビグビ
香貫花「あなたこそ。ビールおかわりいかが?」
熊耳「ええいただくわ」グビグビ
香貫花・熊耳「………」グビグビグビグビ
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:36:19.18 ID:hsnyce5e0
漫画版しか読んでないと
状況が全然わからん…
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:42:19.90 ID:CiBDiIR+0
>>15
TVのカヌカは太田のパートナー。
カヌカ帰国後、漫画版の最初のグリフォン編をやった。
で、新OVAでカヌカと熊耳が太田を巡ってどちらが女として魅力があるか勝負をした。このSSはその続編。
ちなみに、横手美智子と高田明美が伊藤和典に対してどちらのセ○クスが気持ちいいか問い詰めたエピソードが元ネタ。
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:37:52.65 ID:S9UMy1Kl0
後藤「いやでもほら、俺はさ、アレだしさ、隊長さんだしさ、一刻も早く隊長室に戻らんといかんのよ……」グググググ
進士「そんな事言って!隊長ったらいつも屋上でタムロしてるじゃありませんか!」ガシッ
後藤「ほら……、後はさ……、若いもん同士さ……おじさんは邪魔でしょ……」
遊馬「だから!隊長がいないと困ると言ってるでしょーに!!」ガシッ
進士「そんな上手い事言って!この機に乗じて、南雲さんと隊長室で二人っきりで鍋をハッフハフつつこうだなんて考えてるんでしょう!!!!」ガシッ
後藤「まさか、進士、お前、そんなワケが、なかろうに(棒読み)」グググググ
進士「あきらめ悪いんですよアナタ!寝ぼけたカエルみたいな顔して理想が高すぎなんです!!」ガシッ
後藤「……案外、ドぎつい事言うのね、進士」グググググ
進士「それくらい…僕らは追い詰められてるんです!」ガシッ
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:41:38.63 ID:S9UMy1Kl0
アニメ版を見てない皆さんに説明すると
第2小隊に香貫花配属→帰る→熊耳さん来る→香貫花ちょっとアメリカから戻ってくる
→またアメリカに帰る→香貫花第2小隊の慰安旅行に参加するため日本に来る→慰安旅行で熊耳さんと香貫花が壮絶なケンカ?
こんな流れがありました
詳しくは新OVA版 VS をどうぞ
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:42:43.20 ID:S9UMy1Kl0
野明「こう言うのも何だけどさ、やっぱりやらない方が良かったんじゃ」
遊馬「そうは行くかよ。みんなで鍋やりたいってのは、アメリカからわざわざ遊びに来た香貫花たっての希望なんだからさ」
野明「だけどさ……」
熊耳「みんなはやくー」ほがらかー
香貫花「お鍋煮立っちゃうわ」ほがらかー
野明「………あれっ、なんかほがらかだ」
ひろみ「ホロ酔い気分だからですかね………」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:44:09.86 ID:S9UMy1Kl0
―5分後―
そこには流石に根負けしたらしい後藤隊長の姿があった
後藤「あー…では……あらためて乾杯」
一同「乾杯」
グツグツ……グツグツ……
野明「や、やるじゃん遊馬」
遊馬「…もう何年隊長の部下やってると思っとる」
野明「えっと…ひーふーみー…」
野明「来年で25年」
遊馬「……大人の事情を考えろ」
野明「じゃあ3年」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:45:45.89 ID:S9UMy1Kl0
遊馬「流石にそれだけやってりゃ俺たちだって少しは」
進士「そろそろコントロールされる一方じゃなくって、ある程度はあの人をコントロール出来なきゃいけませんよぉ」ケフッ
野明「おお……」パチパチ
後藤「……」ソローリ
一同「………」ガッ!
後藤「あ、やっぱダメ?」グググググ
一同「ダーメ!!!!」ガシッ
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:47:40.12 ID:S9UMy1Kl0
グツグツ……グツグツ……
熊耳「なんか、ごめんなさいね皆」
一同「えっ」
香貫花「この間の一件(VS参照)で、私たち、やりすぎたって反省しているのよ」
熊耳「あの後、香貫花さんとも話し合ったの」
香貫花「ええ」
野明「香貫花、熊耳さん………」
香貫花「熊耳さんとも私、更に仲を深めたくて頼んだのよ……ごめんなさいワガママ言っちゃって……迷惑だったかしら」
野明「ううん!」
遊馬「な、なんかこっちこそ……ムダに騒いですまなかった香貫花」
進士「すいません香貫花さんに熊耳さん……」
太田「………」ホッ
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:48:56.95 ID:S9UMy1Kl0
野明「じゃあさ、楽しくやろうよ!鍋パーティー!」
一同「イエーイ!!!!!!!!!!」
グツグツ……グツグツ……
遊馬「鍋はどうだ野明」
野明「もうちょっとかな」
香貫花「えー!マジアリエナイ!」グビグビ
熊耳「ねー!私の元彼チョベリバ!」グビグビ
太田「あの……二人とも……飲みすぎじゃ………」ビクビク
香貫花・熊耳「………」
香貫花・熊耳「太田(くん)チョーウケル!!!!!!!!!!!」ギャハハハハハ
太田「あががが………」
遊馬「……なんか、変な酔っ払い方してないか」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:50:02.92 ID:S9UMy1Kl0
野明「いいじゃない。この間と違ってなんだか楽しそうだしさ」
進士「まあこの間はこの間で楽しそうでしたけどね」
香貫花「……熊耳さん、あなた鍋は何がお好き?」ヒクッ
熊耳「あたし……あたしはちゃんこかしら…香貫花さんは?」ヒクッ
香貫花「あたしはトマト鍋かしら」ヒクッ
熊耳「トマト鍋………ぷっw」
香貫花「……何がおかしいのかしら」ヒクッ
熊耳「いいえ。いかにもアメリカっぼいからw」ヒクッ
香貫花「なによ!トマト鍋のなにがアメリカだっていうの!!!!」ヒクッ
野明「ちょ、ちょっと二人とも……」
太田「あわわわわわわわわ」
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:51:03.76 ID:S9UMy1Kl0
香貫花「そっちこそなによ、ちゃんこって。女ひとりで好きになるもんじゃないわよ普通。どうせ元彼とかが好きだったんでしょw」ヒクッ
熊耳「そうよ!!!!悪いかしら!!!!」ヒクッ
太田「ひゃあ!」ビクッ
野明「ホントによしなよ……ね。どっちも美味しいよ!ねっ!」
香貫花「ちなみに野明は?」
熊耳「何が好き?」
野明「カレー鍋」
香貫花・熊耳「………ぷふっw」
野明「な……なんだよ、悪い……」
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:52:33.38 ID:S9UMy1Kl0
グツグツ……グツグツ……グツグツ……
ひろみ「はい。煮えましたよー」
野明「よーし出来た。いっただきまーす!」
遊馬「食うぞ食うぞ!」
太田「飯だ!飯だ!」
熊耳「 お ま ち な さ い 」ヒクッ
野明「ど、どうしたの熊耳さん……?」
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:54:15.21 ID:S9UMy1Kl0
熊耳「あなた達、そのまま箸でツツきあうつもり?」
ひろみ「ええ……まあ」
熊耳「お行儀が悪いわ。何より一度口をつけた箸を鍋の中に入れるなんて不潔よ!」ヒクッ
遊馬「でもさ熊耳さん。鍋ってそういうもんだろうに……」
シゲ「あ!何、みんな鍋ぇ!?おれっちも入れてよぉー!!!!」
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:55:37.66 ID:SKCgcjmZ0
>>34
シゲさんきた!
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:56:20.90 ID:S9UMy1Kl0
熊耳「アナタは!人の唾液をスープに入れられて耐えられるっていうの!!」バンッ!
シゲ「え、なになに、なにか揉めてるの?」
野明「い……いや、揉めてるっていうかぁ………」
香貫花「シャラァァァァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアップ!!!!!!!!!!!!」ダンッ!
シゲ「へっ!?」
一同「………」
グツグツ……グツグツ……
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:59:10.12 ID:S9UMy1Kl0
グツグツ……グツグツ……
一同「………」
シゲ「えっ……なに……なにが起きてるの……ねぇ……えぇー……?」
香貫花「……熊耳さん、鍋って言うのは同じ鍋をつつきあって絆を深める『儀式』なのよ。つまり、一つの食事をシェアするって言うことが大事なのよ」ヒクッ
香貫花「それをああだ、こうだ無粋なのよアナタ」ヒクッ
熊耳「あらそうかしら。それとこれとは別問題よ。第一、各々が気持ちよく食べられるのが一番よ。お皿に鍋を取り分けた程度じゃ鍋の醍醐味は失われないはずよ?」ヒクッ
香貫花「あら……そうかしら」ヒクッ
熊耳「……なんですってぇ?」ヒクッ
太田「モウナンデモイイ……ナンデモイイカラ……」
シゲ「ちょっと太田ちゃん!?太田ちゃんしっかりしてよぉぉぉ!!!!!!!!」ゆっさゆっさ
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:01:29.63 ID:S9UMy1Kl0
熊耳「……なにか問題が?」ヒクッ
香貫花「冷めるわよ」ヒクッ
シゲ「あぁ、たしかにぃ…」
香貫花「お鍋の中にあればグッツグツだけど、皿に開ければ冷めるのよ!!そんなもん鍋なんかじゃないわ!!ただの汁よ!!!!!!」バンッ!
熊耳「……ふぅん。ならいいわ」ヒクッ
香貫花「……なに、その余裕は」
熊耳「小さい鍋と携帯用コンロ、人数分持ってくるわ!!!!それなら常に熱々だし、文句ないでしょう香貫花さん!!!!」ヒクッ
シゲ「ぬわあああああああ!!!!っとこれは盲点!!!!!!!!」
香貫花「だから!そう言うことじゃないって言ってるでしょうが!!!」バンッ!
シゲ「あ、そういう事じゃないのね………」
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:02:22.65 ID:S9UMy1Kl0
香貫花「独りで大戸屋でチゲ鍋食べてるんじゃないのよ!!!!!」バンッ!
熊耳「じゃあ!!!!何だっていうのよ!!!!!!!!」バンッ!
太田「すいません……もう撃ちません………撃ちません………撃ちません…すいません……すいません……」ガクガクガクガクガクガク
進士「太田さん!太田さん!」
野明「もうやめなよ二人とも!遂に太田さんがおかしくなっちゃったよぉ!!」
香貫花・熊耳「………ふん」ヒクッ
野明「またこの展開か……」
遊馬「……なんかさ、心持ち前回より悪化してないか」
シゲ「何があったのよアンタら……」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:03:58.38 ID:S9UMy1Kl0
ひろみ「そ、そうだ!じゃあ後で熊耳さんには一人用のお鍋で用意しますから。その間、ぼ、僕の作った唐揚げでもつまんでてください」
熊耳「ヒクッ……あら、美味しそう。……じゃあ……レモン掛けるわね」
ブジュッ……
香貫花「ノオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォ!!!!!!」
太田「ごめんなさい!!!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!!!」
野明「まただよ……またコレだよ遊馬………」
シゲ「………帰ろ」
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:05:02.65 ID:S9UMy1Kl0
香貫花「シット!いくらなんでも許せないわ!!こればっかりは!!」 ヒクッ
熊耳「なに?レモンかけるでしょ香貫花さん」ヒクッ
香貫花「今日はたまたま掛ける気分よ!掛けるけどね、なんで他人にレモンを掛けられなきゃならないのよ!!!!」ヒクッ
熊耳「ごめんなさい香貫花さんやりたかったの?」ヒクッ
香貫花「違う!違う!違う!唐揚げに気軽にレモンを掛けるアナタが考えられないのよ!!!!!!」ヒクッ
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:06:07.96 ID:S9UMy1Kl0
熊耳「言いがかりよ!!!!どうせレモンかけるんでしょ!!!!!!!!」ヒクッ
香貫花「だから他人にレモンを勝手に絞られるのはいやなのよ!!!!!」ヒクッ
熊耳「だってレモンは一つしかないのよ!!!!仕方ないじゃない!!!」ヒクッ
香貫花「じゃあポッカレモンでも持ってきなさいよ!!!」ヒクッ
熊耳「あなた唐揚げをレモンでジュブジュブにするつもり!!?」ヒクッ
香貫花「そんなの自己責任の範囲でしょう!!それに唐揚げはレモンかけなくても十分食べられるのよ!!!」ヒクッヒクッ
グツグツ………グツグツ……
太田「 」
遊馬「……遂に白目を向いたな」
野明「もういいよ……もう食べようよ……」
ぐぅぅ……
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:06:51.20 ID:S9UMy1Kl0
グツグツ……グツグツ……
香貫花「………」もぐもぐ
熊耳「……」もぐもぐ
香貫花「………」グビグビ
熊耳「…………」グビグビ
一同「………」もぐもぐ
一同(会話が……ない……)
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:12:01.67 ID:S9UMy1Kl0
ひろみ「あ、ああそうだタレ…このタレ、僕が混ぜたんですよ!」
野明「わ、わぁ!すっごーいひろみちゃん!混ぜたんだ!!」
遊馬「黒くて美味しそうだなひろみ!!」
進士「醤油のニオイがします!!」
太田「………」
ひろみ「すだちを掛けてどうぞ……!」
香貫花「……そう。じゃあ掛けるわね」
ブビュッ
熊耳「キャアアアアアアア!!!!!!!!!!!!」
野明「……ど、どうしたの熊耳さん?」
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:14:59.80 ID:S9UMy1Kl0
熊耳「なんで!なんでえ!!なんで勝手にすだちを掛けたのよぉ!!」バンッ!
香貫花「だって、これは元々すだちを掛けるものでしょう。それともアナタすだちキライなの?」ヒクッヒクッ
熊耳「好きよ!ヒクッ!でもいやなのよ!他人にタレをどうこうされるのは!ヒクッ!」ヒクッ
香貫花「まだタレは…ヒクッあるんだから自分で調整すればいいじゃない」ヒクッ
熊耳「ヒクッそう言う事じゃないのよ!第一香貫花さんヒクッだって唐揚げにヒクッレモンかけるの嫌がってたじゃないヒクッ!!」
香貫花「唐揚げはアレで立派なヒクッ完成品なのよ!でもこれはすだちをヒクッ…掛けなきゃ完成しないじゃないヒクッ!」
野明「………まあそれはそれで一理あるような」
熊耳「泉さん何か?」ヒクッ
野明「あはは!なんでも…………」
太田「………」
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:16:16.66 ID:S9UMy1Kl0
ギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャー
野明「ちょっとぉ………」
グツグツ……グツグツ……
ひろみ「あの……もうつゆ無くなっちゃいますよ……」
遊馬「肉も固くなってるよな……絶対」
進士「野菜もふにゃふにゃです………」
ギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャー
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:17:03.08 ID:S9UMy1Kl0
ギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャー
グツグツ……グツグツ……
太田「………ヤル」
ひろみ「太田さん?」
太田「……モノ…………ッテヤル」
遊馬「おい……どうした太田……」
ギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャー
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:18:20.09 ID:S9UMy1Kl0
太田「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!」
一同「!?」
香貫花「太田………」
熊耳「くん………?」
太田「こんなもの!!!!!!あるから揉めるんだああああああああああああああああああああああああ!!!!俺が全部食ってやるうううううううううううううううううううううううう!!!!」ガタッ!!!!
野明「ちょっ!太田さん!?」
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:19:54.50 ID:S9UMy1Kl0
香貫花「太田ぁ!あなた自分が何言ってるか解ってるのぉ!!!!?」ヒクッ
熊耳「そうよ!非常識よ!やめなさぁい!」ヒクッ
太田「非常識はどっちだああああああああああああああああ!もう知らん!知らん!!!!!」
太田「いくら酔っているとは言え、上司でも輪を乱したらどうなるか俺が教えてやるわああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」ガシャーン!!!!
進士「お……太田さん何て事を………」
太田「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!」
ガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツ
香貫花・熊耳「 」
野明「あ……ああ…………」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:20:51.14 ID:S9UMy1Kl0
すっからかん
太田「ご馳走様でした!」
遊馬「……マジでひとりで食いやがった」
香貫花「………」
熊耳「………」
野明「うわあああ………」
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:24:10.58 ID:S9UMy1Kl0
ひろみ「……太田さん」ガタガタガタガタ
太田「知るか!女二人が怖くて東北男児がやっていられるか!」
香貫花「………」
熊耳「…………」
野明「あ……あの………二人とも」
香貫花「………っぐ」
熊耳「えっぐ………」
野明「あ……あれ?」
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:25:54.10 ID:S9UMy1Kl0
香貫花「ぅぅ………ぅぐっ……」
熊耳「ひくっ………ぅぅぅっ………」
野明「え………」
香貫花・熊耳「ぅっ…………」
香貫花・熊耳「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!!」
一同「 」
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:28:17.14 ID:S9UMy1Kl0
野明「え……あの………」
進士「え……な、泣いてるんですか………?」
香貫花「ぅぐっ……鍋……楽しみに、楽しみしてたのに…ぅっ……」ヒクッ
遊馬「どうすんだよ、東北男児」
太田「 」
熊耳「全部食べちゃうなんて……ぅぅっ………」ヒクッ
香貫花「ごめんなさい……ごめんなさい………ホントはレモンなんてどうだっていいのよ………!」ヒクッ
野明「あの、えと…熊耳さんも意外に…な、泣き上戸だったんだね……」
熊耳「あたしも!鍋の食べ方だって!すだちだって!ホントはどうだってよかったのよ!」ヒクッ
野明「お、おちついて……」
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:29:30.34 ID:S9UMy1Kl0
野明「お、太田さぁん!なんとかしてよぉ!」
太田「 」
進士「太田さん、さっきあんなセリフ言ったわりには顔が白いですよ」
遊馬「白くなるくらいだったらやらなきゃよかったろうに……」
香貫花「ごめんなさい熊耳さぁん!!!!あたし……アナタと色々喋りたかったつもりがこんなぁ………」ヒクッ
熊耳「あたしもよ香貫花さぁん!!!!こんな……まさかこんなことにぃ……」ヒクッ
野明「二人とも……仲良く喋るつもりがイチャモン合戦になっちゃってたんだね………」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:31:18.09 ID:S9UMy1Kl0
香貫花「ぅぐっ……あたし……野明以外に友達いないから……どうしたらいいかわかんなくってぇ……」ベロンベロン
熊耳「ごめんなさいぃ……あたしもぉ………ひくっ………ぅぐっ……」ベロンベロン
香貫花・熊耳「うわああああああああああああああああああああああああああああん!!!!」
野明「香貫花……熊耳さん………」
太田「なんだ、つまり俺は死ねばいいのか?なぁ、死ねば許してもらえるのか?なあ?なあ?なあ?」ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ
ひろみ「落ち着いて!太田さん落ち着いてください!」ゆっさゆっさ
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:32:58.48 ID:S9UMy1Kl0
ひろみ「えっと……あの、そうだ!その……もう一回、作り直しましょう!だから泣き止んでください!」
香貫花・熊耳「ほんとう………?」ヒクッ
進士「でも……もう野菜しか………」
ひろみ「も、もうお肉……ないんですか?」
遊馬「ない」
香貫花・熊耳「うわああああああああああああああああああああああああん!!!!!!!!!!」
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:34:29.79 ID:S9UMy1Kl0
太田「もうだめだぁ……もう………だめだぁ………」ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ
野明「ああああ……もう………」
ひろみ「………わかりました」グッ
野明「どうしたのひろみちゃん……」
ひろみ「………今から肉を調達してきます。鶏肉ですが」
一同「えっ」
ひろみ「……さよなら、良江に花子」ジャキッ
一同「いいから!やめて!やめて!やめええええええ!!!!!!!!!!!!」
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:38:07.06 ID:S9UMy1Kl0
遊馬「……あれ、そういや後藤隊長は」
野明「あ、そう言えばいつの間にか……」
遊馬「クソッ……逃げやがったな!あのナグスト(南雲さんのストーカーの略)!!!!」
後藤「は~あ~い」
一同「………」
一同「ギャアアアアアアアアアア!!!!」
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:39:52.01 ID:S9UMy1Kl0
後藤「なに、すんごい賑やかじゃないの~。俺がいないうちにさぁ~」
遊馬「ど……どこにいってたんですか隊長!」
後藤「……ホレ、香貫花に熊耳」ホイッ
一同「?」
香貫花「……なんですか、これ」
熊耳「………あら」
一同「高級和牛!!!!!!!!!!」
後藤「奮発しちゃった」
一同「隊長ぉ………///」
後藤(………ホントはしのぶさんとすき焼きやろうと思って買っといたやつなんだけど)
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:40:58.14 ID:S9UMy1Kl0
後藤「まあ、そんなに量はないけど、ダシくらいにはなるだろう」
一同「ありがとうございます!」
後藤「……あ、でも」
後藤「今度こそ、仲良くやってよね。もう肉、ないんだからさ」
香貫花「………」
熊耳「………」
香貫花・熊耳「はい」
後藤「じゃあ俺は………」
ガシッ
一同「いかないでください!隊長ぉ!!!!」キラキラキラキラ
後藤「………あ、あれれ~………」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:42:28.78 ID:S9UMy1Kl0
野明「よーし!じゃあ鍋、やるよー!!!!」
一同「イエーイ!!!!!!!!」
野明(良かった……これで………)
ウー!ウー!ウー!ウー!
『第5管区より入電!台東区付近にてレイバーが…至急向かわれたし……第1小隊ならびに第2小隊も出動を……』
一同「…………」
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:47:28.06 ID:S9UMy1Kl0
―そして―
南雲「休みなのに悪いわね。せっかくの鍋パーティー、中断させちゃって」
後藤「……別にしのぶさんが気にすることじゃないよ」
南雲「まさか両小隊が出動するような大規模な格闘戦が起きるなんてね……あなたたちが2課で鍋パーティーしてくれてたお陰で助かったわ」
後藤「ハハハ……アイツらも喜ぶよ」
南雲「全部でタイラントが6機。第1小隊は北側を処理します。そっちはよろしくお願いします、後藤さん」
後藤「了解。あー……お前たちぃ」
香貫花・熊耳「徹底的にぶっ潰しなさい!!!!!!」
野明・太田「了解!!!!」
後藤「あ~………」
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:50:02.48 ID:S9UMy1Kl0
後藤「マイクテステス」
後藤「………あー犯人に告ぐ」
タイラント(男A)「うるせぇ!だまれ!!!!社会権力の犬!!!!!!!!」
タイラント(男B)「過剰な権力をゆるすなー!!!!」
タイラント(男C)「みんなの人権をまもれ!シネー!!!!」
後藤「あー……まあ熱い血がたぎっちゃう君達の気持ちもわからなくもないんだけどさ、あのね、大事な大事なお知らせなんだけど……」
イングラム(野明)「香貫花と熊耳さんがせっかく仲良くなろうって時に……」ゆらり
タイラント(男A)「……な、なんだ……ありゃあ」
イングラム(太田)「よくも、よくも貴様らは……」
イングラム(野明)&(太田)「うおおおおおおおお!!!!おおおおお!!!!!」バッ
進士「まるで獣ですね……」
ひろみ「ひぃぃ………」ガクガク
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:53:47.21 ID:S9UMy1Kl0
イングラム(野明)&(太田)「うお!うお!うお!うお!うお!うお!うお!うお!うお!うお!うお!うお!」ドゴォ!バシィ!ドガァ!
タイラント(男ABC)「ギャアアアアアアアアアア!!!!!!!!」
ドゴォ!ドゴォ!ドゴォ!
タイラント(男A)「ゴメンナサイ!ユルシテ!ユルシテ!」
香貫花「もっとやっちまいなさい太田!」
熊耳「手加減しなくていいわよ二人とも!」
犯人一同「イヤアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!」
後藤「さっさと投降しちゃった方がいいよ……ってもう遅いか」
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:56:32.87 ID:S9UMy1Kl0
野明「鍋パーティーを邪魔した奴はどこだあああああ!!!!!!!!!!!!」
太田「うおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」
タイラント(男DEF)「投降します!!!!」
五味丘「 」
結城「 」
南雲「 」
特車2課史上、もっとも短時間で、もっとも被害が少なく事件が解決した出動であった……
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:57:59.69 ID:S9UMy1Kl0
グツグツ……グツグツ……
野明「お疲れ様!」
熊耳「ふふ、きっと一汗かいたから更にお鍋が美味しいでしょうね」
進士「……レイバーの運転手達、ワンワン泣いてましたね」
遊馬「これじゃどっちが被害者か分からんな………」
ひろみ「タイラントがまさかあんな風になるなんて……今日はもう寝られません……」ガクガクガクガクガクガク
野明「じゃあ……あらためて」
一同「カンパーイ!!!!」
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:59:56.52 ID:S9UMy1Kl0
ぱくっ………
一同「うう~!!!!おいし~い!!!!」
香貫花「………おいしいわ」
熊耳「最高ね」
香貫花・熊耳「……ふふっ」
進士「良かったですね」
太田「………ほっ」
グツグツ……グツグツ……
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 02:02:13.99 ID:S9UMy1Kl0
野明「それじゃ、締めにしよう!」
遊馬「そうだな。」
ひろみ「えっと……何にします?」
香貫花「そうね…じゃあ、うどんを入れましょう」
熊耳「え?ここはおじやでしょ……」
野明「いや……あの」
一同「 」
香貫花「うどん!」
熊耳「おじや!」
うどん!おじや!うどん!おじや!うどん!おじや!
後藤「もう…どっちでもいいよ………」
うどん!おじや!うどん!おじや!うどん!おじや!
野明「お、お鍋は楽しく、美味しくね!」
おしまい
94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 02:03:11.87 ID:S9UMy1Kl0
この物語はフィクションである
……が、
10年後においては定かではない。
97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 02:11:40.90 ID:S9UMy1Kl0
お付き合いありがとうございました。
いつも僕ばっかり書いてるのでみんなもパトレイバーSSを書いてくれればいいと思います。
南雲しのぶさんばんざああああああああい!!!!!!!!
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 02:06:17.28 ID:EX0EuNbc0
乙!
アーリータイムズと映画版しか観たことないけど面白かった
後藤「えー、乾杯」
香貫花・熊耳「乾杯」チーン
熊耳「………」グビグビ
香貫花「………」グビグビ
後藤「じゃあ、後はよろしく」クルッ
ガシッ!!!!
遊馬「……」
太田「……」
ひろみ「……」
進士「………」
野明「………」
後藤「な、なによ……」
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:33:05.52 ID:S9UMy1Kl0
遊馬「……今日という今日は逃がしゃしませんよぉ、隊長ぉ!」ガシッ
後藤「別に俺は逃げるってわけじゃ……」グググッ
ひろみ「香貫花さんと熊耳さんが揃ってるんです……」ガシッ
後藤「だから何よ………」グググッ
進士「旅館での惨劇を忘れたとは言わせませんよ!!」 ガシッ
太田「はわわわわわ」ガシッ
野明「お、太田さんが思い出してパニクっちゃってるよ!」ガシッ
ひろみ「太田さん!太田さん!」ガシッ
後藤「離してよ………」グググッ
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:34:01.81 ID:L1Xilze80
旅館での悲劇ってあれか
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:34:34.05 ID:S9UMy1Kl0
後藤「第一、そんなこと言われても、俺、知らないしさぁ……」グググググ
遊馬「知らないんじゃなくて、逃げたっちゅーんでしょうに!」ガシッ
進士「今度という今度はぜっっっったいに逃がしませんからね……!」ガシッ
香貫花「………」グビグビ
熊耳「相変わらずすごい飲みっぷりね香貫花さん」グビグビ
香貫花「あなたこそ。ビールおかわりいかが?」
熊耳「ええいただくわ」グビグビ
香貫花・熊耳「………」グビグビグビグビ
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:36:19.18 ID:hsnyce5e0
漫画版しか読んでないと
状況が全然わからん…
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:42:19.90 ID:CiBDiIR+0
>>15
TVのカヌカは太田のパートナー。
カヌカ帰国後、漫画版の最初のグリフォン編をやった。
で、新OVAでカヌカと熊耳が太田を巡ってどちらが女として魅力があるか勝負をした。このSSはその続編。
ちなみに、横手美智子と高田明美が伊藤和典に対してどちらのセ○クスが気持ちいいか問い詰めたエピソードが元ネタ。
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:37:52.65 ID:S9UMy1Kl0
後藤「いやでもほら、俺はさ、アレだしさ、隊長さんだしさ、一刻も早く隊長室に戻らんといかんのよ……」グググググ
進士「そんな事言って!隊長ったらいつも屋上でタムロしてるじゃありませんか!」ガシッ
後藤「ほら……、後はさ……、若いもん同士さ……おじさんは邪魔でしょ……」
遊馬「だから!隊長がいないと困ると言ってるでしょーに!!」ガシッ
進士「そんな上手い事言って!この機に乗じて、南雲さんと隊長室で二人っきりで鍋をハッフハフつつこうだなんて考えてるんでしょう!!!!」ガシッ
後藤「まさか、進士、お前、そんなワケが、なかろうに(棒読み)」グググググ
進士「あきらめ悪いんですよアナタ!寝ぼけたカエルみたいな顔して理想が高すぎなんです!!」ガシッ
後藤「……案外、ドぎつい事言うのね、進士」グググググ
進士「それくらい…僕らは追い詰められてるんです!」ガシッ
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:41:38.63 ID:S9UMy1Kl0
アニメ版を見てない皆さんに説明すると
第2小隊に香貫花配属→帰る→熊耳さん来る→香貫花ちょっとアメリカから戻ってくる
→またアメリカに帰る→香貫花第2小隊の慰安旅行に参加するため日本に来る→慰安旅行で熊耳さんと香貫花が壮絶なケンカ?
こんな流れがありました
詳しくは新OVA版 VS をどうぞ
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:42:43.20 ID:S9UMy1Kl0
野明「こう言うのも何だけどさ、やっぱりやらない方が良かったんじゃ」
遊馬「そうは行くかよ。みんなで鍋やりたいってのは、アメリカからわざわざ遊びに来た香貫花たっての希望なんだからさ」
野明「だけどさ……」
熊耳「みんなはやくー」ほがらかー
香貫花「お鍋煮立っちゃうわ」ほがらかー
野明「………あれっ、なんかほがらかだ」
ひろみ「ホロ酔い気分だからですかね………」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:44:09.86 ID:S9UMy1Kl0
―5分後―
そこには流石に根負けしたらしい後藤隊長の姿があった
後藤「あー…では……あらためて乾杯」
一同「乾杯」
グツグツ……グツグツ……
野明「や、やるじゃん遊馬」
遊馬「…もう何年隊長の部下やってると思っとる」
野明「えっと…ひーふーみー…」
野明「来年で25年」
遊馬「……大人の事情を考えろ」
野明「じゃあ3年」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:45:45.89 ID:S9UMy1Kl0
遊馬「流石にそれだけやってりゃ俺たちだって少しは」
進士「そろそろコントロールされる一方じゃなくって、ある程度はあの人をコントロール出来なきゃいけませんよぉ」ケフッ
野明「おお……」パチパチ
後藤「……」ソローリ
一同「………」ガッ!
後藤「あ、やっぱダメ?」グググググ
一同「ダーメ!!!!」ガシッ
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:47:40.12 ID:S9UMy1Kl0
グツグツ……グツグツ……
熊耳「なんか、ごめんなさいね皆」
一同「えっ」
香貫花「この間の一件(VS参照)で、私たち、やりすぎたって反省しているのよ」
熊耳「あの後、香貫花さんとも話し合ったの」
香貫花「ええ」
野明「香貫花、熊耳さん………」
香貫花「熊耳さんとも私、更に仲を深めたくて頼んだのよ……ごめんなさいワガママ言っちゃって……迷惑だったかしら」
野明「ううん!」
遊馬「な、なんかこっちこそ……ムダに騒いですまなかった香貫花」
進士「すいません香貫花さんに熊耳さん……」
太田「………」ホッ
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:48:56.95 ID:S9UMy1Kl0
野明「じゃあさ、楽しくやろうよ!鍋パーティー!」
一同「イエーイ!!!!!!!!!!」
グツグツ……グツグツ……
遊馬「鍋はどうだ野明」
野明「もうちょっとかな」
香貫花「えー!マジアリエナイ!」グビグビ
熊耳「ねー!私の元彼チョベリバ!」グビグビ
太田「あの……二人とも……飲みすぎじゃ………」ビクビク
香貫花・熊耳「………」
香貫花・熊耳「太田(くん)チョーウケル!!!!!!!!!!!」ギャハハハハハ
太田「あががが………」
遊馬「……なんか、変な酔っ払い方してないか」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:50:02.92 ID:S9UMy1Kl0
野明「いいじゃない。この間と違ってなんだか楽しそうだしさ」
進士「まあこの間はこの間で楽しそうでしたけどね」
香貫花「……熊耳さん、あなた鍋は何がお好き?」ヒクッ
熊耳「あたし……あたしはちゃんこかしら…香貫花さんは?」ヒクッ
香貫花「あたしはトマト鍋かしら」ヒクッ
熊耳「トマト鍋………ぷっw」
香貫花「……何がおかしいのかしら」ヒクッ
熊耳「いいえ。いかにもアメリカっぼいからw」ヒクッ
香貫花「なによ!トマト鍋のなにがアメリカだっていうの!!!!」ヒクッ
野明「ちょ、ちょっと二人とも……」
太田「あわわわわわわわわ」
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:51:03.76 ID:S9UMy1Kl0
香貫花「そっちこそなによ、ちゃんこって。女ひとりで好きになるもんじゃないわよ普通。どうせ元彼とかが好きだったんでしょw」ヒクッ
熊耳「そうよ!!!!悪いかしら!!!!」ヒクッ
太田「ひゃあ!」ビクッ
野明「ホントによしなよ……ね。どっちも美味しいよ!ねっ!」
香貫花「ちなみに野明は?」
熊耳「何が好き?」
野明「カレー鍋」
香貫花・熊耳「………ぷふっw」
野明「な……なんだよ、悪い……」
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:52:33.38 ID:S9UMy1Kl0
グツグツ……グツグツ……グツグツ……
ひろみ「はい。煮えましたよー」
野明「よーし出来た。いっただきまーす!」
遊馬「食うぞ食うぞ!」
太田「飯だ!飯だ!」
熊耳「 お ま ち な さ い 」ヒクッ
野明「ど、どうしたの熊耳さん……?」
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:54:15.21 ID:S9UMy1Kl0
熊耳「あなた達、そのまま箸でツツきあうつもり?」
ひろみ「ええ……まあ」
熊耳「お行儀が悪いわ。何より一度口をつけた箸を鍋の中に入れるなんて不潔よ!」ヒクッ
遊馬「でもさ熊耳さん。鍋ってそういうもんだろうに……」
シゲ「あ!何、みんな鍋ぇ!?おれっちも入れてよぉー!!!!」
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:55:37.66 ID:SKCgcjmZ0
>>34
シゲさんきた!
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:56:20.90 ID:S9UMy1Kl0
熊耳「アナタは!人の唾液をスープに入れられて耐えられるっていうの!!」バンッ!
シゲ「え、なになに、なにか揉めてるの?」
野明「い……いや、揉めてるっていうかぁ………」
香貫花「シャラァァァァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアップ!!!!!!!!!!!!」ダンッ!
シゲ「へっ!?」
一同「………」
グツグツ……グツグツ……
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 00:59:10.12 ID:S9UMy1Kl0
グツグツ……グツグツ……
一同「………」
シゲ「えっ……なに……なにが起きてるの……ねぇ……えぇー……?」
香貫花「……熊耳さん、鍋って言うのは同じ鍋をつつきあって絆を深める『儀式』なのよ。つまり、一つの食事をシェアするって言うことが大事なのよ」ヒクッ
香貫花「それをああだ、こうだ無粋なのよアナタ」ヒクッ
熊耳「あらそうかしら。それとこれとは別問題よ。第一、各々が気持ちよく食べられるのが一番よ。お皿に鍋を取り分けた程度じゃ鍋の醍醐味は失われないはずよ?」ヒクッ
香貫花「あら……そうかしら」ヒクッ
熊耳「……なんですってぇ?」ヒクッ
太田「モウナンデモイイ……ナンデモイイカラ……」
シゲ「ちょっと太田ちゃん!?太田ちゃんしっかりしてよぉぉぉ!!!!!!!!」ゆっさゆっさ
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:01:29.63 ID:S9UMy1Kl0
熊耳「……なにか問題が?」ヒクッ
香貫花「冷めるわよ」ヒクッ
シゲ「あぁ、たしかにぃ…」
香貫花「お鍋の中にあればグッツグツだけど、皿に開ければ冷めるのよ!!そんなもん鍋なんかじゃないわ!!ただの汁よ!!!!!!」バンッ!
熊耳「……ふぅん。ならいいわ」ヒクッ
香貫花「……なに、その余裕は」
熊耳「小さい鍋と携帯用コンロ、人数分持ってくるわ!!!!それなら常に熱々だし、文句ないでしょう香貫花さん!!!!」ヒクッ
シゲ「ぬわあああああああ!!!!っとこれは盲点!!!!!!!!」
香貫花「だから!そう言うことじゃないって言ってるでしょうが!!!」バンッ!
シゲ「あ、そういう事じゃないのね………」
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:02:22.65 ID:S9UMy1Kl0
香貫花「独りで大戸屋でチゲ鍋食べてるんじゃないのよ!!!!!」バンッ!
熊耳「じゃあ!!!!何だっていうのよ!!!!!!!!」バンッ!
太田「すいません……もう撃ちません………撃ちません………撃ちません…すいません……すいません……」ガクガクガクガクガクガク
進士「太田さん!太田さん!」
野明「もうやめなよ二人とも!遂に太田さんがおかしくなっちゃったよぉ!!」
香貫花・熊耳「………ふん」ヒクッ
野明「またこの展開か……」
遊馬「……なんかさ、心持ち前回より悪化してないか」
シゲ「何があったのよアンタら……」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:03:58.38 ID:S9UMy1Kl0
ひろみ「そ、そうだ!じゃあ後で熊耳さんには一人用のお鍋で用意しますから。その間、ぼ、僕の作った唐揚げでもつまんでてください」
熊耳「ヒクッ……あら、美味しそう。……じゃあ……レモン掛けるわね」
ブジュッ……
香貫花「ノオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォ!!!!!!」
太田「ごめんなさい!!!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!!!」
野明「まただよ……またコレだよ遊馬………」
シゲ「………帰ろ」
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:05:02.65 ID:S9UMy1Kl0
香貫花「シット!いくらなんでも許せないわ!!こればっかりは!!」 ヒクッ
熊耳「なに?レモンかけるでしょ香貫花さん」ヒクッ
香貫花「今日はたまたま掛ける気分よ!掛けるけどね、なんで他人にレモンを掛けられなきゃならないのよ!!!!」ヒクッ
熊耳「ごめんなさい香貫花さんやりたかったの?」ヒクッ
香貫花「違う!違う!違う!唐揚げに気軽にレモンを掛けるアナタが考えられないのよ!!!!!!」ヒクッ
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:06:07.96 ID:S9UMy1Kl0
熊耳「言いがかりよ!!!!どうせレモンかけるんでしょ!!!!!!!!」ヒクッ
香貫花「だから他人にレモンを勝手に絞られるのはいやなのよ!!!!!」ヒクッ
熊耳「だってレモンは一つしかないのよ!!!!仕方ないじゃない!!!」ヒクッ
香貫花「じゃあポッカレモンでも持ってきなさいよ!!!」ヒクッ
熊耳「あなた唐揚げをレモンでジュブジュブにするつもり!!?」ヒクッ
香貫花「そんなの自己責任の範囲でしょう!!それに唐揚げはレモンかけなくても十分食べられるのよ!!!」ヒクッヒクッ
グツグツ………グツグツ……
太田「 」
遊馬「……遂に白目を向いたな」
野明「もういいよ……もう食べようよ……」
ぐぅぅ……
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:06:51.20 ID:S9UMy1Kl0
グツグツ……グツグツ……
香貫花「………」もぐもぐ
熊耳「……」もぐもぐ
香貫花「………」グビグビ
熊耳「…………」グビグビ
一同「………」もぐもぐ
一同(会話が……ない……)
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:12:01.67 ID:S9UMy1Kl0
ひろみ「あ、ああそうだタレ…このタレ、僕が混ぜたんですよ!」
野明「わ、わぁ!すっごーいひろみちゃん!混ぜたんだ!!」
遊馬「黒くて美味しそうだなひろみ!!」
進士「醤油のニオイがします!!」
太田「………」
ひろみ「すだちを掛けてどうぞ……!」
香貫花「……そう。じゃあ掛けるわね」
ブビュッ
熊耳「キャアアアアアアア!!!!!!!!!!!!」
野明「……ど、どうしたの熊耳さん?」
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:14:59.80 ID:S9UMy1Kl0
熊耳「なんで!なんでえ!!なんで勝手にすだちを掛けたのよぉ!!」バンッ!
香貫花「だって、これは元々すだちを掛けるものでしょう。それともアナタすだちキライなの?」ヒクッヒクッ
熊耳「好きよ!ヒクッ!でもいやなのよ!他人にタレをどうこうされるのは!ヒクッ!」ヒクッ
香貫花「まだタレは…ヒクッあるんだから自分で調整すればいいじゃない」ヒクッ
熊耳「ヒクッそう言う事じゃないのよ!第一香貫花さんヒクッだって唐揚げにヒクッレモンかけるの嫌がってたじゃないヒクッ!!」
香貫花「唐揚げはアレで立派なヒクッ完成品なのよ!でもこれはすだちをヒクッ…掛けなきゃ完成しないじゃないヒクッ!」
野明「………まあそれはそれで一理あるような」
熊耳「泉さん何か?」ヒクッ
野明「あはは!なんでも…………」
太田「………」
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:16:16.66 ID:S9UMy1Kl0
ギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャー
野明「ちょっとぉ………」
グツグツ……グツグツ……
ひろみ「あの……もうつゆ無くなっちゃいますよ……」
遊馬「肉も固くなってるよな……絶対」
進士「野菜もふにゃふにゃです………」
ギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャー
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:17:03.08 ID:S9UMy1Kl0
ギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャー
グツグツ……グツグツ……
太田「………ヤル」
ひろみ「太田さん?」
太田「……モノ…………ッテヤル」
遊馬「おい……どうした太田……」
ギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャー
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:18:20.09 ID:S9UMy1Kl0
太田「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!」
一同「!?」
香貫花「太田………」
熊耳「くん………?」
太田「こんなもの!!!!!!あるから揉めるんだああああああああああああああああああああああああ!!!!俺が全部食ってやるうううううううううううううううううううううううう!!!!」ガタッ!!!!
野明「ちょっ!太田さん!?」
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:19:54.50 ID:S9UMy1Kl0
香貫花「太田ぁ!あなた自分が何言ってるか解ってるのぉ!!!!?」ヒクッ
熊耳「そうよ!非常識よ!やめなさぁい!」ヒクッ
太田「非常識はどっちだああああああああああああああああ!もう知らん!知らん!!!!!」
太田「いくら酔っているとは言え、上司でも輪を乱したらどうなるか俺が教えてやるわああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」ガシャーン!!!!
進士「お……太田さん何て事を………」
太田「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!」
ガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツ
香貫花・熊耳「 」
野明「あ……ああ…………」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:20:51.14 ID:S9UMy1Kl0
すっからかん
太田「ご馳走様でした!」
遊馬「……マジでひとりで食いやがった」
香貫花「………」
熊耳「………」
野明「うわあああ………」
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:24:10.58 ID:S9UMy1Kl0
ひろみ「……太田さん」ガタガタガタガタ
太田「知るか!女二人が怖くて東北男児がやっていられるか!」
香貫花「………」
熊耳「…………」
野明「あ……あの………二人とも」
香貫花「………っぐ」
熊耳「えっぐ………」
野明「あ……あれ?」
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:25:54.10 ID:S9UMy1Kl0
香貫花「ぅぅ………ぅぐっ……」
熊耳「ひくっ………ぅぅぅっ………」
野明「え………」
香貫花・熊耳「ぅっ…………」
香貫花・熊耳「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!!」
一同「 」
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:28:17.14 ID:S9UMy1Kl0
野明「え……あの………」
進士「え……な、泣いてるんですか………?」
香貫花「ぅぐっ……鍋……楽しみに、楽しみしてたのに…ぅっ……」ヒクッ
遊馬「どうすんだよ、東北男児」
太田「 」
熊耳「全部食べちゃうなんて……ぅぅっ………」ヒクッ
香貫花「ごめんなさい……ごめんなさい………ホントはレモンなんてどうだっていいのよ………!」ヒクッ
野明「あの、えと…熊耳さんも意外に…な、泣き上戸だったんだね……」
熊耳「あたしも!鍋の食べ方だって!すだちだって!ホントはどうだってよかったのよ!」ヒクッ
野明「お、おちついて……」
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:29:30.34 ID:S9UMy1Kl0
野明「お、太田さぁん!なんとかしてよぉ!」
太田「 」
進士「太田さん、さっきあんなセリフ言ったわりには顔が白いですよ」
遊馬「白くなるくらいだったらやらなきゃよかったろうに……」
香貫花「ごめんなさい熊耳さぁん!!!!あたし……アナタと色々喋りたかったつもりがこんなぁ………」ヒクッ
熊耳「あたしもよ香貫花さぁん!!!!こんな……まさかこんなことにぃ……」ヒクッ
野明「二人とも……仲良く喋るつもりがイチャモン合戦になっちゃってたんだね………」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:31:18.09 ID:S9UMy1Kl0
香貫花「ぅぐっ……あたし……野明以外に友達いないから……どうしたらいいかわかんなくってぇ……」ベロンベロン
熊耳「ごめんなさいぃ……あたしもぉ………ひくっ………ぅぐっ……」ベロンベロン
香貫花・熊耳「うわああああああああああああああああああああああああああああん!!!!」
野明「香貫花……熊耳さん………」
太田「なんだ、つまり俺は死ねばいいのか?なぁ、死ねば許してもらえるのか?なあ?なあ?なあ?」ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ
ひろみ「落ち着いて!太田さん落ち着いてください!」ゆっさゆっさ
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:32:58.48 ID:S9UMy1Kl0
ひろみ「えっと……あの、そうだ!その……もう一回、作り直しましょう!だから泣き止んでください!」
香貫花・熊耳「ほんとう………?」ヒクッ
進士「でも……もう野菜しか………」
ひろみ「も、もうお肉……ないんですか?」
遊馬「ない」
香貫花・熊耳「うわああああああああああああああああああああああああん!!!!!!!!!!」
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:34:29.79 ID:S9UMy1Kl0
太田「もうだめだぁ……もう………だめだぁ………」ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ
野明「ああああ……もう………」
ひろみ「………わかりました」グッ
野明「どうしたのひろみちゃん……」
ひろみ「………今から肉を調達してきます。鶏肉ですが」
一同「えっ」
ひろみ「……さよなら、良江に花子」ジャキッ
一同「いいから!やめて!やめて!やめええええええ!!!!!!!!!!!!」
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:38:07.06 ID:S9UMy1Kl0
遊馬「……あれ、そういや後藤隊長は」
野明「あ、そう言えばいつの間にか……」
遊馬「クソッ……逃げやがったな!あのナグスト(南雲さんのストーカーの略)!!!!」
後藤「は~あ~い」
一同「………」
一同「ギャアアアアアアアアアア!!!!」
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:39:52.01 ID:S9UMy1Kl0
後藤「なに、すんごい賑やかじゃないの~。俺がいないうちにさぁ~」
遊馬「ど……どこにいってたんですか隊長!」
後藤「……ホレ、香貫花に熊耳」ホイッ
一同「?」
香貫花「……なんですか、これ」
熊耳「………あら」
一同「高級和牛!!!!!!!!!!」
後藤「奮発しちゃった」
一同「隊長ぉ………///」
後藤(………ホントはしのぶさんとすき焼きやろうと思って買っといたやつなんだけど)
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:40:58.14 ID:S9UMy1Kl0
後藤「まあ、そんなに量はないけど、ダシくらいにはなるだろう」
一同「ありがとうございます!」
後藤「……あ、でも」
後藤「今度こそ、仲良くやってよね。もう肉、ないんだからさ」
香貫花「………」
熊耳「………」
香貫花・熊耳「はい」
後藤「じゃあ俺は………」
ガシッ
一同「いかないでください!隊長ぉ!!!!」キラキラキラキラ
後藤「………あ、あれれ~………」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:42:28.78 ID:S9UMy1Kl0
野明「よーし!じゃあ鍋、やるよー!!!!」
一同「イエーイ!!!!!!!!」
野明(良かった……これで………)
ウー!ウー!ウー!ウー!
『第5管区より入電!台東区付近にてレイバーが…至急向かわれたし……第1小隊ならびに第2小隊も出動を……』
一同「…………」
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:47:28.06 ID:S9UMy1Kl0
―そして―
南雲「休みなのに悪いわね。せっかくの鍋パーティー、中断させちゃって」
後藤「……別にしのぶさんが気にすることじゃないよ」
南雲「まさか両小隊が出動するような大規模な格闘戦が起きるなんてね……あなたたちが2課で鍋パーティーしてくれてたお陰で助かったわ」
後藤「ハハハ……アイツらも喜ぶよ」
南雲「全部でタイラントが6機。第1小隊は北側を処理します。そっちはよろしくお願いします、後藤さん」
後藤「了解。あー……お前たちぃ」
香貫花・熊耳「徹底的にぶっ潰しなさい!!!!!!」
野明・太田「了解!!!!」
後藤「あ~………」
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:50:02.48 ID:S9UMy1Kl0
後藤「マイクテステス」
後藤「………あー犯人に告ぐ」
タイラント(男A)「うるせぇ!だまれ!!!!社会権力の犬!!!!!!!!」
タイラント(男B)「過剰な権力をゆるすなー!!!!」
タイラント(男C)「みんなの人権をまもれ!シネー!!!!」
後藤「あー……まあ熱い血がたぎっちゃう君達の気持ちもわからなくもないんだけどさ、あのね、大事な大事なお知らせなんだけど……」
イングラム(野明)「香貫花と熊耳さんがせっかく仲良くなろうって時に……」ゆらり
タイラント(男A)「……な、なんだ……ありゃあ」
イングラム(太田)「よくも、よくも貴様らは……」
イングラム(野明)&(太田)「うおおおおおおおお!!!!おおおおお!!!!!」バッ
進士「まるで獣ですね……」
ひろみ「ひぃぃ………」ガクガク
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:53:47.21 ID:S9UMy1Kl0
イングラム(野明)&(太田)「うお!うお!うお!うお!うお!うお!うお!うお!うお!うお!うお!うお!」ドゴォ!バシィ!ドガァ!
タイラント(男ABC)「ギャアアアアアアアアアア!!!!!!!!」
ドゴォ!ドゴォ!ドゴォ!
タイラント(男A)「ゴメンナサイ!ユルシテ!ユルシテ!」
香貫花「もっとやっちまいなさい太田!」
熊耳「手加減しなくていいわよ二人とも!」
犯人一同「イヤアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!」
後藤「さっさと投降しちゃった方がいいよ……ってもう遅いか」
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:56:32.87 ID:S9UMy1Kl0
野明「鍋パーティーを邪魔した奴はどこだあああああ!!!!!!!!!!!!」
太田「うおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」
タイラント(男DEF)「投降します!!!!」
五味丘「 」
結城「 」
南雲「 」
特車2課史上、もっとも短時間で、もっとも被害が少なく事件が解決した出動であった……
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:57:59.69 ID:S9UMy1Kl0
グツグツ……グツグツ……
野明「お疲れ様!」
熊耳「ふふ、きっと一汗かいたから更にお鍋が美味しいでしょうね」
進士「……レイバーの運転手達、ワンワン泣いてましたね」
遊馬「これじゃどっちが被害者か分からんな………」
ひろみ「タイラントがまさかあんな風になるなんて……今日はもう寝られません……」ガクガクガクガクガクガク
野明「じゃあ……あらためて」
一同「カンパーイ!!!!」
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 01:59:56.52 ID:S9UMy1Kl0
ぱくっ………
一同「うう~!!!!おいし~い!!!!」
香貫花「………おいしいわ」
熊耳「最高ね」
香貫花・熊耳「……ふふっ」
進士「良かったですね」
太田「………ほっ」
グツグツ……グツグツ……
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 02:02:13.99 ID:S9UMy1Kl0
野明「それじゃ、締めにしよう!」
遊馬「そうだな。」
ひろみ「えっと……何にします?」
香貫花「そうね…じゃあ、うどんを入れましょう」
熊耳「え?ここはおじやでしょ……」
野明「いや……あの」
一同「 」
香貫花「うどん!」
熊耳「おじや!」
うどん!おじや!うどん!おじや!うどん!おじや!
後藤「もう…どっちでもいいよ………」
うどん!おじや!うどん!おじや!うどん!おじや!
野明「お、お鍋は楽しく、美味しくね!」
おしまい
94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 02:03:11.87 ID:S9UMy1Kl0
この物語はフィクションである
……が、
10年後においては定かではない。
97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 02:11:40.90 ID:S9UMy1Kl0
お付き合いありがとうございました。
いつも僕ばっかり書いてるのでみんなもパトレイバーSSを書いてくれればいいと思います。
南雲しのぶさんばんざああああああああい!!!!!!!!
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 02:06:17.28 ID:EX0EuNbc0
乙!
アーリータイムズと映画版しか観たことないけど面白かった
Entry ⇒ 2014.02.24 | Category ⇒ 機動警察パトレイバー | Comments (0)
野明「絶対後藤隊長って南雲隊長のことすっごい好きだよね」
1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:23:01.08 ID:/58dKFl40
野明「だよね」
遊馬「お前、なにを今更」
野明「あれっ、やっぱりみんな気がついてた?」
熊耳「気がつくも何も」
進士「バレバレじゃないですか」
野明「………だよね」
野明「だよね」
遊馬「お前、なにを今更」
野明「あれっ、やっぱりみんな気がついてた?」
熊耳「気がつくも何も」
進士「バレバレじゃないですか」
野明「………だよね」
3 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:25:20.73 ID:/58dKFl40
遊馬「普通、良い歳したおっさんが同僚を「しのぶさ~ん」なんて嬉しそうに呼ぶかってーの」
進士「下手な民間企業じゃセクハラ扱いされかねませんよね」
遊馬「俺たちの前じゃ「南雲さん」だとか「南雲隊長」って若干よそよそしくしてるってところもまたアレだよな」
熊耳「まあ、部下の手間っていうのもあるでしょうけど」
野明「なんか私たちが南雲隊長と喋ってるとさ、いっっっつも後藤隊長が上からさりげなーくこっち見てるよね…」
熊耳「後藤隊長の出身、もしかしたら同じ上野周辺でも、伊賀の方から来たんじゃないのかしらって思うとき、あるわ……」
6 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:28:59.02 ID:/58dKFl40
山崎「第1小隊が来てるときと来てないときの張り切り様の差と言ったら……」
野明「何時もより多めに髪の毛直してるよね」
遊馬「南雲さんと喋ってるときと競馬の実況聞いてるときと、水虫の薬塗ってるときが一番楽しそうだよな」
進士「この間なんて満面の笑みを浮かべながら南雲さんにペコペコ頭下げてましたよ」
野明「うわあ」
太田「さすがの隊長でも軟弱だ!」
山崎「でも、肝心の南雲さんの方は……」
一同「………」
9 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:30:51.58 ID:/58dKFl40
野明「で、でもでも!南雲隊長は後藤隊長が好きだってこと自体に気がついてないかも知れないよ!」
熊耳「まさか」
進士「あんなにバレバレなのにですか?」
遊馬「いや…確かにあの人はちょっと抜けてるところ、あるからなぁ」
野明「そうそう!南雲隊長だって後藤隊長の気持ちに気がつけばもしや……」
太田「だが、後藤隊長だぞ」
野明「ご、後藤隊長の何がまずいっていうの」
野明「冷静に考えてみると後藤隊長ってすっごいんだぞ!」
10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:33:59.13 ID:/58dKFl40
遊馬「確かに警部補やってる位だから、給料は800万くらい貰ってるか」
太田「俺達の倍か!」
野明「そうそう。経済面もしっかりしてるし」
進士「なぜか広い寮に住んでますしね」
野明「そうそう。家って大事だよ」
熊耳「猫背だから分かりにくいけど身長もなかなかあるのよね、隊長」
進士「早稲田卒ですしね」
野明「そうそう。いわゆる、3高ってやつだよね」
太田「言われてみりゃ若いときの仲代達也に似てないこともないな……」
熊耳「声もいいわ」
山崎「それに今の女性って年上の方が好みなんですよね。包容力っていうか」
遊馬「確かに、隊長やってる位だから包容力はあるんだろうな」
野明「そうそう。ほら、スペックだけ並べて見ると後藤隊長って完璧じゃないか」
熊耳「ま……まあ、確かに言われてみれば一見非の打ち所がないんだけれどね」
一同(でも)
一同(一体何考えてるんだか、分かんないんだよなぁ…………)
12 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:37:22.86 ID:/58dKFl40
一同「…………」
野明「なんか、ちょっと不気味って、玉にキズかも……ね」
遊馬「いや、キズどころか致命傷だろう……」
野明「ま……まあ、ほら、南雲隊長って察しがいいしさ、優しいからさ、ね」
熊耳「それにほら、南雲隊長って毎日、後藤隊長と2人っきりって時間が一番長いでしょうから」
進士「鋼鉄の胃の持ち主ですよね、南雲隊長って………」
野明「だけど後藤隊長のこと、すっっっごく嫌いだったりしたら一緒に上手く仕事なんかしてないだろうしさ」
山崎「そうですよね。何だかんだで後藤隊長と喋ってるときの南雲さんも楽しそうと言えば楽しそうですし」
野明「ねっ!だから大丈夫だよ!」
遊馬(それこそ、南雲さんが慈悲深いからじゃあないのか………)
14 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:39:00.99 ID:/58dKFl40
野明「だからさ、やり方さえ上手く行けば、上手く行くかもしれないよ!あの2人!」
熊耳「そうねぇ、あの2人を見ていると、かなりもどかしい時があるわよね」
進士「推しが足りなさそうですからね、あの人」
野明「だからもうここは、玉砕覚悟で愛の告白を!あれだけ仲がいいんだからさ、そんな、振られるわけないってー!」
遊馬「だけど後藤隊長って、なんか気の利かなそーなこと、言いそうだよな」
進士「ああ、告白なんだかなんなんだか分からなそうなこと、言いそうですよね。例えば………」
進士「『俺、待ってるからさ(キリッ)』」
進士「みたいな」
一同「い、言いそう………」
17 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:41:28.00 ID:/58dKFl40
遊馬「こんなんじゃ伝わらないか、もしくは伝わってもシカトされるのがオチだな」
野明「そうだ、既婚者の進士さん。奥さんにはどんな愛の告白、したの~?」ニヤニヤ
遊馬「おお!聞きたい!聞きたい!」
進士「え、僕ですか?やだなぁ、恥ずかしいなぁ」えへえへ
太田「くぅぅ……軟弱者めぇ……」
進士「そんな特別なことはしてないですけど」
進士「多美子さんがハローキティが好きだって言うんで、サンリオピューロランドでキャラクター達にガンバレーって応援されながら告白しました///えへへ///」
一同「うっわ………」
18 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:42:46.50 ID:/58dKFl40
進士「参考になりました?」
野明「ま……まあ……」
遊馬「後藤隊長と南雲隊長で想像、できるか?」
一同「………」
一同「…………」
一同「……………」
野明「い……意外と」
熊耳「ふ、ふしぎね……」
20 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:43:59.61 ID:/58dKFl40
ガチャッ!
シバ「そんなんじゃダメダメダメダメダメダメぇ!!!!!!!!!」
一同「シゲさん!?」
シバ「見てくれに騙される様な安い女じゃないよぉ、南雲隊長は!」
進士「や……安い女って………」
シバ「量より質!記録より記憶に残る愛の告白をしなくっちゃあ!!!」
シバ「と、言うわけで、告白した女性の人数延べ100人を超える!!!私、シバシゲオが伝授して差し上げよう!!!!!」
太田「……告白だけなら誰でも出来るだろうが」
22 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:45:49.03 ID:/58dKFl40
シバ「女の子が喜ぶのはやっぱりアレだね、情熱的で尚且つ誠実な告白!」
野明「たとえば?」
シバ「たとえば………」
シバ「お前が欲しいいいいいい!!!!!!!!!!!しのぶううううううううぅぅぅぅ!!!!!!!」
シバ(裏声)「後藤さああああああん!!!」ギュッ
シバ(裏声)「ごめんなさい後藤さん!私もう離れない!」ギュッ
シバ「しのぶうううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううぅ!!!」
シバ(裏声)「後藤さああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!」
シバ「二人のこの手がまああああああああああああああああああっかにもえるううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!!!!!!」
熊耳「し……シゲさん?」
野明「た、確かに……情熱的で誠実だけど、さあ………」
24 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:47:36.30 ID:/58dKFl40
野明「や、やっぱり最初っから告白ってのはハードル高いかもね」
熊耳「大人になるといつの間にか付き合ってたっていうの、多くなるしねぇ」
遊馬「ならやっぱり、後藤隊長と南雲隊長の距離を更に縮めないとな」
野明「って言っても、十分縮まってるような気がするんだけど」
遊馬「……これ以上だ」
シバ「距離を縮めると言えばやっぱり密室かなぁ」
野明「だから、今でも十分隊長室は密室じゃない?」
25 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:49:37.72 ID:/58dKFl40
シバ「だからさ、外部と完全に遮断した密室って意味だってば」
野明「?」
遊馬「なるほど、2人は脱出しようとすることによって、更なる密接な協力関係が生まれて、お互い距離が更に縮まるって事か」
進士「そうですね、吊り橋効果みたいなものですかね」
シバ「おっし!思い立ったら吉日!道具箱もってくるね!」
野明「え、え、何するの?」
遊馬「もちろん、隊長室のドアを弄って、内側から開かなくするんだよ」
野明「え、えええええええええ!!!!」
26 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:50:38.73 ID:/58dKFl40
野明「ちょ、ちょっとまずいよ!」
シバ「だーいじょぶだって!何かあったらすぐ開くようにするし、帰る前に直しにくるからさぁ!」
野明「えええ………」
熊耳「ちょっと!」
シバ「お前たち、手伝えー!」
遊馬「よし!久しぶりに張り切るぞぉ!」
進士「むふふふふふ!」
太田「お………俺は見張りにだな………」ブツブツブツブツ
山崎「だ……大丈夫ですかね」
野明「さ……さあ……」
熊耳「………はぁ」
28 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:51:19.48 ID:/58dKFl40
【隊長室前】
カチャカチャカチャカチャ
シバ「かんりょーう!」
野明「あーあ………」
進士「コレで少しは進展しますかね」
熊耳「……そう単純なものじゃないと思うわよ」
遊馬「恋愛なんて意外と単純なもんなんですよ」
遊馬「うひひひっ!後藤隊長、あわてるぜ!」
後藤「俺が?なんで」
遊馬「そりゃあ、内側からドアがいきなり開かなくなったら……」
遊馬「えっ」
31 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:55:48.84 ID:/58dKFl40
後藤「内側からドアが開かなくなっちゃったんだ、これ」
一同「ギャアアアアアアアアアアああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!?」
後藤「なによ……そんなガン細胞で作った怪物、見っけちゃったみたいな顔しないでよ」
野明「ご……後藤たいちょ……」
遊馬「い、いつから………」
後藤「さっきから」
シバ「え……じゃあ中には誰が……」
後藤「確か、南雲さんと」
後藤「榊さん」
一同「 」
33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:58:16.23 ID:/58dKFl40
【第2小隊オフィス】
シバ「死ぬかと思った死ぬかと思った死ぬかと思った死ぬかと思った死ぬかと思った死ぬかと思った」
遊馬「……あのおっさんの危機回避能力を舐めてたな」
野明「熊耳さんの言うとおり本当に抜忍かなにかかも知れないね……」
熊耳「だってまるで気配がなかったわ………」
遊馬「よし、もうこうなったらアレしかない」
野明「アレって?」
遊馬「いわゆる合同コンパ、略して合コンだな」
野明「ご………っ」
35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:01:05.74 ID:/58dKFl40
遊馬「もとい、南雲隊長と後藤隊長を交えた第2小隊の飲み会を開こうと思う」
シバ「あ、そういや南雲さんは後藤隊長とあんまし飲みに言ったことないって言ってたなぁ……」
熊耳「確かに隊長室に二人を閉じ込めたりなんかするよりかは余程効果がありそうね」
進士「そうですね、お酒は人間の距離を縮めますからね」
シバ「頃合いをみて、邪魔者は退散するとパーペキだね」
遊馬「その後尾行すれば」
男一同「……さらにパーペキ」
遊馬「上手く行けば……」
男一同「ぐへへへへ………!」
遊馬「じゃあ決まりだな!早速予約しろ!野明!」ビシッ
野明「えええっ………!」
36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:03:54.99 ID:/58dKFl40
【居酒屋】
野明「…………」
進士「………」
熊耳「………」
遊馬「………」
太田「………」
山崎「………」
シバ「…………」
遊馬「……来ないな」
野明「……来ないね」
一同「…………」
38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:11:01.38 ID:/58dKFl40
遊馬「結局、俺達の作戦は空振りってことか……」
野明「作戦ってよべるかっちゅーの。こんなことでどうにかなるなら、どうにかなってるよ、とっくにさ!」
熊耳「まあ、そうね。第一、あれだけ長い間一緒に居て何も起きないなんて異常だもの」
一同「………」
シバ「……もしや、すでに付き合ってたりして」
一同「ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!」
野明「それは絶対にないよね」
熊耳「ないわよ。第一、何となく南雲さんって隊長のことタイプじゃなさそうだし」
男一同(ひ……酷いことを言う………)
39 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:12:46.86 ID:/58dKFl40
野明「ああ、わかるわかる。なんか父親みたいなタイプが好きそうだよね、南雲さん」
遊馬「後藤隊長は完全に同等か、それ以下に見られてるもんなぁ……」
進士「それに美人だし、頭も良いですし、放っては置きませんよ、誰も」
太田「もう後藤隊長はアレだな、打つ手なしだな」
山崎「でも後藤隊長が可哀相ですよ。あんなに南雲隊長が好きそうなのに」
野明「確かに、後藤隊長じゃないけど、みんなで幸せになりたいもんね」
熊耳「だからって何とかならないのが男女の仲なのよね……」
野明「熊耳さん、説得力がありますね」
熊耳「そ……そうかしら……」ダラダラダラダラ
40 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:13:41.28 ID:/58dKFl40
遊馬「もうアレだな、後藤隊長が南雲隊長と結婚するなら既成事実を作るしかない」
野明「既成事実って?」
太田「既成事実は既成事実だ」
野明「?」
山崎「////」
遊馬「既成事実さえ作れば、南雲さんは真面目だから多分上手く運ぶ」
熊耳「そんなものかしらねぇ……」
野明「えっ?えっ?」
42 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:17:24.09 ID:/58dKFl40
シバ「じゃあ、暇つぶしにシュミレーションしてみようよ!」
遊馬「今は夏だ。例えば…台風か何かの日に出掛ける。で、あえて道が塞がるまで何やかんや繋ぐ」
野明「繋ぐって?」
シバ「場所は軽井沢辺りがいいねぇ。下仁田のこんにゃくでも買いに行けば時間が稼げるし」
進士「それから車はイタリア車がいいですよ。電装系が弱いですからね、雨が降れば雨宿りしようって話になります」
野明「……そんなことして、どうなんのさ」
遊馬「車内はアレだし、当然、雨宿りをしようという話になる」
野明「それで?」
44 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:19:53.97 ID:/58dKFl40
遊馬「雨宿りをしようにも、何せ軽井沢で、夜遅い。だからなかなか見つからない」
遊馬「困った……このままでは……」
遊馬「しかし!二人の前に一筋の光が差し込んだ!」
野明「ひ、一筋の……光?」
遊馬「カップル用のシティホテル」
野明「ぶううううううっ!!」
山崎「////」
46 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:23:46.78 ID:/58dKFl40
野明「そ、それって遊馬!ラ、ラ、ラ!」
遊馬「ま、そこで何やかんや理由をつけて中に入ればもう既成事実は完了だろ」
野明「き……既成事実って………そういう………///」
野明「で、でも、な、何もない事だって」
遊馬「何もないわけないだろ」
進士「何もないわけありませんよ。っていうか、それで何もなかったら」
遊馬「後藤隊長も男として終わりだな」
熊耳「南雲さんもどうかと思うわ」
シバ「でもさ、まさかそんなこと」
一同「あるわけないよねー!!!!」
あはははははははははははは!!!!!!!
48 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:27:53.27 ID:/58dKFl40
こっそり
後藤「………」
南雲「………」
後藤「………帰ろっか、しのぶさん」
南雲「……ええ」
あはははははははははははは!!!
後藤「………」
南雲「………」
後藤「なんか、飲んで帰る?」
南雲「……そうするわ」
思わぬ形で、作戦を微妙に成功させた第2小隊だったがその事実を知るものは、いない―――
おしまい
49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:29:42.45 ID:/58dKFl40
お付き合いありがとうございました
南雲しのぶさんばんざーい!ばんざーい!ばんざーい!
50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:29:53.84 ID:tKn7LN/wO
乙
遊馬「普通、良い歳したおっさんが同僚を「しのぶさ~ん」なんて嬉しそうに呼ぶかってーの」
進士「下手な民間企業じゃセクハラ扱いされかねませんよね」
遊馬「俺たちの前じゃ「南雲さん」だとか「南雲隊長」って若干よそよそしくしてるってところもまたアレだよな」
熊耳「まあ、部下の手間っていうのもあるでしょうけど」
野明「なんか私たちが南雲隊長と喋ってるとさ、いっっっつも後藤隊長が上からさりげなーくこっち見てるよね…」
熊耳「後藤隊長の出身、もしかしたら同じ上野周辺でも、伊賀の方から来たんじゃないのかしらって思うとき、あるわ……」
6 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:28:59.02 ID:/58dKFl40
山崎「第1小隊が来てるときと来てないときの張り切り様の差と言ったら……」
野明「何時もより多めに髪の毛直してるよね」
遊馬「南雲さんと喋ってるときと競馬の実況聞いてるときと、水虫の薬塗ってるときが一番楽しそうだよな」
進士「この間なんて満面の笑みを浮かべながら南雲さんにペコペコ頭下げてましたよ」
野明「うわあ」
太田「さすがの隊長でも軟弱だ!」
山崎「でも、肝心の南雲さんの方は……」
一同「………」
9 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:30:51.58 ID:/58dKFl40
野明「で、でもでも!南雲隊長は後藤隊長が好きだってこと自体に気がついてないかも知れないよ!」
熊耳「まさか」
進士「あんなにバレバレなのにですか?」
遊馬「いや…確かにあの人はちょっと抜けてるところ、あるからなぁ」
野明「そうそう!南雲隊長だって後藤隊長の気持ちに気がつけばもしや……」
太田「だが、後藤隊長だぞ」
野明「ご、後藤隊長の何がまずいっていうの」
野明「冷静に考えてみると後藤隊長ってすっごいんだぞ!」
10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:33:59.13 ID:/58dKFl40
遊馬「確かに警部補やってる位だから、給料は800万くらい貰ってるか」
太田「俺達の倍か!」
野明「そうそう。経済面もしっかりしてるし」
進士「なぜか広い寮に住んでますしね」
野明「そうそう。家って大事だよ」
熊耳「猫背だから分かりにくいけど身長もなかなかあるのよね、隊長」
進士「早稲田卒ですしね」
野明「そうそう。いわゆる、3高ってやつだよね」
太田「言われてみりゃ若いときの仲代達也に似てないこともないな……」
熊耳「声もいいわ」
山崎「それに今の女性って年上の方が好みなんですよね。包容力っていうか」
遊馬「確かに、隊長やってる位だから包容力はあるんだろうな」
野明「そうそう。ほら、スペックだけ並べて見ると後藤隊長って完璧じゃないか」
熊耳「ま……まあ、確かに言われてみれば一見非の打ち所がないんだけれどね」
一同(でも)
一同(一体何考えてるんだか、分かんないんだよなぁ…………)
12 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:37:22.86 ID:/58dKFl40
一同「…………」
野明「なんか、ちょっと不気味って、玉にキズかも……ね」
遊馬「いや、キズどころか致命傷だろう……」
野明「ま……まあ、ほら、南雲隊長って察しがいいしさ、優しいからさ、ね」
熊耳「それにほら、南雲隊長って毎日、後藤隊長と2人っきりって時間が一番長いでしょうから」
進士「鋼鉄の胃の持ち主ですよね、南雲隊長って………」
野明「だけど後藤隊長のこと、すっっっごく嫌いだったりしたら一緒に上手く仕事なんかしてないだろうしさ」
山崎「そうですよね。何だかんだで後藤隊長と喋ってるときの南雲さんも楽しそうと言えば楽しそうですし」
野明「ねっ!だから大丈夫だよ!」
遊馬(それこそ、南雲さんが慈悲深いからじゃあないのか………)
14 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:39:00.99 ID:/58dKFl40
野明「だからさ、やり方さえ上手く行けば、上手く行くかもしれないよ!あの2人!」
熊耳「そうねぇ、あの2人を見ていると、かなりもどかしい時があるわよね」
進士「推しが足りなさそうですからね、あの人」
野明「だからもうここは、玉砕覚悟で愛の告白を!あれだけ仲がいいんだからさ、そんな、振られるわけないってー!」
遊馬「だけど後藤隊長って、なんか気の利かなそーなこと、言いそうだよな」
進士「ああ、告白なんだかなんなんだか分からなそうなこと、言いそうですよね。例えば………」
進士「『俺、待ってるからさ(キリッ)』」
進士「みたいな」
一同「い、言いそう………」
17 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:41:28.00 ID:/58dKFl40
遊馬「こんなんじゃ伝わらないか、もしくは伝わってもシカトされるのがオチだな」
野明「そうだ、既婚者の進士さん。奥さんにはどんな愛の告白、したの~?」ニヤニヤ
遊馬「おお!聞きたい!聞きたい!」
進士「え、僕ですか?やだなぁ、恥ずかしいなぁ」えへえへ
太田「くぅぅ……軟弱者めぇ……」
進士「そんな特別なことはしてないですけど」
進士「多美子さんがハローキティが好きだって言うんで、サンリオピューロランドでキャラクター達にガンバレーって応援されながら告白しました///えへへ///」
一同「うっわ………」
18 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:42:46.50 ID:/58dKFl40
進士「参考になりました?」
野明「ま……まあ……」
遊馬「後藤隊長と南雲隊長で想像、できるか?」
一同「………」
一同「…………」
一同「……………」
野明「い……意外と」
熊耳「ふ、ふしぎね……」
20 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:43:59.61 ID:/58dKFl40
ガチャッ!
シバ「そんなんじゃダメダメダメダメダメダメぇ!!!!!!!!!」
一同「シゲさん!?」
シバ「見てくれに騙される様な安い女じゃないよぉ、南雲隊長は!」
進士「や……安い女って………」
シバ「量より質!記録より記憶に残る愛の告白をしなくっちゃあ!!!」
シバ「と、言うわけで、告白した女性の人数延べ100人を超える!!!私、シバシゲオが伝授して差し上げよう!!!!!」
太田「……告白だけなら誰でも出来るだろうが」
22 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:45:49.03 ID:/58dKFl40
シバ「女の子が喜ぶのはやっぱりアレだね、情熱的で尚且つ誠実な告白!」
野明「たとえば?」
シバ「たとえば………」
シバ「お前が欲しいいいいいい!!!!!!!!!!!しのぶううううううううぅぅぅぅ!!!!!!!」
シバ(裏声)「後藤さああああああん!!!」ギュッ
シバ(裏声)「ごめんなさい後藤さん!私もう離れない!」ギュッ
シバ「しのぶうううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううぅ!!!」
シバ(裏声)「後藤さああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!」
シバ「二人のこの手がまああああああああああああああああああっかにもえるううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!!!!!!」
熊耳「し……シゲさん?」
野明「た、確かに……情熱的で誠実だけど、さあ………」
24 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:47:36.30 ID:/58dKFl40
野明「や、やっぱり最初っから告白ってのはハードル高いかもね」
熊耳「大人になるといつの間にか付き合ってたっていうの、多くなるしねぇ」
遊馬「ならやっぱり、後藤隊長と南雲隊長の距離を更に縮めないとな」
野明「って言っても、十分縮まってるような気がするんだけど」
遊馬「……これ以上だ」
シバ「距離を縮めると言えばやっぱり密室かなぁ」
野明「だから、今でも十分隊長室は密室じゃない?」
25 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:49:37.72 ID:/58dKFl40
シバ「だからさ、外部と完全に遮断した密室って意味だってば」
野明「?」
遊馬「なるほど、2人は脱出しようとすることによって、更なる密接な協力関係が生まれて、お互い距離が更に縮まるって事か」
進士「そうですね、吊り橋効果みたいなものですかね」
シバ「おっし!思い立ったら吉日!道具箱もってくるね!」
野明「え、え、何するの?」
遊馬「もちろん、隊長室のドアを弄って、内側から開かなくするんだよ」
野明「え、えええええええええ!!!!」
26 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:50:38.73 ID:/58dKFl40
野明「ちょ、ちょっとまずいよ!」
シバ「だーいじょぶだって!何かあったらすぐ開くようにするし、帰る前に直しにくるからさぁ!」
野明「えええ………」
熊耳「ちょっと!」
シバ「お前たち、手伝えー!」
遊馬「よし!久しぶりに張り切るぞぉ!」
進士「むふふふふふ!」
太田「お………俺は見張りにだな………」ブツブツブツブツ
山崎「だ……大丈夫ですかね」
野明「さ……さあ……」
熊耳「………はぁ」
28 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:51:19.48 ID:/58dKFl40
【隊長室前】
カチャカチャカチャカチャ
シバ「かんりょーう!」
野明「あーあ………」
進士「コレで少しは進展しますかね」
熊耳「……そう単純なものじゃないと思うわよ」
遊馬「恋愛なんて意外と単純なもんなんですよ」
遊馬「うひひひっ!後藤隊長、あわてるぜ!」
後藤「俺が?なんで」
遊馬「そりゃあ、内側からドアがいきなり開かなくなったら……」
遊馬「えっ」
31 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:55:48.84 ID:/58dKFl40
後藤「内側からドアが開かなくなっちゃったんだ、これ」
一同「ギャアアアアアアアアアアああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!?」
後藤「なによ……そんなガン細胞で作った怪物、見っけちゃったみたいな顔しないでよ」
野明「ご……後藤たいちょ……」
遊馬「い、いつから………」
後藤「さっきから」
シバ「え……じゃあ中には誰が……」
後藤「確か、南雲さんと」
後藤「榊さん」
一同「 」
33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:58:16.23 ID:/58dKFl40
【第2小隊オフィス】
シバ「死ぬかと思った死ぬかと思った死ぬかと思った死ぬかと思った死ぬかと思った死ぬかと思った」
遊馬「……あのおっさんの危機回避能力を舐めてたな」
野明「熊耳さんの言うとおり本当に抜忍かなにかかも知れないね……」
熊耳「だってまるで気配がなかったわ………」
遊馬「よし、もうこうなったらアレしかない」
野明「アレって?」
遊馬「いわゆる合同コンパ、略して合コンだな」
野明「ご………っ」
35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:01:05.74 ID:/58dKFl40
遊馬「もとい、南雲隊長と後藤隊長を交えた第2小隊の飲み会を開こうと思う」
シバ「あ、そういや南雲さんは後藤隊長とあんまし飲みに言ったことないって言ってたなぁ……」
熊耳「確かに隊長室に二人を閉じ込めたりなんかするよりかは余程効果がありそうね」
進士「そうですね、お酒は人間の距離を縮めますからね」
シバ「頃合いをみて、邪魔者は退散するとパーペキだね」
遊馬「その後尾行すれば」
男一同「……さらにパーペキ」
遊馬「上手く行けば……」
男一同「ぐへへへへ………!」
遊馬「じゃあ決まりだな!早速予約しろ!野明!」ビシッ
野明「えええっ………!」
36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:03:54.99 ID:/58dKFl40
【居酒屋】
野明「…………」
進士「………」
熊耳「………」
遊馬「………」
太田「………」
山崎「………」
シバ「…………」
遊馬「……来ないな」
野明「……来ないね」
一同「…………」
38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:11:01.38 ID:/58dKFl40
遊馬「結局、俺達の作戦は空振りってことか……」
野明「作戦ってよべるかっちゅーの。こんなことでどうにかなるなら、どうにかなってるよ、とっくにさ!」
熊耳「まあ、そうね。第一、あれだけ長い間一緒に居て何も起きないなんて異常だもの」
一同「………」
シバ「……もしや、すでに付き合ってたりして」
一同「ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!」
野明「それは絶対にないよね」
熊耳「ないわよ。第一、何となく南雲さんって隊長のことタイプじゃなさそうだし」
男一同(ひ……酷いことを言う………)
39 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:12:46.86 ID:/58dKFl40
野明「ああ、わかるわかる。なんか父親みたいなタイプが好きそうだよね、南雲さん」
遊馬「後藤隊長は完全に同等か、それ以下に見られてるもんなぁ……」
進士「それに美人だし、頭も良いですし、放っては置きませんよ、誰も」
太田「もう後藤隊長はアレだな、打つ手なしだな」
山崎「でも後藤隊長が可哀相ですよ。あんなに南雲隊長が好きそうなのに」
野明「確かに、後藤隊長じゃないけど、みんなで幸せになりたいもんね」
熊耳「だからって何とかならないのが男女の仲なのよね……」
野明「熊耳さん、説得力がありますね」
熊耳「そ……そうかしら……」ダラダラダラダラ
40 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:13:41.28 ID:/58dKFl40
遊馬「もうアレだな、後藤隊長が南雲隊長と結婚するなら既成事実を作るしかない」
野明「既成事実って?」
太田「既成事実は既成事実だ」
野明「?」
山崎「////」
遊馬「既成事実さえ作れば、南雲さんは真面目だから多分上手く運ぶ」
熊耳「そんなものかしらねぇ……」
野明「えっ?えっ?」
42 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:17:24.09 ID:/58dKFl40
シバ「じゃあ、暇つぶしにシュミレーションしてみようよ!」
遊馬「今は夏だ。例えば…台風か何かの日に出掛ける。で、あえて道が塞がるまで何やかんや繋ぐ」
野明「繋ぐって?」
シバ「場所は軽井沢辺りがいいねぇ。下仁田のこんにゃくでも買いに行けば時間が稼げるし」
進士「それから車はイタリア車がいいですよ。電装系が弱いですからね、雨が降れば雨宿りしようって話になります」
野明「……そんなことして、どうなんのさ」
遊馬「車内はアレだし、当然、雨宿りをしようという話になる」
野明「それで?」
44 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:19:53.97 ID:/58dKFl40
遊馬「雨宿りをしようにも、何せ軽井沢で、夜遅い。だからなかなか見つからない」
遊馬「困った……このままでは……」
遊馬「しかし!二人の前に一筋の光が差し込んだ!」
野明「ひ、一筋の……光?」
遊馬「カップル用のシティホテル」
野明「ぶううううううっ!!」
山崎「////」
46 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:23:46.78 ID:/58dKFl40
野明「そ、それって遊馬!ラ、ラ、ラ!」
遊馬「ま、そこで何やかんや理由をつけて中に入ればもう既成事実は完了だろ」
野明「き……既成事実って………そういう………///」
野明「で、でも、な、何もない事だって」
遊馬「何もないわけないだろ」
進士「何もないわけありませんよ。っていうか、それで何もなかったら」
遊馬「後藤隊長も男として終わりだな」
熊耳「南雲さんもどうかと思うわ」
シバ「でもさ、まさかそんなこと」
一同「あるわけないよねー!!!!」
あはははははははははははは!!!!!!!
48 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:27:53.27 ID:/58dKFl40
こっそり
後藤「………」
南雲「………」
後藤「………帰ろっか、しのぶさん」
南雲「……ええ」
あはははははははははははは!!!
後藤「………」
南雲「………」
後藤「なんか、飲んで帰る?」
南雲「……そうするわ」
思わぬ形で、作戦を微妙に成功させた第2小隊だったがその事実を知るものは、いない―――
おしまい
49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:29:42.45 ID:/58dKFl40
お付き合いありがとうございました
南雲しのぶさんばんざーい!ばんざーい!ばんざーい!
50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:29:53.84 ID:tKn7LN/wO
乙
Entry ⇒ 2014.02.24 | Category ⇒ 機動警察パトレイバー | Comments (0)
野明「おっ、太田さんにチョコレートぉ!?」
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:01:19.44 ID:7o2WmJuL0
話は冬にまで遡る。
2月14日
269年にローマ皇帝の迫害下で殉教した聖ウァレンティヌス(テルニのバレンタイン)に由来する記念日だと、主に西方教会の広がる地域において伝えられていた。
兎にも角にも由来はどうであれ、世間では今も昔も男女にとっては様々な思惑がこの1日に交錯し、混沌する。
――そして、世間から隔絶されている特車2課も、今回はその例外ではない
話は冬にまで遡る。
2月14日
269年にローマ皇帝の迫害下で殉教した聖ウァレンティヌス(テルニのバレンタイン)に由来する記念日だと、主に西方教会の広がる地域において伝えられていた。
兎にも角にも由来はどうであれ、世間では今も昔も男女にとっては様々な思惑がこの1日に交錯し、混沌する。
――そして、世間から隔絶されている特車2課も、今回はその例外ではない
2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:02:10.45 ID:7o2WmJuL0
特車2課・第2小隊オフィス
野明「………」
熊耳「………」
山崎「………」ソワソワ
進士「………」ソワソワ
遊馬「………」ソワソワ
野明「……ねぇ熊耳さん」
熊耳「なぁに泉さん」
遊馬・山崎・進士「!」ガタン!
野明「ちょ、ちょっと、どうしたんだよいきなり」
遊馬「いや……別に……」
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:02:59.57 ID:7o2WmJuL0
野明「なんか……朝からみんな、ちょっとおかしくない?」ヒソヒソ
熊耳「そうねぇ、整備班もいつもより落ち着きがなかったわね」ヒソヒソ
野明「……なんなんでしょうね」
熊耳「なんなのかしらねぇ……」
遊馬(……ちきしょ!あの二人、わかってるくせに惚けやがって!)ソワソワ
山崎(……貰えるのかなぁ、貰えるのかなぁ)ソワソワ
進士(ベ、別に多美子さんから貰えるわけだし、そんなアセアセする必要も……いやでもやっぱりここは職場の人間関係を円滑に……)ソワソワ
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:03:40.07 ID:7o2WmJuL0
野明「あれ、そう言えば太田さんは?」
熊耳「太田君なら、何だか本庁に直接提出しなきゃならない書類があるとかで遅れて来るみたいよ」
野明「ああ、通りで静かだと」
熊耳「そうねぇ、太田君がいないとこんなに静かなのよねぇ……」
遊馬(……そうだ、渡すなら軟弱だとか何だとかギャーギャーうるさい太田が帰って来る前に!)
山崎(太田さんがいると色々厄介ですからね……)
進士(ですから、お二人とも……)
遊馬・山崎・進士(さあ!さあ!さあ!)
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:07:12.55 ID:7o2WmJuL0
ガラッ
シバ「やっほー!泉ちゃん!熊耳さん!」
整備班一同「どうもこんにちは!」
野明「あれ、シゲさんたち、どうしたの?」
熊耳「わざわざ全員そろって……」
シバ「やぁ、いい天気だと思って!さぁ!ねぇ?」チラッ
整備員A「本当、今日はいい天気ですねぇ!」チラッ
整備員B「本当、今日はなんだか特別な日のような気がしてきたぞ!」チラッ
野明「?」
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:07:38.81 ID:7o2WmJuL0
熊耳「……一体どうしたのよ」
シバ「ほら……バのつく!」
野明・熊耳「バ?」
遊馬「そうだ野明!今日はバのつく……ほらっアレだアレ!」
野明「バ……バ……バ……うーん」
一同「………」ゴクリ
野明「ああっ!」
一同「おおっ!」
野明「アルフォンスの『バランサー点検の日』!」
一同「………」ズコーッ
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:08:08.86 ID:7o2WmJuL0
遊馬「違うっちゅうの!」
野明「じゃあ『バッテリー交換の日』!」
遊馬「違う!」
野明「じゃあ『バビロンプロジェクトが…なんかなった日』?」
遊馬「違う!違う!違う!」
野明「じゃあなんなのさ!」
遊馬「…野明、お前は日頃世話になってる男性職員一同にチョコレートのひとつやふたつ、配ろうって気にはならんのか」
野明「あっ、そっか、今日はバレンタインデーだったんだ……!」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:08:57.80 ID:ine9SKsY0
なぜ今このネタなんだ
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:09:52.19 ID:7o2WmJuL0
>>9
2月に上げようとしたが間に合わなかった
来年の2月までは待てなかった
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:10:34.13 ID:7o2WmJuL0
遊馬「違うっちゅうの!」
野明「じゃあ『バッテリー交換の日』!」
遊馬「違う!」
野明「じゃあ『バビロンプロジェクトが…なんかなった日』?」
遊馬「違う!違う!違う!」
野明「じゃあなんなのさ!」
遊馬「…野明、お前は日頃世話になってる男性職員一同にチョコレートのひとつやふたつ、配ろうって気にはならんのか」
野明「あっ、そっか、今日はバレンタインデーだったんだ……!」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:11:22.27 ID:7o2WmJuL0
シバ「そう!それ!ビンゴよ泉ちゃん!」
野明「……ちょっと待ってよね」ガサゴソ
一同「………」ゴクリ
野明「………」ガサゴソ
野明「………」ガサゴソ
野明「………」
野明「………何にもないや、ごめん」テヘッ
一同「………」ズコーッ
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:11:51.99 ID:7o2WmJuL0
遊馬「無いなら期待させるな!」
野明「だって急に言われたってなんにも無いよ!」
遊馬「だからお前には細やかさ足りないっちゅうんだ!」
野明「貰う側の言うセリフか!」
シバ「ま、まあ、泉ちゃんだし」
山崎「そうですよ泉さんですし」
進士「泉さんですから」
遊馬「まあ、野明だからな……」
野明「……皆してどう意味だよ、それ」
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:12:26.50 ID:7o2WmJuL0
遊馬「って事で熊耳さん!熊耳さんなら……」
熊耳「………」カタカタカタ
進士「あの……」
熊耳「…………」カタカタカタカタカタ
進士「熊耳……さん?」
熊耳「……………」カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
シバ「……」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:13:28.42 ID:7o2WmJuL0
遊馬「野明もダメ、熊耳さんもダメ、ということになるとうちにいる女性警官は」
一同「南雲隊長」
遊馬「……」
シバ「……」
進士「……」
山崎「……」
遊馬「解散」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:14:35.40 ID:7o2WmJuL0
シバ「かいさん、かいさーん!これからイングラムのバランサーのチェック、しなきゃなんないんだからさぁ!日付変わるまでに終わらせないとおやっさんに海に叩きこまれるよぉ!」
整備員A「ちぇー……」
ゾロゾロゾロゾロゾロゾロ……
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:34:54.93 ID:7o2WmJuL0
遊馬「はあ、可哀想だなぁ、俺達。ここ数年、世間一般のイベントに何一つ関われてない」
山崎「クリスマスはありませんでしたし、お正月もありませんでしたよね」
遊馬「GWもなけりゃ夏休みも海開きも勤労感謝の日すら除け者だ。こんなに働いてるのにおかしい話だろう、全く」
遊馬「んで、その中で…唯一手軽に実現可能なのがバレンタインデーってわけだ。チョコレートを渡しゃそれで済むんだからな」
野明「だったら、欲しいなら欲しいって前々から言っておくべきでしょ。未練がましいぞ遊馬」
遊馬「…そう言う問題じゃない」ムッ
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:35:39.49 ID:7o2WmJuL0
野明「そんなにチョコレートが食べたいんだったらコンビニで買ってくればいいじゃない。はい、1000円。大きい袋3つくらいあれば全員分足りるだろ」
遊馬「…だからお前は何にもわかっとらんっちゅうんだ」ハァ
野明「なにがだよ」ギロッ
山崎「あ……あの、なんか雰囲気が……」
進士「ぼ、僕たちがはしゃぎ過ぎちゃっただけですから泉さん……」
熊耳「そんなことより、始末書、終わったの?提出は今晩よ」カタカタカタカタカタ
遊馬・野明・山崎・進士「………はい」
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:36:10.66 ID:7o2WmJuL0
ガチャッ!
シバ「ちょっとぉ!事件だよ事件!」
遊馬「まーた、後藤隊長の馬券が当たったとか?」
進士「今度は3000円くらいですかね」
シバ「そんなチンケな話じゃなくてぇ!来たんだよ!太田さんに!」
熊耳「太田くんに?」
野明「何が?」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:37:18.39 ID:7o2WmJuL0
シバ「小包が!」
遊馬「そら小包くらいは来るだろうよ」
進士「そうですよ、いくら人付き合いが悪い太田さんだって小包くらいは」
シバ「問題は中身!中身なのよほら!」
遊馬「えー、中身は食品」
野明「…『チョコレート』」
一同「…………」
一同『うええええええ!!!?』
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:39:17.97 ID:7o2WmJuL0
野明「おっ、太田さんにチョコレートぉ!?」
熊耳「ま、まさかそんな……バカな」
遊馬「破壊狂で銃マニアで、歩く火薬庫、、正義の狂戦士、マッドポリスマン、瞬間核融合炉と呼ばれた松本加奈ファンクラブ会員番号0001番を持ってるようなアイドルオタクの太田にそんなもん来るわけがない!断じてない!!」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:40:03.79 ID:7o2WmJuL0
シバ「でも宛名は太田ちゃんなのよ。ほら」
進士「『東京都港区13号埋立地特車2課・太田功様』……太田さんですよ、間違いなく」
野明「さ、さ、差出人は!?」
シバ「それが破れちゃってて分かんないのよ。今日は忙しいんで後日持ってくるとは言ってたけど」
一同『………』
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:40:51.75 ID:7o2WmJuL0
遊馬「差出人が分からんとなれば、だ…誰が太田に送って来たんだかますます気になるってのが人情だ」
進士「でも分からないんじゃなんとも。プライバシーの観点から聞いても業者は答えてくれませんし」
熊耳「ちょっとみんな、仕事中よ。それに、太田くんの個人的な問題なんだし……」
遊馬「熊耳さんは気にならないんですか?」
熊耳「き、気にならない……と言えば嘘になるけど」
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:45:10.21 ID:7o2WmJuL0
遊馬「それはいけない。気になったまま仕事をすれば効率が落ちる」
熊耳「……そうかしら」
一同「そうです!」コクコク
遊馬「それに、あんまり気にしすぎるとイライラする」
シバ「イライラするとお腹がすいちゃう!」
進士「で、お腹がすくとイライラしますし」
シバ「んで!イライラするとお腹がすいちゃう!」
山崎「でお腹がすくと……」
熊耳「ああ!もうわかった!わかったわ!」
一同(……第一関門突破!)グッ
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:46:24.61 ID:7o2WmJuL0
遊馬「んで、話を戻すと、三通り考えられる」
遊馬「一つ、第三者が太田に送ってきた。一番あり得そうな話に思えるが太田に限っては一番あり得ない」
遊馬「二つ、実家の母親が太田に送ってきた。間違えて職場に送ってしまうあたりが実に母親らしい」
野明「……そうかなぁ。母親なんだからそう言うところは気をつけるんじゃない?」
遊馬「……三つ、太田が自分自身に送った。俺としてはこれを一番推したい」
野明「まさか」
熊耳「そんな……ねぇ」
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:48:07.53 ID:7o2WmJuL0
進士「いや、意外にあることなんですよ…それが……。学校なんかでは見栄を張るために自分で自分の下駄箱にチョコレートを入れる生徒もいましたから」
シバ「でもあの太田ちゃんが、そんな自作自演するかぁ?」
遊馬「一番しなさそうな人間がやるから自作自演の意味がある。わざわざ特車2課に送ってくるあたりがなんとも……」
野明「あれっ、これ翌日到着ってなってない?」
熊耳「本当だわ。ということはチョコレートが発送されたのは昨日ってことになるわね」
シバ「だとすると……あれぇ?ちょっとおかしくなぁい?」
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:48:59.73 ID:7o2WmJuL0
シバ「昨日は確か第2小隊は一日中勤務だった訳でチョコレートを買いに行く暇も、ましてや、遠くの郵便局もしくは宅配便の営業所に行くなんて無理に等しいようなもんでしょ」
遊馬「じゃ、じゃあ!実家の……」
野明「それも変だよ。太田さんの実家って岩手でしょ?確かここの会社、岩手って範囲外じゃなかったっけ」
熊耳「速達でもないし……岩手からここまで1日では無理ね」
遊馬「じゃあ……まさか」
一同『第三者から…………!』
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:49:47.35 ID:7o2WmJuL0
遊馬「いや、でも太田に限って…そんな……」
野明「太田さんに送りそうな相手と言ったら……」
進士「……香貫花さん」
一同「………まさか」
野明(……でも意外とあり得るような)
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:50:36.51 ID:7o2WmJuL0
シバ「でもそしたら普通海外なら海外だって書いてあるんじゃないのぉ?」
野明「だ、だよねぇ!」
熊耳「海外なら翌日到着は更に考えにくいわ」
野明「香貫花の線も消えたか……」
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:51:24.66 ID:7o2WmJuL0
進士「翌日到着ってことはですよ、首都圏……まあせいぜい長野から静岡あたりだとして」
山崎「……そうだ、あの…太田さんが前にお見合いをした方とか」
遊馬「あの二人結婚したんだろ。旦那がいるっていうのにわざわざ送るか?」
野明「でもその線はありだよひろみちゃん!事件解決のお礼みたいな感じでさ」
遊馬「特車2課の悪評のほとんどを築き上げたような男に、か?」
野明「……わかんないよ、意外と」
熊耳「そうねぇ、チョコレートが太田くんに届いてること自体は揺るぎない事実なんだから、そういう線が濃厚かもしれないわよ」
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:51:51.01 ID:7o2WmJuL0
カラカラカラカラ……
シバ「………うーん」
カラカラカラカラ……
シバ「あとちょっと……」
野明「何やってるのシゲさん」
シバ「いやね、中身の形状がわかんないかなーって思ってさぁ」
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:52:56.29 ID:7o2WmJuL0
野明「箱振っただけでわかるの?」
シバ「まぁ、食玩の類で養ったからね、うーん……これはぁ……」
一同「これは!?」
シバ「………間違いなく」
一同「………間違いなく?」
シバ「ハート型だね、こりゃ」
一同「………」
一同『ハート型ァァァアアアアア!?』
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:56:47.59 ID:7o2WmJuL0
遊馬「は、は、ハート型のチョコレートがあの太田に……」
一同『ぶううううううう!!!!』
野明「ちょ、わ、わらっちゃ悪いよ、んひっ!」
遊馬「そ、そ、そういうお前も……ぶふっ!」
熊耳「だ、だめよわらっちゃ……んふっ!」
シバ「ひぃー!ひぃー!お、太田ちゃん!!!!!!!!!!」
山崎「んふっ……!」
進士「お、お、太田さんにハート型のチョコレートぉ!ドゥフッ!!!!!!」
一同(死ぬ!笑い死ぬ!!!)
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:57:41.29 ID:7o2WmJuL0
一同『…………ふぅ』
野明「……一通り笑って落ち着いて考えてみるとさ」
遊馬「……なんだ」
野明「いくらなんでも、お礼にハート型のチョコレートは送らないよね」
遊馬「……送らんな」
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:58:58.46 ID:7o2WmJuL0
シバ「すんっっっごい、愛されてるよね」
進士「職場にハート型のチョコレートを送りつけてくるくらいですからね」
野明「………どういう人なんだろう」
遊馬「想像するだけ体力の無駄だ。ただ」
野明「ただ?」
遊馬「美人だったら頭にくる」
野明「………なんじゃそら」
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:00:01.61 ID:e0oYdWI/0
進士「とにかく、相手は相当太田さんに熱をあげてますよ。」
シバ「しかもわざわざ見せびらかすように送ってきてるんだから、いやだねぇー」
遊馬「……やっぱり太田には俺たちの知らない間に女がいたのか」
シバ「こりゃ確定事項だね……」ドヨン
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:00:49.96 ID:e0oYdWI/0
進士「想像するに、かなり自分に自信のある人ですよ。それから太田さんの行動範囲を考えると都内でしょうね。」
遊馬「ってことは美人なのか!?美人ってことなのか!?」ぐいっ
進士「ま、まあ、確定はしませんけど……多分…美人でしょうね……」
遊馬「ぬわあああああああああああ!!!」
遊馬「どうして太田なんかに彼女が出来るんだよ!それも!美人が!おかしい!おかしい!おかしいいいいぃぃぃ!!!!」グワッ
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:01:47.17 ID:e0oYdWI/0
熊耳(みんな想像力たくましいわねぇ………)
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:02:47.59 ID:e0oYdWI/0
野明「なんでって、遊馬にはなくて太田さんには何か美人をひきつける魅力みたいなのがあったんじゃないの?」
遊馬「太田の魅力?なんだよそりゃ!」
野明「声が大きい」
進士「止まっている相手なら百発百中ですよ」
山崎「よく食べますよね」
シバ「ああ、あと上司には従順かな」
熊耳「耳がいいわよ」
遊馬「………魅力か?」
一同『………』
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:06:21.80 ID:w8TCy+vTO
太田さんはいい人カッコいい
野明が凶悪犯に襲われたかもしれないって心配してる時とか超カッコいい
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:11:39.44 ID:MvYdCFyN0
いい人なんだけどね
漫画版の太田さんが殺人犯じゃないかと疑われた話を思い出した
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:17:14.57 ID:e0oYdWI/0
野明「でも気になるよね、やっぱり太田さんの彼女」
進士「やっぱり意外とアイドルオタクな太田さんのことですから、亭主関白に見せかけて…」
(以下想像)
太田「○○たん帰ったぴょん!」
女「功たんおかえりだぴょん!」
太田「今日も疲れたぴょん……」
女「功たん元気だすぴょん!ぴょんぴょんビーム!!」
太田「元気が出たぴょん!ありがとぴょん!」
一同「………」
一同「おええ……」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:18:08.97 ID:e0oYdWI/0
野明「って言うかこんな感じの話、ずっと前にもしたような気がするんだけど…」
遊馬「…気のせいだ」
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:20:36.10 ID:e0oYdWI/0
野明「……とにかくさ、太田さんに直接聞いてみたら?」
遊馬「ダメだ!お前は事態の深刻さがわかっちゃいない!」
遊馬「太田には彼女がいて、われわれにはいない!」
シバ「これは由々しき事態なので究極超人あ~る!!」
男一同『………』ウンウン
進士「…僕には多美子さんがいますけどね」
男一同『………』ギロッ
進士「ヒイッ!!」
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:21:14.31 ID:e0oYdWI/0
遊馬「………開けるか」
野明「ま、まずいよそれ!」
シゲ「だけど気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって仕方ないよぉ!これじゃあ仕事も手につかない!!」
整備員一同「そうだそうだ!我々をこういう状態にした太田には我々をスッキリさせる責任と義務がある!」キリッ
野明「………むちゃくちゃだなぁ」
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:21:39.90 ID:e0oYdWI/0
熊耳「駄目よ。警察官たるもの、規範に沿った生活をしなきゃ。いくら気になるっていったって」
遊馬「熊耳さんは中身が気にならないんですか?」
熊耳「そりゃ気になるわよ。なるけど……」
シゲ「なるんだったらみちゃえば?」
熊耳「だ、だめよ!」
遊馬「でも気になるんですよね?」
熊耳「そ、それは……」
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:23:25.06 ID:e0oYdWI/0
ガチャッ
一同「…ッッ!?」
太田「帰ったぞ」
一同「……太田(さん)(くん)!!!」
ガバッ!!!!!!
太田「……なんなんだおまえ達は」
一同『お、おかえり~~……』
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:24:22.07 ID:e0oYdWI/0
太田「………」ジロッ
野明「な、な、なんでもないよ!ねっ!」
山崎「そ、そ、そ、そうです!何でもありませんよ!」コクコク
進士「え、え、え、ええ!もう何でもありません!」コクコク
熊耳「ほ、ほ、ほ、ほら太田君!き、着替えてきたら!」コクコク
シバ「そ、そ、そ、そ、そうだよ!ね!」コクコク
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:25:46.98 ID:e0oYdWI/0
太田「……やっぱり何かあったのか」
一同「なんにも!!!!」
太田「………」
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:26:34.62 ID:e0oYdWI/0
太田「…まあいい。ああ、それから」
一同「!」ギクッ
太田「……俺に小包が届かなかったか?」
一同「!」ギクギクッ
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:27:22.22 ID:e0oYdWI/0
野明「さ、さ、さ、さあ………」
シバ「し、し、し、し、しらないよね!!」
遊馬「あ、あ、あ、ああ!ああ!」コクコクコクコク
太田「そうか」
……ガチャッ
バタン………
一同「………」
一同「……ほっ」
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:28:01.61 ID:e0oYdWI/0
熊耳「あ、危なかったわね……」
野明「とりあえずごまかせたみたいだけど」
遊馬「……届いてないと言っちまったが」
一同(どうするよ………)
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:29:12.80 ID:e0oYdWI/0
【廊下】
南雲「…一体何をやってるのよ、後藤さんのところは」
後藤「………」
後藤「季節連動型レクリエーション」
南雲「………」ハァ
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:31:38.02 ID:e0oYdWI/0
野明「……どうするよ」
遊馬「わざわざ言葉にするんじゃない」
シバ「……いっそ本当に開けちゃう?」
野明「ダメだよ!太田さんが帰ってきてるんだからさぁ!」
遊馬「って言ったって、このままじゃ気になって仕事が手に着かん」
野明「だから太田さんに素直に聞きなってば……」
男一同『それだけは死んッッッッッでも嫌だ!!!』
野明・熊耳「……」ハァ
76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:33:03.37 ID:e0oYdWI/0
遊馬「……とりあえず、太田が帰ってきた以上は迂闊にはこの話題は出せん。」
遊馬「しかしその前にこの件に関する皆の統一した意思と指針をあえて示めして置きたいと思う!!」バッ
整備員A「賛成!」バッ
整備員B「俺達の気持ちは今一つだ!」バッ
男一同『くたばれバレンタイン!くたばれ太田ー!!!』
遊馬「独身主義に乾杯!!」
男一同(進士除く)『独身主義万歳!!!!!!!』
シバ「議題は終業後に持ち越す!解散!」
男一同『了解!!』
ゾロゾロゾロ………
野明「な……なんだなんだ……」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:35:51.10 ID:e0oYdWI/0
【30分後】
野明「……いいの、太田さんのチョコレート」
遊馬「今日中には返すさ。それに野明は気にならんのか」
野明「いや、ものすごく気になる。太田さんの彼女」
遊馬「だろ?興味本位ってのは詮索する第2の理由だからな」
野明「第1の理由は?」
遊馬「俺達非チョコレート受給者のストレスからの解放」
野明「……良くやるよ」
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:37:07.77 ID:e0oYdWI/0
ガチャッ
熊耳「あら着替えてきたの太田君。遅かったわね」
太田「………」ボケーッ
野明「あ、太田さんの分の書類はそこにあるよ」
太田「………」ニヤニヤ
野明「太田さん?」
熊耳「太田くんっ!」
太田「はっ!はい!熊耳巡査部長!!」シャキッ
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:37:47.95 ID:e0oYdWI/0
熊耳「ぼうっとしてるみたいだけど、具合が悪いの?」
太田「い、いえ!失礼いたしました!」ビシッ
太田「………」ボケーッ
野明・熊耳「………」
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:38:21.78 ID:e0oYdWI/0
野明「…なんだか太田さんの様子おかしくありません?」ヒソヒソ
熊耳「おかしいどころじゃないわよ。あんな太田くん、見るの初めてだわ」ヒソヒソ
太田「………ふへへへ」ニヘリッ
野明「……わ、笑った!?」ヒソヒソ
熊耳「………笑ったわね」
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:49:21.47 ID:e0oYdWI/0
ウー!ウー!ウー!ウー!
『第2小隊に出動要請!台東区上野にて不審な行動をするレイバーが出現!現場に急行せよ!繰り返す……』
遊馬「出動か。野明、支度しろ!」
野明「うん!」
熊耳「太田くん、急いで」
太田「…………」ニヤニヤ
野明「太田さん?」
遊馬「おい太田!行くぞ!」
太田「お、おお!」
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:49:58.13 ID:e0oYdWI/0
遊馬「ったく、太田、おまえ出動だってのになにやってんだよ」ギロッ
太田「存在そのものが規律違反みたいなお前に発言権があるとでも思っとるのか」ギロッ
太田・遊馬「やるかァアァァァアー?」
熊耳「おやめなさい!」クワッ
太田・遊馬「……はい」
83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:50:23.36 ID:e0oYdWI/0
《現場》
レイバー(お前ら)「おーうおうおう!おーうおう!おーう!おーう!」
警察官「そこの不審なレイバー!直ちに停止しなさーい!」
後藤「……で、停止する位なら、俺達は要らないよなぁ」
熊耳「配置、完了しました」
後藤「はいご苦労様」
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:52:05.38 ID:e0oYdWI/0
警察官「状況なんですけどね、まあ別に破壊行為なんかは行ってないんですけど、泣き叫ぶやら、なんやらで、近所迷惑なことは確かでして…」
後藤「なるほど」
レイバー(お前ら)「どうしてかな!あいつは俺にチョコレートをくれなかったんだ!!俺はあんなに、あんなに、貢いだのに……貢いだのにぃぃぃ!!!!!!!」
野明「どうしてかな…って聞かれても……ねえ」
遊馬「どうしようも出来ないよな」
後藤「……どこも似たようなこと、やっとるんだなぁ」
レイバー(お前ら)「うああ!ああ!ああ!ううううう………あああああああ!!!」
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:53:14.32 ID:e0oYdWI/0
遊馬「隊長、相手は何にもしてないんですから、このままあいつの気が済むか、稼働限界になるかまで放っといたらどうです?お互い大事にならなくてWINWINでしょう」
後藤「篠原。みんなで幸せになりたいのは山々なんだがさ、…まあ、ないとは思うんだけど、万が一、暴れられたりしたら我々まとめてクビなんだよねぇ…、クビだよクビ。」
遊馬(……正直同情の余地あり、なんだがなぁ)
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:53:58.08 ID:e0oYdWI/0
後藤「右に同じ」
遊馬(よ、読まれた…?)
後藤「読んだも何も、顔に書いてあるし」
遊馬(い、一体なんなんだ…この中年は……)
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:56:56.98 ID:e0oYdWI/0
遊馬「ってことで野明、適当に相手を威嚇して、操縦席から降ろせ!」
野明「了解!」
イングラム(野明)「そこの不審なレイバー!近所迷惑だから、直ちに降りなさい!今なら何の罪にもならないから早く!」
レイバー(お前ら)「ゲエェ!と、と、特車2課!!こっ、殺される!!!!」
イングラム(野明)「人聞き悪いな……一応死人は出してないはずなんだけど……」ショボン
遊馬「……落ち込むな野明、いつものことだろ」
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:57:44.62 ID:e0oYdWI/0
イングラム(野明)「とにかく!何にもしないから、降りてきて、ねっ?」
レイバー(お前ら)「………なら誠意を見せてほしい」
イングラム(野明)「せ……せいい?」
レイバー(お前ら)「素直に降りたらチョコレートくれ!」
イングラム(野明)「え、ええー……」
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:58:11.50 ID:e0oYdWI/0
レイバー(お前ら)「くれないなら降りんぞ!」
イングラム(野明)「はいはい、わかったわかった。チョコレートでも何でもあげるから素直に降りてね」
レイバー(お前ら)「……本当だな」
イングラム(野明)「約束は守ります。お巡りさんなんだから」
レイバー(お前ら)「いやっほおおおおおおお!!!!カーチャン以外から初めてチョコレートもらえるぞぅぅうううう!!!」
野明(なんで私があげなきゃならないんだか全然よくわかんないけど)
野明(解決するんなら、いっかぁ……)
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:59:07.49 ID:e0oYdWI/0
レイバー(お前ら)「ゴディバ!」
イングラム(野明)「へ?」
レイバー(お前ら)「ゴディバくれ!」
イングラム(野明)「ちょ、ちょっと!流石に贅沢言い過ぎだよ!」
レイバー(お前ら)「嫌なら……」
イングラム(野明)「ああん!もうわかった!わかったから!ゴディバでもゴテンバでもオテンバでもなんでもあげるから降りてきなさい!」
レイバー(お前ら)「3000円くらいのじゃなきゃダメだからな!」
イングラム(野明)「わかったから早く!」
一同(この男は遠慮というものを知らないのか……?)
97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:04:23.90 ID:e0oYdWI/0
熊耳「そういう訳で太田くん。泉巡査一人でも大丈夫みたいだから、私達は待機しましょう」
太田「………」ニヤニヤ
熊耳「太田くん、返事は!」
太田「へっ!」
太田「りょ、了解!リボルバーで敵を威嚇でありますね!!」
熊耳「いや、ちがっ……」
98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:05:37.76 ID:e0oYdWI/0
太田「ぬおおおおおおおお!!!」ジャキッ
熊耳「ちょ、太田く……」
太田「往生せいやああああああああああああああ!!!!!!」
バキュウウウウウウン!!!!
遊馬「お……太田ぁ!?」
後藤「あーあー……撃っちゃったよ……」
警察官「……」ギロッ
後藤「あ……」
後藤「あははー……」
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:06:33.76 ID:e0oYdWI/0
バキュウウウウウウン!
野明・お前ら「ぬああああああ!?」
イングラム(野明)「ちょ、ちょっと太田さん!一体どういう……」
レイバー(お前ら)「こ、こ、殺される………」
イングラム(野明)「お、落ち着いて!今のはほら手違いっていうかさ……」
レイバー(お前ら)「殺される!!逃げろおおおおお!!!!!!」
ドドドドドドドドドド!!!!
イングラム(野明)「ちょ、待って!待ってよぉっ!!」
100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:07:17.07 ID:e0oYdWI/0
遊馬「なにしてくれるんだよ太田!」
イングラム(太田)「お、俺は指示に従っただけだぁ!!」
熊耳「……誰もそんな指示してないわよ太田くん」
イングラム(太田)「いやしかしぃ………」
熊耳「早く追いかけなさい!!!!」
イングラム(太田)「はい!!!」ガシャン!ガシャン!
熊耳「………」
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:08:14.93 ID:e0oYdWI/0
イングラム(野明)「待って!待ってよ!」ガシャン!ガシャン!ガシャン!
レイバー(お前ら)「殺される!殺される!殺される!」ドドドドド!!
イングラム(野明)「……聞く耳持たないなら無理やりにでも!」ガシャン!ガシャン……
イングラム(野明)「捕まえてやるんだからあああああ!!!!!!」
103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:08:52.28 ID:e0oYdWI/0
イングラム(野明)「どおおおりゃあああああああ!!!」
ガバッ!
レイバー(お前ら)「!?」
イングラム(野明)「捕まえたぁ!!」ググググッ
104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:13:35.79 ID:e0oYdWI/0
レイバー(お前ら)「は、羽交い締めにされた!殺される!殺されるぅ!!」ジタバタジタバタ
イングラム(野明)「素直に出てきなさい!!チョコレートあげないぞ!」ググググッ
レイバー(お前ら)「嫌だ!嫌だ!嫌だ!」ジタバタジタバタ
野明(仕方がない!スタンスティックでとどめを……)
野明(って!この体制じゃ使えないよ!)
105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:14:55.50 ID:e0oYdWI/0
ガシャン!ガシャン!ガシャン!
イングラム(野明)「!」
イングラム(太田)「泉ィィィ!!!!」
イングラム(野明)「太田さん!!」ググググッ
106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:15:26.90 ID:e0oYdWI/0
イングラム(太田)「なんだそのザマは!」
イングラム(野明)「って太田さんのせいでしょっ!!」ググググッ
イングラム(野明)「は、はやくスタンスティックでぇ……!」グググググググッ
イングラム(太田)「……そのまま動かすなよ」ジャキッ
遊馬「って、聞いてるのか太田!なんでこの距離でリボルバーを出すんだよ!!スタンスティックで攻撃しろと……」
イングラム(太田)「泉、しっかり押さえておけ…!」
イングラム(野明)「……ちょ、ちょっと太田さん!?」グググッ
遊馬「アホか!この距離で外れたら……」
107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:16:26.21 ID:e0oYdWI/0
イングラム(太田)「だから、外さんようにやっとる!」
遊馬「そういう問題じゃあないと……!」
熊耳「……いえ、太田くんの判断は正しいわ」
遊馬「くっ、熊耳さん?」
熊耳「この態勢で電磁警棒を使えば、泉さんだってただじゃ済まないわ。でも、リボルバーカノンなら、うまくいけば相手のエンジンのみにダメージを与えられるわよ」
遊馬「そりゃ、上手くいけばの話でしょう?問題は撃つのがあの太田だってことで…」
熊耳「あら、忘れたの篠原巡査。太田くんの止まっている対象物への命中率」
遊馬「……あっ」
108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:16:58.22 ID:e0oYdWI/0
イングラム(太田)「………往生」
熊耳「演習においてはほぼ100パーセントよ」
熊耳「そして、対象は泉さんがしっかり押さえてくれているとなれば………」
イングラム(太田)「せいやああああああああああああああ!!!!!!」
バキュウウウウウウン!!!!
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:22:19.52 ID:e0oYdWI/0
―――――――
《特車2課》
野明「………本当に一時はどうなることかと」
山崎「怪我がなくって、本当に良かったですねぇ」
遊馬「しっかし、アレな話だな。彼女にチョコレート貰えなかったくらいで、こんなことになるってのは」
野明「遊馬たちだってヒステリック起こしてるって点では一緒だろ」
遊馬「…一緒にするなよな」
シバ「ちなみにさ、あのレイバーに乗ってた男もアイドルオタクだったらしいよ」
山崎「……天と地の差ですね」
110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:22:48.91 ID:e0oYdWI/0
シバ「そう言えば、うちの勝ち組は?」
遊馬「隊長にお説教喰らってるころだろうな」
《隊長室》
熊耳「………」ドサッ
太田「………」ドサッ
進士「………」ドサッ
後藤「申請書に詫び状に始末書に始末書に始末書に始末書に始末書。これ、明日までによろしく」
熊耳・太田・進士「……はい」
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:26:53.93 ID:e0oYdWI/0
後藤「まあ、なんだ太田。まあ……あー、出動中にボケッとしてるのは誉められることじゃないというかだな……」
太田「…申し訳ありません」
後藤「まあ……俺に言われても説得力はないかも知れんが」
南雲「………」ぷふっ
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:27:36.60 ID:e0oYdWI/0
後藤「いやさ、その、まあ、やる気に満ちてるのは良いことなんだけど、ほら、バックアップの仕事がなくなっちゃうからさ」
太田「はい」
後藤「俺達は『今度から頑張ればいい』ってのは出来ないわけ…って同じ様なこと、前に言ったっけな。新しいフレーズってのは、案外、思い浮かばんもんだなあ……」
太田「……はい」
114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:28:25.25 ID:e0oYdWI/0
後藤「とにかく、自分の役割を考え直すように。以上。南雲隊長からは?」
南雲「右に同じよ」
後藤「ってことで解散。回れ右、左、右」
熊耳・太田・進士「………」クルッ
熊耳・太田・進士「………」クルッ
熊耳・太田・進士「………失礼しました」クルッ
後藤「お見事」
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:33:15.62 ID:e0oYdWI/0
パタン……
南雲「後藤さんのところは良いわね。毎日が何だったかしら……そう、レクリエーションで」
後藤「って言うより、『毎日がエブリデイ』だからなぁ……」
後藤「それよりしのぶさん」
南雲「どうしたの手なんか出して」
後藤「……ほら」
南雲「なに?」
後藤「ほら」
116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:33:43.01 ID:e0oYdWI/0
南雲「だからなんなのよ」
後藤「『バ』のつく」
南雲「ば?」
後藤「そう『バ』のつく」
南雲「ああ、なるほど」
後藤「……気がついた?」ニヤニヤ
117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:34:57.17 ID:e0oYdWI/0
南雲「『馬券』、買うんだったら自分のお金で買って下さい。お金は貸さないわよ」
後藤「………」
118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:35:38.76 ID:e0oYdWI/0
―――――
シバ「んで、どうすんのよコレ」
野明「………太田さんのチョコレートか」
シバ「そう。太田ちゃんの彼女の有力な手掛かりでしょ」
遊馬「……開けるか」
野明「あ、遊馬!本気!?」
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:38:45.58 ID:e0oYdWI/0
遊馬「もう気になって気になって仕方ない!夜も眠れんぞこのままじゃ」
野明「だけど……」
遊馬「別に本人に渡さないとは言ってないだろ。見た以上、プライバシーも勿論守る」
野明「………そういう問題じゃ」
熊耳「……ちょっとだけならば包みは直せるわ」
進士「いっそ、梱包自体をそっくり変えるっててもあります。伝票部分を上手く誤魔化せば……」
野明「く、熊耳さんに進士さん……いつの間に」
120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:39:31.30 ID:e0oYdWI/0
遊馬「ま、まさかもう終わったんですか、始末書」
熊耳「死ぬ気で終わらせてきたわ」
進士「そりゃもう、正直な話ずっと中身は見たかったんですから」
遊馬「んで野明、お前はどうなんだ」
野明「えっ?あたし?そりゃ……」
野明「……そりゃみたいよ」
シバ「ってことで決まり!野郎共、慎重に開けろよ!慎重に!」
整備員一同「了解!」
121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:41:46.97 ID:e0oYdWI/0
ペリ………
一同「………」ゴクリ
ペリペリ……
一同「………」ゴクリ
ペリペリペリペリ…
パカッ
一同「おおおおお!!」
122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:51:13.76 ID:ZlC8FsvTO
シバ「こ、こ、神々しい光がァアアアアアァアアアアア!!!」
遊馬「俺には眩しい!眩しいぞ!」
整備員一同「目がァアアアアア!目がァアアアアア!」
野明「全然眩しくないよ」
熊耳「馬鹿なことやってないで」
男一同「………」
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:56:14.24 ID:ZlC8FsvTO
野明「中身はやっぱりハート型かぁ……」
遊馬「ハートはハートでも、ほら真ん中に白い文字が」
『功さんへ☆大好きだよ!』
一同「………うへぇ」
シバ「………なんか、俺達の精神衛生上良くないね」どんより
山崎「何なんでしょう、この感じは」どんより
野明「ちょ、ちょっとみんな……」
124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:58:41.10 ID:ZlC8FsvTO
シバ「………因果応報かな」
遊馬「……とりあえず太田に彼女がいることは拭い去れない事実だと言うことがよーく分かった」
シバ「梱包しなおすよー」
整備員一同「………了解」
ヒラリ
野明「ん……なんだこの紙」
遊馬「……ラブレターかなんかだろ」どんより
野明「いや、ちがうよ。パソコンかなにかで打ってあるみたい。ええと……」
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:01:28.95 ID:e0oYdWI/0
――――――――――――――
太田功様
☆当選おめでとうございます!☆
この度は、「松本加奈の手作りチョコレートプレゼントキャンペーン」に
ご応募いただきありがとうございました!
厳正なる抽選の結果、見事あなたが当選いたしました!
おめでとうございます。今後も松本加奈を応援よろしくお願いします
松本加奈ファンクラブ事務局
――――――――――――――
一同「………えっ」
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:02:27.09 ID:e0oYdWI/0
野明「ま…松本加奈ちゃんの……手作りチョコレート…?」
遊馬「…ああ、そう言えば……あのレイバーに乗ってた奴もなんかそんなようなこと……」
レイバー(お前ら)『どうして加奈!あいつは俺にチョコレートをくれなかったんだ!!!!俺はあんなに、あんなに、貢いだのに……貢いだのにぃぃぃ!!!!!!!』
野明「『どうしてかな』じゃなくて『どうして加奈』……だったのかな、もしかして」
シバ「じゃ、じゃあ、このチョコレート………」
進士「彼女からなんかじゃなくって、抽選で当たったアイドルのチョコレート………」
一同「………」
128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:02:50.84 ID:G6lk/Fbj0
なるほど、そういうことか
129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:03:52.72 ID:e0oYdWI/0
整備員A「梱包、終了しました」
遊馬「よし。じゃあ今日中に太田に渡しに………」
太田「なんだ、お前らまだいたのか。」
一同「おっ、太田(さん)(くん)!?」
太田「小包は届かなかったか」
シバ「……い、いま!いま届いたよ!」
太田「おお!来たか来たか来たかぁ!」
太田「おお……加奈ちゃ~ん!後でお礼の手紙を書かなくてはなぁ……!」
太田「……加奈ちゃん」ボケーッ
一同「………」
太田「ぐへへ、見ろ!羨ましいだろう!」
一同「………」
一同(………ごめんなさい、太田(さん、君))
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:04:55.09 ID:e0oYdWI/0
画して怒濤のような2月14日は過ぎ去った。
いや、正確には上海亭にて2月15日深夜まで懇親会と題して太田への罪滅ぼしが行われたのだが。
遊馬「くっそぉ……結局、俺達はチョコレート貰いはぐっちまったよぉ……」
シバ「ううっ……ううっ……」
整備員一同「チッキショー……」
太田「情けないぞぉ!」
遊馬「うるせぇ!お前に発言権はない!」
遊馬「そぉだあ!同じく負け組になってそうな後藤隊長をよべぇ!」
シバ「絶対南雲隊長から貰えてないに10000000000000000円かけてもいい!」
遊馬「おい、のあー!ひゃれ、のあは?」
シバ「そういや、途中から見かけないねぇ……」
ポンッ
遊馬「へっ」
野明「もう、飲み過ぎだぞ」
熊耳「お酒はほどほどに、ね」
遊馬「野明!」
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:05:42.21 ID:e0oYdWI/0
シバ「熊耳さん!どこいってたのよぉ!」
野明・熊耳「………うふふっ」
野明「はい、これ!ギリギリ12時に間に合ったぞ!」
遊馬「………これ」
熊耳「私と泉さんで急遽上海亭の調理場を借りて作ったのよ。人数分あるわ」
遊馬「………」ジッ
シバ「………」ジッ
山崎「………」ジッ
太田「………」ジッ
整備員一同「………」ジッ
男一同『いよっしゃあああああああああ!!!!!!』
132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:06:36.32 ID:e0oYdWI/0
野明「もうみんなってば!」
熊耳「……大げさなんだから」
後藤「で、俺の分もある?」
一同『ご、後藤隊長!?』
野明「一体どこから……」
■TO BE CONTINUED
この物語はフィクションである……
が、 10年後においては定かではない。
133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:11:00.36 ID:e0oYdWI/0
長時間お付き合いありがとうございました。
他にも書いてた様な気がするのでよかったらそっちもどうぞ
あと柘植は 絶 対 に 許 さ な い
134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:11:04.24 ID:G6lk/Fbj0
お疲れ様でした
特車2課・第2小隊オフィス
野明「………」
熊耳「………」
山崎「………」ソワソワ
進士「………」ソワソワ
遊馬「………」ソワソワ
野明「……ねぇ熊耳さん」
熊耳「なぁに泉さん」
遊馬・山崎・進士「!」ガタン!
野明「ちょ、ちょっと、どうしたんだよいきなり」
遊馬「いや……別に……」
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:02:59.57 ID:7o2WmJuL0
野明「なんか……朝からみんな、ちょっとおかしくない?」ヒソヒソ
熊耳「そうねぇ、整備班もいつもより落ち着きがなかったわね」ヒソヒソ
野明「……なんなんでしょうね」
熊耳「なんなのかしらねぇ……」
遊馬(……ちきしょ!あの二人、わかってるくせに惚けやがって!)ソワソワ
山崎(……貰えるのかなぁ、貰えるのかなぁ)ソワソワ
進士(ベ、別に多美子さんから貰えるわけだし、そんなアセアセする必要も……いやでもやっぱりここは職場の人間関係を円滑に……)ソワソワ
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:03:40.07 ID:7o2WmJuL0
野明「あれ、そう言えば太田さんは?」
熊耳「太田君なら、何だか本庁に直接提出しなきゃならない書類があるとかで遅れて来るみたいよ」
野明「ああ、通りで静かだと」
熊耳「そうねぇ、太田君がいないとこんなに静かなのよねぇ……」
遊馬(……そうだ、渡すなら軟弱だとか何だとかギャーギャーうるさい太田が帰って来る前に!)
山崎(太田さんがいると色々厄介ですからね……)
進士(ですから、お二人とも……)
遊馬・山崎・進士(さあ!さあ!さあ!)
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:07:12.55 ID:7o2WmJuL0
ガラッ
シバ「やっほー!泉ちゃん!熊耳さん!」
整備班一同「どうもこんにちは!」
野明「あれ、シゲさんたち、どうしたの?」
熊耳「わざわざ全員そろって……」
シバ「やぁ、いい天気だと思って!さぁ!ねぇ?」チラッ
整備員A「本当、今日はいい天気ですねぇ!」チラッ
整備員B「本当、今日はなんだか特別な日のような気がしてきたぞ!」チラッ
野明「?」
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:07:38.81 ID:7o2WmJuL0
熊耳「……一体どうしたのよ」
シバ「ほら……バのつく!」
野明・熊耳「バ?」
遊馬「そうだ野明!今日はバのつく……ほらっアレだアレ!」
野明「バ……バ……バ……うーん」
一同「………」ゴクリ
野明「ああっ!」
一同「おおっ!」
野明「アルフォンスの『バランサー点検の日』!」
一同「………」ズコーッ
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:08:08.86 ID:7o2WmJuL0
遊馬「違うっちゅうの!」
野明「じゃあ『バッテリー交換の日』!」
遊馬「違う!」
野明「じゃあ『バビロンプロジェクトが…なんかなった日』?」
遊馬「違う!違う!違う!」
野明「じゃあなんなのさ!」
遊馬「…野明、お前は日頃世話になってる男性職員一同にチョコレートのひとつやふたつ、配ろうって気にはならんのか」
野明「あっ、そっか、今日はバレンタインデーだったんだ……!」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:08:57.80 ID:ine9SKsY0
なぜ今このネタなんだ
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:09:52.19 ID:7o2WmJuL0
>>9
2月に上げようとしたが間に合わなかった
来年の2月までは待てなかった
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:10:34.13 ID:7o2WmJuL0
遊馬「違うっちゅうの!」
野明「じゃあ『バッテリー交換の日』!」
遊馬「違う!」
野明「じゃあ『バビロンプロジェクトが…なんかなった日』?」
遊馬「違う!違う!違う!」
野明「じゃあなんなのさ!」
遊馬「…野明、お前は日頃世話になってる男性職員一同にチョコレートのひとつやふたつ、配ろうって気にはならんのか」
野明「あっ、そっか、今日はバレンタインデーだったんだ……!」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:11:22.27 ID:7o2WmJuL0
シバ「そう!それ!ビンゴよ泉ちゃん!」
野明「……ちょっと待ってよね」ガサゴソ
一同「………」ゴクリ
野明「………」ガサゴソ
野明「………」ガサゴソ
野明「………」
野明「………何にもないや、ごめん」テヘッ
一同「………」ズコーッ
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:11:51.99 ID:7o2WmJuL0
遊馬「無いなら期待させるな!」
野明「だって急に言われたってなんにも無いよ!」
遊馬「だからお前には細やかさ足りないっちゅうんだ!」
野明「貰う側の言うセリフか!」
シバ「ま、まあ、泉ちゃんだし」
山崎「そうですよ泉さんですし」
進士「泉さんですから」
遊馬「まあ、野明だからな……」
野明「……皆してどう意味だよ、それ」
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:12:26.50 ID:7o2WmJuL0
遊馬「って事で熊耳さん!熊耳さんなら……」
熊耳「………」カタカタカタ
進士「あの……」
熊耳「…………」カタカタカタカタカタ
進士「熊耳……さん?」
熊耳「……………」カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
シバ「……」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:13:28.42 ID:7o2WmJuL0
遊馬「野明もダメ、熊耳さんもダメ、ということになるとうちにいる女性警官は」
一同「南雲隊長」
遊馬「……」
シバ「……」
進士「……」
山崎「……」
遊馬「解散」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:14:35.40 ID:7o2WmJuL0
シバ「かいさん、かいさーん!これからイングラムのバランサーのチェック、しなきゃなんないんだからさぁ!日付変わるまでに終わらせないとおやっさんに海に叩きこまれるよぉ!」
整備員A「ちぇー……」
ゾロゾロゾロゾロゾロゾロ……
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:34:54.93 ID:7o2WmJuL0
遊馬「はあ、可哀想だなぁ、俺達。ここ数年、世間一般のイベントに何一つ関われてない」
山崎「クリスマスはありませんでしたし、お正月もありませんでしたよね」
遊馬「GWもなけりゃ夏休みも海開きも勤労感謝の日すら除け者だ。こんなに働いてるのにおかしい話だろう、全く」
遊馬「んで、その中で…唯一手軽に実現可能なのがバレンタインデーってわけだ。チョコレートを渡しゃそれで済むんだからな」
野明「だったら、欲しいなら欲しいって前々から言っておくべきでしょ。未練がましいぞ遊馬」
遊馬「…そう言う問題じゃない」ムッ
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:35:39.49 ID:7o2WmJuL0
野明「そんなにチョコレートが食べたいんだったらコンビニで買ってくればいいじゃない。はい、1000円。大きい袋3つくらいあれば全員分足りるだろ」
遊馬「…だからお前は何にもわかっとらんっちゅうんだ」ハァ
野明「なにがだよ」ギロッ
山崎「あ……あの、なんか雰囲気が……」
進士「ぼ、僕たちがはしゃぎ過ぎちゃっただけですから泉さん……」
熊耳「そんなことより、始末書、終わったの?提出は今晩よ」カタカタカタカタカタ
遊馬・野明・山崎・進士「………はい」
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:36:10.66 ID:7o2WmJuL0
ガチャッ!
シバ「ちょっとぉ!事件だよ事件!」
遊馬「まーた、後藤隊長の馬券が当たったとか?」
進士「今度は3000円くらいですかね」
シバ「そんなチンケな話じゃなくてぇ!来たんだよ!太田さんに!」
熊耳「太田くんに?」
野明「何が?」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:37:18.39 ID:7o2WmJuL0
シバ「小包が!」
遊馬「そら小包くらいは来るだろうよ」
進士「そうですよ、いくら人付き合いが悪い太田さんだって小包くらいは」
シバ「問題は中身!中身なのよほら!」
遊馬「えー、中身は食品」
野明「…『チョコレート』」
一同「…………」
一同『うええええええ!!!?』
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:39:17.97 ID:7o2WmJuL0
野明「おっ、太田さんにチョコレートぉ!?」
熊耳「ま、まさかそんな……バカな」
遊馬「破壊狂で銃マニアで、歩く火薬庫、、正義の狂戦士、マッドポリスマン、瞬間核融合炉と呼ばれた松本加奈ファンクラブ会員番号0001番を持ってるようなアイドルオタクの太田にそんなもん来るわけがない!断じてない!!」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:40:03.79 ID:7o2WmJuL0
シバ「でも宛名は太田ちゃんなのよ。ほら」
進士「『東京都港区13号埋立地特車2課・太田功様』……太田さんですよ、間違いなく」
野明「さ、さ、差出人は!?」
シバ「それが破れちゃってて分かんないのよ。今日は忙しいんで後日持ってくるとは言ってたけど」
一同『………』
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:40:51.75 ID:7o2WmJuL0
遊馬「差出人が分からんとなれば、だ…誰が太田に送って来たんだかますます気になるってのが人情だ」
進士「でも分からないんじゃなんとも。プライバシーの観点から聞いても業者は答えてくれませんし」
熊耳「ちょっとみんな、仕事中よ。それに、太田くんの個人的な問題なんだし……」
遊馬「熊耳さんは気にならないんですか?」
熊耳「き、気にならない……と言えば嘘になるけど」
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:45:10.21 ID:7o2WmJuL0
遊馬「それはいけない。気になったまま仕事をすれば効率が落ちる」
熊耳「……そうかしら」
一同「そうです!」コクコク
遊馬「それに、あんまり気にしすぎるとイライラする」
シバ「イライラするとお腹がすいちゃう!」
進士「で、お腹がすくとイライラしますし」
シバ「んで!イライラするとお腹がすいちゃう!」
山崎「でお腹がすくと……」
熊耳「ああ!もうわかった!わかったわ!」
一同(……第一関門突破!)グッ
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:46:24.61 ID:7o2WmJuL0
遊馬「んで、話を戻すと、三通り考えられる」
遊馬「一つ、第三者が太田に送ってきた。一番あり得そうな話に思えるが太田に限っては一番あり得ない」
遊馬「二つ、実家の母親が太田に送ってきた。間違えて職場に送ってしまうあたりが実に母親らしい」
野明「……そうかなぁ。母親なんだからそう言うところは気をつけるんじゃない?」
遊馬「……三つ、太田が自分自身に送った。俺としてはこれを一番推したい」
野明「まさか」
熊耳「そんな……ねぇ」
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:48:07.53 ID:7o2WmJuL0
進士「いや、意外にあることなんですよ…それが……。学校なんかでは見栄を張るために自分で自分の下駄箱にチョコレートを入れる生徒もいましたから」
シバ「でもあの太田ちゃんが、そんな自作自演するかぁ?」
遊馬「一番しなさそうな人間がやるから自作自演の意味がある。わざわざ特車2課に送ってくるあたりがなんとも……」
野明「あれっ、これ翌日到着ってなってない?」
熊耳「本当だわ。ということはチョコレートが発送されたのは昨日ってことになるわね」
シバ「だとすると……あれぇ?ちょっとおかしくなぁい?」
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:48:59.73 ID:7o2WmJuL0
シバ「昨日は確か第2小隊は一日中勤務だった訳でチョコレートを買いに行く暇も、ましてや、遠くの郵便局もしくは宅配便の営業所に行くなんて無理に等しいようなもんでしょ」
遊馬「じゃ、じゃあ!実家の……」
野明「それも変だよ。太田さんの実家って岩手でしょ?確かここの会社、岩手って範囲外じゃなかったっけ」
熊耳「速達でもないし……岩手からここまで1日では無理ね」
遊馬「じゃあ……まさか」
一同『第三者から…………!』
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:49:47.35 ID:7o2WmJuL0
遊馬「いや、でも太田に限って…そんな……」
野明「太田さんに送りそうな相手と言ったら……」
進士「……香貫花さん」
一同「………まさか」
野明(……でも意外とあり得るような)
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:50:36.51 ID:7o2WmJuL0
シバ「でもそしたら普通海外なら海外だって書いてあるんじゃないのぉ?」
野明「だ、だよねぇ!」
熊耳「海外なら翌日到着は更に考えにくいわ」
野明「香貫花の線も消えたか……」
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:51:24.66 ID:7o2WmJuL0
進士「翌日到着ってことはですよ、首都圏……まあせいぜい長野から静岡あたりだとして」
山崎「……そうだ、あの…太田さんが前にお見合いをした方とか」
遊馬「あの二人結婚したんだろ。旦那がいるっていうのにわざわざ送るか?」
野明「でもその線はありだよひろみちゃん!事件解決のお礼みたいな感じでさ」
遊馬「特車2課の悪評のほとんどを築き上げたような男に、か?」
野明「……わかんないよ、意外と」
熊耳「そうねぇ、チョコレートが太田くんに届いてること自体は揺るぎない事実なんだから、そういう線が濃厚かもしれないわよ」
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:51:51.01 ID:7o2WmJuL0
カラカラカラカラ……
シバ「………うーん」
カラカラカラカラ……
シバ「あとちょっと……」
野明「何やってるのシゲさん」
シバ「いやね、中身の形状がわかんないかなーって思ってさぁ」
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:52:56.29 ID:7o2WmJuL0
野明「箱振っただけでわかるの?」
シバ「まぁ、食玩の類で養ったからね、うーん……これはぁ……」
一同「これは!?」
シバ「………間違いなく」
一同「………間違いなく?」
シバ「ハート型だね、こりゃ」
一同「………」
一同『ハート型ァァァアアアアア!?』
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:56:47.59 ID:7o2WmJuL0
遊馬「は、は、ハート型のチョコレートがあの太田に……」
一同『ぶううううううう!!!!』
野明「ちょ、わ、わらっちゃ悪いよ、んひっ!」
遊馬「そ、そ、そういうお前も……ぶふっ!」
熊耳「だ、だめよわらっちゃ……んふっ!」
シバ「ひぃー!ひぃー!お、太田ちゃん!!!!!!!!!!」
山崎「んふっ……!」
進士「お、お、太田さんにハート型のチョコレートぉ!ドゥフッ!!!!!!」
一同(死ぬ!笑い死ぬ!!!)
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:57:41.29 ID:7o2WmJuL0
一同『…………ふぅ』
野明「……一通り笑って落ち着いて考えてみるとさ」
遊馬「……なんだ」
野明「いくらなんでも、お礼にハート型のチョコレートは送らないよね」
遊馬「……送らんな」
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 23:58:58.46 ID:7o2WmJuL0
シバ「すんっっっごい、愛されてるよね」
進士「職場にハート型のチョコレートを送りつけてくるくらいですからね」
野明「………どういう人なんだろう」
遊馬「想像するだけ体力の無駄だ。ただ」
野明「ただ?」
遊馬「美人だったら頭にくる」
野明「………なんじゃそら」
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:00:01.61 ID:e0oYdWI/0
進士「とにかく、相手は相当太田さんに熱をあげてますよ。」
シバ「しかもわざわざ見せびらかすように送ってきてるんだから、いやだねぇー」
遊馬「……やっぱり太田には俺たちの知らない間に女がいたのか」
シバ「こりゃ確定事項だね……」ドヨン
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:00:49.96 ID:e0oYdWI/0
進士「想像するに、かなり自分に自信のある人ですよ。それから太田さんの行動範囲を考えると都内でしょうね。」
遊馬「ってことは美人なのか!?美人ってことなのか!?」ぐいっ
進士「ま、まあ、確定はしませんけど……多分…美人でしょうね……」
遊馬「ぬわあああああああああああ!!!」
遊馬「どうして太田なんかに彼女が出来るんだよ!それも!美人が!おかしい!おかしい!おかしいいいいぃぃぃ!!!!」グワッ
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:01:47.17 ID:e0oYdWI/0
熊耳(みんな想像力たくましいわねぇ………)
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:02:47.59 ID:e0oYdWI/0
野明「なんでって、遊馬にはなくて太田さんには何か美人をひきつける魅力みたいなのがあったんじゃないの?」
遊馬「太田の魅力?なんだよそりゃ!」
野明「声が大きい」
進士「止まっている相手なら百発百中ですよ」
山崎「よく食べますよね」
シバ「ああ、あと上司には従順かな」
熊耳「耳がいいわよ」
遊馬「………魅力か?」
一同『………』
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:06:21.80 ID:w8TCy+vTO
太田さんはいい人カッコいい
野明が凶悪犯に襲われたかもしれないって心配してる時とか超カッコいい
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:11:39.44 ID:MvYdCFyN0
いい人なんだけどね
漫画版の太田さんが殺人犯じゃないかと疑われた話を思い出した
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:17:14.57 ID:e0oYdWI/0
野明「でも気になるよね、やっぱり太田さんの彼女」
進士「やっぱり意外とアイドルオタクな太田さんのことですから、亭主関白に見せかけて…」
(以下想像)
太田「○○たん帰ったぴょん!」
女「功たんおかえりだぴょん!」
太田「今日も疲れたぴょん……」
女「功たん元気だすぴょん!ぴょんぴょんビーム!!」
太田「元気が出たぴょん!ありがとぴょん!」
一同「………」
一同「おええ……」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:18:08.97 ID:e0oYdWI/0
野明「って言うかこんな感じの話、ずっと前にもしたような気がするんだけど…」
遊馬「…気のせいだ」
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:20:36.10 ID:e0oYdWI/0
野明「……とにかくさ、太田さんに直接聞いてみたら?」
遊馬「ダメだ!お前は事態の深刻さがわかっちゃいない!」
遊馬「太田には彼女がいて、われわれにはいない!」
シバ「これは由々しき事態なので究極超人あ~る!!」
男一同『………』ウンウン
進士「…僕には多美子さんがいますけどね」
男一同『………』ギロッ
進士「ヒイッ!!」
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:21:14.31 ID:e0oYdWI/0
遊馬「………開けるか」
野明「ま、まずいよそれ!」
シゲ「だけど気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって仕方ないよぉ!これじゃあ仕事も手につかない!!」
整備員一同「そうだそうだ!我々をこういう状態にした太田には我々をスッキリさせる責任と義務がある!」キリッ
野明「………むちゃくちゃだなぁ」
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:21:39.90 ID:e0oYdWI/0
熊耳「駄目よ。警察官たるもの、規範に沿った生活をしなきゃ。いくら気になるっていったって」
遊馬「熊耳さんは中身が気にならないんですか?」
熊耳「そりゃ気になるわよ。なるけど……」
シゲ「なるんだったらみちゃえば?」
熊耳「だ、だめよ!」
遊馬「でも気になるんですよね?」
熊耳「そ、それは……」
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:23:25.06 ID:e0oYdWI/0
ガチャッ
一同「…ッッ!?」
太田「帰ったぞ」
一同「……太田(さん)(くん)!!!」
ガバッ!!!!!!
太田「……なんなんだおまえ達は」
一同『お、おかえり~~……』
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:24:22.07 ID:e0oYdWI/0
太田「………」ジロッ
野明「な、な、なんでもないよ!ねっ!」
山崎「そ、そ、そ、そうです!何でもありませんよ!」コクコク
進士「え、え、え、ええ!もう何でもありません!」コクコク
熊耳「ほ、ほ、ほ、ほら太田君!き、着替えてきたら!」コクコク
シバ「そ、そ、そ、そ、そうだよ!ね!」コクコク
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:25:46.98 ID:e0oYdWI/0
太田「……やっぱり何かあったのか」
一同「なんにも!!!!」
太田「………」
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:26:34.62 ID:e0oYdWI/0
太田「…まあいい。ああ、それから」
一同「!」ギクッ
太田「……俺に小包が届かなかったか?」
一同「!」ギクギクッ
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:27:22.22 ID:e0oYdWI/0
野明「さ、さ、さ、さあ………」
シバ「し、し、し、し、しらないよね!!」
遊馬「あ、あ、あ、ああ!ああ!」コクコクコクコク
太田「そうか」
……ガチャッ
バタン………
一同「………」
一同「……ほっ」
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:28:01.61 ID:e0oYdWI/0
熊耳「あ、危なかったわね……」
野明「とりあえずごまかせたみたいだけど」
遊馬「……届いてないと言っちまったが」
一同(どうするよ………)
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:29:12.80 ID:e0oYdWI/0
【廊下】
南雲「…一体何をやってるのよ、後藤さんのところは」
後藤「………」
後藤「季節連動型レクリエーション」
南雲「………」ハァ
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:31:38.02 ID:e0oYdWI/0
野明「……どうするよ」
遊馬「わざわざ言葉にするんじゃない」
シバ「……いっそ本当に開けちゃう?」
野明「ダメだよ!太田さんが帰ってきてるんだからさぁ!」
遊馬「って言ったって、このままじゃ気になって仕事が手に着かん」
野明「だから太田さんに素直に聞きなってば……」
男一同『それだけは死んッッッッッでも嫌だ!!!』
野明・熊耳「……」ハァ
76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:33:03.37 ID:e0oYdWI/0
遊馬「……とりあえず、太田が帰ってきた以上は迂闊にはこの話題は出せん。」
遊馬「しかしその前にこの件に関する皆の統一した意思と指針をあえて示めして置きたいと思う!!」バッ
整備員A「賛成!」バッ
整備員B「俺達の気持ちは今一つだ!」バッ
男一同『くたばれバレンタイン!くたばれ太田ー!!!』
遊馬「独身主義に乾杯!!」
男一同(進士除く)『独身主義万歳!!!!!!!』
シバ「議題は終業後に持ち越す!解散!」
男一同『了解!!』
ゾロゾロゾロ………
野明「な……なんだなんだ……」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:35:51.10 ID:e0oYdWI/0
【30分後】
野明「……いいの、太田さんのチョコレート」
遊馬「今日中には返すさ。それに野明は気にならんのか」
野明「いや、ものすごく気になる。太田さんの彼女」
遊馬「だろ?興味本位ってのは詮索する第2の理由だからな」
野明「第1の理由は?」
遊馬「俺達非チョコレート受給者のストレスからの解放」
野明「……良くやるよ」
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:37:07.77 ID:e0oYdWI/0
ガチャッ
熊耳「あら着替えてきたの太田君。遅かったわね」
太田「………」ボケーッ
野明「あ、太田さんの分の書類はそこにあるよ」
太田「………」ニヤニヤ
野明「太田さん?」
熊耳「太田くんっ!」
太田「はっ!はい!熊耳巡査部長!!」シャキッ
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:37:47.95 ID:e0oYdWI/0
熊耳「ぼうっとしてるみたいだけど、具合が悪いの?」
太田「い、いえ!失礼いたしました!」ビシッ
太田「………」ボケーッ
野明・熊耳「………」
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:38:21.78 ID:e0oYdWI/0
野明「…なんだか太田さんの様子おかしくありません?」ヒソヒソ
熊耳「おかしいどころじゃないわよ。あんな太田くん、見るの初めてだわ」ヒソヒソ
太田「………ふへへへ」ニヘリッ
野明「……わ、笑った!?」ヒソヒソ
熊耳「………笑ったわね」
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:49:21.47 ID:e0oYdWI/0
ウー!ウー!ウー!ウー!
『第2小隊に出動要請!台東区上野にて不審な行動をするレイバーが出現!現場に急行せよ!繰り返す……』
遊馬「出動か。野明、支度しろ!」
野明「うん!」
熊耳「太田くん、急いで」
太田「…………」ニヤニヤ
野明「太田さん?」
遊馬「おい太田!行くぞ!」
太田「お、おお!」
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:49:58.13 ID:e0oYdWI/0
遊馬「ったく、太田、おまえ出動だってのになにやってんだよ」ギロッ
太田「存在そのものが規律違反みたいなお前に発言権があるとでも思っとるのか」ギロッ
太田・遊馬「やるかァアァァァアー?」
熊耳「おやめなさい!」クワッ
太田・遊馬「……はい」
83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:50:23.36 ID:e0oYdWI/0
《現場》
レイバー(お前ら)「おーうおうおう!おーうおう!おーう!おーう!」
警察官「そこの不審なレイバー!直ちに停止しなさーい!」
後藤「……で、停止する位なら、俺達は要らないよなぁ」
熊耳「配置、完了しました」
後藤「はいご苦労様」
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:52:05.38 ID:e0oYdWI/0
警察官「状況なんですけどね、まあ別に破壊行為なんかは行ってないんですけど、泣き叫ぶやら、なんやらで、近所迷惑なことは確かでして…」
後藤「なるほど」
レイバー(お前ら)「どうしてかな!あいつは俺にチョコレートをくれなかったんだ!!俺はあんなに、あんなに、貢いだのに……貢いだのにぃぃぃ!!!!!!!」
野明「どうしてかな…って聞かれても……ねえ」
遊馬「どうしようも出来ないよな」
後藤「……どこも似たようなこと、やっとるんだなぁ」
レイバー(お前ら)「うああ!ああ!ああ!ううううう………あああああああ!!!」
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:53:14.32 ID:e0oYdWI/0
遊馬「隊長、相手は何にもしてないんですから、このままあいつの気が済むか、稼働限界になるかまで放っといたらどうです?お互い大事にならなくてWINWINでしょう」
後藤「篠原。みんなで幸せになりたいのは山々なんだがさ、…まあ、ないとは思うんだけど、万が一、暴れられたりしたら我々まとめてクビなんだよねぇ…、クビだよクビ。」
遊馬(……正直同情の余地あり、なんだがなぁ)
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:53:58.08 ID:e0oYdWI/0
後藤「右に同じ」
遊馬(よ、読まれた…?)
後藤「読んだも何も、顔に書いてあるし」
遊馬(い、一体なんなんだ…この中年は……)
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:56:56.98 ID:e0oYdWI/0
遊馬「ってことで野明、適当に相手を威嚇して、操縦席から降ろせ!」
野明「了解!」
イングラム(野明)「そこの不審なレイバー!近所迷惑だから、直ちに降りなさい!今なら何の罪にもならないから早く!」
レイバー(お前ら)「ゲエェ!と、と、特車2課!!こっ、殺される!!!!」
イングラム(野明)「人聞き悪いな……一応死人は出してないはずなんだけど……」ショボン
遊馬「……落ち込むな野明、いつものことだろ」
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:57:44.62 ID:e0oYdWI/0
イングラム(野明)「とにかく!何にもしないから、降りてきて、ねっ?」
レイバー(お前ら)「………なら誠意を見せてほしい」
イングラム(野明)「せ……せいい?」
レイバー(お前ら)「素直に降りたらチョコレートくれ!」
イングラム(野明)「え、ええー……」
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:58:11.50 ID:e0oYdWI/0
レイバー(お前ら)「くれないなら降りんぞ!」
イングラム(野明)「はいはい、わかったわかった。チョコレートでも何でもあげるから素直に降りてね」
レイバー(お前ら)「……本当だな」
イングラム(野明)「約束は守ります。お巡りさんなんだから」
レイバー(お前ら)「いやっほおおおおおおお!!!!カーチャン以外から初めてチョコレートもらえるぞぅぅうううう!!!」
野明(なんで私があげなきゃならないんだか全然よくわかんないけど)
野明(解決するんなら、いっかぁ……)
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 00:59:07.49 ID:e0oYdWI/0
レイバー(お前ら)「ゴディバ!」
イングラム(野明)「へ?」
レイバー(お前ら)「ゴディバくれ!」
イングラム(野明)「ちょ、ちょっと!流石に贅沢言い過ぎだよ!」
レイバー(お前ら)「嫌なら……」
イングラム(野明)「ああん!もうわかった!わかったから!ゴディバでもゴテンバでもオテンバでもなんでもあげるから降りてきなさい!」
レイバー(お前ら)「3000円くらいのじゃなきゃダメだからな!」
イングラム(野明)「わかったから早く!」
一同(この男は遠慮というものを知らないのか……?)
97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:04:23.90 ID:e0oYdWI/0
熊耳「そういう訳で太田くん。泉巡査一人でも大丈夫みたいだから、私達は待機しましょう」
太田「………」ニヤニヤ
熊耳「太田くん、返事は!」
太田「へっ!」
太田「りょ、了解!リボルバーで敵を威嚇でありますね!!」
熊耳「いや、ちがっ……」
98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:05:37.76 ID:e0oYdWI/0
太田「ぬおおおおおおおお!!!」ジャキッ
熊耳「ちょ、太田く……」
太田「往生せいやああああああああああああああ!!!!!!」
バキュウウウウウウン!!!!
遊馬「お……太田ぁ!?」
後藤「あーあー……撃っちゃったよ……」
警察官「……」ギロッ
後藤「あ……」
後藤「あははー……」
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:06:33.76 ID:e0oYdWI/0
バキュウウウウウウン!
野明・お前ら「ぬああああああ!?」
イングラム(野明)「ちょ、ちょっと太田さん!一体どういう……」
レイバー(お前ら)「こ、こ、殺される………」
イングラム(野明)「お、落ち着いて!今のはほら手違いっていうかさ……」
レイバー(お前ら)「殺される!!逃げろおおおおお!!!!!!」
ドドドドドドドドドド!!!!
イングラム(野明)「ちょ、待って!待ってよぉっ!!」
100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:07:17.07 ID:e0oYdWI/0
遊馬「なにしてくれるんだよ太田!」
イングラム(太田)「お、俺は指示に従っただけだぁ!!」
熊耳「……誰もそんな指示してないわよ太田くん」
イングラム(太田)「いやしかしぃ………」
熊耳「早く追いかけなさい!!!!」
イングラム(太田)「はい!!!」ガシャン!ガシャン!
熊耳「………」
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:08:14.93 ID:e0oYdWI/0
イングラム(野明)「待って!待ってよ!」ガシャン!ガシャン!ガシャン!
レイバー(お前ら)「殺される!殺される!殺される!」ドドドドド!!
イングラム(野明)「……聞く耳持たないなら無理やりにでも!」ガシャン!ガシャン……
イングラム(野明)「捕まえてやるんだからあああああ!!!!!!」
103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:08:52.28 ID:e0oYdWI/0
イングラム(野明)「どおおおりゃあああああああ!!!」
ガバッ!
レイバー(お前ら)「!?」
イングラム(野明)「捕まえたぁ!!」ググググッ
104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:13:35.79 ID:e0oYdWI/0
レイバー(お前ら)「は、羽交い締めにされた!殺される!殺されるぅ!!」ジタバタジタバタ
イングラム(野明)「素直に出てきなさい!!チョコレートあげないぞ!」ググググッ
レイバー(お前ら)「嫌だ!嫌だ!嫌だ!」ジタバタジタバタ
野明(仕方がない!スタンスティックでとどめを……)
野明(って!この体制じゃ使えないよ!)
105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:14:55.50 ID:e0oYdWI/0
ガシャン!ガシャン!ガシャン!
イングラム(野明)「!」
イングラム(太田)「泉ィィィ!!!!」
イングラム(野明)「太田さん!!」ググググッ
106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:15:26.90 ID:e0oYdWI/0
イングラム(太田)「なんだそのザマは!」
イングラム(野明)「って太田さんのせいでしょっ!!」ググググッ
イングラム(野明)「は、はやくスタンスティックでぇ……!」グググググググッ
イングラム(太田)「……そのまま動かすなよ」ジャキッ
遊馬「って、聞いてるのか太田!なんでこの距離でリボルバーを出すんだよ!!スタンスティックで攻撃しろと……」
イングラム(太田)「泉、しっかり押さえておけ…!」
イングラム(野明)「……ちょ、ちょっと太田さん!?」グググッ
遊馬「アホか!この距離で外れたら……」
107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:16:26.21 ID:e0oYdWI/0
イングラム(太田)「だから、外さんようにやっとる!」
遊馬「そういう問題じゃあないと……!」
熊耳「……いえ、太田くんの判断は正しいわ」
遊馬「くっ、熊耳さん?」
熊耳「この態勢で電磁警棒を使えば、泉さんだってただじゃ済まないわ。でも、リボルバーカノンなら、うまくいけば相手のエンジンのみにダメージを与えられるわよ」
遊馬「そりゃ、上手くいけばの話でしょう?問題は撃つのがあの太田だってことで…」
熊耳「あら、忘れたの篠原巡査。太田くんの止まっている対象物への命中率」
遊馬「……あっ」
108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:16:58.22 ID:e0oYdWI/0
イングラム(太田)「………往生」
熊耳「演習においてはほぼ100パーセントよ」
熊耳「そして、対象は泉さんがしっかり押さえてくれているとなれば………」
イングラム(太田)「せいやああああああああああああああ!!!!!!」
バキュウウウウウウン!!!!
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:22:19.52 ID:e0oYdWI/0
―――――――
《特車2課》
野明「………本当に一時はどうなることかと」
山崎「怪我がなくって、本当に良かったですねぇ」
遊馬「しっかし、アレな話だな。彼女にチョコレート貰えなかったくらいで、こんなことになるってのは」
野明「遊馬たちだってヒステリック起こしてるって点では一緒だろ」
遊馬「…一緒にするなよな」
シバ「ちなみにさ、あのレイバーに乗ってた男もアイドルオタクだったらしいよ」
山崎「……天と地の差ですね」
110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:22:48.91 ID:e0oYdWI/0
シバ「そう言えば、うちの勝ち組は?」
遊馬「隊長にお説教喰らってるころだろうな」
《隊長室》
熊耳「………」ドサッ
太田「………」ドサッ
進士「………」ドサッ
後藤「申請書に詫び状に始末書に始末書に始末書に始末書に始末書。これ、明日までによろしく」
熊耳・太田・進士「……はい」
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:26:53.93 ID:e0oYdWI/0
後藤「まあ、なんだ太田。まあ……あー、出動中にボケッとしてるのは誉められることじゃないというかだな……」
太田「…申し訳ありません」
後藤「まあ……俺に言われても説得力はないかも知れんが」
南雲「………」ぷふっ
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:27:36.60 ID:e0oYdWI/0
後藤「いやさ、その、まあ、やる気に満ちてるのは良いことなんだけど、ほら、バックアップの仕事がなくなっちゃうからさ」
太田「はい」
後藤「俺達は『今度から頑張ればいい』ってのは出来ないわけ…って同じ様なこと、前に言ったっけな。新しいフレーズってのは、案外、思い浮かばんもんだなあ……」
太田「……はい」
114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:28:25.25 ID:e0oYdWI/0
後藤「とにかく、自分の役割を考え直すように。以上。南雲隊長からは?」
南雲「右に同じよ」
後藤「ってことで解散。回れ右、左、右」
熊耳・太田・進士「………」クルッ
熊耳・太田・進士「………」クルッ
熊耳・太田・進士「………失礼しました」クルッ
後藤「お見事」
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:33:15.62 ID:e0oYdWI/0
パタン……
南雲「後藤さんのところは良いわね。毎日が何だったかしら……そう、レクリエーションで」
後藤「って言うより、『毎日がエブリデイ』だからなぁ……」
後藤「それよりしのぶさん」
南雲「どうしたの手なんか出して」
後藤「……ほら」
南雲「なに?」
後藤「ほら」
116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:33:43.01 ID:e0oYdWI/0
南雲「だからなんなのよ」
後藤「『バ』のつく」
南雲「ば?」
後藤「そう『バ』のつく」
南雲「ああ、なるほど」
後藤「……気がついた?」ニヤニヤ
117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:34:57.17 ID:e0oYdWI/0
南雲「『馬券』、買うんだったら自分のお金で買って下さい。お金は貸さないわよ」
後藤「………」
118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:35:38.76 ID:e0oYdWI/0
―――――
シバ「んで、どうすんのよコレ」
野明「………太田さんのチョコレートか」
シバ「そう。太田ちゃんの彼女の有力な手掛かりでしょ」
遊馬「……開けるか」
野明「あ、遊馬!本気!?」
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:38:45.58 ID:e0oYdWI/0
遊馬「もう気になって気になって仕方ない!夜も眠れんぞこのままじゃ」
野明「だけど……」
遊馬「別に本人に渡さないとは言ってないだろ。見た以上、プライバシーも勿論守る」
野明「………そういう問題じゃ」
熊耳「……ちょっとだけならば包みは直せるわ」
進士「いっそ、梱包自体をそっくり変えるっててもあります。伝票部分を上手く誤魔化せば……」
野明「く、熊耳さんに進士さん……いつの間に」
120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:39:31.30 ID:e0oYdWI/0
遊馬「ま、まさかもう終わったんですか、始末書」
熊耳「死ぬ気で終わらせてきたわ」
進士「そりゃもう、正直な話ずっと中身は見たかったんですから」
遊馬「んで野明、お前はどうなんだ」
野明「えっ?あたし?そりゃ……」
野明「……そりゃみたいよ」
シバ「ってことで決まり!野郎共、慎重に開けろよ!慎重に!」
整備員一同「了解!」
121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:41:46.97 ID:e0oYdWI/0
ペリ………
一同「………」ゴクリ
ペリペリ……
一同「………」ゴクリ
ペリペリペリペリ…
パカッ
一同「おおおおお!!」
122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:51:13.76 ID:ZlC8FsvTO
シバ「こ、こ、神々しい光がァアアアアアァアアアアア!!!」
遊馬「俺には眩しい!眩しいぞ!」
整備員一同「目がァアアアアア!目がァアアアアア!」
野明「全然眩しくないよ」
熊耳「馬鹿なことやってないで」
男一同「………」
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:56:14.24 ID:ZlC8FsvTO
野明「中身はやっぱりハート型かぁ……」
遊馬「ハートはハートでも、ほら真ん中に白い文字が」
『功さんへ☆大好きだよ!』
一同「………うへぇ」
シバ「………なんか、俺達の精神衛生上良くないね」どんより
山崎「何なんでしょう、この感じは」どんより
野明「ちょ、ちょっとみんな……」
124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 01:58:41.10 ID:ZlC8FsvTO
シバ「………因果応報かな」
遊馬「……とりあえず太田に彼女がいることは拭い去れない事実だと言うことがよーく分かった」
シバ「梱包しなおすよー」
整備員一同「………了解」
ヒラリ
野明「ん……なんだこの紙」
遊馬「……ラブレターかなんかだろ」どんより
野明「いや、ちがうよ。パソコンかなにかで打ってあるみたい。ええと……」
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:01:28.95 ID:e0oYdWI/0
――――――――――――――
太田功様
☆当選おめでとうございます!☆
この度は、「松本加奈の手作りチョコレートプレゼントキャンペーン」に
ご応募いただきありがとうございました!
厳正なる抽選の結果、見事あなたが当選いたしました!
おめでとうございます。今後も松本加奈を応援よろしくお願いします
松本加奈ファンクラブ事務局
――――――――――――――
一同「………えっ」
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:02:27.09 ID:e0oYdWI/0
野明「ま…松本加奈ちゃんの……手作りチョコレート…?」
遊馬「…ああ、そう言えば……あのレイバーに乗ってた奴もなんかそんなようなこと……」
レイバー(お前ら)『どうして加奈!あいつは俺にチョコレートをくれなかったんだ!!!!俺はあんなに、あんなに、貢いだのに……貢いだのにぃぃぃ!!!!!!!』
野明「『どうしてかな』じゃなくて『どうして加奈』……だったのかな、もしかして」
シバ「じゃ、じゃあ、このチョコレート………」
進士「彼女からなんかじゃなくって、抽選で当たったアイドルのチョコレート………」
一同「………」
128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:02:50.84 ID:G6lk/Fbj0
なるほど、そういうことか
129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:03:52.72 ID:e0oYdWI/0
整備員A「梱包、終了しました」
遊馬「よし。じゃあ今日中に太田に渡しに………」
太田「なんだ、お前らまだいたのか。」
一同「おっ、太田(さん)(くん)!?」
太田「小包は届かなかったか」
シバ「……い、いま!いま届いたよ!」
太田「おお!来たか来たか来たかぁ!」
太田「おお……加奈ちゃ~ん!後でお礼の手紙を書かなくてはなぁ……!」
太田「……加奈ちゃん」ボケーッ
一同「………」
太田「ぐへへ、見ろ!羨ましいだろう!」
一同「………」
一同(………ごめんなさい、太田(さん、君))
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:04:55.09 ID:e0oYdWI/0
画して怒濤のような2月14日は過ぎ去った。
いや、正確には上海亭にて2月15日深夜まで懇親会と題して太田への罪滅ぼしが行われたのだが。
遊馬「くっそぉ……結局、俺達はチョコレート貰いはぐっちまったよぉ……」
シバ「ううっ……ううっ……」
整備員一同「チッキショー……」
太田「情けないぞぉ!」
遊馬「うるせぇ!お前に発言権はない!」
遊馬「そぉだあ!同じく負け組になってそうな後藤隊長をよべぇ!」
シバ「絶対南雲隊長から貰えてないに10000000000000000円かけてもいい!」
遊馬「おい、のあー!ひゃれ、のあは?」
シバ「そういや、途中から見かけないねぇ……」
ポンッ
遊馬「へっ」
野明「もう、飲み過ぎだぞ」
熊耳「お酒はほどほどに、ね」
遊馬「野明!」
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:05:42.21 ID:e0oYdWI/0
シバ「熊耳さん!どこいってたのよぉ!」
野明・熊耳「………うふふっ」
野明「はい、これ!ギリギリ12時に間に合ったぞ!」
遊馬「………これ」
熊耳「私と泉さんで急遽上海亭の調理場を借りて作ったのよ。人数分あるわ」
遊馬「………」ジッ
シバ「………」ジッ
山崎「………」ジッ
太田「………」ジッ
整備員一同「………」ジッ
男一同『いよっしゃあああああああああ!!!!!!』
132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:06:36.32 ID:e0oYdWI/0
野明「もうみんなってば!」
熊耳「……大げさなんだから」
後藤「で、俺の分もある?」
一同『ご、後藤隊長!?』
野明「一体どこから……」
■TO BE CONTINUED
この物語はフィクションである……
が、 10年後においては定かではない。
133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:11:00.36 ID:e0oYdWI/0
長時間お付き合いありがとうございました。
他にも書いてた様な気がするのでよかったらそっちもどうぞ
あと柘植は 絶 対 に 許 さ な い
134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/26(土) 02:11:04.24 ID:G6lk/Fbj0
お疲れ様でした
Entry ⇒ 2014.02.24 | Category ⇒ 機動警察パトレイバー | Comments (0)
泉野明「特車2課のみんなと再会…かあ」
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:09:52.68 ID:CCob5kd20
半ドキュメンタリー映像作品「機動警察パトレイバー」
財政難にあえぐ特車2課の予算を一時的に補う手段でしかなかったが、コアなファンの獲得に成功し、『それなり』な一大コンテンツとなり
また、レイバーの知名度や普及に大きく貢献した。
その最後の映画公開から幾年の月日がたった
これは特車2課の面々の久々の再会の記録である―――
半ドキュメンタリー映像作品「機動警察パトレイバー」
財政難にあえぐ特車2課の予算を一時的に補う手段でしかなかったが、コアなファンの獲得に成功し、『それなり』な一大コンテンツとなり
また、レイバーの知名度や普及に大きく貢献した。
その最後の映画公開から幾年の月日がたった
これは特車2課の面々の久々の再会の記録である―――
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:10:42.42 ID:CCob5kd20
2012年
―上海亭―
『本日貸切』
野明「……まだあったんだ」
遊馬「てっきりもう、潰れてなくなってるもんだと思ったが」
遊馬「相変わらず汚いまんまだなぁ」
カランカラン
店主「いらっしゃい」
遊馬「上海亭のオヤジが生きてる!」
野明「ちょっと、失礼だよ遊馬っ!」
店主「ああ泉ちゃんいらっしゃい……ケッ、坊主も一緒か」
遊馬「それが元常連に言うべきセリフか」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:11:00.67 ID:CCob5kd20
店主「後藤さんと南雲さんならもう来てるよ」
野明「あれ、一番のりだと思ったのに」
遊馬「後藤隊長と南雲隊長かぁ……なあ、野明、面白そうだからちょっとこっそり覗いてやろうぜ」
野明「ええー、悪いよ遊馬ぁ」
遊馬「とか言いつつ顔が笑ってるぞ、お前」
こっそり
遊馬「静かにな」
野明「………うん」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:11:37.36 ID:CCob5kd20
後藤「…………」モグモグ
南雲「…………」モグモグ
後藤「しのぶさん、それ、どこの?」
南雲「……さあ。忘れたわ」
後藤「そう」
南雲「………」モグモグ
後藤「………」モグモグ
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:12:08.24 ID:CCob5kd20
こっそり
野明「……なんか、会話が弾まないね」
遊馬「……10年振りだったか。気まずいと言えば気まずいな」
野明「だよね、会ったのがあれ(パトレイバー2)以来じゃあ……」
遊馬「……もともと、財政難に苦しむ特車2課の活躍を描いた本人出演のドキュメンタリー映画って触れ込みだったが、監督のご乱心であのラストになった。」
遊馬「その後財政難は解消されたものの丁度特車2課も再編され……ま、俺達第2小隊はその後WⅩⅢで再会したけど、尺の都合で南雲さんは出演叶わず…と」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:12:48.58 ID:CCob5kd20
野明「でもさ、にしては距離が近いような」
遊馬「……確かに、久々にあった気まずい知人同士のようにも見えるが、ある程度こなれた夫婦の食事風景に見えなくも…ない」
野明「……どうなんだろう」
遊馬「だけどまさか南雲隊長が後藤隊長と…そんなあるわけが」
野明「ないよね」
後藤「そう思うか」
遊馬「だってあのペテン中年が美人でエリートの南雲隊長と結婚なんてあるわけが………」
野明「って、ごっ、後藤隊長ぉ!?」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:16:48.15 ID:CCob5kd20
後藤「お前たち、久々の再会だっていうのに、覗きなんて、趣味が悪いにもほどがあるぞ」
遊馬「だっ、だっ、だって、いつの間に!」
後藤「ま、座れや。ほれ、注文」
遊馬「……じゃ、じゃあ生中で」
野明「あ……あの、じゃああたしは烏龍茶で……」
後藤「飲まなくていいのか?」
野明「今はちょっと……へへっ」
南雲「ふふっ、全然変わってないのね二人とも」
遊馬「変わりましたよ、毎日毎日つまらない書類とにらめっこさせられて、それに耐えうる忍耐力がつきました」
野明「とか言って仕事中に毎日隠れてゲームやってるの、知ってるんだからね」
遊馬「……誰が喋った」
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:17:09.13 ID:CCob5kd20
野明「それにしても南雲隊長こそ全然変わらないですね」
南雲「最初からおばさんだっただけよ」
進士「あ、いました、いましたよ」
山崎「どうも」
後藤「おっ、進士、山崎」
野明「進士さん、ひろみちゃん!お久しぶり!」
進士「いやぁ、どうも……」
山崎「お久しぶりです。あ、これ沖縄のシークヮーサーとちんすこうです。皆さんでどうぞ」
遊馬「聞いたぞひろみぃ、べっぴんの嫁さん、貰ったんだってぇ?」
山崎「え……ええまあ……」
遊馬「このっ、このっ、にくいなひろみぃ!」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:20:37.64 ID:CCob5kd20
野明「進士さんもすごいよね。警視庁を辞めた後にコンピューターのソフト会社を設立して、今じゃあの……アッ……アッ……なんだっけ」
進士「アップルと提携出来まして……なんか、自分でも信じられなくって」
野明「すごいよねぇ!ねっ、遊馬」
遊馬「……なんだよその眼は」
進士「でも本当に嬉しいです。こうしてまたみんなで会えるなんて……」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:21:03.21 ID:CCob5kd20
シバ「やっほぉ!みんな元気してたぁ!?」
野明「シゲさん!」
シバ「ありゃりゃ、一番のりだと思ったんだけどなぁ、見込みが甘かったかなこりゃ」
遊馬「シゲさん、ついに整備班の牛耳りに成功したんだって?」
シバ「まぁね!……でもおやっさんほどじゃないけど」
シバ「いつまでも越えられない運命なのかなぁ……」
野明「榊さんは?」
シバ「………おやっさんは」
一同「…………えっ」
シバ「その………おやっさんは………おやっさんは………」
進士「そんな」
山崎「まさか……」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:25:14.68 ID:CCob5kd20
榊「勝手に殺すんじゃねぇ、シゲ!」
シバ「ひぇっ!?」
榊「お前はまだ東京湾に叩き込まれ足りねえのか!?」
一同「榊さん!」
シバ「い、いやぁ、用事があるって言ってたら、遅刻するんじゃあと思いましてね!」
榊「ったく、お前ってやつは相変わらず……」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:25:36.70 ID:CCob5kd20
後藤「榊さん、何にします」
榊「紹興酒、お願い出来るかな」
榊「しかしシゲ、今の整備班の体たらくは何だ。」
シバ「いや……あの………」
野明「……シゲさんも榊さんも全然かわんないね」
遊馬「一生変わんないだろう、あの二人の関係はさ」
後藤「しかし、幹事の太田はどうしたってのよ、随分と遅いんじゃない?」
南雲「そうねぇ、もう予定は30分ほどオーバーしてるんじゃ……」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:26:11.73 ID:CCob5kd20
ガラッ
太田「…………」
遊馬「よう、太田。ようやく来たか……って」
野明「どうしたの太田さん!?そんなボロボロで………」
太田「………オヤジ、生、ジョッキで」
店主「あいよ」
進士「ど…ど……どうしたんです太田さん……」
太田「進士」
進士「……は、はい」
太田「……ようやくお前の苦労が分かったような気がしなくもない」
進士「…………はい?」
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:26:50.51 ID:CCob5kd20
キャーキャーキャーキャーキャーキャー
遊馬「やけに表が騒がしいな」
野明「……って、あれ、なんか聞き覚えがあるような声が」
香貫花「シャラップ!あなた、それでも常識があるつもり!?」
熊耳「あらそっちこそ!ちょっとヒステリック過ぎるんじゃなくて?」
野明「か……香貫花」
遊馬「………熊耳さん」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:27:34.46 ID:CCob5kd20
香貫花「あなたね、太田にやけに馴れ馴れしいけど、なんなの一体!」
熊耳「別になんでも?昔の部下との再会を喜んでただけじゃないのよ!」
香貫花「だからってベタベタ触りすぎるのよあなたは!」
熊耳「あら、外国ならあれくらいのスキンシップは当たり前なんじゃないのかしら?過敏過ぎるんじゃないの香貫花さん」
香貫花「あれは行き過ぎよ!どうかと思うわよ、あなたのその考え!」
熊耳「あら、夫婦だっていうのに未だに夫を名字で呼び捨てだって方がどうかと思うわよ」
香貫花「シット!夫婦の間に口を挟まないで頂戴!」
熊耳「なら、私と太田くんとの再会にも口を挟まないでもらいたいわね」
香貫花「それとこれとは話が違うわよ!」
野明「あの……二人とも………」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:28:01.91 ID:CCob5kd20
南雲「………到着早々ヒートアップしてるわね」
後藤「昔から変わっとらんなぁ、熊耳も香貫花も」
遊馬「ケッ、太田ぁ、あんなに偉そうにしときながらすっかり香貫花の尻に敷かれちゃってまあw」
太田「お前こそ泉の尻にしかれとろう」
遊馬「いやいや太田さんちよりかは」
遊馬「……」
太田「……」
遊馬「やるか太田」
太田「望むところだ」
遊馬・太田「オラアアアアアアアアアア!!」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:28:28.04 ID:CCob5kd20
ガッシャン!ガッシャン!ガッシャン!
進士「ちょ、ちょっと太田さぁん!」
遊馬「だまれ恐妻家を通り越した嫁の奴隷!」
太田「奴隷は口を出すな!」
進士「………何ですって」プチン
山崎「あ………あの………」
進士「オラアアアアアアアアアア!!!」
ガッシャン!ガッシャン!ガッシャン!ガッシャン!
後藤「あーあー……」
南雲「あーあーじゃなくて、止めて頂戴」
後藤「……無茶、言わないでよ。しのぶさん」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:31:04.55 ID:CCob5kd20
遊馬「やるかぁ!」
太田「根性叩き直してくれる!」
進士「まとめてかかってきなさい!」
香貫花「シャァアアアアラップ!」
熊耳「やめなさいッ!」
野明「遊馬!!」
ピタッ
遊馬「………」
太田「………」
進士「………」
遊馬・太田・進士「ごめんなさい」
野明・香貫花・熊耳「よろしい」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:31:26.98 ID:CCob5kd20
遊馬「……」
太田「……」
進士「……」
野明「……」
香貫花「……」
熊耳「……」
後藤「あ、ああ、じゃあ……ええ……」
後藤「乾杯」
一同「……乾杯」
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:31:58.58 ID:CCob5kd20
香貫花「あら、野明…今日はお酒、飲まないの?」
野明「うん……それより香貫花、ニューヨーク市警の特車2課みたいなところの課長になったんだって?」
香貫花「まあね、ゆくゆくは……もっとレイバーを普及させたいの」
野明「で、太田さんはレイバー隊員の育成を手伝ってるんだよね」
香貫花「意外な才能ってやつね。彼、結構慕われてるのよ」
野明「熊耳さんも、神奈川県のレイバー隊の隊長ってすごいよね!」
熊耳「そうかしら……私ももっとレイバーの普及を進めたいわ。ニューヨーク市警察に負けないように」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:32:36.30 ID:CCob5kd20
熊耳「……」ジッ
香貫花「……」ジッ
熊耳「紹興酒おかわり」
香貫花「わたしも」
バチバチバチバチ……
野明「……あの、二人とも飲み過ぎないでね?」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:32:56.96 ID:CCob5kd20
太田「………」キョロキョロ
遊馬「………」キョロキョロ
太田「……もう一杯ぐらいなら大丈夫か」
遊馬「………大丈夫だろう」
シバ「なにしてんの二人とも」
遊馬「……飲みすぎだとか何とか野明がうるさくて適わん」
太田「…俺も香貫花が」
進士「わかります、僕も多美子さんが……」
遊馬「……ようやく分かり合えた気がするな」
太田「………ああ」
進士「そうですね」
シバ「……思わぬところで変な絆が生まれたね」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:33:28.59 ID:CCob5kd20
ゴキュ、ゴキュ、ゴキュ
香貫花「………」ゴトッ
熊耳「………」ゴトッ
香貫花「おかわり」
熊耳「私も」
野明「ちょ、ちょっと飲み過ぎだよ二人とも……顔真っ赤じゃない……」
香貫花「飲まなきゃやってらんないわよ」ヒクッ
熊耳「ほんとよっ!」ヒクッ
野明「………」
香貫花「熊耳さん、あなた世界の七不思議、言える?」ヒクッ
熊耳「ええと、ギザの大ピラミッドでしょ、バビロンの空中庭園…エフェソスのアルテミス神殿にオリンピアのゼウス像、それからハリカルナッソスのマウソロス霊廟にロードス島の巨像。あとは……あとは……アレクサンドリアの大灯台!」ヒクッ
香貫花「やるわね……じゃあ……五大湖は?」ヒクッ
熊耳「スペリオル湖、ミシガン湖、ヒューロン湖、エリー湖……それから……」
熊耳「……うーん」ヒクッ
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:34:05.24 ID:CCob5kd20
太田「篠原ぁ!お前に俺の苦しみがわかるかぁ!」ヒクッ
太田「毎晩毎晩香貫花に酔っ払う度に投げられる俺の気持ちがぁ!」ヒクッ
遊馬「お前もわかるか!なんでもかんでも、野明野明野明で、おまけになる俺の気持ちがぁ!」ヒクッ
進士「ふざけんじゃないですよぉ……ぼくなんて、稼いだお金みーんななくなって、大企業の社長なのに小遣い三万円なんですからねぇ……」ヒクッ
山崎「みなさん……カリブカイモンクアザラシにそっくりですね……絶滅しちゃいましたけど」ヒクッ
シバ「な……なんなのよ一体これは」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:34:29.62 ID:CCob5kd20
香貫花「太田のバカは本当に好き勝手するんだから……」ヒクッ
熊耳「なーにがシャフトよ!シャフトって!ひとを散々コケにして…」ヒクッ
香貫花・熊耳「おかわり!」ヒクッ
野明「ふ…ふたりともそろそろ……」
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:34:58.13 ID:CCob5kd20
香貫花「野明も一緒に飲みなさい」ヒクッ
熊耳「そうよ泉さぁん!」ヒクッ
野明「い、いや、だからあたしは……」
南雲「………」
野明「あっ、南雲隊長ぉ!助けてください、香貫花と熊耳さんが」
南雲「………」ヒクッ
野明「南雲……さん……?」
南雲「……ふざけるんじゃないわよ後藤ォ」ポソッ
野明「えっ」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:35:33.26 ID:CCob5kd20
南雲「全く昔っから都合の悪いことは全部私に押し付けて」ヒクッ
南雲「なんなのよ、第2小隊が最初に出動したときから最後まで第1小隊を噛ませ狗扱いにして……巻き添えに汚名は着せられるわ手柄は横取りされるわ」ヒクッ
南雲「映画だってそうよ、第1小隊の出番はまるでないわ、現実は過労死寸前だったわ」
南雲「それにだらしないったらありゃしないわ、片付けてって言っても……片付けないわ、なんなのよ、一体全体」ヒクッ
南雲「私が怒ってもニヤニヤニヤニヤするばっかりで全然聞かないわ、ニヤニヤすれば事が済むとでも思ってるのかしら」ヒクッ
熊耳「……南雲隊長、よくおっしゃいました」ヒクッ
香貫花「たまってるものはいっそ、吐き出すべきです」ヒクッ
南雲「そうね…ちなみに五大湖のあとひとつはオンタリオ湖よ」ヒクッ
野明「そ……そうなんだ……」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:36:16.62 ID:CCob5kd20
後藤「さあて……榊さんのとこにでも」スウッ
グイッ
遊馬「後藤たいちょーもこっちの組にはいるべきなんじゃあないんすか?w」ヒクッ
太田「そうです!尻にしかれてるもんはしかれてるどーし、はなしあうべきなのです!」ヒクッ
進士「よく言った太田!」ヒクッ
シバ「うわぁ……」
後藤「……ちょっと酔っぱらい過ぎだよみんな」
シバ「ちょっとちょっと、本当にもうやめときなよね、参ったなぁ、一番はしゃぐつもりだったんだけど、いつの間にか介抱役に回っちゃうなんて」
榊「ま、それだけお前が成長したってことなのかもしれないな、シゲ」
シバ「おやっさん……」ジーン
榊「あいつらが退化しただけなのかもしれないが」
シバ「……おやっさん」
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:36:47.71 ID:CCob5kd20
香貫花「全く男どもは……」ヒクッ
熊耳「なんなのかしらね本当……」ヒクッ
南雲「そうだわ、後藤さんは先月だって……」ヒクッ
野明「まあまあ……」
野明「…んっ?南雲隊長、『先月』って」
南雲「そうよ、先月後藤さんが……」
野明「確か南雲さん、後藤隊長に会うの、10年振りだとか…この間電話で言ってませんでしたっけ」
南雲「えっ」
野明「えっ」
後藤「えっ」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:36:50.52 ID:MpJk4jV5O
微妙にメタなこと言ってるのがww
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:38:42.31 ID:eQLW9oJm0
後藤、南雲ファンとして、後藤さんと南雲さんの関係が気になるw
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:42:03.08 ID:CCob5kd20
南雲「そんなこと言ったかしら」
野明「……そうだよね、遊馬」
遊馬「言った言った!え、なに、って事は後藤隊長と南雲隊長は先月、会ってたってわけですか!」ケフッ
進士「しかもわざわざ僕たちに隠してですか!」ケフッ
南雲「そう言う訳じゃ……ねえ?」
後藤「………ねえ」
遊馬「怪しい……怪しいぞぉー」
太田「……何だ、どういうことだ」
進士「相変わらず太田さんはあれですね、アホですね」ケフッ
太田「ぬぁ!ぬぁんだとぉ!」ガタッ
香貫花・熊耳「………」ジッ
太田「………」カタン
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:46:19.27 ID:CCob5kd20
進士「じゃ、なんです、あれですか、お二人はアレなんですか!」グイッ
遊馬「俺たちに黙ってアレだったんですか!」グイッ
遊馬「どうなんですか!」グイッグイッ
進士「きっかけはなんだったんですか!」グイッグイッグイッ
遊馬「絶対有り得ないと思ったんですがなんなんですか!」グイッグイッグイッグイッ
後藤「あ、流れ星」
進士「今日は曇りです」
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:47:26.23 ID:CCob5kd20
香貫花「シット!そんなことは、どうでもいいのよ!ああ、なんだか暑くなってきたわね」
熊耳「そうね香貫花さん」
香貫花「水浴びがしたいわ」
熊耳「でも服が濡れるのはいやだわ」
香貫花「そうよね」
香貫花・熊耳「………」ジッ
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:49:39.16 ID:CCob5kd20
進士「限りなく怪しいですけど証拠不十分ですね」ヒクッ
遊馬「これ以上はなにも出てきそうにないか」ヒクッ
遊馬「しかし太田、そっちはどうなんだ」ヒクッ
太田「ったく、アメリカには英語喋るやつしかいなくてな、軟弱な野郎ばかりで、根性叩き直して……」ヒクッ
香貫花「太田!」
熊耳「太田くん!」
太田「ひゃい!」ビクッ
香貫花「太田、立ちなさい」ヒクッ
太田「はい!」
熊耳「太田くん、上海亭の中には海があるのよ、ほらアソコの席のほう」ヒクッ
太田「……い、いや、海なんてありませんが」
熊耳「海ができたのよ!!」
太田「はい!」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:50:21.84 ID:CCob5kd20
香貫花「私たちは水浴びをしたいんだけど、服が濡れるのがいやなのよ」ヒクッ
熊耳「だから太田くん、代わりに浴びてきて」ヒクッ
太田「……えっ?」
香貫花「できないの?」ヒクッ
太田「いや、出来ないというか何というか……」
熊耳「ならあれね、香貫花さん」ヘベレケー
香貫花「そうね」ヘベレケー
太田「えっ……」グイッ
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:51:27.18 ID:CCob5kd20
熊耳「これはあれね、柔道みたいな感じで、あの席の方まで投げなきゃダメね」
香貫花「いくわよ太田!」
太田「へっ」
香貫花「はいはいはいはいはいはいはい!!」
太田「い、いや!海なんてないぞ!あるのは床だけだ……って!ぬあああああああ!?」
香貫花「私には海が見えるのよ!!」
野明「ちょ、香貫花!?」
……ズドーン!
香貫花「complete!」
太田「ぐぅ………」
野明「あ……あちゃあ……」
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:51:57.33 ID:CCob5kd20
熊耳「おかしいわね……水しぶきがないわ。投げる力が弱かったのかしら」グイッ
野明「くっ…熊耳さんまで!」
太田「……ひいっ!」
熊耳「はいはいはいはいはいはい!」
ズドーン!
太田「 」ピクピク
進士「いいぞ太田さーん」
遊馬「よっ!日本一!」
店主「………貸切にして正解だったな」
後藤「…あとで、修理代は請求しといてください」
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:52:28.64 ID:CCob5kd20
野明「大丈夫太田さん?」ペタリ
太田「……ああ」
野明「みんな……すっかり出来上がっちゃって」
シバ「おやっさあああああああん!!!」ギュウウッ
榊「……飲み過ぎだぞシゲ」
野明「シゲさんも途中までは良かったんだけどなぁ……」
野明「……でもみんな、変わってなくって良かった」
太田「泉」
野明「どうしたの太田さん」
太田「…いや、なんでもない」
後藤「しかし、太田、力一杯投げられるなんて、香貫花に愛されとるなぁ…ああ、熊耳にもか」
南雲「……あら、後藤さんも投げられたい?」ヒクッ
後藤「………遠慮しとこうかな」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:53:00.45 ID:CCob5kd20
山崎「……なんか、こうしてると昔に戻ったみたいですよね」
進士「そうですね……色々変わりましたけど……ここだけは変わらないですよね」
進士「……この間子供に『クソジジイ死ね』って言われちゃいましたけど」
遊馬「そんなにでっかくなったのか」
後藤「と……ああ、もうこんな時間か」
シバ「ええー、もうお開きぃ?」
野明「そうですね、みんな明日早いみたいだし……遊馬、帰るぞ」
香貫花「頭がガンガンするわ……」
熊耳「私も……」
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:53:39.33 ID:CCob5kd20
―――――
店主「まいどありー」
ガラッ
香貫花「……嫌だわ、私こんな年になってあんなこと」
熊耳「お互い、ストレスが溜まってたのよ」
太田「………」
進士「楽しかったですよ」
山崎「そうですね、またやりたいですね」
野明「じゃあ………私たちはあっちだから」
遊馬「んじゃ、またな、みんな」
シバ「たまには特車2課にも顔だしてよ!」
後藤「元気でやれや」
榊「気を付けてな」
南雲「また今度」
野明「………」
野明「また、あえるよね?」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:54:01.92 ID:CCob5kd20
香貫花「……会えるわよ」
野明「本当だよね!」
熊耳「……ええ」
野明「約束だよ!」
太田「しつこいやつだな」
山崎「もちろんです」
進士「そうですよ泉さん」
野明「……本当に……本当に?」
野明「やだ!やっぱり皆と別れたくない!皆ともっと……」ぐすっ
野明「一緒に………」
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:54:23.04 ID:CCob5kd20
野明(……みんなが霞んで)
野明(……あれっ、あれっ)
野明(…………あれ?)
……
………あ
…………のあ
…………………野明
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:54:52.98 ID:CCob5kd20
遊馬「野明!」
野明「ふぇっ」
遊馬「ようやく起きたか」
野明「えっ……えっ?」
熊耳「寝ながら泣いてたけど……何かあったの?」
野明「………」
野明「ゆめ?」
遊馬「どんな夢みたら、そんな顔になるんだ」
野明「あー、ええっと………この世界は半分ドキュメンタリーで映画とかあってそれで10年ぐらいぶりにみんなとあって…」
遊馬「何を言っとるんだお前は」
野明「ええと、それで……後藤隊長と南雲隊長が怪しくて…あれ、なんだっけ忘れちゃった」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:55:50.92 ID:CCob5kd20
熊耳「とにかく、出動よ」
太田「ボケッとするなボケッと」
山崎「いきますよ泉さん」
進士「今日は神田方面みたいです」
野明「う、うん」
ガチャ
後藤「ほら、出発だぞお前たち」
特車2課一同「はい!」
遊馬「ほら、しっかりしろよ。行くぞ」
野明「………うん!」
こうして2課の1日が、始まる
おわり
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 01:02:21.53 ID:CCob5kd20
ありがとうございました
しのぶさん(^ω^)ペロペロ
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 01:04:31.36 ID:eQLW9oJm0
乙!面白かった!
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1335798592/
2012年
―上海亭―
『本日貸切』
野明「……まだあったんだ」
遊馬「てっきりもう、潰れてなくなってるもんだと思ったが」
遊馬「相変わらず汚いまんまだなぁ」
カランカラン
店主「いらっしゃい」
遊馬「上海亭のオヤジが生きてる!」
野明「ちょっと、失礼だよ遊馬っ!」
店主「ああ泉ちゃんいらっしゃい……ケッ、坊主も一緒か」
遊馬「それが元常連に言うべきセリフか」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:11:00.67 ID:CCob5kd20
店主「後藤さんと南雲さんならもう来てるよ」
野明「あれ、一番のりだと思ったのに」
遊馬「後藤隊長と南雲隊長かぁ……なあ、野明、面白そうだからちょっとこっそり覗いてやろうぜ」
野明「ええー、悪いよ遊馬ぁ」
遊馬「とか言いつつ顔が笑ってるぞ、お前」
こっそり
遊馬「静かにな」
野明「………うん」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:11:37.36 ID:CCob5kd20
後藤「…………」モグモグ
南雲「…………」モグモグ
後藤「しのぶさん、それ、どこの?」
南雲「……さあ。忘れたわ」
後藤「そう」
南雲「………」モグモグ
後藤「………」モグモグ
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:12:08.24 ID:CCob5kd20
こっそり
野明「……なんか、会話が弾まないね」
遊馬「……10年振りだったか。気まずいと言えば気まずいな」
野明「だよね、会ったのがあれ(パトレイバー2)以来じゃあ……」
遊馬「……もともと、財政難に苦しむ特車2課の活躍を描いた本人出演のドキュメンタリー映画って触れ込みだったが、監督のご乱心であのラストになった。」
遊馬「その後財政難は解消されたものの丁度特車2課も再編され……ま、俺達第2小隊はその後WⅩⅢで再会したけど、尺の都合で南雲さんは出演叶わず…と」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:12:48.58 ID:CCob5kd20
野明「でもさ、にしては距離が近いような」
遊馬「……確かに、久々にあった気まずい知人同士のようにも見えるが、ある程度こなれた夫婦の食事風景に見えなくも…ない」
野明「……どうなんだろう」
遊馬「だけどまさか南雲隊長が後藤隊長と…そんなあるわけが」
野明「ないよね」
後藤「そう思うか」
遊馬「だってあのペテン中年が美人でエリートの南雲隊長と結婚なんてあるわけが………」
野明「って、ごっ、後藤隊長ぉ!?」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:16:48.15 ID:CCob5kd20
後藤「お前たち、久々の再会だっていうのに、覗きなんて、趣味が悪いにもほどがあるぞ」
遊馬「だっ、だっ、だって、いつの間に!」
後藤「ま、座れや。ほれ、注文」
遊馬「……じゃ、じゃあ生中で」
野明「あ……あの、じゃああたしは烏龍茶で……」
後藤「飲まなくていいのか?」
野明「今はちょっと……へへっ」
南雲「ふふっ、全然変わってないのね二人とも」
遊馬「変わりましたよ、毎日毎日つまらない書類とにらめっこさせられて、それに耐えうる忍耐力がつきました」
野明「とか言って仕事中に毎日隠れてゲームやってるの、知ってるんだからね」
遊馬「……誰が喋った」
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:17:09.13 ID:CCob5kd20
野明「それにしても南雲隊長こそ全然変わらないですね」
南雲「最初からおばさんだっただけよ」
進士「あ、いました、いましたよ」
山崎「どうも」
後藤「おっ、進士、山崎」
野明「進士さん、ひろみちゃん!お久しぶり!」
進士「いやぁ、どうも……」
山崎「お久しぶりです。あ、これ沖縄のシークヮーサーとちんすこうです。皆さんでどうぞ」
遊馬「聞いたぞひろみぃ、べっぴんの嫁さん、貰ったんだってぇ?」
山崎「え……ええまあ……」
遊馬「このっ、このっ、にくいなひろみぃ!」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:20:37.64 ID:CCob5kd20
野明「進士さんもすごいよね。警視庁を辞めた後にコンピューターのソフト会社を設立して、今じゃあの……アッ……アッ……なんだっけ」
進士「アップルと提携出来まして……なんか、自分でも信じられなくって」
野明「すごいよねぇ!ねっ、遊馬」
遊馬「……なんだよその眼は」
進士「でも本当に嬉しいです。こうしてまたみんなで会えるなんて……」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:21:03.21 ID:CCob5kd20
シバ「やっほぉ!みんな元気してたぁ!?」
野明「シゲさん!」
シバ「ありゃりゃ、一番のりだと思ったんだけどなぁ、見込みが甘かったかなこりゃ」
遊馬「シゲさん、ついに整備班の牛耳りに成功したんだって?」
シバ「まぁね!……でもおやっさんほどじゃないけど」
シバ「いつまでも越えられない運命なのかなぁ……」
野明「榊さんは?」
シバ「………おやっさんは」
一同「…………えっ」
シバ「その………おやっさんは………おやっさんは………」
進士「そんな」
山崎「まさか……」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:25:14.68 ID:CCob5kd20
榊「勝手に殺すんじゃねぇ、シゲ!」
シバ「ひぇっ!?」
榊「お前はまだ東京湾に叩き込まれ足りねえのか!?」
一同「榊さん!」
シバ「い、いやぁ、用事があるって言ってたら、遅刻するんじゃあと思いましてね!」
榊「ったく、お前ってやつは相変わらず……」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:25:36.70 ID:CCob5kd20
後藤「榊さん、何にします」
榊「紹興酒、お願い出来るかな」
榊「しかしシゲ、今の整備班の体たらくは何だ。」
シバ「いや……あの………」
野明「……シゲさんも榊さんも全然かわんないね」
遊馬「一生変わんないだろう、あの二人の関係はさ」
後藤「しかし、幹事の太田はどうしたってのよ、随分と遅いんじゃない?」
南雲「そうねぇ、もう予定は30分ほどオーバーしてるんじゃ……」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:26:11.73 ID:CCob5kd20
ガラッ
太田「…………」
遊馬「よう、太田。ようやく来たか……って」
野明「どうしたの太田さん!?そんなボロボロで………」
太田「………オヤジ、生、ジョッキで」
店主「あいよ」
進士「ど…ど……どうしたんです太田さん……」
太田「進士」
進士「……は、はい」
太田「……ようやくお前の苦労が分かったような気がしなくもない」
進士「…………はい?」
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:26:50.51 ID:CCob5kd20
キャーキャーキャーキャーキャーキャー
遊馬「やけに表が騒がしいな」
野明「……って、あれ、なんか聞き覚えがあるような声が」
香貫花「シャラップ!あなた、それでも常識があるつもり!?」
熊耳「あらそっちこそ!ちょっとヒステリック過ぎるんじゃなくて?」
野明「か……香貫花」
遊馬「………熊耳さん」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:27:34.46 ID:CCob5kd20
香貫花「あなたね、太田にやけに馴れ馴れしいけど、なんなの一体!」
熊耳「別になんでも?昔の部下との再会を喜んでただけじゃないのよ!」
香貫花「だからってベタベタ触りすぎるのよあなたは!」
熊耳「あら、外国ならあれくらいのスキンシップは当たり前なんじゃないのかしら?過敏過ぎるんじゃないの香貫花さん」
香貫花「あれは行き過ぎよ!どうかと思うわよ、あなたのその考え!」
熊耳「あら、夫婦だっていうのに未だに夫を名字で呼び捨てだって方がどうかと思うわよ」
香貫花「シット!夫婦の間に口を挟まないで頂戴!」
熊耳「なら、私と太田くんとの再会にも口を挟まないでもらいたいわね」
香貫花「それとこれとは話が違うわよ!」
野明「あの……二人とも………」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:28:01.91 ID:CCob5kd20
南雲「………到着早々ヒートアップしてるわね」
後藤「昔から変わっとらんなぁ、熊耳も香貫花も」
遊馬「ケッ、太田ぁ、あんなに偉そうにしときながらすっかり香貫花の尻に敷かれちゃってまあw」
太田「お前こそ泉の尻にしかれとろう」
遊馬「いやいや太田さんちよりかは」
遊馬「……」
太田「……」
遊馬「やるか太田」
太田「望むところだ」
遊馬・太田「オラアアアアアアアアアア!!」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:28:28.04 ID:CCob5kd20
ガッシャン!ガッシャン!ガッシャン!
進士「ちょ、ちょっと太田さぁん!」
遊馬「だまれ恐妻家を通り越した嫁の奴隷!」
太田「奴隷は口を出すな!」
進士「………何ですって」プチン
山崎「あ………あの………」
進士「オラアアアアアアアアアア!!!」
ガッシャン!ガッシャン!ガッシャン!ガッシャン!
後藤「あーあー……」
南雲「あーあーじゃなくて、止めて頂戴」
後藤「……無茶、言わないでよ。しのぶさん」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:31:04.55 ID:CCob5kd20
遊馬「やるかぁ!」
太田「根性叩き直してくれる!」
進士「まとめてかかってきなさい!」
香貫花「シャァアアアアラップ!」
熊耳「やめなさいッ!」
野明「遊馬!!」
ピタッ
遊馬「………」
太田「………」
進士「………」
遊馬・太田・進士「ごめんなさい」
野明・香貫花・熊耳「よろしい」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:31:26.98 ID:CCob5kd20
遊馬「……」
太田「……」
進士「……」
野明「……」
香貫花「……」
熊耳「……」
後藤「あ、ああ、じゃあ……ええ……」
後藤「乾杯」
一同「……乾杯」
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:31:58.58 ID:CCob5kd20
香貫花「あら、野明…今日はお酒、飲まないの?」
野明「うん……それより香貫花、ニューヨーク市警の特車2課みたいなところの課長になったんだって?」
香貫花「まあね、ゆくゆくは……もっとレイバーを普及させたいの」
野明「で、太田さんはレイバー隊員の育成を手伝ってるんだよね」
香貫花「意外な才能ってやつね。彼、結構慕われてるのよ」
野明「熊耳さんも、神奈川県のレイバー隊の隊長ってすごいよね!」
熊耳「そうかしら……私ももっとレイバーの普及を進めたいわ。ニューヨーク市警察に負けないように」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:32:36.30 ID:CCob5kd20
熊耳「……」ジッ
香貫花「……」ジッ
熊耳「紹興酒おかわり」
香貫花「わたしも」
バチバチバチバチ……
野明「……あの、二人とも飲み過ぎないでね?」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:32:56.96 ID:CCob5kd20
太田「………」キョロキョロ
遊馬「………」キョロキョロ
太田「……もう一杯ぐらいなら大丈夫か」
遊馬「………大丈夫だろう」
シバ「なにしてんの二人とも」
遊馬「……飲みすぎだとか何とか野明がうるさくて適わん」
太田「…俺も香貫花が」
進士「わかります、僕も多美子さんが……」
遊馬「……ようやく分かり合えた気がするな」
太田「………ああ」
進士「そうですね」
シバ「……思わぬところで変な絆が生まれたね」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:33:28.59 ID:CCob5kd20
ゴキュ、ゴキュ、ゴキュ
香貫花「………」ゴトッ
熊耳「………」ゴトッ
香貫花「おかわり」
熊耳「私も」
野明「ちょ、ちょっと飲み過ぎだよ二人とも……顔真っ赤じゃない……」
香貫花「飲まなきゃやってらんないわよ」ヒクッ
熊耳「ほんとよっ!」ヒクッ
野明「………」
香貫花「熊耳さん、あなた世界の七不思議、言える?」ヒクッ
熊耳「ええと、ギザの大ピラミッドでしょ、バビロンの空中庭園…エフェソスのアルテミス神殿にオリンピアのゼウス像、それからハリカルナッソスのマウソロス霊廟にロードス島の巨像。あとは……あとは……アレクサンドリアの大灯台!」ヒクッ
香貫花「やるわね……じゃあ……五大湖は?」ヒクッ
熊耳「スペリオル湖、ミシガン湖、ヒューロン湖、エリー湖……それから……」
熊耳「……うーん」ヒクッ
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:34:05.24 ID:CCob5kd20
太田「篠原ぁ!お前に俺の苦しみがわかるかぁ!」ヒクッ
太田「毎晩毎晩香貫花に酔っ払う度に投げられる俺の気持ちがぁ!」ヒクッ
遊馬「お前もわかるか!なんでもかんでも、野明野明野明で、おまけになる俺の気持ちがぁ!」ヒクッ
進士「ふざけんじゃないですよぉ……ぼくなんて、稼いだお金みーんななくなって、大企業の社長なのに小遣い三万円なんですからねぇ……」ヒクッ
山崎「みなさん……カリブカイモンクアザラシにそっくりですね……絶滅しちゃいましたけど」ヒクッ
シバ「な……なんなのよ一体これは」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:34:29.62 ID:CCob5kd20
香貫花「太田のバカは本当に好き勝手するんだから……」ヒクッ
熊耳「なーにがシャフトよ!シャフトって!ひとを散々コケにして…」ヒクッ
香貫花・熊耳「おかわり!」ヒクッ
野明「ふ…ふたりともそろそろ……」
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:34:58.13 ID:CCob5kd20
香貫花「野明も一緒に飲みなさい」ヒクッ
熊耳「そうよ泉さぁん!」ヒクッ
野明「い、いや、だからあたしは……」
南雲「………」
野明「あっ、南雲隊長ぉ!助けてください、香貫花と熊耳さんが」
南雲「………」ヒクッ
野明「南雲……さん……?」
南雲「……ふざけるんじゃないわよ後藤ォ」ポソッ
野明「えっ」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:35:33.26 ID:CCob5kd20
南雲「全く昔っから都合の悪いことは全部私に押し付けて」ヒクッ
南雲「なんなのよ、第2小隊が最初に出動したときから最後まで第1小隊を噛ませ狗扱いにして……巻き添えに汚名は着せられるわ手柄は横取りされるわ」ヒクッ
南雲「映画だってそうよ、第1小隊の出番はまるでないわ、現実は過労死寸前だったわ」
南雲「それにだらしないったらありゃしないわ、片付けてって言っても……片付けないわ、なんなのよ、一体全体」ヒクッ
南雲「私が怒ってもニヤニヤニヤニヤするばっかりで全然聞かないわ、ニヤニヤすれば事が済むとでも思ってるのかしら」ヒクッ
熊耳「……南雲隊長、よくおっしゃいました」ヒクッ
香貫花「たまってるものはいっそ、吐き出すべきです」ヒクッ
南雲「そうね…ちなみに五大湖のあとひとつはオンタリオ湖よ」ヒクッ
野明「そ……そうなんだ……」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:36:16.62 ID:CCob5kd20
後藤「さあて……榊さんのとこにでも」スウッ
グイッ
遊馬「後藤たいちょーもこっちの組にはいるべきなんじゃあないんすか?w」ヒクッ
太田「そうです!尻にしかれてるもんはしかれてるどーし、はなしあうべきなのです!」ヒクッ
進士「よく言った太田!」ヒクッ
シバ「うわぁ……」
後藤「……ちょっと酔っぱらい過ぎだよみんな」
シバ「ちょっとちょっと、本当にもうやめときなよね、参ったなぁ、一番はしゃぐつもりだったんだけど、いつの間にか介抱役に回っちゃうなんて」
榊「ま、それだけお前が成長したってことなのかもしれないな、シゲ」
シバ「おやっさん……」ジーン
榊「あいつらが退化しただけなのかもしれないが」
シバ「……おやっさん」
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:36:47.71 ID:CCob5kd20
香貫花「全く男どもは……」ヒクッ
熊耳「なんなのかしらね本当……」ヒクッ
南雲「そうだわ、後藤さんは先月だって……」ヒクッ
野明「まあまあ……」
野明「…んっ?南雲隊長、『先月』って」
南雲「そうよ、先月後藤さんが……」
野明「確か南雲さん、後藤隊長に会うの、10年振りだとか…この間電話で言ってませんでしたっけ」
南雲「えっ」
野明「えっ」
後藤「えっ」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:36:50.52 ID:MpJk4jV5O
微妙にメタなこと言ってるのがww
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:38:42.31 ID:eQLW9oJm0
後藤、南雲ファンとして、後藤さんと南雲さんの関係が気になるw
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:42:03.08 ID:CCob5kd20
南雲「そんなこと言ったかしら」
野明「……そうだよね、遊馬」
遊馬「言った言った!え、なに、って事は後藤隊長と南雲隊長は先月、会ってたってわけですか!」ケフッ
進士「しかもわざわざ僕たちに隠してですか!」ケフッ
南雲「そう言う訳じゃ……ねえ?」
後藤「………ねえ」
遊馬「怪しい……怪しいぞぉー」
太田「……何だ、どういうことだ」
進士「相変わらず太田さんはあれですね、アホですね」ケフッ
太田「ぬぁ!ぬぁんだとぉ!」ガタッ
香貫花・熊耳「………」ジッ
太田「………」カタン
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:46:19.27 ID:CCob5kd20
進士「じゃ、なんです、あれですか、お二人はアレなんですか!」グイッ
遊馬「俺たちに黙ってアレだったんですか!」グイッ
遊馬「どうなんですか!」グイッグイッ
進士「きっかけはなんだったんですか!」グイッグイッグイッ
遊馬「絶対有り得ないと思ったんですがなんなんですか!」グイッグイッグイッグイッ
後藤「あ、流れ星」
進士「今日は曇りです」
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:47:26.23 ID:CCob5kd20
香貫花「シット!そんなことは、どうでもいいのよ!ああ、なんだか暑くなってきたわね」
熊耳「そうね香貫花さん」
香貫花「水浴びがしたいわ」
熊耳「でも服が濡れるのはいやだわ」
香貫花「そうよね」
香貫花・熊耳「………」ジッ
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:49:39.16 ID:CCob5kd20
進士「限りなく怪しいですけど証拠不十分ですね」ヒクッ
遊馬「これ以上はなにも出てきそうにないか」ヒクッ
遊馬「しかし太田、そっちはどうなんだ」ヒクッ
太田「ったく、アメリカには英語喋るやつしかいなくてな、軟弱な野郎ばかりで、根性叩き直して……」ヒクッ
香貫花「太田!」
熊耳「太田くん!」
太田「ひゃい!」ビクッ
香貫花「太田、立ちなさい」ヒクッ
太田「はい!」
熊耳「太田くん、上海亭の中には海があるのよ、ほらアソコの席のほう」ヒクッ
太田「……い、いや、海なんてありませんが」
熊耳「海ができたのよ!!」
太田「はい!」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:50:21.84 ID:CCob5kd20
香貫花「私たちは水浴びをしたいんだけど、服が濡れるのがいやなのよ」ヒクッ
熊耳「だから太田くん、代わりに浴びてきて」ヒクッ
太田「……えっ?」
香貫花「できないの?」ヒクッ
太田「いや、出来ないというか何というか……」
熊耳「ならあれね、香貫花さん」ヘベレケー
香貫花「そうね」ヘベレケー
太田「えっ……」グイッ
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:51:27.18 ID:CCob5kd20
熊耳「これはあれね、柔道みたいな感じで、あの席の方まで投げなきゃダメね」
香貫花「いくわよ太田!」
太田「へっ」
香貫花「はいはいはいはいはいはいはい!!」
太田「い、いや!海なんてないぞ!あるのは床だけだ……って!ぬあああああああ!?」
香貫花「私には海が見えるのよ!!」
野明「ちょ、香貫花!?」
……ズドーン!
香貫花「complete!」
太田「ぐぅ………」
野明「あ……あちゃあ……」
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:51:57.33 ID:CCob5kd20
熊耳「おかしいわね……水しぶきがないわ。投げる力が弱かったのかしら」グイッ
野明「くっ…熊耳さんまで!」
太田「……ひいっ!」
熊耳「はいはいはいはいはいはい!」
ズドーン!
太田「 」ピクピク
進士「いいぞ太田さーん」
遊馬「よっ!日本一!」
店主「………貸切にして正解だったな」
後藤「…あとで、修理代は請求しといてください」
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:52:28.64 ID:CCob5kd20
野明「大丈夫太田さん?」ペタリ
太田「……ああ」
野明「みんな……すっかり出来上がっちゃって」
シバ「おやっさあああああああん!!!」ギュウウッ
榊「……飲み過ぎだぞシゲ」
野明「シゲさんも途中までは良かったんだけどなぁ……」
野明「……でもみんな、変わってなくって良かった」
太田「泉」
野明「どうしたの太田さん」
太田「…いや、なんでもない」
後藤「しかし、太田、力一杯投げられるなんて、香貫花に愛されとるなぁ…ああ、熊耳にもか」
南雲「……あら、後藤さんも投げられたい?」ヒクッ
後藤「………遠慮しとこうかな」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:53:00.45 ID:CCob5kd20
山崎「……なんか、こうしてると昔に戻ったみたいですよね」
進士「そうですね……色々変わりましたけど……ここだけは変わらないですよね」
進士「……この間子供に『クソジジイ死ね』って言われちゃいましたけど」
遊馬「そんなにでっかくなったのか」
後藤「と……ああ、もうこんな時間か」
シバ「ええー、もうお開きぃ?」
野明「そうですね、みんな明日早いみたいだし……遊馬、帰るぞ」
香貫花「頭がガンガンするわ……」
熊耳「私も……」
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:53:39.33 ID:CCob5kd20
―――――
店主「まいどありー」
ガラッ
香貫花「……嫌だわ、私こんな年になってあんなこと」
熊耳「お互い、ストレスが溜まってたのよ」
太田「………」
進士「楽しかったですよ」
山崎「そうですね、またやりたいですね」
野明「じゃあ………私たちはあっちだから」
遊馬「んじゃ、またな、みんな」
シバ「たまには特車2課にも顔だしてよ!」
後藤「元気でやれや」
榊「気を付けてな」
南雲「また今度」
野明「………」
野明「また、あえるよね?」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:54:01.92 ID:CCob5kd20
香貫花「……会えるわよ」
野明「本当だよね!」
熊耳「……ええ」
野明「約束だよ!」
太田「しつこいやつだな」
山崎「もちろんです」
進士「そうですよ泉さん」
野明「……本当に……本当に?」
野明「やだ!やっぱり皆と別れたくない!皆ともっと……」ぐすっ
野明「一緒に………」
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:54:23.04 ID:CCob5kd20
野明(……みんなが霞んで)
野明(……あれっ、あれっ)
野明(…………あれ?)
……
………あ
…………のあ
…………………野明
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:54:52.98 ID:CCob5kd20
遊馬「野明!」
野明「ふぇっ」
遊馬「ようやく起きたか」
野明「えっ……えっ?」
熊耳「寝ながら泣いてたけど……何かあったの?」
野明「………」
野明「ゆめ?」
遊馬「どんな夢みたら、そんな顔になるんだ」
野明「あー、ええっと………この世界は半分ドキュメンタリーで映画とかあってそれで10年ぐらいぶりにみんなとあって…」
遊馬「何を言っとるんだお前は」
野明「ええと、それで……後藤隊長と南雲隊長が怪しくて…あれ、なんだっけ忘れちゃった」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 00:55:50.92 ID:CCob5kd20
熊耳「とにかく、出動よ」
太田「ボケッとするなボケッと」
山崎「いきますよ泉さん」
進士「今日は神田方面みたいです」
野明「う、うん」
ガチャ
後藤「ほら、出発だぞお前たち」
特車2課一同「はい!」
遊馬「ほら、しっかりしろよ。行くぞ」
野明「………うん!」
こうして2課の1日が、始まる
おわり
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 01:02:21.53 ID:CCob5kd20
ありがとうございました
しのぶさん(^ω^)ペロペロ
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/01(火) 01:04:31.36 ID:eQLW9oJm0
乙!面白かった!
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1335798592/
Entry ⇒ 2014.02.24 | Category ⇒ 機動警察パトレイバー | Comments (0)
野明「クーリスマスが今年もやーってくる♪
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:25:09.37 ID:7YhAEroE0
――恥多き特車二課の歴史の中でも5番目に下らないと南雲隊長に評された事件を以下に記す
12月24日
13号埋め立て地 特車二課。
犯罪者に休みなどない。
彼らにはクリスマス、お盆、お正月。
いずれも休みなどなく、もちろんクリスマスイブであるこの日も、レイバー犯罪に立ち向かうため
もちろん彼らは二課にて待機任務中であった。
――恥多き特車二課の歴史の中でも5番目に下らないと南雲隊長に評された事件を以下に記す
12月24日
13号埋め立て地 特車二課。
犯罪者に休みなどない。
彼らにはクリスマス、お盆、お正月。
いずれも休みなどなく、もちろんクリスマスイブであるこの日も、レイバー犯罪に立ち向かうため
もちろん彼らは二課にて待機任務中であった。
2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:28:24.90 ID:7YhAEroE0
野明「ふぅ。間に合った。さてと……ケンタで買ってきたチキンでも」
ガサゴソ
野明「クーリスマスが今年もやーってくる♪」
ガサゴソ
野明「………ん」
ガサゴソ
野明「あれっ」
ガサゴソ
野明「ない!」
野明 「私のチキン………3本とも……ない!」
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:31:12.84 ID:7YhAEroE0
遊馬「どーせ、知らず知らずのうちに喰ったんだろ」
野明「食べてない!絶対に食べてない!」
野明「遠路はるばる20km先のケンタまでわざわざ買ってきたんだから!さては遊馬、遊馬だなぁ!」
遊馬「お、俺を疑うのか!」
野明「あの時オフィスにいたのは遊馬だけなんだぞ!返せ!返せ!」
遊馬「だから、俺は喰ってないっちゅーの!第一、チキンなんて見たくもない!」
野明「人のを食べといてそのいい種は………」
山崎「お二人とも落ち着いて……」
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:32:52.43 ID:7YhAEroE0
ガラッ
太田「進士、進士はいるかああああああああああああああ!!!!!!」
進士「おっ、太田さん!」
太田「進士、貴様あああああ!」
ガバッ
進士「へっ」
太田「俺の饅頭を食ったのはお前かああああああああああああ!!!!!!」
進士「違います!違いますってぇ!」
太田「嘘をつけ!あの時給湯室に居たのはお前だけだろうが!!」
進士「ですから違いますってぇ!」
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:34:30.18 ID:7YhAEroE0
ガラッ
熊耳「ちょっと太田くん!」
太田「く、熊耳巡査部長!何かご用でありますでしょうか!」
熊耳「私のたこ焼き、食べたの貴方でしょう」
太田「いえ!とんでも……」
熊耳「でもあの時オフィスに居たのは貴方だけよね?」
太田「い、いや、自分はですね……」
熊耳「じゃあ誰が食べたっていうんです?」
太田「いや、それは……」
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:35:32.57 ID:7YhAEroE0
ガラッ
シバ「おうおうおう、揉めてますなぁ」
野明「シゲさん!聞いてよ遊馬が!」
太田「進士が!」
熊耳「太田くんが!」
シバ「なるほどなるほど。チキンと饅頭とたこ焼きがなくなったとォ」
遊馬「俺はやってない!」
進士「僕だってやってませんよ!」
太田「俺だってやっとらん!濡れ衣だァ!!」
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:37:09.34 ID:7YhAEroE0
シバ「ほぉほぉほぉ。話は良くわかった。ならば、やろーうではないか!」
第二小隊一同「……何を?」
シバ「裁判だあああああああああああああ!!!!!!!!」
ババンッ!!!!!!!
第二小隊一同「……裁判?」
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:40:20.71 ID:7YhAEroE0
―――――
デデン
シバ「あぁー、この桜吹雪が」
整備員A「まだ早いですってシゲさん」
シバ「あぁー、一同面をあげぇ~い」
シバ「被告人、篠原遊馬、進士幹泰、太田功」
篠原・進士・太田「………」
シバ「原告、被告共に嘘を証言した際には『偽証罪』に問われ、3ヶ月間特車二課謹製ハゼの干物を食す権利を失うがよろしいか」
太田「よろしいも何も俺はやっとらん!!!!離せ!離せ!」
シバ「もー、その辺は後で聞くから大人しくしてよぉ、太田ちゃんさぁ」
シバ「あー、じゃあ被害者から証言を!」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:41:06.13 ID:7YhAEroE0
泉野明の証言
野明「クリスマスだし、気分だけでもと思って、わざわざ20km先のケンタまでチキンを買いにいって……それからぁ」
野明「こんな昼間なのに野犬に……」
シバ「ああ!もう泉ちゃん、もっと簡潔にぃ!!」
野明「なんだかんだあって、食べる前にトイレに行きたくなって……で、帰ってきて食べようかなとデスクの上に置いてた袋を開けると……」
シバ「藻抜けのカラだったと」
野明「でも、あの時オフィスに居たのは遊馬だけで!」
遊馬「だーから、俺はやっとらんって言ってるだろうが!」
野明「まあ、犯人が自分からやったなんて言わないもんねぇ」
遊馬「野明!お前ってやつは……」
シバ「せーしゅくに!!」
シバ「もう、言い分は後で聞くから次、太田ちゃん」
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:41:30.39 ID:7YhAEroE0
太田功の証言
太田「饅頭を食おうとしたら急に榊班長に呼び出された」
太田「で、帰って来る途中、進士とすれ違ってだな」
シバ「で、帰ってみたら饅頭は消えていたと」
整備員B「それは本当ですよ。僕も進士さんが給湯室から出てくるのは見ましたから。」
整備員B「それに嬉しそうだったなぁ…やけに」
太田「やっぱり進士、貴様あああああ!!!!!!」
進士「だから太田さん違いますってぇ!」
シバ「……次」
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:41:54.38 ID:7YhAEroE0
熊耳武緒の証言
熊耳「あらすじはほとんど泉さんと一緒。私が南雲隊長に呼び出されてる間に……」
シバ「たこ焼きはなくなってたと」
熊耳「太田くんがオフィスから急いで走り去る所を見たわ」
太田「しかし……」
熊耳「だまらっしゃい」
太田「………」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:42:47.26 ID:7YhAEroE0
シバ「一応原告の証言は出揃ったわけだが、この時点では被告人はいかにも怪しい。」
シバ「じゃあ被告人の証言どーぞ」
篠原遊馬の証言
遊馬「確かに、俺はあの時オフィスに居たことは間違いない。」
遊馬「だが、野明がトイレに行く以前にオフィスには居なかった」
シバ「と、なると泉ちゃんがトイレに行っている間にオフィスにやって来たと」
遊馬「その間約3分!どうだ野明。その間に骨付きチキンを見つけ、食し、骨を処分出来るか!」
野明「急げば出来なくも」
シバ「……ないよねぇ」
一同「………」コクリ
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:44:13.22 ID:7YhAEroE0
シバ「じゃあ泉ちゃんの件は遊馬が犯人ってことで」
遊馬「い、異議あり!」
野明「なんだよ遊馬、往生際が悪いな」
遊馬「お、俺は昨日の夜コンビニのチキンを死ぬほど食ったんだ!証人だっている」
整備員A「ああ、そう言えば確かにコンビニのチキンを二人で死ぬほど食った」
遊馬「な!コンビニのチキンを死ぬほど食った人間が翌日ケンタのチキンを死ぬほど食いたくなるかって話だ」
シバ「じゃあ遊馬は無罪ってことで……」
野明「異議あり!」
野明「コンビニのチキンとケンタの骨付きチキンは別物だ!」
整備員A「まあ……コンビニのチキンとケンタのチキンは別物かもなぁ」
整備員B「こう……なんか違うよな」
野明「コンビニのチキンを死ぬほど食べたからと言って、それがケンタのチキンを食べない理由にはならないぞ遊馬!」
シバ「じゃあ遊馬は有罪ってことで……」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:44:56.98 ID:7YhAEroE0
遊馬「異議あり!」
シバ「……もう、面倒だから保留にして次」
進士幹泰の証言
進士「僕は給湯室で隊長達に頼まれたんでお茶汲みをしてました。当番は僕ですからね」
進士「嬉しそうにしていたのは茶柱が立っていたので」
シバ「その時、もう饅頭はなかったと」
進士「ええ」
山崎「あの……僕も見てましたよ」
シバ「ひろみちゃんが?」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:45:56.93 ID:7YhAEroE0
山崎「ええ。進士さんは確かに給湯室にお茶を汲みに行っていただけでした。何かを食べている様子もありませんでしたし」
シバ「じゃあ、無罪……」
太田「異議あり!」
シバ「………証人もいるんだし、何を異議することがあるのよ」
太田「饅頭は2つあった!」
シバ「と言うことは……」
太田「山崎と進士がグルの可能性もある!!!!!」
山崎・進士「ええっ!!」
シバ「まあ………疑えなくもないかなぁ」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:46:20.41 ID:7YhAEroE0
進士「い、異議あり!」
シバ「はいどうぞ」
進士「僕は人のものは勝手に食べませんよ。ましてや太田さんのなんて……」
シバ「まあ、面倒にはなりそうだよね」
太田「異議あり!」
太田「そんな出任せで無罪になるとでも思ったか進士ぃ!!!!!!!」
シバ「こっちも面倒になってきたんで保留」
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:47:23.92 ID:7YhAEroE0
―――――――
【隊長室】
南雲隊長「………」ジーッ
後藤隊長「どうしたのしのぶさん」
南雲隊長「いいえ、別に何でも」
後藤隊長「あんまりにもいい男だから看取れちゃってた?」
南雲隊長「……はぁ」
後藤隊長「………ため息つかないでよ」
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:47:54.10 ID:7YhAEroE0
シバ「じゃあ最後に太田ちゃん」
太田功の証言
太田「俺はやっとらん」
シバ「それは分かったからさ、やってないことを立証してもらわないと」
太田「榊班長にだな、イングラムのチェックシートを持ってくるようにと言われたんだ。急いでいたのは当然だろうに」
シバ「まあおやっさんなら……なぁ」
シバ「じゃあ太田ちゃんは無罪で……」
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:49:38.50 ID:7YhAEroE0
熊耳「異議あり!」
シバ「はい熊耳さん」
熊耳「私が南雲隊長に呼び出されている時にオフィスにいたのは太田くんだけだったのよ」
熊耳「太田くんを探そうとした際に、すれ違った後藤隊長が証言していたんだから間違いないわ」
シバ「じゃあ太田ちゃんは有罪」
太田「い、異議あり!」
太田「熊耳巡査部長のそれと知ってだな、食べるわけが……」
熊耳「異議あり!」
熊耳「理由にはならないって、さっき自分で言ってたでしょ」
シバ「じゃあやっぱり太田ちゃんが犯人ってことで……」
太田「異議あり!」
シバ「………もうなんか面倒になってきたし、全員犯人ってことでいいよね」
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:50:43.09 ID:7YhAEroE0
遊馬(まずい…このままだと犯人にされちまう)
進士(何か手があるはず……!)
太田(あるはずだ!)
シバ「じゃあ全員有罪。弁償と慰謝料含めて一万円払うってことで」
シバ「あ、これにて決着ぅ~」
整備員A「ま、飽きたしな」
整備員B「帰ろう帰ろう」
シバ「閉廷、閉廷」
遊馬・進士・太田『異議あり!』
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:51:05.75 ID:7YhAEroE0
シバ「もー、いい加減諦めたらぁ?」
野明「男らしくないぞ!」
熊耳「見損なったわ太田くん」
太田「女々しいぞ!進士!」
シバ「………太田ちゃんは忙しいねぇ」
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:53:43.37 ID:7YhAEroE0
遊馬「これでダメなら引き下がる。だから俺の話を聞け!」
シバ「これ一度キリだからね。んじゃどーぞ」
遊馬「もしも俺がコンビニのチキンを死ぬほど食べた後でも、ケンタの骨付きチキンが食べたくなる人間だったとしよう」
遊馬「そして仮に3分の間にチキンを3本を発見し、完食し、尚且つ骨を完璧に処理したとしよう」
遊馬「だが!そういう場合、ある『現象』が起こるはずである!!!」
野明「なんだよ」
遊馬「急いでチキンを食べた場合、必ずと言って良いほど、唇がテカテカになるのだ!!」
遊馬「そして見ていただきたい。俺の唇を。」
シバ「あ、カッサカサ」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:55:34.43 ID:7YhAEroE0
遊馬「ちなみにあれから今までここを一歩も動いていない」
シバ「まあねぅ」
野明「じゃあ……遊馬は犯人じゃ……」
シバ「じゃあ判決、篠原遊馬は無罪!」
太田「俺も同様に、急いで食べたのなら、口に青のりくらいついておるはずだろう!」
シバ「まあ、取れないからね」
太田「ない、ないぞぉ!!!!!」
シバ「じゃあ太田ちゃんも無罪」
進士「僕だってあんこ、ついてないでしょ!」
野明「………あんこは」
シバ「微妙なラインだよねぇ」
進士「ええええええっ!」
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:56:30.22 ID:7YhAEroE0
―――――――
【隊長室】
南雲隊長「………下の方が騒がしいわね」
後藤隊長「よねぇ」
南雲隊長「若さかしら」
後藤隊長「しのぶさんだってまだまだ」
南雲隊長「誉めたって何も出ないわよ」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:58:15.05 ID:7YhAEroE0
――――――
シバ「全員無罪であ、一件落着ぅぅぅぅ!!」
ババン!
野明「ん、でもそうなると誰が一体………」
熊耳「食べたのかしらね」
一同「……………」
遊馬「まさか」
山崎「……また」
太田「地下に………」
進士「人が………」
一同「…………」サァァ
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:58:53.13 ID:7YhAEroE0
シバ「また第二小隊の出番ってことで」
遊馬「俺達はごめんだぞ」
太田「そうだ!今度は整備班が行くべきだろうが!筋を通せ筋を!!」
整備員A「でもやっぱり第二小隊が!」
整備員B「汚れ仕事が仕事だろ!!」
太田「ぬわああああああああんだとぉ!!!!!!」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:00:09.56 ID:kXnextdN0
ワーワーキャーワーワーキャーワーワーキャー
南雲隊長「そろそろ本庁に行かなきゃ」
後藤隊長「いってらっしゃーい」
南雲隊長「………」
南雲隊長「………ねえ後藤さん」
後藤隊長「何?」
南雲隊長「口に油とあんこと青のりがついてるわよ」
後藤隊長「あ、ホントだ」
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:03:25.94 ID:kXnextdN0
太田「そっちがいけぇ!」
整備員A「そっちが!」
遊馬「やるかぁ!?」
整備員B「上等だコラァ!!!」
ワーワーワー
野明「…なんか馬鹿馬鹿しくなっちゃった」
熊耳「帰りましょ」
進士「そうですね」
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:05:02.47 ID:kXnextdN0
【隊長室】
南雲隊長「ぷっ」
後藤隊長「しのぶさん、今度はなに?」
南雲隊長「まだついてるわよ」
後藤隊長「あはっ」
南雲隊長「うふふふっ」
おわり
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:06:33.35 ID:kXnextdN0
一本目終了。二本目にターゲットロックオン
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:08:37.13 ID:QJy186zHO
超期待
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:09:03.94 ID:kXnextdN0
二本目
野明「呪いのれーざーでぃすく?」
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:12:56.82 ID:kXnextdN0
―1日目―
遊馬「そう。見れば7日目に必ずとんでもない不幸が起きる」
野明「そりゃ遊馬ぁ、流石にネタが古いってぇ~」
遊馬「…と、俺も最初は思っとったんだが、『信用できる筋』がコレは間違いないと」
野明「……信用できる筋ってどの筋だよ」
太田「こんな子供騙しに騙されたところを見ると篠原ァ、お前も遂に落ちるところまで落ちたかァ?」
遊馬「とか言って、ちょっと手が震えちゃってるぞ太田」
太田「そ、そんなわけあるまいが!!」
野明「『あるまいが』って太田さん……」
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:13:49.44 ID:kXnextdN0
野明「でもさ、そんな『呪いの』なんて」
進士「あるわけが」
山崎「ないですよね」
太田「下らん!」
熊耳「そうです」
熊耳「な、な、な、ないわよ!そうよ!!あ、あ、あ、あ、あるわけないわよね!!」ガクガクブルブル
一同「熊耳さん………」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:14:48.03 ID:kXnextdN0
遊馬「んじゃ、ちょっくら確かめて見るか?ホントかどうか」
野明「いいよ。ただし、何も起こらなかったら」
遊馬「起こらなかったら?」
野明「30センチのビックピザ、遊馬の奢りね」
遊馬「なんでそーなるんだっちゅーの!」
野明「よーし、それじゃあ早速再生……」
熊耳「ダメですっ!!!!!!!!」クワッ
一同「ッ!?」
熊耳「そ、そ、そんな勤務中に遊びのビデオなんて……」
遊馬「休憩中ですけど」
熊耳「きゅ、休憩中でも関係ありません!とにかk」
遊馬「ポチッとなっと」
カチャッ
熊耳「いやああああああああっ!!!!!!!」
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:16:02.70 ID:kXnextdN0
……………
熊耳「私は何も見てない何も見てない何も見てない何も見てない」ブツブツ
ザザザザザザザザ………
野明「遊馬、5分経つけど砂嵐と綺麗な景色が交互にうつるだけだよ」
遊馬「あっれぇ?おっかしいな……確か死ぬほど怖い体験が出来るって」
太田「やっぱり騙されたんだろう篠原ァ!」
進士「ちょっと太田さんったら」
遊馬「そんなわきゃない!このビデオ、3万だぞ3万円!」
野明(やっぱり遊馬……)
山崎(それって………)
進士(騙されてますよ……)
熊耳「いやああああああああ………」ガクガクブルブル
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:16:27.18 ID:kXnextdN0
野明「で、最後まで何にも起こらなかったけど」
進士「これといって、普通のレーザーディスクでしたけど」
山崎「……頑張って怖いところを見つけようとはしたんですが」
太田「むはははははははははは!!!!騙された!篠原が騙されたぞぉぉぉぉ!!!!!」
篠原「んぐぐぐぐ………」
熊耳「ねぇ、終わった?終わった?」ガクガクブルブル
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:17:19.62 ID:kXnextdN0
野明「じゃあ、遊馬のために貴重な時間をワザワザ割いてあげたんだからピザ、よろしくね。それじゃあ……」
篠原「待て野明ッ!」
野明「なんだよ。」
篠原「……7日、7日間だけ待て!」
野明「ええ?」
篠原「本家本元の呪いのビデオは確か、7日目だかに不幸なことが起きるんだろ。だったら、もしかしてこの呪いのレーザーディスクも……!」
野明「……遊馬、情けないぞ」
遊馬「………」
野明「あたしはいいけどさ、遊馬はそれでもいいの?」
遊馬「何が」
野明「ピザをあたしに奢らなくって済んだとしても、遊馬は不幸になっちゃうわけでしょ」
遊馬「あっ」
遊馬(どっちにしろ俺って……)
熊耳「ねえ終わった?終わったの?ねぇ?」ガクガクブルブル
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:18:05.37 ID:kXnextdN0
――――――
2日目
野明「おはよう!」
遊馬「………」
進士「………」
山崎「………」
太田「………」
野明「あ、あれ……ど、どうしたのみんな暗い顔して」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:20:26.37 ID:kXnextdN0
野明「昨日のことなら平気だって!」
野明「遊馬、いつまでもグジグジしないでさぁ」
遊馬「………落ち着け野明」
野明「落ち着いてるけど」
遊馬「落ち着くのは俺の方か……ああっ!」
野明「???」
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:22:11.44 ID:kXnextdN0
ガラッ
野明「あ、熊耳さん!おはようご……」
熊耳「オッハー泉っち!」
野明「………」
野明「い、泉……っち?」
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:22:56.45 ID:kXnextdN0
熊耳「あーもう、後藤っちと南雲っちに呼び出されてさぁ、あのオッサン達超ベリバー」
野明「ベ……べりばって……熊耳……さん?」
熊耳「南雲っちとか、あたしより超オバタリアンのくせに超ウザー」
野明「く、熊耳さん…だよね?」
進士「………」
山崎「………」
太田「………」
篠原「………」
野明「……えええっ」
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:23:42.73 ID:kXnextdN0
熊耳「今日は帰って良いって言われたからちょっち帰るねー」
熊耳「バイビー!キャハッ!今からディスコでオール!チョーヤバい」
野明「ちょ、ちょっと熊耳さん!熊耳さぁん!!」
野明「……何があったの?」
遊馬「……俺達も聞きたいくらい」
進士「熊耳さんがああなっちゃったら第二小隊は破滅だあああああ!!!!誰が人間高速増殖炉もんじゅこと太田さんの暴走を止めるんですかあああ………!」
太田「どう言う意味だぁ進士ぃ!!!!!!!」
山崎「おっ、太田さん落ち着いて……」
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:24:08.20 ID:kXnextdN0
――――――
【隊長室】
南雲隊長「ストレスかしらねぇ」
後藤隊長「……何が」
南雲隊長「熊耳巡査部長がおかしくなった原因よ。」
後藤隊長「確かに熊耳は、溜め込んで溜め込んで、一気に爆発させるタイプだからなぁ~」
南雲隊長「これからは誰かさんがもう少ししっかりしたらどうかしら」
後藤隊長「………誰かさんって誰?」
南雲隊長「さあ」
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:25:07.99 ID:kXnextdN0
―――――――
2日目
野明「………おはよう」
遊馬「………」
進士「………」
山崎「………」
野明「……ど、どうしたのみんな」
野明「く、熊耳さんなら大丈夫だって隊長も言ってたし、そんな揃ってどんよりしなくったって……」
太田「そうです!ここで我々が頑張らなければ、熊耳さんが浮かばれません!!」
野明「そうだよ。太田さんもこう言ってるんだし……」
野明「って太田さぁん!?」
太田「おはようございます泉巡査。やあ、今日もさわやかな良い朝だなぁ!」キラキラキラキラキラ
野明「………太田さん?」
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:25:28.50 ID:kXnextdN0
太田「さあ、みんな!お腹から声をだして!今日も1日はりきって頑張るぞー!!」キラキラキラキラ
太田「えいえい!」キラキラキラキラ
一同「………」
太田「篠原くん、進士くん、山崎くん、泉さん、声が小さいぞ!もう一度!!」キラキラキラキラ
太田「えいえい!」キラキラキラキラ
一同「………おー」
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:25:57.19 ID:kXnextdN0
――――――
野明「遊馬ぁ!太田さんまで………」
遊馬「言うな、皆まで言うな、野明………」
進士「ど、どうしましょう……さすがに太田さんがストレスでああなったとは思えませんよ」
山崎「やっぱり遊馬さん、まさか……」
野明「のっ、呪い!」
遊馬「…………」
野明「ちょっと遊馬!どうするんだよ遊馬!」
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:26:39.85 ID:kXnextdN0
進士「確か本家の方ではダビングしたテープを他人に見せれば呪いは解けるん……でしたよね。」
山崎「問題は誰に見せるか……ってことですよね」
遊馬「整備班」
野明「誰がアルフォンスを整備するんだよ!」
遊馬「じゃあ隊長達」
一同「………………」ゾオオ
野明「見てみたい気もするけど……」
山崎「やめといた方が良さそうですよね」
遊馬「じゃあ、一体全体どーすれば!」
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:27:06.43 ID:kXnextdN0
進士「そうだ」
野明「進士さん、何か思い付いたの?」
進士「オークションですよ。僕、アカウント持ってますから」
遊馬・野明「おおっ!」
進士「こうして、商品の写真を撮って、アップロードして。それから説明を書いて……1円スタートにすれば必ず買い手がつきますよ。」
進士「と、ほらっもう入札が」
遊馬「おお………」
野明「これで太田さんも熊耳さんも、元に戻るかも知れないよ!」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:27:48.44 ID:kXnextdN0
進士「どうします?買い手も付いたんで早期終了を………」
遊馬「待った!」
野明「どうしたんだよ遊馬。こんなものさっさと売っちゃって……」
遊馬「一晩置こう」
野明「なんで!」
遊馬「あのな、俺はこれを3万円で買ったの。少しくらいはリターンを試みたってバチは当たらん」
野明「そんなの遊馬の自業自得じゃないか」
遊馬「儲かった金で更にデカいピザ奢っちゃる」
野明「………じゃあ、まあ、一晩くらいなら」
進士「でも遊馬さん……」
遊馬「だ~いじょぶだって!あと4日あるんだから」
山崎「……大丈夫なんですかね」
進士「さあ……」
進士「じゃあとりあえず、元のディスクは借りていきますね」
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:29:17.30 ID:kXnextdN0
4日目
遊馬「よー野明、ひろみちゃん!」
野明「………」
山崎「………」
遊馬「どうしたんだよ、そんな暗い顔しちゃって」
野明「………遊馬」
遊馬「でも昨日の時点で3000円にはなってた訳だろ、3万には程遠いがまあ………」
進士「遊馬ちゃん、気にしないでよぉ。差額はあたしが出してあ・げ・る」
遊馬「そりゃ良かった。野明、脅かすなよな」
野明「………」
山崎「………」
遊馬「………」
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:30:06.97 ID:kXnextdN0
遊馬「……遊馬『ちゃん』?」
進士「もう遊馬ちゃんたら、『進士さん』なんてよそよそしいから止めて。『ミ・キ・ちゃん』って呼んでぇ~」
遊馬「ひ……ひいい!!」
野明「ちゃんと遊馬を止めとくんだった……」
野明「ピザなんかに釣られた私のバカバカバカっ!」
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:30:56.99 ID:kXnextdN0
ガラッ
後藤隊長「進士、進士はいるか」
進士「あら、後藤隊長。もう、ミ・キ・ちゃんって呼んで下さい」
後藤隊長「多美ちゃんが押し掛けて来とるんだけど」
進士「ああ、あの女。ほっとけばいいのよ。ベタベタベタベタキモチ悪いったらありゃしないわ」
ワーワーキャーキャーキャーキャー
シバ「ちょっと、ちょっと奥さぁん!困りますってぇ……」
多美子「どいて!ミキちゃん!ミキちゃああああああああん!!!!いやあああああああああああ!!!!」
野明「すっごい腕力……」
遊馬「感心してる場合じゃないっちゅーの」
進士「職場までついてくんじゃないわよ!アバズレ!!」
多美子「ミキちゃんがああああああ!!!!!」
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:31:20.38 ID:kXnextdN0
――――――
後藤隊長「と言うわけで進士は帰った。しばらく休養するそうだ」
野明「………」
遊馬「………」
山崎「………」
後藤隊長「何か知ってるの?お前達」
一同「いいいいいいえええええええ!!!!!」
後藤隊長「そう。じゃあ三人の分まで頼むぞ」
一同「はい!」
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:31:41.84 ID:kXnextdN0
ガラッ
遊馬「ダメだ!」
山崎「あんな様子じゃあ……」
野明「元のディスクも確か進士さんに預けちゃったんだよね」
野明「遊馬ぁ!やっぱり後藤隊長に相談した方が……」
遊馬「後藤隊長に相談してなんとかなる問題か。まさか霊媒師じゃあるまいし」
野明「後藤隊長が霊媒師……」
野明「ぷっ」
遊馬「笑っとる場合か!」
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:32:04.16 ID:kXnextdN0
遊馬「明日は我が身かも知れんぞ」
野明「元々は遊馬が悪いんだろ!…そりゃ私にも責任はないとはいわないけどさ」
山崎「お二人とも揉めてる……」
遊馬「いや野明も!」
野明「遊馬が!」
山崎「……場合じゃあ」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:32:48.54 ID:kXnextdN0
5日目
野明「おはよう遊馬」
遊馬「………おはよう」
野明(遊馬は無事だったか)
遊馬(野明は無事だったか)
野明「………」
遊馬「………」
野明・遊馬「ってことはまさか!!」
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:33:10.49 ID:kXnextdN0
ガラッ
山崎「………」
野明「ひっ、ひっ、ひっ、ひろみちゃん!」
遊馬「ひろみすまない!すまなかった!!」
山崎「……どうしたんですかお二人共」
野明・遊馬「………」
野明・遊馬「へっ」
キャーキャーワーワー!キャーキャーワーワー!
整備員A「大変だああああ!!シゲさんがー!シゲさんがー!」
整備員B「こっちは後藤隊長がー!後藤隊長がー!!!!」
野明・遊馬・山崎「…………」サアア
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:33:58.26 ID:kXnextdN0
野明「………ねえ遊馬」
遊馬「言うな、皆までいうな」
野明「7日目……私達どうなっちゃうんだろう」
遊馬「………もうどうしようもないんだから、過ぎるのをただ待つしかないだろう」
野明「でも!7日目には今よりもっと怖いことが……」
遊馬「…………」
山崎「…………」
野明「熊耳さんも太田さんも進士さんも後藤隊長もシゲさんも……みんなおかしくなっちゃった」
野明「こんなのあたしが知ってる特車二課じゃないよ……」
野明「ううっ………」
遊馬「…………」
山崎「………」
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:34:59.12 ID:kXnextdN0
6日目
野明(遂にあと1日か……)
野明「おはようございます………」
シーン………
野明「………あれっ」
野明「おはようございます!」
シーン………
野明「誰も……いない?」
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:36:15.66 ID:kXnextdN0
野明「整備班は……」
ガチャッ
野明「いない!」
野明「南雲隊長!」
ガチャッ
野明「いない!!」
野明「第一小隊は……」
ガチャッ
野明「いない!!!」
野明「ひろみちゃん!ひろみちゃん!」
ガチャッ
野明「いない!!!いない!!!いない!!!」
そして誰も、いなくなった
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:37:07.16 ID:kXnextdN0
野明「…………みんな」
野明「みんなどこいっちゃったんだよ…………」
野明「みんなああああああああ!!!」
ポンッ
遊馬「どうした野明」
野明「あ……遊馬!」
野明「遊馬!遊馬!遊馬ぁ!」
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:37:52.28 ID:kXnextdN0
野明「遊馬ぁ……みんなが……みんながいなくなっちゃった……みんながぁ…………!」
遊馬「…………もう、どうしようもない」
遊馬「特車二課はおしまいだ……俺のせいで………」
野明「ううっ……」
遊馬「明日は7日目だ。野明」
野明「…………」
遊馬「俺たちもいずれああなるかも知れん」
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:38:14.73 ID:kXnextdN0
遊馬「もしかしたら最後になるかもしれん。だから言っとくぞ。よく聞け野明」
野明「遊馬………」
遊馬「俺は野明の………野明の」
野明「…………」
遊馬「野明の」
遊馬「パンツが見たい」
野明「………」
野明「へっ?」
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:39:46.52 ID:kXnextdN0
遊馬「パンツがみたい!!パンツがみたい!!」
野明「ちょ、ちょっと遊馬ぁ?」
遊馬「野明のパンツ!パンツ!!パンツ!!パンツ!!パンツ!!パンツ!!パンツ!!」
野明「遊馬!しっかりしてよ遊馬!」
遊馬「野明のパンツうううううううううううううううううううう!!!!」
野明「いやああああああああああああああああああ!!!!!!!」
76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:40:37.04 ID:kXnextdN0
――――――――――
野明「はっ」
遊馬「………」
太田「………」
熊耳「………」
山崎「………」
野明「あっ、あれ………みんな」
熊耳「泉さんの目が覚めたわよ!」
遊馬「大丈夫か!大丈夫か野明!!」
山崎「吐き気とかありませんか?」
進士「僕がわかります?」
太田「…………」ほっ
野明「えっ……えっ?」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:41:20.34 ID:kXnextdN0
――――――
野明「じゃあ……頭を打ってそのまま」
遊馬「6日も寝とったんだぞ」
太田「心配を掛けさせおって……」
野明「ごめん……」
進士「でも検査は何事もなかったみたいで」
山崎「良かったですねぇ泉さん」
野明「………うん、良かった」
野明「良かったぁ……」
遊馬「泣いてんのかぁ?」
野明「な、泣いてなんか!」
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:41:44.42 ID:kXnextdN0
ガラッ
熊耳「水、変えてきたわよ」
野明「ありがとうございます熊耳さん」
熊耳「もうチョー混んでてチョベリバで……」
野明「………えっ」
熊耳「あらやだ、私今チョー変なことを……」
熊耳「あらっ?あらっ?」
おしまい
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:43:34.27 ID:kXnextdN0
ありがとうございました。二本目は完全に蛇足です。
南雲隊長がアニメ界では一番かわいいので覚えておくように
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:47:07.63 ID:9Y+yCMQ60
ま た お ま え か
乙
野明「ふぅ。間に合った。さてと……ケンタで買ってきたチキンでも」
ガサゴソ
野明「クーリスマスが今年もやーってくる♪」
ガサゴソ
野明「………ん」
ガサゴソ
野明「あれっ」
ガサゴソ
野明「ない!」
野明 「私のチキン………3本とも……ない!」
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:31:12.84 ID:7YhAEroE0
遊馬「どーせ、知らず知らずのうちに喰ったんだろ」
野明「食べてない!絶対に食べてない!」
野明「遠路はるばる20km先のケンタまでわざわざ買ってきたんだから!さては遊馬、遊馬だなぁ!」
遊馬「お、俺を疑うのか!」
野明「あの時オフィスにいたのは遊馬だけなんだぞ!返せ!返せ!」
遊馬「だから、俺は喰ってないっちゅーの!第一、チキンなんて見たくもない!」
野明「人のを食べといてそのいい種は………」
山崎「お二人とも落ち着いて……」
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:32:52.43 ID:7YhAEroE0
ガラッ
太田「進士、進士はいるかああああああああああああああ!!!!!!」
進士「おっ、太田さん!」
太田「進士、貴様あああああ!」
ガバッ
進士「へっ」
太田「俺の饅頭を食ったのはお前かああああああああああああ!!!!!!」
進士「違います!違いますってぇ!」
太田「嘘をつけ!あの時給湯室に居たのはお前だけだろうが!!」
進士「ですから違いますってぇ!」
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:34:30.18 ID:7YhAEroE0
ガラッ
熊耳「ちょっと太田くん!」
太田「く、熊耳巡査部長!何かご用でありますでしょうか!」
熊耳「私のたこ焼き、食べたの貴方でしょう」
太田「いえ!とんでも……」
熊耳「でもあの時オフィスに居たのは貴方だけよね?」
太田「い、いや、自分はですね……」
熊耳「じゃあ誰が食べたっていうんです?」
太田「いや、それは……」
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:35:32.57 ID:7YhAEroE0
ガラッ
シバ「おうおうおう、揉めてますなぁ」
野明「シゲさん!聞いてよ遊馬が!」
太田「進士が!」
熊耳「太田くんが!」
シバ「なるほどなるほど。チキンと饅頭とたこ焼きがなくなったとォ」
遊馬「俺はやってない!」
進士「僕だってやってませんよ!」
太田「俺だってやっとらん!濡れ衣だァ!!」
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:37:09.34 ID:7YhAEroE0
シバ「ほぉほぉほぉ。話は良くわかった。ならば、やろーうではないか!」
第二小隊一同「……何を?」
シバ「裁判だあああああああああああああ!!!!!!!!」
ババンッ!!!!!!!
第二小隊一同「……裁判?」
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:40:20.71 ID:7YhAEroE0
―――――
デデン
シバ「あぁー、この桜吹雪が」
整備員A「まだ早いですってシゲさん」
シバ「あぁー、一同面をあげぇ~い」
シバ「被告人、篠原遊馬、進士幹泰、太田功」
篠原・進士・太田「………」
シバ「原告、被告共に嘘を証言した際には『偽証罪』に問われ、3ヶ月間特車二課謹製ハゼの干物を食す権利を失うがよろしいか」
太田「よろしいも何も俺はやっとらん!!!!離せ!離せ!」
シバ「もー、その辺は後で聞くから大人しくしてよぉ、太田ちゃんさぁ」
シバ「あー、じゃあ被害者から証言を!」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:41:06.13 ID:7YhAEroE0
泉野明の証言
野明「クリスマスだし、気分だけでもと思って、わざわざ20km先のケンタまでチキンを買いにいって……それからぁ」
野明「こんな昼間なのに野犬に……」
シバ「ああ!もう泉ちゃん、もっと簡潔にぃ!!」
野明「なんだかんだあって、食べる前にトイレに行きたくなって……で、帰ってきて食べようかなとデスクの上に置いてた袋を開けると……」
シバ「藻抜けのカラだったと」
野明「でも、あの時オフィスに居たのは遊馬だけで!」
遊馬「だーから、俺はやっとらんって言ってるだろうが!」
野明「まあ、犯人が自分からやったなんて言わないもんねぇ」
遊馬「野明!お前ってやつは……」
シバ「せーしゅくに!!」
シバ「もう、言い分は後で聞くから次、太田ちゃん」
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:41:30.39 ID:7YhAEroE0
太田功の証言
太田「饅頭を食おうとしたら急に榊班長に呼び出された」
太田「で、帰って来る途中、進士とすれ違ってだな」
シバ「で、帰ってみたら饅頭は消えていたと」
整備員B「それは本当ですよ。僕も進士さんが給湯室から出てくるのは見ましたから。」
整備員B「それに嬉しそうだったなぁ…やけに」
太田「やっぱり進士、貴様あああああ!!!!!!」
進士「だから太田さん違いますってぇ!」
シバ「……次」
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:41:54.38 ID:7YhAEroE0
熊耳武緒の証言
熊耳「あらすじはほとんど泉さんと一緒。私が南雲隊長に呼び出されてる間に……」
シバ「たこ焼きはなくなってたと」
熊耳「太田くんがオフィスから急いで走り去る所を見たわ」
太田「しかし……」
熊耳「だまらっしゃい」
太田「………」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:42:47.26 ID:7YhAEroE0
シバ「一応原告の証言は出揃ったわけだが、この時点では被告人はいかにも怪しい。」
シバ「じゃあ被告人の証言どーぞ」
篠原遊馬の証言
遊馬「確かに、俺はあの時オフィスに居たことは間違いない。」
遊馬「だが、野明がトイレに行く以前にオフィスには居なかった」
シバ「と、なると泉ちゃんがトイレに行っている間にオフィスにやって来たと」
遊馬「その間約3分!どうだ野明。その間に骨付きチキンを見つけ、食し、骨を処分出来るか!」
野明「急げば出来なくも」
シバ「……ないよねぇ」
一同「………」コクリ
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:44:13.22 ID:7YhAEroE0
シバ「じゃあ泉ちゃんの件は遊馬が犯人ってことで」
遊馬「い、異議あり!」
野明「なんだよ遊馬、往生際が悪いな」
遊馬「お、俺は昨日の夜コンビニのチキンを死ぬほど食ったんだ!証人だっている」
整備員A「ああ、そう言えば確かにコンビニのチキンを二人で死ぬほど食った」
遊馬「な!コンビニのチキンを死ぬほど食った人間が翌日ケンタのチキンを死ぬほど食いたくなるかって話だ」
シバ「じゃあ遊馬は無罪ってことで……」
野明「異議あり!」
野明「コンビニのチキンとケンタの骨付きチキンは別物だ!」
整備員A「まあ……コンビニのチキンとケンタのチキンは別物かもなぁ」
整備員B「こう……なんか違うよな」
野明「コンビニのチキンを死ぬほど食べたからと言って、それがケンタのチキンを食べない理由にはならないぞ遊馬!」
シバ「じゃあ遊馬は有罪ってことで……」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:44:56.98 ID:7YhAEroE0
遊馬「異議あり!」
シバ「……もう、面倒だから保留にして次」
進士幹泰の証言
進士「僕は給湯室で隊長達に頼まれたんでお茶汲みをしてました。当番は僕ですからね」
進士「嬉しそうにしていたのは茶柱が立っていたので」
シバ「その時、もう饅頭はなかったと」
進士「ええ」
山崎「あの……僕も見てましたよ」
シバ「ひろみちゃんが?」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:45:56.93 ID:7YhAEroE0
山崎「ええ。進士さんは確かに給湯室にお茶を汲みに行っていただけでした。何かを食べている様子もありませんでしたし」
シバ「じゃあ、無罪……」
太田「異議あり!」
シバ「………証人もいるんだし、何を異議することがあるのよ」
太田「饅頭は2つあった!」
シバ「と言うことは……」
太田「山崎と進士がグルの可能性もある!!!!!」
山崎・進士「ええっ!!」
シバ「まあ………疑えなくもないかなぁ」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:46:20.41 ID:7YhAEroE0
進士「い、異議あり!」
シバ「はいどうぞ」
進士「僕は人のものは勝手に食べませんよ。ましてや太田さんのなんて……」
シバ「まあ、面倒にはなりそうだよね」
太田「異議あり!」
太田「そんな出任せで無罪になるとでも思ったか進士ぃ!!!!!!!」
シバ「こっちも面倒になってきたんで保留」
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:47:23.92 ID:7YhAEroE0
―――――――
【隊長室】
南雲隊長「………」ジーッ
後藤隊長「どうしたのしのぶさん」
南雲隊長「いいえ、別に何でも」
後藤隊長「あんまりにもいい男だから看取れちゃってた?」
南雲隊長「……はぁ」
後藤隊長「………ため息つかないでよ」
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:47:54.10 ID:7YhAEroE0
シバ「じゃあ最後に太田ちゃん」
太田功の証言
太田「俺はやっとらん」
シバ「それは分かったからさ、やってないことを立証してもらわないと」
太田「榊班長にだな、イングラムのチェックシートを持ってくるようにと言われたんだ。急いでいたのは当然だろうに」
シバ「まあおやっさんなら……なぁ」
シバ「じゃあ太田ちゃんは無罪で……」
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:49:38.50 ID:7YhAEroE0
熊耳「異議あり!」
シバ「はい熊耳さん」
熊耳「私が南雲隊長に呼び出されている時にオフィスにいたのは太田くんだけだったのよ」
熊耳「太田くんを探そうとした際に、すれ違った後藤隊長が証言していたんだから間違いないわ」
シバ「じゃあ太田ちゃんは有罪」
太田「い、異議あり!」
太田「熊耳巡査部長のそれと知ってだな、食べるわけが……」
熊耳「異議あり!」
熊耳「理由にはならないって、さっき自分で言ってたでしょ」
シバ「じゃあやっぱり太田ちゃんが犯人ってことで……」
太田「異議あり!」
シバ「………もうなんか面倒になってきたし、全員犯人ってことでいいよね」
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:50:43.09 ID:7YhAEroE0
遊馬(まずい…このままだと犯人にされちまう)
進士(何か手があるはず……!)
太田(あるはずだ!)
シバ「じゃあ全員有罪。弁償と慰謝料含めて一万円払うってことで」
シバ「あ、これにて決着ぅ~」
整備員A「ま、飽きたしな」
整備員B「帰ろう帰ろう」
シバ「閉廷、閉廷」
遊馬・進士・太田『異議あり!』
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:51:05.75 ID:7YhAEroE0
シバ「もー、いい加減諦めたらぁ?」
野明「男らしくないぞ!」
熊耳「見損なったわ太田くん」
太田「女々しいぞ!進士!」
シバ「………太田ちゃんは忙しいねぇ」
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:53:43.37 ID:7YhAEroE0
遊馬「これでダメなら引き下がる。だから俺の話を聞け!」
シバ「これ一度キリだからね。んじゃどーぞ」
遊馬「もしも俺がコンビニのチキンを死ぬほど食べた後でも、ケンタの骨付きチキンが食べたくなる人間だったとしよう」
遊馬「そして仮に3分の間にチキンを3本を発見し、完食し、尚且つ骨を完璧に処理したとしよう」
遊馬「だが!そういう場合、ある『現象』が起こるはずである!!!」
野明「なんだよ」
遊馬「急いでチキンを食べた場合、必ずと言って良いほど、唇がテカテカになるのだ!!」
遊馬「そして見ていただきたい。俺の唇を。」
シバ「あ、カッサカサ」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:55:34.43 ID:7YhAEroE0
遊馬「ちなみにあれから今までここを一歩も動いていない」
シバ「まあねぅ」
野明「じゃあ……遊馬は犯人じゃ……」
シバ「じゃあ判決、篠原遊馬は無罪!」
太田「俺も同様に、急いで食べたのなら、口に青のりくらいついておるはずだろう!」
シバ「まあ、取れないからね」
太田「ない、ないぞぉ!!!!!」
シバ「じゃあ太田ちゃんも無罪」
進士「僕だってあんこ、ついてないでしょ!」
野明「………あんこは」
シバ「微妙なラインだよねぇ」
進士「ええええええっ!」
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:56:30.22 ID:7YhAEroE0
―――――――
【隊長室】
南雲隊長「………下の方が騒がしいわね」
後藤隊長「よねぇ」
南雲隊長「若さかしら」
後藤隊長「しのぶさんだってまだまだ」
南雲隊長「誉めたって何も出ないわよ」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:58:15.05 ID:7YhAEroE0
――――――
シバ「全員無罪であ、一件落着ぅぅぅぅ!!」
ババン!
野明「ん、でもそうなると誰が一体………」
熊耳「食べたのかしらね」
一同「……………」
遊馬「まさか」
山崎「……また」
太田「地下に………」
進士「人が………」
一同「…………」サァァ
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/10(土) 23:58:53.13 ID:7YhAEroE0
シバ「また第二小隊の出番ってことで」
遊馬「俺達はごめんだぞ」
太田「そうだ!今度は整備班が行くべきだろうが!筋を通せ筋を!!」
整備員A「でもやっぱり第二小隊が!」
整備員B「汚れ仕事が仕事だろ!!」
太田「ぬわああああああああんだとぉ!!!!!!」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:00:09.56 ID:kXnextdN0
ワーワーキャーワーワーキャーワーワーキャー
南雲隊長「そろそろ本庁に行かなきゃ」
後藤隊長「いってらっしゃーい」
南雲隊長「………」
南雲隊長「………ねえ後藤さん」
後藤隊長「何?」
南雲隊長「口に油とあんこと青のりがついてるわよ」
後藤隊長「あ、ホントだ」
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:03:25.94 ID:kXnextdN0
太田「そっちがいけぇ!」
整備員A「そっちが!」
遊馬「やるかぁ!?」
整備員B「上等だコラァ!!!」
ワーワーワー
野明「…なんか馬鹿馬鹿しくなっちゃった」
熊耳「帰りましょ」
進士「そうですね」
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:05:02.47 ID:kXnextdN0
【隊長室】
南雲隊長「ぷっ」
後藤隊長「しのぶさん、今度はなに?」
南雲隊長「まだついてるわよ」
後藤隊長「あはっ」
南雲隊長「うふふふっ」
おわり
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:06:33.35 ID:kXnextdN0
一本目終了。二本目にターゲットロックオン
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:08:37.13 ID:QJy186zHO
超期待
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:09:03.94 ID:kXnextdN0
二本目
野明「呪いのれーざーでぃすく?」
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:12:56.82 ID:kXnextdN0
―1日目―
遊馬「そう。見れば7日目に必ずとんでもない不幸が起きる」
野明「そりゃ遊馬ぁ、流石にネタが古いってぇ~」
遊馬「…と、俺も最初は思っとったんだが、『信用できる筋』がコレは間違いないと」
野明「……信用できる筋ってどの筋だよ」
太田「こんな子供騙しに騙されたところを見ると篠原ァ、お前も遂に落ちるところまで落ちたかァ?」
遊馬「とか言って、ちょっと手が震えちゃってるぞ太田」
太田「そ、そんなわけあるまいが!!」
野明「『あるまいが』って太田さん……」
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:13:49.44 ID:kXnextdN0
野明「でもさ、そんな『呪いの』なんて」
進士「あるわけが」
山崎「ないですよね」
太田「下らん!」
熊耳「そうです」
熊耳「な、な、な、ないわよ!そうよ!!あ、あ、あ、あ、あるわけないわよね!!」ガクガクブルブル
一同「熊耳さん………」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:14:48.03 ID:kXnextdN0
遊馬「んじゃ、ちょっくら確かめて見るか?ホントかどうか」
野明「いいよ。ただし、何も起こらなかったら」
遊馬「起こらなかったら?」
野明「30センチのビックピザ、遊馬の奢りね」
遊馬「なんでそーなるんだっちゅーの!」
野明「よーし、それじゃあ早速再生……」
熊耳「ダメですっ!!!!!!!!」クワッ
一同「ッ!?」
熊耳「そ、そ、そんな勤務中に遊びのビデオなんて……」
遊馬「休憩中ですけど」
熊耳「きゅ、休憩中でも関係ありません!とにかk」
遊馬「ポチッとなっと」
カチャッ
熊耳「いやああああああああっ!!!!!!!」
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:16:02.70 ID:kXnextdN0
……………
熊耳「私は何も見てない何も見てない何も見てない何も見てない」ブツブツ
ザザザザザザザザ………
野明「遊馬、5分経つけど砂嵐と綺麗な景色が交互にうつるだけだよ」
遊馬「あっれぇ?おっかしいな……確か死ぬほど怖い体験が出来るって」
太田「やっぱり騙されたんだろう篠原ァ!」
進士「ちょっと太田さんったら」
遊馬「そんなわきゃない!このビデオ、3万だぞ3万円!」
野明(やっぱり遊馬……)
山崎(それって………)
進士(騙されてますよ……)
熊耳「いやああああああああ………」ガクガクブルブル
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:16:27.18 ID:kXnextdN0
野明「で、最後まで何にも起こらなかったけど」
進士「これといって、普通のレーザーディスクでしたけど」
山崎「……頑張って怖いところを見つけようとはしたんですが」
太田「むはははははははははは!!!!騙された!篠原が騙されたぞぉぉぉぉ!!!!!」
篠原「んぐぐぐぐ………」
熊耳「ねぇ、終わった?終わった?」ガクガクブルブル
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:17:19.62 ID:kXnextdN0
野明「じゃあ、遊馬のために貴重な時間をワザワザ割いてあげたんだからピザ、よろしくね。それじゃあ……」
篠原「待て野明ッ!」
野明「なんだよ。」
篠原「……7日、7日間だけ待て!」
野明「ええ?」
篠原「本家本元の呪いのビデオは確か、7日目だかに不幸なことが起きるんだろ。だったら、もしかしてこの呪いのレーザーディスクも……!」
野明「……遊馬、情けないぞ」
遊馬「………」
野明「あたしはいいけどさ、遊馬はそれでもいいの?」
遊馬「何が」
野明「ピザをあたしに奢らなくって済んだとしても、遊馬は不幸になっちゃうわけでしょ」
遊馬「あっ」
遊馬(どっちにしろ俺って……)
熊耳「ねえ終わった?終わったの?ねぇ?」ガクガクブルブル
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:18:05.37 ID:kXnextdN0
――――――
2日目
野明「おはよう!」
遊馬「………」
進士「………」
山崎「………」
太田「………」
野明「あ、あれ……ど、どうしたのみんな暗い顔して」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:20:26.37 ID:kXnextdN0
野明「昨日のことなら平気だって!」
野明「遊馬、いつまでもグジグジしないでさぁ」
遊馬「………落ち着け野明」
野明「落ち着いてるけど」
遊馬「落ち着くのは俺の方か……ああっ!」
野明「???」
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:22:11.44 ID:kXnextdN0
ガラッ
野明「あ、熊耳さん!おはようご……」
熊耳「オッハー泉っち!」
野明「………」
野明「い、泉……っち?」
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:22:56.45 ID:kXnextdN0
熊耳「あーもう、後藤っちと南雲っちに呼び出されてさぁ、あのオッサン達超ベリバー」
野明「ベ……べりばって……熊耳……さん?」
熊耳「南雲っちとか、あたしより超オバタリアンのくせに超ウザー」
野明「く、熊耳さん…だよね?」
進士「………」
山崎「………」
太田「………」
篠原「………」
野明「……えええっ」
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:23:42.73 ID:kXnextdN0
熊耳「今日は帰って良いって言われたからちょっち帰るねー」
熊耳「バイビー!キャハッ!今からディスコでオール!チョーヤバい」
野明「ちょ、ちょっと熊耳さん!熊耳さぁん!!」
野明「……何があったの?」
遊馬「……俺達も聞きたいくらい」
進士「熊耳さんがああなっちゃったら第二小隊は破滅だあああああ!!!!誰が人間高速増殖炉もんじゅこと太田さんの暴走を止めるんですかあああ………!」
太田「どう言う意味だぁ進士ぃ!!!!!!!」
山崎「おっ、太田さん落ち着いて……」
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:24:08.20 ID:kXnextdN0
――――――
【隊長室】
南雲隊長「ストレスかしらねぇ」
後藤隊長「……何が」
南雲隊長「熊耳巡査部長がおかしくなった原因よ。」
後藤隊長「確かに熊耳は、溜め込んで溜め込んで、一気に爆発させるタイプだからなぁ~」
南雲隊長「これからは誰かさんがもう少ししっかりしたらどうかしら」
後藤隊長「………誰かさんって誰?」
南雲隊長「さあ」
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:25:07.99 ID:kXnextdN0
―――――――
2日目
野明「………おはよう」
遊馬「………」
進士「………」
山崎「………」
野明「……ど、どうしたのみんな」
野明「く、熊耳さんなら大丈夫だって隊長も言ってたし、そんな揃ってどんよりしなくったって……」
太田「そうです!ここで我々が頑張らなければ、熊耳さんが浮かばれません!!」
野明「そうだよ。太田さんもこう言ってるんだし……」
野明「って太田さぁん!?」
太田「おはようございます泉巡査。やあ、今日もさわやかな良い朝だなぁ!」キラキラキラキラキラ
野明「………太田さん?」
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:25:28.50 ID:kXnextdN0
太田「さあ、みんな!お腹から声をだして!今日も1日はりきって頑張るぞー!!」キラキラキラキラ
太田「えいえい!」キラキラキラキラ
一同「………」
太田「篠原くん、進士くん、山崎くん、泉さん、声が小さいぞ!もう一度!!」キラキラキラキラ
太田「えいえい!」キラキラキラキラ
一同「………おー」
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:25:57.19 ID:kXnextdN0
――――――
野明「遊馬ぁ!太田さんまで………」
遊馬「言うな、皆まで言うな、野明………」
進士「ど、どうしましょう……さすがに太田さんがストレスでああなったとは思えませんよ」
山崎「やっぱり遊馬さん、まさか……」
野明「のっ、呪い!」
遊馬「…………」
野明「ちょっと遊馬!どうするんだよ遊馬!」
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:26:39.85 ID:kXnextdN0
進士「確か本家の方ではダビングしたテープを他人に見せれば呪いは解けるん……でしたよね。」
山崎「問題は誰に見せるか……ってことですよね」
遊馬「整備班」
野明「誰がアルフォンスを整備するんだよ!」
遊馬「じゃあ隊長達」
一同「………………」ゾオオ
野明「見てみたい気もするけど……」
山崎「やめといた方が良さそうですよね」
遊馬「じゃあ、一体全体どーすれば!」
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:27:06.43 ID:kXnextdN0
進士「そうだ」
野明「進士さん、何か思い付いたの?」
進士「オークションですよ。僕、アカウント持ってますから」
遊馬・野明「おおっ!」
進士「こうして、商品の写真を撮って、アップロードして。それから説明を書いて……1円スタートにすれば必ず買い手がつきますよ。」
進士「と、ほらっもう入札が」
遊馬「おお………」
野明「これで太田さんも熊耳さんも、元に戻るかも知れないよ!」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:27:48.44 ID:kXnextdN0
進士「どうします?買い手も付いたんで早期終了を………」
遊馬「待った!」
野明「どうしたんだよ遊馬。こんなものさっさと売っちゃって……」
遊馬「一晩置こう」
野明「なんで!」
遊馬「あのな、俺はこれを3万円で買ったの。少しくらいはリターンを試みたってバチは当たらん」
野明「そんなの遊馬の自業自得じゃないか」
遊馬「儲かった金で更にデカいピザ奢っちゃる」
野明「………じゃあ、まあ、一晩くらいなら」
進士「でも遊馬さん……」
遊馬「だ~いじょぶだって!あと4日あるんだから」
山崎「……大丈夫なんですかね」
進士「さあ……」
進士「じゃあとりあえず、元のディスクは借りていきますね」
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:29:17.30 ID:kXnextdN0
4日目
遊馬「よー野明、ひろみちゃん!」
野明「………」
山崎「………」
遊馬「どうしたんだよ、そんな暗い顔しちゃって」
野明「………遊馬」
遊馬「でも昨日の時点で3000円にはなってた訳だろ、3万には程遠いがまあ………」
進士「遊馬ちゃん、気にしないでよぉ。差額はあたしが出してあ・げ・る」
遊馬「そりゃ良かった。野明、脅かすなよな」
野明「………」
山崎「………」
遊馬「………」
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:30:06.97 ID:kXnextdN0
遊馬「……遊馬『ちゃん』?」
進士「もう遊馬ちゃんたら、『進士さん』なんてよそよそしいから止めて。『ミ・キ・ちゃん』って呼んでぇ~」
遊馬「ひ……ひいい!!」
野明「ちゃんと遊馬を止めとくんだった……」
野明「ピザなんかに釣られた私のバカバカバカっ!」
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:30:56.99 ID:kXnextdN0
ガラッ
後藤隊長「進士、進士はいるか」
進士「あら、後藤隊長。もう、ミ・キ・ちゃんって呼んで下さい」
後藤隊長「多美ちゃんが押し掛けて来とるんだけど」
進士「ああ、あの女。ほっとけばいいのよ。ベタベタベタベタキモチ悪いったらありゃしないわ」
ワーワーキャーキャーキャーキャー
シバ「ちょっと、ちょっと奥さぁん!困りますってぇ……」
多美子「どいて!ミキちゃん!ミキちゃああああああああん!!!!いやあああああああああああ!!!!」
野明「すっごい腕力……」
遊馬「感心してる場合じゃないっちゅーの」
進士「職場までついてくんじゃないわよ!アバズレ!!」
多美子「ミキちゃんがああああああ!!!!!」
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:31:20.38 ID:kXnextdN0
――――――
後藤隊長「と言うわけで進士は帰った。しばらく休養するそうだ」
野明「………」
遊馬「………」
山崎「………」
後藤隊長「何か知ってるの?お前達」
一同「いいいいいいえええええええ!!!!!」
後藤隊長「そう。じゃあ三人の分まで頼むぞ」
一同「はい!」
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:31:41.84 ID:kXnextdN0
ガラッ
遊馬「ダメだ!」
山崎「あんな様子じゃあ……」
野明「元のディスクも確か進士さんに預けちゃったんだよね」
野明「遊馬ぁ!やっぱり後藤隊長に相談した方が……」
遊馬「後藤隊長に相談してなんとかなる問題か。まさか霊媒師じゃあるまいし」
野明「後藤隊長が霊媒師……」
野明「ぷっ」
遊馬「笑っとる場合か!」
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:32:04.16 ID:kXnextdN0
遊馬「明日は我が身かも知れんぞ」
野明「元々は遊馬が悪いんだろ!…そりゃ私にも責任はないとはいわないけどさ」
山崎「お二人とも揉めてる……」
遊馬「いや野明も!」
野明「遊馬が!」
山崎「……場合じゃあ」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:32:48.54 ID:kXnextdN0
5日目
野明「おはよう遊馬」
遊馬「………おはよう」
野明(遊馬は無事だったか)
遊馬(野明は無事だったか)
野明「………」
遊馬「………」
野明・遊馬「ってことはまさか!!」
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:33:10.49 ID:kXnextdN0
ガラッ
山崎「………」
野明「ひっ、ひっ、ひっ、ひろみちゃん!」
遊馬「ひろみすまない!すまなかった!!」
山崎「……どうしたんですかお二人共」
野明・遊馬「………」
野明・遊馬「へっ」
キャーキャーワーワー!キャーキャーワーワー!
整備員A「大変だああああ!!シゲさんがー!シゲさんがー!」
整備員B「こっちは後藤隊長がー!後藤隊長がー!!!!」
野明・遊馬・山崎「…………」サアア
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:33:58.26 ID:kXnextdN0
野明「………ねえ遊馬」
遊馬「言うな、皆までいうな」
野明「7日目……私達どうなっちゃうんだろう」
遊馬「………もうどうしようもないんだから、過ぎるのをただ待つしかないだろう」
野明「でも!7日目には今よりもっと怖いことが……」
遊馬「…………」
山崎「…………」
野明「熊耳さんも太田さんも進士さんも後藤隊長もシゲさんも……みんなおかしくなっちゃった」
野明「こんなのあたしが知ってる特車二課じゃないよ……」
野明「ううっ………」
遊馬「…………」
山崎「………」
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:34:59.12 ID:kXnextdN0
6日目
野明(遂にあと1日か……)
野明「おはようございます………」
シーン………
野明「………あれっ」
野明「おはようございます!」
シーン………
野明「誰も……いない?」
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:36:15.66 ID:kXnextdN0
野明「整備班は……」
ガチャッ
野明「いない!」
野明「南雲隊長!」
ガチャッ
野明「いない!!」
野明「第一小隊は……」
ガチャッ
野明「いない!!!」
野明「ひろみちゃん!ひろみちゃん!」
ガチャッ
野明「いない!!!いない!!!いない!!!」
そして誰も、いなくなった
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:37:07.16 ID:kXnextdN0
野明「…………みんな」
野明「みんなどこいっちゃったんだよ…………」
野明「みんなああああああああ!!!」
ポンッ
遊馬「どうした野明」
野明「あ……遊馬!」
野明「遊馬!遊馬!遊馬ぁ!」
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:37:52.28 ID:kXnextdN0
野明「遊馬ぁ……みんなが……みんながいなくなっちゃった……みんながぁ…………!」
遊馬「…………もう、どうしようもない」
遊馬「特車二課はおしまいだ……俺のせいで………」
野明「ううっ……」
遊馬「明日は7日目だ。野明」
野明「…………」
遊馬「俺たちもいずれああなるかも知れん」
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:38:14.73 ID:kXnextdN0
遊馬「もしかしたら最後になるかもしれん。だから言っとくぞ。よく聞け野明」
野明「遊馬………」
遊馬「俺は野明の………野明の」
野明「…………」
遊馬「野明の」
遊馬「パンツが見たい」
野明「………」
野明「へっ?」
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:39:46.52 ID:kXnextdN0
遊馬「パンツがみたい!!パンツがみたい!!」
野明「ちょ、ちょっと遊馬ぁ?」
遊馬「野明のパンツ!パンツ!!パンツ!!パンツ!!パンツ!!パンツ!!パンツ!!」
野明「遊馬!しっかりしてよ遊馬!」
遊馬「野明のパンツうううううううううううううううううううう!!!!」
野明「いやああああああああああああああああああ!!!!!!!」
76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:40:37.04 ID:kXnextdN0
――――――――――
野明「はっ」
遊馬「………」
太田「………」
熊耳「………」
山崎「………」
野明「あっ、あれ………みんな」
熊耳「泉さんの目が覚めたわよ!」
遊馬「大丈夫か!大丈夫か野明!!」
山崎「吐き気とかありませんか?」
進士「僕がわかります?」
太田「…………」ほっ
野明「えっ……えっ?」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:41:20.34 ID:kXnextdN0
――――――
野明「じゃあ……頭を打ってそのまま」
遊馬「6日も寝とったんだぞ」
太田「心配を掛けさせおって……」
野明「ごめん……」
進士「でも検査は何事もなかったみたいで」
山崎「良かったですねぇ泉さん」
野明「………うん、良かった」
野明「良かったぁ……」
遊馬「泣いてんのかぁ?」
野明「な、泣いてなんか!」
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:41:44.42 ID:kXnextdN0
ガラッ
熊耳「水、変えてきたわよ」
野明「ありがとうございます熊耳さん」
熊耳「もうチョー混んでてチョベリバで……」
野明「………えっ」
熊耳「あらやだ、私今チョー変なことを……」
熊耳「あらっ?あらっ?」
おしまい
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:43:34.27 ID:kXnextdN0
ありがとうございました。二本目は完全に蛇足です。
南雲隊長がアニメ界では一番かわいいので覚えておくように
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/11(日) 00:47:07.63 ID:9Y+yCMQ60
ま た お ま え か
乙
Entry ⇒ 2014.02.24 | Category ⇒ 機動警察パトレイバー | Comments (0)
第二小隊一同「と、特車戦隊パトレンジャー?」後藤隊長「そう。」
1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 02:43:43.01 ID:rxsewvk7O
――クリスマス。
イエスキリストの聖誕祭と呼ばれているが
非キリスト教徒の一般人に向けて協会が広く門戸を開き、聖書に慣れ親しんで貰う日でもある。
カップルで過ごす人間、家族水入らずで過ごす人間、
友人と過ごす人間、仕事でクリスマスと言う行事すら意識出来ない人間、
そして独り寂しくクリスマスを過ごす人間…
それぞれの思惑と感情が交差する
特車二課にて起きた少し奇妙な出来事を以下に綴る。
――クリスマス。
イエスキリストの聖誕祭と呼ばれているが
非キリスト教徒の一般人に向けて協会が広く門戸を開き、聖書に慣れ親しんで貰う日でもある。
カップルで過ごす人間、家族水入らずで過ごす人間、
友人と過ごす人間、仕事でクリスマスと言う行事すら意識出来ない人間、
そして独り寂しくクリスマスを過ごす人間…
それぞれの思惑と感情が交差する
特車二課にて起きた少し奇妙な出来事を以下に綴る。
2 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 02:48:25.53 ID:rxsewvk7O
12月24日
都内某所
野明「一つ、非番でも笑顔で出撃!」
遊馬「二つ、不可思議月月火水木金金!」
山崎「三つ、み、身内が起こした犯罪でも…」
太田「四つ、容赦はしないぞおおおおお!!!犯罪者あああああ!!!!」
進士「五つ、胃痛は日常茶飯事……」
一同「M.P.P!特車戦隊パトレンジャー!!」ビシッ
シバ「火薬点火あああああああああああ!」
整備員「了解!!」
バアアアアアアアアアアアアアン!!!!
進士・山崎「ひ、ひいいっ!?」ガクッ
4 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 02:56:00.28 ID:rxsewvk7O
野明「ちょ、ちょっと進士さんにひろみちゃん大丈夫!?」
進士「きゅ…急に大きい音がしたもんですから……」
山崎「し、心臓が止まるかと……」
太田「正義の味方が火薬ぐらいで腰を抜かしてどうする!!!!」
子供「カッチョワリーwww」
太田「せっかくの決め台詞がお前らのせいでぇぇええええ!!!!」
遊馬「そう言うお前も後退ってるぞぉ~w」
太田「なっ……!」
太田「やるかああああああ篠原アアアアアアアアアア!!!!?」
ワーワーワーワー
後藤隊長「あーあーあー……」
6 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 02:59:37.94 ID:rxsewvk7O
オタケおねえさん「よ、よいこのみんな、ちょっとごめんなさいね…」
ワーワーワーワー
熊耳「アナタ達、こんな時にまでケンカはやめなさい…子供達が見ているのよ?」
遊馬「太田が…」
野明・山崎・進士「太田さんが…」
熊耳「太田くん!」
太田「し、しかしぃ!」
熊耳「…太田くん」
太田「…」
熊耳「とりあえず登場からやり直し。一旦下がって。」
一同「…了解」
ゾロゾロゾロ…
子供「うわあwwなにあれーwwww」
子供「パトグリーン、おねえさんのしりにしかれてるぅwwww」
子供「なさけねーwwパトグリーンなさけねーwww」
7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:02:03.72 ID:rxsewvk7O
オタケおねえさん「…お待たせしました。」
おタケおねえさん「それじゃあみんなでもう一回、パトレンジャーを呼んでみましょう!」
オタケおねえさん「せえの!」
大きなお友達A「どうするww」
大きなお友達B「おねえさんがかわいいから付き合ってやるかwwwwwwwwww」
子供・大きなお友達・オタケおねえさん『助けてー!パトレンジャー!』
野明「…遊馬、何だか恥ずかしいよ」
遊馬「耐えろ野明。南雲隊長に比べりゃ俺達なんて……」
太田「ウオオオ!!!燃えてきたぞオオオオオ!!!!!!」
進士「うう…また胃が………」
後藤隊長「……」ニヤニヤ
南雲隊長「……」
9 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:07:43.93 ID:0oDiEB6G0
ここまで脳内再生100%
10 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:07:46.64 ID:rxsewvk7O
12月22日
13号埋立地・特車二課
第二小隊一同「と、特車戦隊パトレンジャー?」
後藤隊長「そう。これ着て南雲さんとこと、やり合って貰うことになったから。」
野明「や…やり合うって一体……」
南雲隊長「特車二課の知名度と認知度、それから下がりに下がった信頼と好感度回復の為、区の子供向け交通安全イベントに参加する事になったのよ。」
後藤「知名度と認知度の方は、今まで新聞の一面を散々飾っとるワケだし、今更必要ない気もするんだけどなぁ…」
南雲「……」ギロッ
後藤「や、やだ、冗談だってば…」
11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:13:08.02 ID:rxsewvk7O
進士「しかし、どうして子供向けのイベントにうちが?」
遊馬「いくら子供に人気が出たところで…」
後藤隊長「たかが子供、されど子供なのよ?世の中。」
後藤隊長「ウインナーしかり、ソーセージしかり、ヤクルトしかり。」
後藤隊長「可愛いご子息ご子女様にしつこくねだられれば、世の奥様方はついつい、サービスの風船やらオモチャやらといっしょに買い物カゴの中へ入れちゃうもんなのよ。」
野明「…ウインナーかぁ~。子供の頃、よく買ってもらってたっけな」
遊馬「スーパーの試食のウインナーってさ、なーんか旨さ3割増、って感じだよなぁ!」
野明「そうそう!なーんか妙に美味しく感じちゃうんだよね!」
進士「だけど、うちに帰って食べると、不思議とそうでもないんですよね…」
後藤隊長「やっぱり、ホットプレートで焼くのが一番って事なんじゃないの?」
遊馬「違いますよ隊長ぉ。あのスーパーで立って食ってる雰囲気がいいんですよ雰囲気が。」
南雲隊長「…ごほん!」
野明・遊馬・後藤隊長「……」
12 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:14:48.90 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「続きをお願いします後藤隊長。」
後藤隊長「…要は本庁の広報がね、小さなお友達の心を掴めれば、かわいい奥様の心も掴めるとか何とか、酔狂なことを言っとるワケなのよ。」
後藤隊長「そんな理由で特車二課がヒーローショー…なんて馬鹿馬鹿しい限りだが」
後藤隊長「これがボーナスの査定に響くって言うんだから、ホントに馬鹿馬鹿しい話だよなぁ~。」
一同「ぼ…ボーナスぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」
13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:17:19.04 ID:rxsewvk7O
野明「ど…どうしよう遊馬ぁ!お芝居なんてやったことないよぉ!!」
遊馬「お、俺だってそうだ!!え、演技なんて一体どうすりゃ…」
太田「待って下さい隊長ォ!!何故自分等がこんな子供騙しに……」
後藤「確かにヒーローショーごときで子供を釣ろうなんざ、まさに子供騙しもいいところだが」
後藤「コレは絶対なワケ。強制なワケ。任務なワケ。」
進士「に…任務…」
山崎「ひ、人前で…お芝居…」サアァ
野明「…ひ、ひろみちゃん、顔が真っ青だよ?」
14 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:19:54.00 ID:rxsewvk7O
後藤隊長「んで、肝心の配役だが、司会が熊耳。」
後藤隊長「レッドが泉。ブルーが篠原。グリーンが太田で、イエローが進士。んでピンクが山崎。」
山崎「ぴ…ピンク…?」
遊馬「ひろみがピンクってwwwww傑作だこりゃwwwwwww」
野明「ちょっと隊長!!普通、ピンクって言ったら私じゃあ…」
太田「隊長ォォォ!!何故泉がレッドなのですかアア!!!」
太田「赤く燃える、熱い気持ちなら自分の方がア!」
後藤隊長「そんな事言われても俺には、どーにも出来んのよぉ。」
後藤隊長「配役も台本もみーんな本庁の広報が決めちゃったんだからさぁ…。」
後藤隊長「と言うわけで台本。これ、明後日までに覚えてきて頂戴」
どっさり
野明「あ、明後日ぇえ!?」
遊馬「こ、この量を明後日までにぃ!?」
15 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:20:16.37 ID:rxsewvk7O
後藤「俺だってさぁ、参っちゃってるんだよぉ?本番の2日前に通知なんてさぁ…。」
野明「だ…だけど……」
後藤「ボーナス、掛かってるんだし、やらない、な~んて言わないよ…ねぇ?」
一同「……」
16 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:27:23.86 ID:rxsewvk7O
―――
野明「ゆくぞ!正義のロボット、アルフォンス!」
野明「あ~あ~…」
遊馬「溜め息なんかつくなよな。余計に憂鬱になる。」
山崎「えっと…悪の組織ダイイチショウタイ…覚悟しろ…」ブツブツ
太田「ゆるさんぞ!このむねのたかなりが…」
太田「……ええい!!!頭がごちゃごちゃするわ!!!」
進士「でも第一小隊が悪役なんて、なんだか意外ですよねぇ…」
山崎「よく引き受けてくれましたよね…」
熊耳「仕方がないわよ。あくまでイングラムを売り込むイベントだし、その為には相手になるレイバーが必要なんだから。」
遊馬「なーんか第一小隊ってのは貧乏くじ引いてばっかりだなぁ」
熊耳「第一小隊には感謝しないと…。」
野明「それより熊耳さん、もうセリフ、覚えなくても大丈夫なの?」
熊耳「ええ。大方は。」
野明「すごぉ~い!私なんかまだ1ページ目だよ…」
野明「コレ、明後日までに憶えきれるのかなぁ…」
17 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:32:15.48 ID:rxsewvk7O
【隊長室】
南雲隊長「アイドルを送り込んできたかと思えば…今度はあまり腑に落ちない理由でヒーローショー…ね。」
南雲隊長「…本庁の広報部は何を考えてるのかしら。」
後藤隊長「……」
南雲隊長「……」
後藤隊長「……」
南雲隊長「…今日はヤケに静かね、後藤さん」
後藤隊長「いやぁね、台詞がなかなか憶えらんなくってさぁ~…」
南雲隊長「あら、お芝居は得意そうなのに?」
後藤隊長「『得意そう』ってしのぶさぁ~ん……」
18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:34:44.74 ID:rxsewvk7O
後藤隊長「もしかしてしのぶさん…ぜーんぶ覚えちゃったの?」
南雲隊長「他にもやらなきゃならない仕事は山ほどあるでしょう?」
後藤隊長「そりゃすごいやぁ…。やっぱり、寄る年波には勝てないのかね…」
南雲隊長「で、後藤さん」
後藤隊長「な、なに?」
南雲隊長「私の衣装、まだ受け取ってないんだけど。」
後藤隊長「衣装?ああ~…もう少しすれば届くんじゃない?」
南雲隊長「……」
南雲隊長「そう。話し掛けて悪かったわね。」
後藤隊長「…んじゃあ、気分転換におしっこでもして来ようかなぁ~?」
南雲隊長「…一々報告しなくても結構」
20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:47:17.00 ID:rxsewvk7O
【整備班】
シバ「……」ゴクリ
整備員一同「……」ゴクリ
シバ「俺達は今から、重大かつ、極めて危険な任務をとり行おうとしている。」
整備員A「…はい」
シバ「い、いくぞ」
整備員B「い、いいんですかね」
シバ「後藤隊長直々のお願いだ。聞くしかないだろぉ?!」
整備員B「しかし…」
シバ「これはいわゆる『お互い様』ってヤツだ。こう言う状況の時、あの人には素直に従った方がいい。」
整備員A「お前は新入りだから知らないだろうがハゼの一件は全て後藤隊長のお膳立てなんだよ」
整備員B「…えっ!」
22 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:48:21.36 ID:rxsewvk7O
整備員C「利害が一致した時の後藤隊長は…最高のビジネスパートナーってヤツだ。」
シバ「いいか。あの人は本庁じゃ『カミソリ後藤』と呼ばれてる」
シバ「カリスマ理髪師にも、切り裂きジャックにもなりかねない。そう言う男なんだよ……」
「俺の悪評は今更ど~にもならんのは分かっとるんだけどね」
後藤「そう言うのは、せめて本人がいないところで言ってくれない?」
シバ「ご、後藤隊長オオオオオオオオオ!?」
整備員一同「う、うわアアアアアァァァァ!?」
後藤「なによ、皆してスウィーニー・トッドに出会っちゃった~みたいな顔しちゃってさぁ…」
23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:52:20.70 ID:rxsewvk7O
シバ「いや!あの…例のブツは今からァ…」
後藤「ま、当日まで見つからない様に頼むわ。」
シバ「そりゃ勿論ですけど…ど、どのくらい切りゃあ良いっすかね?」
整備員「多分上は4センチ、下はもう7センチくらい行けると思うんですが…」
後藤「……」
後藤「思い切って上7、下10で行かない?」
シバ「じゅ、10センチですかアアアアアアアアアアあああああああああ!?」
整備員「さ、流石に10センチはやり過ぎじゃ……」
後藤隊長「いが~いと大丈夫なもんよ?そう言うのは、大抵大きめに作られてるんだからさぁ。」
整備員A(こ、この人…)
整備員B(さ、流石は札付きのワルだ……)
後藤「…んじゃ。頼むわ。」
シバ「りょおおおおおおおかいしやしたああああああ!!!!!!」
――――
南雲「……あら」パキッ
南雲「いやだ、またステープラーの針が詰まっちゃったわ……」
24 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:58:40.66 ID:rxsewvk7O
野明「行け!アルフォンス疾風の如く!」
野明「……」
野明「あれ…次はなんだっけ」
遊馬「もしかして野明ぁ、お前まーだ憶えてないのか?」
野明「…そう言う遊馬はどうなんだよ」
遊馬「さーっぱり」
野明「人のこと言えないじゃないかぁ!」
遊馬「ま、キメ台詞さえ言えりゃあ後は第一小隊と俺達の柔道戦に、イングラムとパイソンのデモ戦がメインみたいなもんだろ。」
野明「それもそうかぁ。適当に流して、さっさとデモ戦に持ち込んじゃえば……」
太田「お前らはいつまでもそんな甘い考えだから成長せんのだ。」
野明「じゃあ太田さん、p37の台詞、言ってみてよ」
太田「ふん。『俺のこの胸に灯ったランプは犯罪者を許さぬオービスの……』」
野明「それ、後藤隊長のセリフ」
太田「う…うえ?」ペラペラ
太田「うおっ……」ペラペラ
太田「ウオオオオオオオオ!!!!!!?」
遊馬「もしかして太田、お前、後藤隊長のセリフを自分のセリフと間違えて暗記してたのか?」
太田「あ…ああ…あ………」
野明「き、気の毒だ」
25 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:59:08.63 ID:rxsewvk7O
野明「しかし…蒸れるなぁこの衣装…これ着たままアルフォンスに乗らなきゃならないんだよねぇ……」
熊耳「あら、でも中々似合ってるわよ泉巡査。」
野明「熊耳さん!」
遊馬「お、おおおお……」
熊耳「ふふっ。似合ってるかしら。」
遊馬「それは!それはもう!!」
野明「遊馬、ヨダレ垂れてるぞ」
26 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:59:52.17 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「……」
後藤隊長「遅いなぁ」
南雲隊長「…もう、あと30分もないって言うのに……」
シバ「お待ちどおさまあああああああああ!!!!」
南雲隊長「……シゲさん?」
シバ「さっき二課に届いてさぁ、いやあ、間に合ってよかったああああああああwwwwwwwwwwwwwww」
南雲隊長「ありがとう助かったわ…まさか制服のまま悪役を演じるわけにもいかないし……」
シバ「……」ニヤニヤ
27 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:01:19.82 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「着替えの出来る場所は…」
後藤隊長「あっち。打ち合わせもあるからなるべく早めにお願いします。」
南雲隊長「分かってます。制服がまんま衣装…って人が羨ましいわ。」
後藤隊長「四十男が普段から特撮の登場人物みたいな格好をしとる、って言うのも考えもんだなぁ~……」
南雲隊長「お互い、歳の事を考えると色々堪えるわね」
南雲隊長「それじゃ後藤隊長、この場はよろしくお願いします。」
後藤隊長「はいはい。行ってらっしゃ~い」
28 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:01:36.98 ID:rxsewvk7O
タタタタタッ……
シゲ「ここまでは計画通りっすね…」
後藤「……ああ。」
整備員「着ますかね、南雲さん」
後藤「按兵不動。その為にわざわざ、当日ギリギリまで待ったんじゃないの。」
後藤「『着ない』って選択肢はもう、南雲隊長にゃ残されちゃいないよ。」ニヤッ
29 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:03:18.07 ID:rxsewvk7O
――――
野明「あ、南雲隊長だ。やっと衣装が届いたのかぁ…」
遊馬「ど、どんな衣装なんすか!?」
南雲「私もまだ見てないのよ。お楽しみって所かしらね。」
遊馬「お…お楽しみ……」
野明「遊馬、鼻の下が伸びてるぞ」ジトッ
南雲「じゃあ着替えるから…5分経ったら知らせて頂戴」
一同「了解!」
シャッ…
南雲(『悪の女幹部』、ね。漫画やアニメ、特撮の類いは見なかったから、よく解らないけれども……)
南雲(ふふっ…確かに、追い詰められる側にとっては…私はそんな風に見えているのかも知れないわね…)
31 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:03:42.42 ID:rxsewvk7O
南雲「さて、早々に着替えを済ませないと時間が…」
がさごそ
南雲「……」
がさ…
南雲「………えっ?」
南雲「なっ……」
がさごそがさごそ
南雲「な、な、な……!」
南雲「な……」
南雲「何よ…これ……」
32 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:04:41.75 ID:rxsewvk7O
野明「『悪の女幹部』って、どんな衣装なんだろう…?」
遊馬「そりゃあーアレだろう。テンプレ通りにだなぁ、へーんなムチもって、へんな冠も頭にのっけて」
遊馬「おまけにでっかいマントもつけちゃったりして、極めつけにゃギリッギリのミニスカートなんかも履いちゃったりしてだなぁ…」ニヤニヤ
進士「南雲隊長のミニスカート姿…ですか」ゴクリ
遊馬「普段はズボンと言う名の分厚いベールに覆われてる南雲隊長の太ももが遂に露に…!!」
進士「おおおおおおお……!」
山崎「………///」
33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:05:11.58 ID:rxsewvk7O
太田「篠原ぁ!!か、仮にも上司だぞぉ…そんな…」
遊馬「とか言いつつも顔が真っ赤っかなのは何でかなぁ、功ちゃ~ん」
太田「な、なぁ…っ!!!」
遊馬「…っと、そろそろ時間だな。野明、南雲さんに知らせて来い。」
野明「…りょーかい」
遊馬「な、なんだよその目は」
野明「べっつに~ぃ」
34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:05:58.47 ID:rxsewvk7O
――――
野明「南雲隊長~、時間になりましたよ~」
南雲隊長「…」
野明「あれ、南雲隊長?」
南雲隊長「…」
野明「なぐもたいちょお~」
南雲隊長「…」
野明「へ、返事がない…?」
南雲隊長「……」
野明「ど、ど、どうしよう…!!」
熊耳「…どうしたの泉巡査?」
野明「な、南雲さんを呼んでも返事が…っ!!」
熊耳「南雲隊長?南雲隊長?お時間ですが…」
南雲隊長「…」
熊耳「やはり…返事がないわね……」
35 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:06:11.36 ID:W7CzuKyV0
もりあがってきましたw
36 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:06:50.80 ID:rxsewvk7O
太田「…も、もしや、南雲隊長に、何かあったのか!?」
進士「な、中で倒れてたり…」
遊馬「の、野明!だ、誰か…そうだ、後藤隊長を呼んでこい!!」
野明「う、うん!」
南雲隊長「…待って頂戴、泉巡査」
一同「!!」
野明「な、南雲隊長!」
熊耳「大丈夫ですか…?」
南雲隊長「ええ。聞こえてはいたのよ…すまなかったわね…」
山崎「なんだか具合、良くないみたいですが…」
進士「やっぱり隊長を呼んできた方がいいんじゃあ…」
南雲隊長「…その必要はないわ。」
南雲隊長「…ただ」
一同「…ただ?」
南雲隊長「……」
38 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:07:38.15 ID:rxsewvk7O
後藤「南雲さぁん、着替え、終わった~?」
後藤「そろそろ打ち合わせ、始めたいんですけどねぇ」
南雲「……後藤隊長」
後藤「……はい?」
南雲「あなた、私を嵌めたわね?」
後藤「そんな『ハめた』なんて若い奴らがあらぬ誤解を……」
南雲「下らない冗談は結構!!」
南雲「…アナタは広報から支給された衣装に故意的に手を加え…もしくは加えさせ」
南雲「かつ、衣装を変えられぬようにと、敢えて当日ギリギリまで私に渡さなかった。」
南雲「……違う?」
野明(う…うわぁ……)
遊馬(え、えげつない…)
40 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:08:52.71 ID:rxsewvk7O
後藤「やだなぁ~南雲さん、証拠もなしにそんなぁ……」
南雲「…シラを切る気?」
南雲「証拠ならあるわよ…!!」
ガラッ
南雲「……こんな衣装、本庁が用意する訳がないでしょう!!」
一同「!!!!!!」
南雲「……っ///」
後藤「おほっ!」
野明「な…南雲隊長……」
進士「ミニスカートどころか……」
遊馬「は…ハイレグ…?」
熊耳「……いえ、アレはハイレグの中のハイレグ…スーパーハイレグよ……」
山崎「す、スーパー……」もじもじ
太田「オレハナニモミテナイオレハナニモミテナイオレハナニモミテナイ」ブツブツブツブツ
41 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:15:13.39 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「……後藤さん。」
後藤隊長「い…いやぁね?誤解だって南雲さん」
南雲隊長「誤解?」
後藤隊長「だからね、これには深ぁ~いワケが……」
野明(さ…寒そうだ……)
遊馬(絶対にあのムッツリオヤジ、南雲隊長にこの格好させたいが為に引き受けたな…)
太田(オレハナニモミテイナイオレハナニモミテイナイオレハナニモミテイナイ)
山崎( )
42 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:15:59.85 ID:rxsewvk7O
五味丘「あ…あの……」
五味丘「お、御話し中失礼致します」
五味丘「南雲隊長、そろそろ時間ですが…」キョロキョロ
後藤「あれ?もうそんな時間?」
南雲「……わかった。すぐに行く。」
後藤隊長「……」
南雲隊長「……」
熊耳「あの…南雲隊長、衣装は……」
南雲「もう変える時間も無さそうだし……このまま行くしかなさそうね」ギロッ
後藤「………」
43 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:17:43.46 ID:rxsewvk7O
おタケおねえさん「みんなー!こんにちはー」
子供「こんにちはー」
大きなお友達「こんにちはあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
遊馬「皮肉にも満員か……」
野明「結局…南雲隊長はあの格好で出るハメになっちゃったけど…大丈夫なのかなぁ…」
進士「僕らがこう言うのもなんですけど…南雲隊長って本当に不憫…ですよね……」
遊馬「あーのカミソリ中年は相変わらず楽しそうだけどな」
後藤「♪あ~いしてると~、いーわーずにいたぁ~……」
山崎「そ、双眼鏡…わざわざ持って来てたんですね」
遊馬「…間違いなく、南雲さんの言う通り、ありゃ計画的犯行だな」
野明「わ、ワルだ!」
進士「…あの人が警察官で本当に良かったっていうか…なんて言うか……」
遊馬「……良かったのか?」
太田「……」
遊馬「あれれぇ、太田ぁ~、さっきからずぅ~っと無言だけど、どうしちゃったのかなぁ??」
太田「………」
遊馬「太田?太田ぁ?」
44 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:18:27.87 ID:rxsewvk7O
―――――
おタケおねえさん「ねえねえ、ところでみんなはレイバーの事はしってるかしら?」
子供「しってるー!!!」
子供「みんなのために、はたらいてくれてるんだよ!」
おタケおねえさん「あら、たくさん手が挙がったわね」
おタケおねえさん「じゃあ、みんなは『第二小隊』って知ってますか?」
子供「しってるー!!」
子供「ただめしぐらい!!」
子供「ひるあんどん!!」
子供「まぬけ!!」
子供「ふーてん!!」
子供「やくたたず!!」
子供「ごくつぶし!!」
子供「ろくでなし!!」
子供「いきはじさらし!!」
子供「のらくろもの!!」
子供「うじむし!!」
おタケおねえさん「………」
45 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:19:07.82 ID:rxsewvk7O
野明「う、蛆虫って…」
進士「僕達、子供達からそんな風に見られてたんですね…今更ですけど……」
山崎「一生懸命頑張ってるんですけどね…」
遊馬「それもこれも、誰かさんがところ構わず撃ちまくったり、暴れまくったりするせいなんだけどな。」
太田「なっ、何で俺を見るぅ……」
46 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:19:42.38 ID:rxsewvk7O
おタケおねえさん「……おほん」
おタケおねえさん「とにかく、まとめると…『第二小隊』は簡単に言えば建物を壊したり、悪いことをするレイバーを退治する、正義の味方なのよね?」
子供「えー!違うとおもーう!!」
子供「この間テレビで第二小隊が家をこわすとこみたー!!」
子供「警察のくず箱って先生がいってたー!!」
おタケおねえさん「……あ、そうだわ。今からここにイングラムと一緒に戦う正義の味方、『パトレンジャー』を呼んで、イングラムの秘密とか色々聞いて見ようかしら」
野明「な、なんだこりゃ…」
遊馬「まるで、おねえさんと子供の会話が噛み合ってないぞ…」
進士「なんか設定自体も甘いっていうか…強引っていいますか……」
47 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:20:26.59 ID:rxsewvk7O
子供「パトレンジャー?なにそれー!!」
子供「イングラムと戦ってるのは落ちこぼれの第二小隊じゃないのー?」
子供一同「おっちこぼれーwwwwwwwおっちこぼれーwwwwwww」
太田「黙っていりゃあ調子に乗りおってえええ……」
太田「なあああにが子供だあああああああぁぁ!!どいつもこいつも媚を売りおってえええええ!ああああああああああ!!!!!!」ガタッ
野明「お、太田さん落ち着いて!!!」
進士「だ、ダメですよ!子供相手に……!!」
太田「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」
遊馬「野明!お前は右足を押さえとけ!!」
太田「とめるなああぁぁ!!!!!」ジタバタ
野明「太田さん!ダメだってぇ!!」
48 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:20:45.67 ID:rxsewvk7O
おタケおねえさん「はーいじゃあ、みんないいかしら?」
おタケおねえさん「おねえさんがせーのっていいますから、大きな声でパトレンジャーって、一緒に呼んでね」
おタケおねえさん「いくわよ~!せーの!!」
子供「………」
大きなお友達「ぱーとれんじゃーー!!!!!」
おタケおねえさん「も、もっとおおきなこえで~」
子供「……どうする」
子供「おねえさんがかわいいからつきあってやるか」
おタケおねえさん「もういっかい!せ~の~」
一同「パトレンジャー!!!!!!!!!」
49 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:23:12.71 ID:rxsewvk7O
「ふ……ふふふふ……」
おタケおねえさん「だ…誰の声かしら」
「ぱ…ぱ、ぱ、パトレンジャーは、こ…ここには……こ、こないわ……よ…」
子供「なにこれwwwwwwwwwwww」
子供「こえふるえてるwwwwwwwwwwwwww」
おタケおねえさん「誰!誰の声なの!?」
「わ…わたしたち悪の組織…だ、ダイイチショータイが…この会場を…支配したのだから……」
おタケおねえさん「なに?なんなの!?」
五味丘「……」
南雲「……」
おタケおねえさん「キャー!!!!!!」
一同「……」
野明「…棒立ちだ」
遊馬「……棒立ちだな」
51 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:25:24.70 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「も、もう…イングラムは…こ、ここにはこれない…わ……」
南雲隊長「わ、我がしもべ、パイソンが…この会場を支配した…」
南雲隊長「……」
大きなお友達A「なんぞこれwww棒読みでござるwwwwつか衣装自重汁wwwえwwろwwwいwwwww」
大きなお友達B「テラ真っ赤wwwww警察は病気杉wwwwwwwwwww」
大きなお友達C「うはwwwwwwwwwwwww」
大きなお友達D「ちょwよく見れwwwwww第一小隊のババアだぞwwwwフヒッwwwwwwwwwwww」
南雲隊長「それに…こ、こ…こうして……第二小隊隊長まで…人質に…とったのだ…」
後藤隊長「わぁ、捕まっちゃった~…」
南雲隊長「……」
53 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:26:45.14 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「わ…わが…ダイイチショータイの…」
大きなお友達A「ハァハァ」
大きなお友達B「ババアのハイレグタマンネ」
子供「……つまんないー」
子供「棒読みだし、迫力ないしさぁ」
子供「悪役が魅力的じゃないってのはちょっとなぁ」
子供「へったくそ!へったくそ!」
一同『へったくそ!へったくそぉ!!』
南雲隊長「………」
おタケおねえさん「あ…あの…ちょ、ちょっとみんな……」
54 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:29:19.39 ID:rxsewvk7O
へったくそ!
南雲隊長「……」
へったくそ!へったくそ!
南雲隊長「……ふ」
へったくそ!へったくそ!へったくそ!
南雲隊長「……ふ……ふ……」
後藤隊長「……しのぶさん?」
へったくそ!へったくそ!へったくそ!へったくそ!
南雲隊長「ふ……ふふふ……」
後藤隊長「あ、あの…し……しのぶさぁん?どうしたn…」
ぎゅうううううう
後藤隊長「……んぐっ!?」
南雲隊長「ふふふふふ……」
南雲隊長「ふふふふふふふふふふふふふふふふふ!!!!!!!!!!!」
南雲隊長「あははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!!!!!」
一同「!?!?!?」
55 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:31:12.39 ID:rxsewvk7O
南雲「我が悪の組織、ダイイチショータイの完全なる勝利である!!」
南雲「ダイイチショータイ、バンザーイ!!!!!」
南雲「さあ言ってごらん!ダイイチショータイ、バンザーイ!!!」
子供「 」
大きなお友達「 」
野明「 」
遊馬「 」
進士「 」
山崎「 」
太田「 」
後藤「 」
南雲「さあ、とっとと言ええぇぇぇぇええええっっっ!!!!!!!」
一同『だ…ダイイチショータイ…ば、バンザーイ…』
南雲「あっはははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!」
56 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:33:54.09 ID:rxsewvk7O
おタケおねえさん「……きゃ、キャー!!」
南雲隊長「このまま子供達を洗脳して、悪のレイバー戦士にしてしまえ!一人残らず捕まえろ!!!!!!」
戦闘員(シバ)「あ、あの…えっとぉ…りょ…了解……」
南雲隊長「あっははははははははは!!!!!!!やれえ!!!!!!!!一人残らずだあああああああぁぁぁああああ!!!!!!!!!!!!!!!」
子供「いやあぁぁぁぁ!!!!!」
子供「こ、来ないでぇ!!!!!」
子供「うわああああ!!!あのおばさんこわぁぁぁあああああいぃぃぃ!!!!!!!!!」
野明「か、完全に……」
遊馬「な、南雲さんが……」
太田「こ、壊れた……」
57 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:34:43.69 ID:rxsewvk7O
子供「いやああああああ!!!!!!来ないでえええええええええええ!!!!!!!!!!!!」
後藤隊長「い…いや、何て言うか、しのぶさんは何でもこなせるんだなぁ…あはは~…?」
南雲隊長「………」ぎゅうううう
後藤隊長「く…苦しい…しのぶさぁん……」
おタケおねえさん「それじゃあみんなー!!!パトレンジャーを呼ぶわよ!!」
おタケおねえさん「せ~の!!!!!!」
子供「バ………ばどれんじゃあ゛……!!!!うわああああああああああああああああああ!!!!」
58 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:36:18.38 ID:rxsewvk7O
おタケおねえさん「もっと大きな声で!!せ~の~!」
子供「ぱ、ぱ、パトレンジャーあああああああ!!!!!!!!!!」
遊馬「出番だ!行くぞ野明!」
野明「う……うん!!」
野明「ってあ、あれ……なんか…セリフが飛んじゃった……」遊馬「…なぁ、なんだとぉおお!?」
野明「だ、だって仕方ないじゃないかぁ!!!」
進士「あ……あれっ……そう言えば…僕も最初のキメ台詞以外は何だか不安に……」
山崎「ぼ、僕もです……」
太田「………」
遊馬「と……とにかく今更逃げ出す訳にもいかんだろうが!」
野明「そ、そんなこと言ったってぇ……!!」
遊馬「もう腹を決めて行くしか……」
おタケおねえさん「もっと大きな声で!!!!!!」
子供「パトレンジャーああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
59 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:37:07.88 ID:mxdRtEXX0
寝る前に爆笑させんなwwwww
60 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:38:28.67 ID:E4M0nyC5P
支援するぞ
61 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:39:24.19 ID:rxsewvk7O
そして話は>>1に繋がり、>>7へ戻る。
―――――
野明「一つ、非番でも笑顔で出撃!」
遊馬「二つ、不可思議月月火水木金金!」
山崎「三つ、み、身内が起こした犯罪でも…」
太田「四つ、容赦はしないぞおおおおお!!!犯罪者あああああ!!!!」
進士「五つ、胃痛は日常茶飯事……」
一同「M.P.P!特車戦隊パトレンジャー!!」ビシッ
シゲ「火薬点火ああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
シーン………
シゲ「ってありゃ……?」
整備員「あの……1回分しか………」
シゲ「あああああああっ!!そうだったあああ…!1回分しかもってこなかったんだわ……」
一同「………」
63 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:42:04.65 ID:rxsewvk7O
おタケおねえさん「と…とにかく……みんな階段の上を見て!」
おタケおねえさん「パトレンジャーが来てくれたわよ!」
南雲隊長「くっ……パトレンジャーめっ!!」
野明「な…何だったっけ…この後……」コソコソ
遊馬「……適当にカッコいいことでも言って、ごまかせ」コソコソ
南雲隊長「パトレンジャー!何をコソコソやっている?」
南雲隊長「この男がどうなってもいいのか?」ニヤッ
ぎゅううううっ
後藤隊長「南雲さん、ほ、ホントに…く、苦しいってぇ……」
野明(と、とりあえず何かカッコいい台詞、言わなきゃ…)
野明(カッコいい…カッコいい……)
野明「……」
野明「あああああ!!ダメだ、全然思い浮かばないよぉ!!!!!」
64 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:45:30.01 ID:rxsewvk7O
野明「頭の中がごちゃごちゃして全然思い浮かばない!!!!!」
遊馬「なんとかひねり出せ!」
野明「そんな無茶な事言わないでよ遊馬ぁ!!」
子供「ヒーローがなかまわれwwwww」
子供「さすがは落ちこぼれwwwwwwwwww」
大きなお友達「第二小隊は芝居もロクに出来ないwwwwwww」
太田「泉いい!!」
野明「ぐぐぐぐ………!」
野明(落ち着け野明…このままだと子供にバカにされっぱなしだぞぉ……)
野明(マズは落ち着いて…それから……)
野明(そうだ。南雲隊長みたいに役に集中すれば…)
野明(集中…集中…集中……)
野明「………」ぐっ
65 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:47:09.49 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「あっははははははははははははははは!!!!」
南雲隊長「どうした!掛かってこないのかパトレンジャー!!我々に恐れを為したか!?」
野明「そんなこと……あるもんか!!」
野明「正義の名のもとに、お前達犯罪者を逮捕する!覚悟しろ!!」
野明(よ、よし…なんとか恥を捨てたら…セリフが……)
遊馬「……ああ、えーっと……お前達の悪事は…今日で終いにしてやる!!俺達の力をなめるなよ!!!」
太田「し、篠原ぁ!!そこは俺のセリフっ…!!」
遊馬「いいじゃねーかよ。一言くらい。ケチ臭いぞw」
太田「こ…こいつ!!!!」
山崎「ちょ、ちょっとお二人とも…子供達が見てますから……」
遊馬「正義の警察官が子供が見てる前で仲間を殴っちゃうのかなぁ~?」
太田「ぐぬぬぬぬ……!」
67 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:53:10.31 ID:rxsewvk7O
進士「さ…さあ、降伏しませんか?今ならごめんなさいするくらいで済まされるかもしれませんよ?」
南雲隊長「うるさい!我々の邪魔はさせぬ!!!」
南雲隊長「やれ!!!」
第一小隊員A「りょ、了解!」
野明(こ…ここまでは上手く乗りきったけど……)
山崎(ここから先、リハーサル……出来ませんでしたからね……)
進士(ここからは格闘シーン…確か柔道でしたよね?…空気を読みながら…ですかね……)
遊馬(手合わせをしてもらったこともあるわけだしな。ここも適当に……)
太田「悪は駆逐するまでだああああああああああ!!!!!ウオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」
野明「って、お……太田さん!?」
遊馬「ば、バカ!太田!!無計画に…んないきなり突っ込んでいったら……!!」
太田「覚悟しろおおおおおおおおおおおおおお!犯罪者ぁあああああああああ!!!!!!」
太田「パトグリーンキイイイイイイイイイイイック!!!!!!!!!!」
進士「って…な、なんか」
山崎「なりきっちゃってますよ……正義の味方に……」
68 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:54:16.75 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「!」
太田「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
ガスッ!!!!!!
太田「んふっ!?」
南雲隊長「……あっ」
子供「グリーンよええええええwwww」
子供「女にやられてやんのwwwww」
子供「パトレンジャーよえーwwwwwwww」
太田「 」
後藤隊長「…こりゃ確実に急所に入ってるわ」
70 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:58:51.66 ID:rxsewvk7O
進士「ってそんなこんなしてる間に随分時間、押しちゃってますよ」
野明「ど、どうしよう…!」
遊馬「ど、どうするも…こうするも…」
遊馬「………」
遊馬「こうなったら…飛ばすしかないだろう」
野明「と、飛ばすって遊馬ぁ…!」
遊馬「一応格闘もしたしな、十分だろう。さっさとデモ戦を始めなきゃならん。デモ戦あってのヒーローショーなんだし。」
野明「でもどうやって…」
遊馬「そこは…」
野明「そこは?」
遊馬「…南雲さん達に空気を読んで貰おう」
野明「だからどうやって」
遊馬「そこはアレだ…知恵と勇気で……」
野明「ち、知恵と勇気って…」
71 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:59:57.83 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「…どうした作戦会議か?ふふっ…勝てないという結論でもでたか?」
子供「だめだ…おしまいだ…」
子供「パトレンジャーはよわいし…たよりにならないし…」
子供「ダイイチショータイにせんのうされちゃうんだわ…わたしたち……」
後藤隊長「子供達、本気で怖がってますよぉ~しのぶさんのこと」ニヤニヤ
南雲隊長「…あなたも少しは怖がったら?」
後藤隊長「怖いですよぉ、特にこの後がすごく」
南雲隊長「そうは見えないけど。寧ろ楽しそうよ」
後藤隊長「俺、演技の才能がないんだなぁ…きっと」
南雲隊長「……よく言うわ」
72 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:01:30.01 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「パトレンジャー!我々に屈するか!!膝をつき、我に忠誠を誓うなら命だけは助けてやるぞ?」
野明「え……えっと……」
野明「私達は警察官だ!子供達が見ている前で…例え敵であっても人を殴るのは…あんまり良くないことだ!!」
子供「さっきグリーン、南雲隊長に殴りかかってたじゃーん!!」
遊馬「あ、あれは洗脳だ!そうだ、グリーンは南雲隊長に洗脳されて警察官にあるまじき行為をだな……」
子供「ええー」
子供「なんか後付けっぽーい」
野明「と、とにかく殴り合いはいけない!!」
野明「だから、パイソンとイングラムで勝負だ!イングラムが勝てば、隊長とグリーンは返してもらうぞ!!」
子供「レイバーどうしのなぐりあいはいいのかよー」
子供「素手でかてないからってレイバーにたよるなよ」
子供「よけいにかねがかかるじゃーん」
子供「かねくいむし!!」
73 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:03:09.46 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「………」
野明「………」ゴクリ
遊馬「………」ゴクリ
南雲隊長「……」
南雲隊長「面白い…よかろう!その勝負受けた!!イングラムをボロボロにしてやれ!!!!!!」
南雲隊長「今日こそパトレンジャーの息の根を止めてやるのだ!!!!!!」
南雲隊長「あっはははははははははははは!!!!!!」
74 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:04:26.47 ID:rxsewvk7O
―――――
子供「なあなあ、どうだったよ」
子供「まあまあだな…でも南雲隊長がこわかった……」
子供「パトレンジャーにたおせると思えないんだよな…」
子供「ぼくたち…どうなっちゃうのかなぁ……」
子供「あれ、でもわたしは南雲隊長…すきかも……」
子供「あのとき、パトレンジャーをたおせたかもしれないのに…わざわざパトレンジャーにチャンスをあげたのよ」
子供「てきにしおをおくる……ってやつか……」
大きなお友達A「あのババア…なかなかイキだよな……」
子供達「……」
75 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:04:45.14 ID:rxsewvk7O
おタケおねえさん「それではよいこのみんな、よく聞いてね。」
おタケおねえさん「これから第二小隊ことパトレンジャーのイングラムとダイイチショータイこと第一小隊のパイソンが戦うわ。」
おタケおねえさん「ちょっと準備があるから、その間、おねえさんとパトレンジャーへの応援を練習しましょうね!」
子供達「はーい!」
大きなお友達「はああああああああああああい!!!!!」
76 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:08:23.61 ID:rxsewvk7O
――――
後藤隊長「……と、いうワケで、熊耳が適当に時間を稼いでくれることになったが、それでも持って10分ってとこだから、準備はなるたけ、早めによろしくね。」
野明「了解!」
太田「隊長!どうして搭乗するのが泉なのですかァァ!!」
後藤隊長「お前の2号機は修理中だろうが」
太田「ディスクなら…!」
後藤隊長「あんまり無茶言うもんじゃないぞ太田ぁ~…」
後藤隊長「それにお前今、敵に洗脳されて捕まっちゃってるって設定なんだからさぁ、戦えんだろう?」
太田「…ぐううううう!!!!!」
77 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:10:06.08 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「………」
後藤隊長「あの、しのぶさ~ん……怒ってる?」
後藤隊長「あれは、わざとじゃなくてね?しのぶさんの衣装にさぁ……」
南雲隊長「……言い訳は終わった後、じっくり聞くわ。」
後藤隊長「ああ…そう……」
南雲隊長「五味丘」
五味丘「はっ……はい」
南雲隊長「いいか。絶対に手を抜くな。勝つつもりで行け。」
五味丘「し…しかし……」
南雲隊長「勝ったときは勝ったときだ。…ねぇ、後藤さん?」
後藤隊長「……やっぱり怒ってますよね?しのぶさん」
78 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:12:34.85 ID:rxsewvk7O
同時刻・同交通安全フェスティバル会場内
男A「で、潜入したのはいいものの」
男A「…下町のイベントを滅茶苦茶に…ってどうなんだよ」
男B「それがさ、ただのイベントじゃないらしいんだよ」
男B「警察が協力してるとかなんとか」
男A「マジでか!!!!」
男B「防衛軍に入ってまだ1ヶ月なのにこんな大役を……胸が熱くなるな」
男B「…これからこのイベントをメチャクチャにしてやる!」
男A「一度は没落した『地球防衛軍』の名を再び、この世に広く知らしめる事が出来ると同時にだ」
男A「警察の信頼を貶めることも出来る!!」
男A「そして街は恐怖に包まれる!!!!!」
男B「しかし警備が適当にも程があるぜ」
男B「この豊作くんを違法改造した『豊作くんプロ』をこんなにも簡単に会場内に持ち込めちまう…なんてなぁ!」
79 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:13:48.82 ID:rxsewvk7O
男A「……」
男B「どうしたよ急に静かになって」
男A「い…いや…やっぱ止めない?」
男B「何を今更…」
男A「何が悲しくて男二人、クリスマスにこんなことしなきゃならないんだよ」
男B「これも任務だろ!ボス直々の!」
男A「でもさ、俺達が豊作くん乗り回してる間にイケメンは豊乳ちゃんを乗り回しt…」
男B「言うな!皆まで言うな!」
男B「いいか?これは警察だけじゃない!社会への復讐なんだよ。」
80 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:14:28.43 ID:rxsewvk7O
男B「当然…今回のテロが上手く行けば、幸せなクリスマスを送る連中を震え上がらせる事が出来る」
男B「見ろ…あの純真そうな子供…家族連れ、あの煽りに来てるカップル……ムカつくだろ?」
男A「ムカつく!」
男B「あいつらを恐怖のズンドコに落とせるんだぜ……」
男A「恐怖の…クリスマス…」
男B「そうだ!二度と楽しいクリスマスを送れないようにしてやろう」
男A「だけど…そんなことをしたって俺達は幸せになれないぞ…」
男B「だが、他人の幸せは奪える!!!!!」
男A「!」
男A・B「ふっ……ふふふふふふふふふ……!!!!!!!!!!!!」
81 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:17:49.54 ID:rxsewvk7O
おタケおねえさん「せーの」
子供「頑張れ!頑張れ!パトレンジャーあああああああ!!頑張れ!頑張れ!イングラムうううううううう!!!!!」
おタケおねえさん「もっと大きな声で~!」
子供「……もうこれ以上でないよぉ」
子供「喉いたぁい……」
子供「レイバーはまだかよー!!」
おタケおねえさん「も、もうちょっと待っててね…」
ガラッ
熊耳「まだかしら?…こちらもそろそろ限界よ」
遊馬「野明ぁー!だから着替える時間なんてないって言っただろうがぁ!」
82 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:18:13.37 ID:rxsewvk7O
野明「で、でも何だか…この衣装だとお尻が滑って…せめてズボンだけでもぉ……」
太田「ですから隊長おおおおおお!外からでは乗っとる人間は分からんのですから、自分にぃぃぃぃ……!!!!」
後藤「と、言われてもなぁ…お前に行かせると、あんまり教育上よろしくなさそうというか……」
進士「………」
太田「なああああああんだとおおおおおおおお!?」ガバッ
進士「ちょ、ちょっと太田さぁぁぁん!僕はまだ何にも……」
83 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:18:31.93 ID:rxsewvk7O
太田「『まだ』ってことは何か言うつもりだったんだろおおおおおおおお!?」
進士「そんな、当たりどころがないからって、いちゃもんも……」
山崎「あ…あの……僕は何か手伝えることは……」おろおろ
南雲隊長「……」
84 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:18:55.96 ID:rxsewvk7O
おタケおねえさん「おまたせしました」
おタケおねえさん「パイソンとイングラムのバトルが始まるみたいよ」
おタケおねえさん「危ないのでこのロープの外からは出ないようにお願いします。」
子供「はーい!!」
大きなお友達「はああああああああああああい!!!!!!」
ガシン!ガシン!
パイソン「………」
子供「うわあああああああああああああああ!!!!!!ダイイチショータイのパイソンだぞ……」
子供「なんか暗い色でこわぁい!悪のレイバーね…!!!!!!」
85 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:19:52.62 ID:rxsewvk7O
子供「私達…悪のレイバー戦士にされて、あれにのせられちゃうのかなぁ……」
パイソン「………」
ガシーン…
後藤隊長「いやぁ、映えるねぇ。お宅のパイソンはぁ。」
南雲隊長「…どうもありがとう。」
子供「みろよ!南雲隊長が来たぞ!」
大きなお友達「うひょwwwwwww太ももwwwwwwwwwwwwww」
子供「うえええええええええん!!!!!ままあ、こわいよおおおおおおお!!!!!!!」
大きなお友達「ババア!結婚してくれ!!!!!!!!!!!!」
子供「あくまだ!!あくまのおんなだ!!!!!!」
86 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:20:17.28 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「………」
後藤隊長「あ、あの…しのぶさん?この借りはいずれ……」
南雲隊長「………」
ぎゅうううううううううう
後藤隊長「ぜ…精神でぎに゛……………」
87 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:24:10.37 ID:rxsewvk7O
野明「……結局、着替えられなかったなぁ」
野明「うーん…なんかツルツルしてやりにくいし……」
ガシン!ガシン!
子供「うおおおおおおおおお!!!!!!」
子供「イングラムだ!イングラムだ!!!!」
野明「あんなに子供達がアルフォンスを見てよろこんでくれてる……」
野明「…へへっ」
子供「かねくいむしだ!!!!!」
子供「ウドの大木だ!!!!!!」
子供「見かけ倒しだ!!!!!!」
野明「な……なな……!」
野明「ひ、酷いっ!私のアルフォンスになんてことぉ……」グググググ…
88 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:24:36.16 ID:rxsewvk7O
遊馬「の、野明!落ち着けー!!」
太田「あのガキ共!今すぐ根性叩き直してくれるわあああああああああああ!!!!!!」ジタバタ
山崎「お、太田さん…あんまり動かないで下さい……」ガシッ
太田「放せええええええええええええええええ!!!!!!」グググググ…
進士「……2号機が修理中で助かったような」
太田「何だと進士いいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!?」
山崎「お、太田さぁん……!」
89 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:25:10.53 ID:rxsewvk7O
野明「えっと……この後の台詞は……」
野明「そ、そうだ……か、覚悟しろ!ダイイチショータイ!!」
野明「お前のやっていることは…許されないことなんだぞ!!!」
南雲隊長「ふん!口の聞き方に気をつけるんだなパトレッド!!」
南雲隊長「覚悟するのはお前達の方だ!!」
南雲隊長「やれ!パイソン」ニヤッ
子供「うわああああああああ!!こっちみたああああああああああああ!!!!!!」
子供「ニヤッって笑ったああああ!!!!!!こわいよおおおおおおおお!!!!!!」
南雲隊長「………」
90 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:25:49.88 ID:rxsewvk7O
遊馬「お、俺達の…」
山崎「せ……せいぎのこころを……」ボソボソ
進士「あなたとイングラムに……」
太田「あ……預けるぞ…」
野明「い、行くぞアルフォンス!疾風のごとくー!!」
南雲隊長「容赦はするなパイソン!!!二度と光を見れぬようにしてやれ!!!」
ガシン!ガシン!ガシン!
大きなお友達「うわあああああああああああああああ!?」
一同「!?」
91 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:28:06.96 ID:rxsewvk7O
ガシャーン!ガシャーン!!
男A「ぐっへへへへへへへ!!!!!!俺たちゃ地球防衛軍だあああああ!!!!!!」
ガシャアアアアン!!!
男B「壊してやるぞ!!ぶっ壊してやるぞ!!覚悟しろおおおお!!!!!!」
子供「きゃああああああああ!!!!」
子供「あっちからも変なレイバーが出てきたぞ!!!!!!」
南雲隊長「な、何事!?」
警備員A「大変です!大変です!」
後藤隊長「一体どうしたってのよアレは……」
警備員B「それがですね…その……テロリストがどうも会場内に潜入してたらしくて…」
警備員C「暴れまわっとるんですわ!!」
後藤隊長「潜入って、…あんな『いかにも』なレイバー持ち込んどるワケなんだからさ、わかるでしょう普通」
警備員A「でも、『特車二課整備班』って言われたら…なぁ?」
警備員B「通しちゃうよなぁ……?」
警備員C「違法改造のレイバーの一つや二つ、作ってそうなもんだよなぁw」
整備員A「お……俺達まで」
整備員B「そんな目で見られてたのか……」
シバ「うがああああああああああああああああああ!!!!!!」
整備員A「ちょ、ちょっとシゲさん落ち着いてくださいってえ!!!!」
93 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:55:22.09 ID:lST6v3+/0
脳内再生って偉大だよな
94 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 06:30:54.40 ID:Ckruw7eQ0
まさかのパトレイバーSSだと
99 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:15:23.10 ID:rxsewvk7O
男A「叫び狂え!!!!」
男B「革命には犠牲はつき物なのだ!!愚民どもよ、喜びながら血を流すがよい!!!!!!!!!」
子供「うわああああああ!!!!!!」
後藤隊長「いやぁ…しかし、ありゃ、まるで特撮の悪役だなぁ~…」
遊馬「隊長!そんな暢気な事言ってないで、早く観客を避難させないと…」
後藤隊長「って言ったって…、逃げ場なんて今更どこにも無いでしょうに…」
遊馬「……あっ」
南雲隊長「逃げ惑ってパニックが起きるよりか、このまま一ヶ所に集めて置いた方が良いわ。」
遊馬「でもそんな…いくらなんでもそりゃ……」
後藤隊長「そりゃあ、危なっかしいだろうけどさ、危なっかしいのはいつものことだろうに」
遊馬「た…隊長ぉ!」
100 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:21:20.80 ID:rxsewvk7O
後藤隊長「こうなっちまった以上仕方ない。」
遊馬「と言ったって、もしも……」
後藤隊長「だからさ、その『もしも』が起きない様にするのが、今の俺達の仕事でしょ?」
遊馬「……」
後藤隊長「それに都合のいい事に観客は、出し物の一部だと、てっきり勘違いしてくれてる。ほらアレ」
子供「な…なんかワクワクしてきたぞ!」
大きなお友達A「パイソンとイングラムの戦いに見せて第三の敵を投入…警視庁ktkrwwwwwwwwwwwwww」
遊馬「………」
南雲隊長「……」
101 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:23:16.45 ID:rxsewvk7O
後藤隊長「ああ、泉。聞こえるか?」
野明「は、はい!た、隊長ぉ、向こうから何か変なレイバーが……!!」
後藤隊長「ああ、どうやらテロリストが会場に堂々と潜入しとったらしくてな。日本語がおかしなことになっとるけども」
野明「じゃ、じゃあ、もしかして…!」
後藤隊長「そう。そのもしかして。予定を変更して、パイソンじゃなくて、豊作くんとやり合う。」
野明「ええええ!!」
後藤隊長「篠原、泉のバックアップを頼む」
遊馬「りょ、了解!」
南雲隊長「こ、ここでやり合うって後藤さん……」
後藤隊長「それしかないでしょう。相手をどっかに誘導しようにも街のど真ん中だし、被害をかえって広げるだけだ。」
後藤隊長「本庁への報告は、どーせ出動命令が出るんだから単に時間の無駄だし」
後藤隊長「外にでるなと子供達には熊耳が念を押してる。それに一応大田達に監視もさせて置いてるワケだし大丈夫でしょ。」
南雲隊長「……」
102 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:24:20.64 ID:rxsewvk7O
後藤隊長「それに警察章の付いたレイバー同士、戦わずに済むじゃないの」
南雲隊長「…この期に及んでまでそんなことを。」
後藤隊長「………」
南雲隊長「どうしたの?」
後藤隊長「いや…なんか嫌な予感がするなぁ~なんて…」
南雲隊長「………」
後藤隊長「ま、と言うわけで頼むわ」
野明「りょ、了解!」
103 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:25:26.32 ID:rxsewvk7O
太田「た、隊長ォ!!!自分にも戦わせてください!!!」
後藤隊長「埋立地から修理中の2号機を運んで来るって言うのか?無茶言わんでくれよ」
太田「し、しかし…万が一と言う場合もおおおお……!!」
後藤隊長「万が一の時はパイソンが助けてくれるでしょ。ねぇ、南雲隊長?」
南雲隊長「…利子はかなり高くつくわよ」
後藤隊長「と、言うわけだから。太田はそのまま子供達を『大人しく』監視しとるように。」
太田「……」
太田「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」
山崎「ちょ、ちょっと太田さん、暴れないで下さい……」
104 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:38:33.55 ID:rxsewvk7O
ガシーン…ガシーン…
男A「ギャハハハハハハハ!!!!!!」
男B「グヘヘヘヘヘヘヘヘ!!!!!!」
後藤「あーあー…」
男A「げ!」
男B「と…特車二課!?」
後藤隊長「あー…そこのレイバー、止まりなさい」
男A「やなこったーwwwwwww」
男B「っつうかお前に言われてやめるくらいならやってねーよwwwwwww」
後藤「まぁ…そりゃあそうだよなぁ~…」
南雲隊長「……後藤さん!」
105 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:39:03.46 ID:rxsewvk7O
後藤「おほん…」
後藤「今ならまだケガ人も出てないしさぁ、免停くらいで済むかも知れないよぉ~?」
男A「まだ今なら…め…免停……」
男B「騙されるな!コイツのやり口だ!!そう言って投降して実刑くらったヤツがいるんだぞ!!!」
男A「そ、そうなのか!」
男B「相手は通った後にはペンペン草も生えない特車二課だ。」
男A「そうだな…危うく…」
後藤「あー、これ以上暴れると、発砲も余儀なく行うけど、いい?」
男A「は…発砲?」
後藤「そう。発砲。リボルバーで、その豊作くんを撃つの。」
男A「……で?」
後藤「で?」
106 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:46:58.64 ID:6kbik6Zv0
太田さんならすでに全弾ぶっぱなしてるな
107 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:50:23.54 ID:rxsewvk7O
男A「で?」
後藤隊長「で?」
男A「…で?」
後藤隊長「で…?」
男A「んで?」
後藤隊長「んで?」
男A「んで?」
男A「ってああああああああ!!!!!」
男A「だーかーらー!!!!!で、どうなるかって聞いてるんだよ!!!!!」
後藤隊長「……」
後藤隊長「……当たったら痛いだろうなぁ」
108 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:52:14.33 ID:rxsewvk7O
男A「だってよ!!!」
男B「お前はさっきから何にビビってるんだよ……」
後藤隊長「やめない?」
男A「……」
後藤隊長「やめようよ。俺だってさ、クリスマスの日に、こんな年甲斐もなく黄色いチョッキ着込んでヒーローショーなんてさ、本当に辛いのよ。」
後藤隊長「クリスマスに男二人が嫉妬と寂しさのあまりにレイバーで街を襲う!!なんて一面記事、情けないでしょ?」
後藤隊長「その上、田舎の両親は全国に晒されたバカ息子のバカな面を見ながら、新年早々世間様に顔向け出来ないと泣き叫ぶワケ。」
後藤隊長「かと言って、カップルには何のダメージも与えられないワケ。」
後藤隊長「精々、熱い夜を過ごしたホテルの一室のドアに、情けない一面記事の乗った新聞が挟み込まれ、他人事として怖がられるのが関の山なワケ。」
男A「……」
男B「……」
後藤隊長「やめちゃえばさぁ、一面記事は免れるし、俺達もさっさとこんな格好脱いじゃえるのよ。」
後藤隊長「…みんなで幸せになろうよ」
男A「………」
110 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:52:42.80 ID:rxsewvk7O
男B「よ…余計なこと喋んなカス!!!!!」
後藤隊長「いやね、こっちも金食い虫と煽られてる手前、あんまり無意味なことはしたくはないのよ。」
後藤隊長「でもさ、形式踏まなきゃならんのよ。決まりなワケ。」
子供「なんだよあの会話wwwwwww」
子供「さっさと攻撃しろよwwwwwww犯人ビビりwwwwwwwwwwwwwww」
子供「チーキーン!!!!!チーキーン!!!!!チーキーン!!!!!」
熊耳「ちょ…ちょっと!」
111 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:55:02.84 ID:rxsewvk7O
男A「なっ……!!!!」
男B「あのクソガキ共……!!!!」
子供「社会のゴミwwwwwww」
子供「ああいうの『負け組』って言うんだぜwwwwwww」
男A「ち…チキショー…女子供は逃してやろうかと思ったけど………」
男B「二度と笑えない様にしてやる………!!!!!」
後藤隊長「そうやって人の幸せを奪っても意外と虚しいもんよ?」
男A「うるせー!!!!!ぶち殺すぞ!!!!!」
後藤隊長「……限界かなぁ」ボソッ
112 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:56:24.90 ID:rxsewvk7O
後藤隊長「……あの」
警備員「は…はい」
後藤隊長「あのレイバーが暴れ出してから大体どのくらい経ちました?」
警備員「え…ええっと……15分くらい…ですかね」
後藤隊長「15分か…まあ、良く付き合ってくれた方か」
警備員「?」
男B「うおおおおおおおおおお!!!!!」
男A「皆殺しじゃあああああああああああああああ!!!!!」
114 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:07:21.05 ID:rxsewvk7O
後藤隊長「と言うわけで交渉決裂だ。泉、篠原」
野明「う…うわぁ…犯人、余計に興奮しちゃってるよ…」
遊馬「あのオッサン掻き回すだけ掻き回しやがって……」
男A「単なる豊作くんだと思って貰っちゃ困るぜ!」
男B「今日の俺達はな、怖いもんなしなんだ!!!!!」
男A「クリスマスなんかぶち壊してやる!!」
野明「あ、そうかぁ。今日はクリスマスだったっけ……」
野明「……」
野明「クリスマスに何やってんだろう…あたし……」
115 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:07:53.33 ID:rxsewvk7O
遊馬「って、んなことは後だ野明!!!」
野明「そ、そうだ!!妙に落ち込んでる場合じゃない!」
野明「お前達、これ以上抵抗を続けるなら公務執行妨害も罪に加わるぞ!!」
男B「うるせぇええええええええええええええ!!!」
ガシーンガシーン!!!!!
野明「ぐぐぐ………!」
野明「い、意外と力が……」
男B「そうだろう?そうだろう?」
男A「色々付けすぎたせいか、二人がかりで操縦しなきゃならなくなっちまったが、その分パワーも二倍だ!!!!!」
野明「ぐっ……」
男B「チキショー!お前もどうせこれが終わったら、あそこのニーチャンとズッコンバッコンするんだろ!!」
野明「ず…ずっこんばっこん?」
男A「かあああああああ!!!!!惚けた顔しやがってええええええええええええ!!!!!」
男A・B「死ねええええええええええええええ!!!!!氏ねじゃなくて死ねええええええええええええ!!!!!」
116 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:08:13.75 ID:rxsewvk7O
野明「……なっ!」
遊馬「の……野明!大丈夫か!!」
ズドオオオオ…
野明「つっ…強い……」
遊馬「な、何なんだよあのレイバーは……」
後藤隊長「結局レイバーってのはそれ自体のスペックより、乗る人間次第……か」
子供「い、イングラムがやられちゃったよ!!!!!」
子供「ず、ズドンて!!ズドンて!」
117 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:09:01.25 ID:rxsewvk7O
大きなお友達A「ちょっと話の流れが分からなくなって来たず……」
大きなお友達B「とりあえずイングラムとパイソンが戦う予定だったが、間に豊作くんが入って来たと……」
大きなお友達C「あの豊作くんってのは第一小隊の手下なのか?」
大きなお友達D「いや、南雲隊長は一瞬困った顔をしてたからな…」
大きなお友達E「じゃあ……」
大きなお友達一同「…新たな敵要素?」
大きなお友達A「興奮してキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!」
大きなお友達B「やべえwwwwwww第一小隊でビビらせといて第2の敵出すとかwwwwwww」
大きなお友達C「うぇっwwwwwww警視庁わかってるwwwwwww」
大きなお友達D「っつうかクリスマスの下りとか脚本ネ申wwwwwww」
大きなお友達E「うはwwwwwwwwktkしてキタコレwwwwwww」
119 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:09:57.68 ID:rxsewvk7O
野明「……ぐぐぐぐ」
男A「オラオラオラ!!!!!」
男B「ヒャッホー!!!今日のオレ達怖いもんねええええー!!!!!」
子供「ど…どうしよう…このままだとイングラムがやられちゃうよ!!!」
野明「ぐうううう……」
男B「あははは!!!!!他人の幸せを壊すのは楽しいなぁ」
男A「幸せは掴めなくても他人の幸せは壊せる!!!!!」
野明「そんなの……間違ってるぞ……」
男B「そら、お巡りさんからしたら間違ってるだろうよwwwwwww」
遊馬「なんとか…体勢を持ち直したいが、ああ押さえこまれたんじゃ…」
遊馬「野明!もっと右に寄れないのか!」
野明「や、やってるよ!…だけど意外とこのレイバー、力が……」
南雲隊長「五味丘!イングラムの支援に回れ!!」
五味丘「了解!」
子供「しえん?しえんって……」
子供「助けにいくこと…だよな」
子供「も…もしかして第一小隊がイングラムのこと…助けに行ったのか!?」
120 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:10:58.36 ID:rxsewvk7O
男B「……何だか騒がしいな」
パイソン「だあああああああ!!!」
男B「!」
男A「ガキのお陰で気が付いたぜ…」
男B「今日の俺達はついてるなぁぁぁぁぁぁぁ!」
ガシーン!!!!!
五味丘「……な!!」
遊馬「ぴ、ぴっけるくんのロケット打ち出し式ハーケン…!って何で豊作くんにくっついてるんだよ……」
男B「そりゃぴっけるくんの部品をそのまま取って着けたに決まってるだろ」
整備員A「無茶苦茶だ…無茶苦茶な改造だ…」
整備員B「ま、まるで後先考えちゃいねえ」
整備員C「使い捨てレイバーだなぁ…こりゃ」
整備員D「俺達には到底マネ出来ねぇ……」
121 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:12:16.17 ID:rxsewvk7O
男B「さーて、これをお前に向けて撃つと!」
男A「お前が避けると…どうなるかなぁ???」
五味丘「!」
子供一同「………?」
男B「子供達に当たっちゃうよね~wwwwwww」
男A「当たったら痛いよね~wwwwwwwwwwwwww」
野明「ひ……卑怯だぞ!!」
男A「何とでも言え!!!!!」
男B「どうせ正攻法じゃお前らには勝てないんだ!!!!!」
122 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:13:45.35 ID:rxsewvk7O
男B「発射ああああああ!!!!!」
パイソン「…………!」
ガシュッ……
ドオオオオオオオオオオ!!!!!
子供「………!」
パイソン「………」ガガガ…
男A・B「……」ニヤニヤ
子供「…ぱ、パイソンの両腕が」
子供「な、なくなってる!!!!!」
男A「両腕を犠牲にして受け止めたのはお見事wwwwwww」
男B「腕だけとは残念。あ、ちょっとメインモニターも攻撃出来たかなぁ?」
子供「ぱ…パイソン……」
子供「僕らを庇って…動かなかった………」
123 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:15:17.66 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「五味丘!五味丘…大丈夫か!?」
五味丘「何とか…しかし…システムが…」
南雲隊長「…ぐっ」
子供「た…大変だ!本当にこのままだとやられちゃうぞ……」
子供「ど、どうしよう……」
男A「やべえ…今日の俺達半端ねーわ」
男B「行くとこまで行っちゃおうず!!!!!」
男A「うはwwwwwwwおkwwwってリアルでネットスラングきめぇwwwwwwwwwww」
ぐぐぐぐぐ…
遊馬「野明!大丈夫か!?」
野明「だ、大丈夫だけど…何とか体勢を持ち直さないと……」野明「くっそう……」
熊耳「イングラムはどうにか体勢を変えようにしても…今の状態じゃ……」
太田「2号機があればぁぁ………」ググググ
進士「お、太田さん…僕の髪の毛掴むの止めて下さい…抜けちゃいます…」
124 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:15:41.43 ID:rxsewvk7O
後藤隊長「絶体絶命、か」
南雲隊長「……の割には余裕なのね」
南雲隊長「後藤さん、あなた今の状況を把握してるハズでしょ?」
後藤隊長「イングラムが下敷きにされて、その上頼みのパイソンもダメージを受けて、そんでもって紙一重でパニックも起きかねない…余裕なんてありませんよ」
後藤隊長「だけどそんなに追い込まれなくてもいいじゃない」
南雲隊長「…現に追い込められてるじゃない」
後藤隊長「シゲさん、あと何分?」
シバ「…こりゃあもうすぐですねぇ」チラッ
南雲隊長「……もうすぐって?」
125 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:16:50.08 ID:rxsewvk7O
整備員A「このレイバー、後先考えちゃいない無茶苦茶な改造をしてるワケですよ。」チラッ
整備員B「となると、当然パワーの配分なんか考えちゃいない。」チラッ
整備員C「最初にパワーをガッと出して、その後急激にパワーが落ちていく訳です。」チラッ
整備員D「まぁ…戦法としてはありっちゃありなんですけどね。ただ力の配分が出来ないとあっちゃワンパターンな戦い方しか出来ない。」チラッ
南雲隊長「成程…『使い捨て』ってそう言う意味だったのね」
シバ「ただぁぁぁぁぁーっし!!!!!」
シバ「いくら相手のパワーが下がったとは言え、さっきの攻撃でパイソンはかなりのダメージを負った上」チラッ
シバ「イングラムも結構パワーを消費してますし、パイソン程ではないにしろ、ダメージも受けてますしね」チラッ
南雲隊長「勝てるかどうかは…」
シバ「まあある意味賭けって事ですかね」
126 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:17:20.24 ID:rxsewvk7O
ビュウウウウ…
南雲隊長「……やっぱり寒いわね」
一同「………」ジーッ
南雲隊長「?」
熊耳「あ…あの…南雲隊長」
南雲隊長「…どうしたの?」
熊耳「腕は…あまり組まない方が」
南雲隊長「……」
南雲隊長「……///!」
南雲隊長「……」ギロッ
一同「………」
127 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:18:47.71 ID:rxsewvk7O
子供「うわあ…やられちゃうよ」
子供「……そうだ!」
子供「どうしたの?」
子供「こんな時こそ…!!」
子供「……そうか!」
野明「ぐぐぐぐぐ……!」
男A「ほーれwwwほれほれwwww」
男B「もう体勢の立て直しとか無理だから、潰されちゃいなYO!!」
野明「………うるさい!!」
男A「元気がいいねお嬢ちゃん」
男B「っつうか意外とタイプwwwwwwwwwwwwww」男A「じゃあさ、明日一日人質になりながら俺達とランデブーしてくれたら特別に助けちゃうwwwwwwwwwwwwww」
野明「お……お断りだぁ!」
男A「ケッ!そんなに彼氏がいいのかよ!!」
野明「…そ、そう言う訳じゃ!」
男B「じゃあどう言う訳?」
野明「やっぱり…幸せになれないからって他人まで巻き込んで良いはずがない!」
男A「まーた正義論かよぉ~」
男B「フヒヒwwwwwww若い身体に教えこんでやりまするかぁ~?」
男A「おkwwwwwwwwwwwwww」
128 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:19:31.55 ID:rxsewvk7O
ググググ………
野明「ううううう………」
遊馬「野明!」
野明(も……もう………)
野明(ダメかも…しれn……)
頑張れ……
野明「!」
頑張れ…頑張れ……
野明「……これは」
頑張れ頑張れイングラム!
子供「頑張れ!頑張れ!イングラムうううううううううう!」
子供「頑張れ!頑張れ!パトレンジャーあああああああああ!!!」
129 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:24:02.99 ID:rxsewvk7O
野明(そうだ……皆が見てるんだ!)
野明(ここで引き下がったら……)
ガガガガガ!!
男A「………あれっ」
男B「どうした?」
男A「なんか…パワーが落ちたって言うか…手応えがなんか…」
ガガガガガ……
男B「………本当だ」
男B「だ、だがビビるんじゃねーぞ!!」
男A「そ、そうだな…機動隊みたいのは両腕ねーし、イングラムはちゃんと押さえつけてるから俺達が優勢なのは変わりないし………」
男B「さっさと負けを認めてさぁ、降伏しちゃいなよぉwwwwwww」
子供「頑張れ!頑張れ!イングラム!!」
男A「うるせーよクソガキ!!テメーらが叫んだところで何も変わりゃしねーよ!!!!!」
男B「じゃあお嬢ちゃん、留めだああああああああ!!!!!」
野明「…………」
ガコン!!!!!
男A「……なっ!」
野明「……変わらなくなんか」
野明「ないんだぞおおおおおおおおおおおお!!!!!」
130 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:26:12.24 ID:rxsewvk7O
ググググ………
男A・B「……なっ」
おタケおねえさん「!」
おタケおねえさん「…みんな!もっとイングラムを大きな声で応援しましょう!」
お友達一同「はい!!!!!」
子供「頑張れ!頑張れ!イングラム!!」
子供「頑張れ!頑張れ!パイソン!!」
子供「頑張れ!頑張れ!第一小隊!!」
子供「頑張れ!頑張れ!パトレンジャー!」
大きなお友達A「頑張れ!頑張れ!イングラムぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
大きなお友達B「頑張れ!頑張れ!野明ちゃあああああああああああああああん!」
大きなお友達C「頑張れ!頑張れ!頑張れ!ババアあああああああああああああ結婚してくれえええええええええええ!!!!!」
大きなお友達D「あ、頑張れ頑張れパイソン」
お友達一同『頑張れ!頑張れ!イングラム!!頑張れ!頑張れ!パトレンジャー!』
お友達一同「頑張れ!頑張れ!パイソン!!頑張れ!頑張れ!第一小隊!」
131 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:26:41.31 ID:rxsewvk7O
男A「うるせええええええええ!!!!!耳障りだ!!!!!」
男B「ロケット打ち出し式ハーケンでも喰らわせれば大人しくなるかもよwwwwwww」
男A「うほっ!いいアイディア!!」
男A「発射ああああああああああああ」
パイソン「!」
五味丘「やらせない……!!」
ガシーン!!ガシーン!!!
男A「なっ………!!!!!」
男B「ぱ…パイソンが…こ、こっちにくる……?」
男A「う、嘘だろ?両腕もねー上にモニターやシステムにもダメージがあるし……」
南雲隊長「ご…五味丘!?」
男A「ま、まさかとっしんでも仕掛けてくるつもりか!」
男B「ん…んな滅茶苦茶な!!!!!」
132 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:27:09.37 ID:rxsewvk7O
パイソン「…………」
ガシーン!ガシーン!ガシーン!!!
男A「な、なんとか…!!!!!」
男B「な、なんとかって言われても!お前こそなんとか!!!」
男A「な…なんとかって!お前…そ、そうだ…ミサイルのボタン……」
男B「んなもん分かんなくなっちゃったよ!」
パイソン「…………」
ガシーン!ガシーン!ガシーン!ガシーン!ガシーン!
男A「う………」
男A・B「うわあああああああああああああああ!!!!」
……ドオオオオオオオオオ!!!!!
133 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:27:53.93 ID:rxsewvk7O
パイソン「………」
豊作くん「………」
男B「ぐっ……」
男A「なあああああああ!!!!!」
男B「………どうした」
男A「……ミサイルが」
男A「………壊れた」
男B「……えっ」
野明「うりゃああああああああああああああああ!!!!」
ググググググ……
男A「こ、今度は左足が………」
男B「や、ヤバい!ヤバいぞおおおおおおお!!!!」
頑張れ!頑張れ!イングラム!!
スドオオオオオオオオオ……
野明「もう……許さないぞ」
134 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:28:22.75 ID:rxsewvk7O
男A「け、形勢逆転しちゃったじゃないかぁぁぁぁぁぁ!逆に俺達が押さえつけられてるぞおおお……」
男B「ほ…本格的…にヤバい………かも……」
野明「お前達……脅迫罪、公務執行妨害…その他もろもろの罪で逮捕する!!!!」
野明「子供達を傷付けようとしたことは…絶対に許さないんだからなあああああああ!!!!!」
遊馬「野明!!!!講釈垂れるのは後だ!今の内にスタンスティックで留目をさせ!!」
野明「了解!!」
野明「たああああああああああああああ!!!!!!」
男A・B「ゲ…ゲゲッ!」
野明「往生しろおおおおおお!!!!犯罪者ああああああああああああああああ!!!!」
ビビビビビビビビビビビ!!!!
男A「びゃあ゛ぁ゛゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛!!!!!」
男B「そ、それは初代い゛い゛いい゛いい゛いい゛い゛いいい!!!」
135 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:28:59.31 ID:zbKi8M+VO
>>128
これは熱い
136 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:30:03.92 ID:rxsewvk7O
ビビビビビビビビビビビビビビビビビ………
「…………」
……ガコン
男A・B「 」
野明「…………」
一同「………」
遊馬「や……やったか?」
子供「わっ………」
子供「うわあああああああああ!!!!!やったぞおおおおおおお!!!!!」
子供「敵を倒したぞおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
137 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:30:31.20 ID:rxsewvk7O
大きなお友達A「やべぇ…感動した………」
大きなお友達B「なんだかんだでパトレンジャーのピンチには手を貸しちゃう第一小隊………腕まで……」
大きなお友達C「すげぇ…やべぇ……ネ申シナリオだ……」
子供「やっぱり南雲隊長はいい人だったのよ!」
子供「俺が言った通りだな!!!!!」
138 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:41:32.90 ID:rxsewvk7O
後藤隊長「ああ泉、聞こえとるか」
野明「あっ…はい!」
後藤隊長「とりあえず犯人をレイバーから引き摺り出した。お疲れさん」
後藤隊長「とりあえず、事後処理とかあるからさ、こっちに戻ってくるように。」
野明「了解!」
野明「……一件、落着かぁ」
野明「見る限り怪我人も出なかったみたいだし…」
タタタタッ!!!!!
野明「?」
子供A「お姉さあああああああん!!!!!」
野明「!」
139 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:44:46.51 ID:rxsewvk7O
野明「ど、どうしたの?何か……」
子供A「ありがとう!!」にぱっ
野明「へっ」
子供B「ありがとう!助けてくれてありがとう!!」
野明「えっ……あ…あたしに?」
子供B「そう!お姉さん、僕らを助けてくれてありがとう!!」
野明「ど…どういたしまして……」
子供C「そうだ………」
ガサゴソガサゴソ
子供C「お礼のしるし!飴あげる!!!」
野明「………!」
野明(こ…こんなに感謝されたのは…初めてかもしれないぞ……)
野明「………///」
野明「ありがとう!」ニコッ
140 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:45:37.26 ID:rxsewvk7O
子供D「さっきはイングラムと第二小隊を悪く言ってごめんなさい」ペコリ
野明「いや、別に気にしてないって言うか…若干合ってたって言うか……」
子供E「僕!イングラムはスゲーカッコイイと思う!!」
野明「やっぱりそう思う!?」
子供F「うん!僕、将来はお姉さんみたいなレイバー乗りになりたい!!」
野明「………」ジーン
野明「よぉ~し!じゃあ特別に私のイングラム、触らせてあげちゃうぞ!!」
子供一同「やったー!!!」
ざわざわ……
野明「このメタルボディの肌触りなんだけど……」
子供「うわぁ!!ツルツルピカピカ!!」
141 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:46:18.39 ID:rxsewvk7O
山崎「泉さん、とっても嬉しそうですね」
遊馬「ああ…イングラムに乗ってからと言うものの、罵られることはあっても誉められることは滅多になかったからなぁ……」
進士「泉さんは勿論ですけど、熊耳さんも大人気ですね」
子供G「お…おねえさん……す、好きです……」
おタケおねえさん「ありがとう。私も皆の事が大好きよ。」
子供G「そ…そうじゃなくて………」
子供H「あ、何抜け駆けしてるんだよ!!俺だっておタケおねえさんのこと好きなんだぞ!!!」
子供I「俺だって!」
子供J「俺だって!俺だって!」
熊耳「あらあら……」
144 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 14:20:59.48 ID:ie0fI2ZD0
久しぶりに劇場版でも見るか…
148 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:11:14.77 ID:rxsewvk7O
遊馬「…それに比べて俺達は」
進士「……閑古鳥が鳴いちゃってますね」
太田「……ぐううううううう」
太田「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
ダダダダダダダダダダ!!!!!
進士「ちょ、お…太田さん!?」
太田「うおおおおおおおお!!!!!」
ダダダダダダダダダダ!!!!!
子供「キャー!!!!!パトグリーンがきたぞおおおおおおお!!!!!」
子供「ヤバい!まだ洗脳がとけてないんだああああ!逃げろ!!!!!」
太田「まてええええええええええええ!!!!!俺にも!俺にもおおおおおおおお!!!!」
子供「キャー!!!!」
遊馬「何やってんだ…あの馬鹿は」
149 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:14:45.55 ID:rxsewvk7O
後藤隊長「あれっ、しのぶさん着替えちゃったの?」
南雲隊長「これから現場検証、しなきゃならないって言うのに、いつまでもあんな格好してられないでしょ。」
後藤隊長「似合ってたのになぁ~…」
南雲隊長「……」ギロッ
後藤隊長「あ……あはは~……」
150 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:16:34.94 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「で…どうするの?」
後藤隊長「何が?」
南雲隊長「……所轄への連絡。…どうするのよ」
後藤隊長「どうするったって…この騒ぎじゃ現場検証なんて出来んだろうしなあ………」
野明「あははっ!」
子供「おねーちゃん、これどうやって動かすのぉ?」
太田「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」
子供「キャー!!!!」
南雲隊長「………」
後藤隊長「まぁ、落ち着くまでしばらくこのままでもいいんじゃないの?犯人はとりあえず逃げられない様にしてあるんだし。」
151 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:17:41.72 ID:rxsewvk7O
犯人A「………」
犯人B「………」
整備員A「……オメーらのせいでさぁ、俺達迷惑してんのよ」
整備員B「『違法改造レイバーの一つや二つ持ち込んでそう』って言われちゃったんだよね」
男A「いや…でもそれは…」
男B「どっちかっていうと、特車二課の日頃の行いが原因じゃ……」
整備員C「お前達にだけは言われたくないわああああああああああああああああ!!!!!」
整備員D「このまま東京湾にぶちこむぞ!!!!!」
男A「すっ…」
男B「……すいません」
152 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:25:08.55 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「……」
後藤隊長「それにお宅の五味丘巡査部長も、大人気みたいですし」
わいわい
子供L「どうしたらお兄さんみたいにカッコ良くなれるの?」
五味丘「い、いや……それは………」
子供M「教えて教えて!!」
五味丘「し、しかし……」
五味丘(ま…参ったな…隊長に報告に……)
五味丘(先ほどの攻撃に加えて、これ以上は……)
子供N「教えて教えて!!!!!」
子供O「わーい!!!!!パイソンの腕だ~!!!!!」
五味丘「い、いや!それは危険だから……」
南雲隊長「……」
南雲隊長「…それもそうね。こんな機会、滅多にあるものじゃ無さそうだし。」
153 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:26:57.57 ID:rxsewvk7O
野明「……あはは!」
子供A「なるほど!ここが…イングラムってスゲー」
子供B「イングラムって機械だけど生きてるみたいだね!」
野明「その通り。イングラムは生きてるんだ!」
野明「ちゃんと勉強だってするし、機嫌だってあるんだよ」
子供C「機嫌が悪いとどうなるの?」
野明「うーん…なんか動かしづらいっていうか…」
子供D「すごーい!」
子供E「この機械なあに?」
整備員A「わああああああ!!!!!それはダメだってぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
154 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:28:52.96 ID:rHFsYHq40
パトレイバースレとか俺得すぎる
155 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:28:57.28 ID:oM5RHuvv0
うん、いつもの第二小隊だな
よくできてる
156 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:29:11.82 ID:rxsewvk7O
後藤隊長「………」ジーッ
南雲隊長「………」ジーッ
後藤隊長「………」
南雲隊長「………」
後藤隊長「………あはっ」
南雲隊長「……うふふっ」
157 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:32:44.33 ID:rxsewvk7O
子供P「……あ、あの!」
南雲隊長「?」
子供P「な、南雲隊長……」
南雲隊長「わ…私?」
子供P「……」コクコク
子供Q「あの…南雲隊長……すごく……カッコ良かったです……」ビクビク
南雲隊長「……えっ?」
子供R「最初、怖い人かなぁって思ったんですけど……」
子供S「パイソンを指示してるときの隊員はカッコ良かったです!!!!」
南雲隊長「そ…そう…」
南雲隊長「ありがとう」ニコッ
子供「………」ほっ
子供T「あの!僕は南雲隊長にひとめぼれしました!!けっ、けっこんしてください!!」
南雲隊長「け…結婚!?」
158 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:35:54.54 ID:rxsewvk7O
子供U「あの!僕も!僕も!!!!!」
南雲隊長「い…いや…あの………」
子供V「あの衣装は素敵でした!また着てください!!」
南雲隊長「あっ…あれは………」
後藤隊長「………」ニヤニヤ
南雲隊長「ちょ、ちょっと後藤さん…笑ってないで何とか……」
整備員A「あの、後藤隊長!所轄の方がお見えになりました」
後藤隊長「あれ…まだ連絡してないんだけどなぁ…」
後藤隊長「まあいいや。ちょっと世間話でもしてこようかなぁ…」
南雲隊長「ちょ、ちょっと、後藤さぁん……!」
160 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:43:28.61 ID:rxsewvk7O
大きなお友達A「ババア結婚してくれえええええええ!!!!!」
大きなお友達B「バカ!ババ結するのは俺だ!」
大きなお友達C「南雲隊長は俺の嫁」
大きなお友達D「抜け駆け死ね」
子供W「南雲隊長、けっこんしてください!僕は本気です!!!!!」
子供X「僕だって本気だ!!!!!」
南雲隊長「……あ、あの」
子供Y「南雲隊長ばんざーい!!!!!」
子供Z「ばんざーい!!!!!」
南雲隊長「ちょ…ちょっと………」
(遠くで)後藤隊長「ああ、どうもご苦労様です」
(遠くで)署員「ああどうも…あの、まずは状況を……」
(遠くで)後藤隊長「ああ、そうだクリスマスカップの結果、どうなったっけなぁ…ラジオ、貸して貰えます?…」
(遠くで)署員「いや…あの……」
南雲隊長「………」
南雲隊長「逃げ足だけは速いんだから……」
161 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:52:32.64 ID:rxsewvk7O
―翌日―
12月25日
13号埋立地・特車二課
野明「……ふぁ…おはよう」
遊馬「おはよう」
進士「おはようございます」
熊耳「おはよう泉巡査。眠たそうね。」
野明「昨日署で色々聞かれた挙げ句、疑問な点があるからって…遅くまで現場検証に付き合わされて……」
太田「ふん。弛んどる証拠だ!」
野明「太田さんは良いじゃないか。片付けが終わったらさっさと帰れたんだから。」
野明「もう大変だったんだからね。後藤隊長も途中でどっかに行っちゃうし……」
162 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:55:06.44 ID:rxsewvk7O
野明「あっ…今朝の朝刊……」
遊馬「喜べ野明。俺達が一面だぞ。」
野明「い…一面?」
遊馬「そう。一面。」
野明「まぁ、昨日は怒られるようなことはあんまりしてないし…悪いことは……」
ペラッ
野明「……なになに」
【“あの”特車二課!テロ発生中にも呑気にヒーローごっこ!?問われる警察官としての資質!!】
野明「………」
野明「な、なんじゃこら……!」
163 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:56:01.79 ID:uDJf6CCP0
いいなぁ、これ。
165 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:07:18.17 ID:rxsewvk7O
野明「『任務中にテロリスト相手に馬鹿な隊員がヒーローごっこ。相変わらず二課はお遊びが過ぎる。我々の税金を返してもらいたい。税金泥棒、ただ飯ぐらい……』」
野明「書いてあることが滅茶苦茶だ……」
遊馬「マスコミに一旦悪いイメージを持たれたらさ、もうそっからは、何やっても悪くなるってもんなんだよ。ケッ……」
進士「とは言え、単なるアラ探しの様な気も…」
山崎「折角…子供達にあんなに喜んで貰えたんですけどね…」
野明「………」
166 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:11:14.51 ID:rxsewvk7O
ガチャ
後藤隊長「あら…全員揃ってる?」
野明「ご…後藤隊長…」
一同「おはようございます……」
後藤隊長「どうしたのよお前達、朝から……」
後藤隊長「ああ…これか。」
後藤隊長「ご丁寧にも「あの」に点々付けてくれちゃって…まぁ…」
後藤隊長「あ、これ俺だ。」
野明「……」
167 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:12:55.74 ID:rxsewvk7O
後藤隊長「ああ、そうだ」
後藤隊長「実は今朝、封筒が届いた。」
遊馬「……またカッターの刃か?」
太田「いや、またこの間みたいに液漏れした電池が……」
野明「いや、謎の白い粉が………」
後藤隊長「お前達はさあ、どうしてそう…ネガティブにしか事を捉えられんのよ」
遊馬「…って」
野明「…言われてもなぁ」
後藤隊長「じゃあ、俺は南雲隊長と、この後本庁から呼び出し喰らっちゃってるからさぁ、何かあったら連絡頂戴」
熊耳「了解しました」
ガチャ
一同「………」
168 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:14:58.79 ID:rxsewvk7O
野明「……なんだろう」
遊馬「……開けてみろよ」
野明「い、いやだよ!!遊馬が……」
熊耳「宛名……『とくしゃにか様』…平仮名で書かれてるわね」
野明「ひ…平仮名?」
熊耳「……開けてみるけどいいかしら?」
一同「………」コクリ
熊耳「………」
チョキチョキチョキチョキ……
熊耳「………」
パカッ
進士「あ、あの…中身は………」
熊耳「……紙…かしら?」
一同「……紙?」
169 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:16:05.19 ID:rxsewvk7O
熊耳「それに何十枚も…何か書かれてるわね」
熊耳「ええっと……」
熊耳「『パトレッドこと、いずみのあじゅんさへ』」
野明「!」
熊耳「『昨日はありがとう!』」
熊耳「『たのしかったし、イングラムがかっこよかたです!ぼくは とくしゃにかを おうえんしてます!!』」
熊耳「イングラムのイラスト入りよ」ニコッ
野明「わあ……!!」
172 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:17:54.62 ID:rxsewvk7O
野明「うわぁ!私の似顔絵入りだ!!」
熊耳「あとは…」
熊耳「『おタケおねいさん、かわいいです。まずはお友だちからでもかんがえてみてください』ってあら…私のお手紙も………」
太田「じ…自分のはありますかあああああああああああ!?」
熊耳「太田くんのは…」
ガサゴソ
ガサゴソ
太田「………」
熊耳「……」
熊耳「……あったわ」
太田「!」
熊耳「『パトグリーンとおいかけっこ、たのしかった!こんどは、せんのーされないようにがんばりましょう』」
太田「おお……おおお………」
173 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:19:35.42 ID:rxsewvk7O
遊馬「ヘッ、最初子供騙しとか何とかごねてたクセに嬉しそうじゃねーか」
太田「うっ…うるさい!!!!」
熊耳「そう言う篠原巡査にも何枚か来てるわよ」
遊馬「……で、なんですって?」
熊耳「……」
熊耳「……ここで読むのはやめておきます」
遊馬「…えっ」
174 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:20:42.85 ID:rxsewvk7O
山崎「あ、あのぅ…僕には………」
熊耳「えっと……『がんばれ!』ってメッセージにイラストが入った物が一枚届いてるわ」
山崎「き、来てたんだ……///」
シバ「話は聞かせて貰ったああああああああああ!!!!!」
シバ「俺達にも何か届いてない?届いてない?」
遊馬「し……シゲさん達……」
野明「い、一体どこから……」
175 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:21:18.03 ID:rxsewvk7O
整備員A「そ、そうですね!一応戦闘員役で出てた訳だし……」
シバ「第一小隊にも届いてたらしいしさぁ、勿論俺達にもぉ……」
熊耳「さ、探してみるわね…」
太田「へ、返事を書いた方がいいのか?こう言うのは…」
山崎「ぼ、僕もこう言うのは初めてなので…」
遊馬「おうおうwwwwwww功ちゃんたら浮かれちゃってぇ~」
太田「う、うるさいぞ篠原ぁ!!!!!朝からやる気かぁ!?」
178 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:23:37.56 ID:vnMLaUnGO
後期EDが聞こえてくるようなシーンですな
179 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:24:12.06 ID:rxsewvk7O
熊耳「…あ、これが進士巡査の分です。」
進士「おおお…!帰ったら多美子さんに見せてあげなきゃ………」
熊耳「あと…、これが整備班の分ね……」
シバ「このメガネええええええ!!!!!俺だよなぁあああああああああ!!!!?」
整備員A「これ、俺だよなぁ!」
整備員B「いや、これ、俺だってばあ!」
わーわーわーわー
熊耳「………」
山崎「……あの…熊耳さん、どうしたんですか?考え込んで」
熊耳「あ…ごめんなさい…」
熊耳「何だかこの封筒…不思議だなと思って」
山崎「…不思議?」
181 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:29:39.86 ID:rxsewvk7O
野明「なになに?」
熊耳「ええとね、昨日のあの件があったのは夕方…でしょう?」
山崎「え…ええ。」
熊耳「それに結局、現場に居た人たちは、21時頃まで署で話を聞かれた。」
熊耳「21時以降に投函されたとして、いくら都内でもこんなに早く届くものかしら?」
野明「た…確かに……」
熊耳「その上これだけの量よ。それに全員手紙に書かれいる名前は勿論、筆跡も絵柄も違うし…」
熊耳「それにこの封筒、消印は愚か切手も見当たらないのよ……」
遊馬「ほ…本当だ」
熊耳「これ…誰が一体どうやって二課に……」
一同「………」
山崎「さ…サンタクロース」
一同「………」
一同「ぷっ……」
一同「ぷっはははははははははははははははははははwwwwwwwwwwwwww」
遊馬「ひろみwwwwwwwサンタクロースって!サンタって!!!」
野明「ひろみちゃん…wwwwwww」
山崎「………///」
182 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:31:15.79 ID:rxsewvk7O
×全員
○全部
183 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:32:35.71 ID:uDJf6CCP0
うまくサンタ絡めてきたなw
184 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:41:44.19 ID:rxsewvk7O
特車二課・駐車場
後藤隊長「お待たせー」
南雲隊長「遅刻よ。あの人達は時間に煩いんだから。」
後藤隊長「ああ……ごめんなs…ふあっ」
南雲隊長「もう。会議室で欠伸なんて、よして下さいね。」
南雲隊長「それに…どうしたの?目の下にクマなんて作って」
後藤隊長「ああ、これ?いやぁ…昨日はさぁ、事後処理で遅かったもんだから……」
南雲隊長「………」
南雲隊長「…まあいいわ。急がなきゃならないし、今日は私が運転するわ。」
後藤隊長「ああ、そう?ありがとうぉ~」
186 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:43:43.08 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「……」
後藤隊長「………」
南雲隊長「うちの隊員も…喜んでいたわ」
後藤隊長「……何の話?」
南雲隊長「…別に何でもないわ。単なる独り言。」
後藤隊長「そう?」
南雲隊長「……」
後藤隊長「……」
南雲隊長「……ありがとう」ボソッ
後藤隊長「ん?どうしたのしのぶさぁん?」
南雲隊長「なっ、何でも無いわよ!」
南雲隊長「……行きましょう。」
後藤隊長「………」ニヤッ
187 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:45:41.81 ID:rxsewvk7O
野明「……えへっ」
野明(ありがとう…か。)
野明(今まで仕事だったし、『やるのが当たり前』で怒られてばっかりだったけど)
野明(こうやって純粋に誉めて貰えるって嬉しいなぁ…)
遊馬「良かったじゃないか、野明」
野明「…うん。どんなに言われても、ちゃんと見てくれて、評価してくれる人がいるんだよね」
野明「もっと……頑張らなきゃな」
遊馬「…そうだな」
188 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:49:59.75 ID:9Q4ChU/cO
サンタクロースは中年のおっさんかーw
偽手紙… なのか?
189 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:57:09.56 ID:rxsewvk7O
野明「よぉーし!張り切って、今から30周、走ってきちゃうぞおおおおおっ!!!!!」ガタッ
シバ「おう、元気だねぇ」
野明「遊馬も付き合え!!」ガシッ
遊馬「ええっ!?俺は関係ないだろぉ?」
野明「いいから早く!!!!」
熊耳「私も今日は頑張ってみようかしら…」
太田「じゅ、巡査部長殿が行くなら自分も……」
山崎「ぼ、僕もお供します」
進士「じゃ…じゃあ僕も…。」
野明「よぉーし!みんなグラウンドまで競争だあ!!!!!」
シバ「ついでだ!!!!!行くぞ野郎どもおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」整備員一同「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
一同「だあああああああああああああああああああ!!!!!」
ダダダダダダダ!!!!!
熊耳「ちょ、ちょっと!みんな廊下は……」
熊耳「………」
熊耳「もう…待ってちょうだい!」
―おしまい―
190 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:59:47.08 ID:rxsewvk7O
>>188
手紙は本当に子供が書いた。以下は想像にお任せします。
お付き合いありがとうございました。
ゆうきまさみ先生開業30周年おめでとうございます!
南雲隊長バンザアアアアアアアアアアアアアアアイ!!!!!!
193 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 17:21:36.75 ID:WWy2djjj0
脳内再生が半端なかった
乙!
まさか南雲隊長オタはお前自身だったのか
195 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 18:02:36.80 ID:NM6Y38oV0
乙でした
原作あんま知らんけど楽しかった
12月24日
都内某所
野明「一つ、非番でも笑顔で出撃!」
遊馬「二つ、不可思議月月火水木金金!」
山崎「三つ、み、身内が起こした犯罪でも…」
太田「四つ、容赦はしないぞおおおおお!!!犯罪者あああああ!!!!」
進士「五つ、胃痛は日常茶飯事……」
一同「M.P.P!特車戦隊パトレンジャー!!」ビシッ
シバ「火薬点火あああああああああああ!」
整備員「了解!!」
バアアアアアアアアアアアアアン!!!!
進士・山崎「ひ、ひいいっ!?」ガクッ
4 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 02:56:00.28 ID:rxsewvk7O
野明「ちょ、ちょっと進士さんにひろみちゃん大丈夫!?」
進士「きゅ…急に大きい音がしたもんですから……」
山崎「し、心臓が止まるかと……」
太田「正義の味方が火薬ぐらいで腰を抜かしてどうする!!!!」
子供「カッチョワリーwww」
太田「せっかくの決め台詞がお前らのせいでぇぇええええ!!!!」
遊馬「そう言うお前も後退ってるぞぉ~w」
太田「なっ……!」
太田「やるかああああああ篠原アアアアアアアアアア!!!!?」
ワーワーワーワー
後藤隊長「あーあーあー……」
6 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 02:59:37.94 ID:rxsewvk7O
オタケおねえさん「よ、よいこのみんな、ちょっとごめんなさいね…」
ワーワーワーワー
熊耳「アナタ達、こんな時にまでケンカはやめなさい…子供達が見ているのよ?」
遊馬「太田が…」
野明・山崎・進士「太田さんが…」
熊耳「太田くん!」
太田「し、しかしぃ!」
熊耳「…太田くん」
太田「…」
熊耳「とりあえず登場からやり直し。一旦下がって。」
一同「…了解」
ゾロゾロゾロ…
子供「うわあwwなにあれーwwww」
子供「パトグリーン、おねえさんのしりにしかれてるぅwwww」
子供「なさけねーwwパトグリーンなさけねーwww」
7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:02:03.72 ID:rxsewvk7O
オタケおねえさん「…お待たせしました。」
おタケおねえさん「それじゃあみんなでもう一回、パトレンジャーを呼んでみましょう!」
オタケおねえさん「せえの!」
大きなお友達A「どうするww」
大きなお友達B「おねえさんがかわいいから付き合ってやるかwwwwwwwwww」
子供・大きなお友達・オタケおねえさん『助けてー!パトレンジャー!』
野明「…遊馬、何だか恥ずかしいよ」
遊馬「耐えろ野明。南雲隊長に比べりゃ俺達なんて……」
太田「ウオオオ!!!燃えてきたぞオオオオオ!!!!!!」
進士「うう…また胃が………」
後藤隊長「……」ニヤニヤ
南雲隊長「……」
9 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:07:43.93 ID:0oDiEB6G0
ここまで脳内再生100%
10 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:07:46.64 ID:rxsewvk7O
12月22日
13号埋立地・特車二課
第二小隊一同「と、特車戦隊パトレンジャー?」
後藤隊長「そう。これ着て南雲さんとこと、やり合って貰うことになったから。」
野明「や…やり合うって一体……」
南雲隊長「特車二課の知名度と認知度、それから下がりに下がった信頼と好感度回復の為、区の子供向け交通安全イベントに参加する事になったのよ。」
後藤「知名度と認知度の方は、今まで新聞の一面を散々飾っとるワケだし、今更必要ない気もするんだけどなぁ…」
南雲「……」ギロッ
後藤「や、やだ、冗談だってば…」
11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:13:08.02 ID:rxsewvk7O
進士「しかし、どうして子供向けのイベントにうちが?」
遊馬「いくら子供に人気が出たところで…」
後藤隊長「たかが子供、されど子供なのよ?世の中。」
後藤隊長「ウインナーしかり、ソーセージしかり、ヤクルトしかり。」
後藤隊長「可愛いご子息ご子女様にしつこくねだられれば、世の奥様方はついつい、サービスの風船やらオモチャやらといっしょに買い物カゴの中へ入れちゃうもんなのよ。」
野明「…ウインナーかぁ~。子供の頃、よく買ってもらってたっけな」
遊馬「スーパーの試食のウインナーってさ、なーんか旨さ3割増、って感じだよなぁ!」
野明「そうそう!なーんか妙に美味しく感じちゃうんだよね!」
進士「だけど、うちに帰って食べると、不思議とそうでもないんですよね…」
後藤隊長「やっぱり、ホットプレートで焼くのが一番って事なんじゃないの?」
遊馬「違いますよ隊長ぉ。あのスーパーで立って食ってる雰囲気がいいんですよ雰囲気が。」
南雲隊長「…ごほん!」
野明・遊馬・後藤隊長「……」
12 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:14:48.90 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「続きをお願いします後藤隊長。」
後藤隊長「…要は本庁の広報がね、小さなお友達の心を掴めれば、かわいい奥様の心も掴めるとか何とか、酔狂なことを言っとるワケなのよ。」
後藤隊長「そんな理由で特車二課がヒーローショー…なんて馬鹿馬鹿しい限りだが」
後藤隊長「これがボーナスの査定に響くって言うんだから、ホントに馬鹿馬鹿しい話だよなぁ~。」
一同「ぼ…ボーナスぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」
13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:17:19.04 ID:rxsewvk7O
野明「ど…どうしよう遊馬ぁ!お芝居なんてやったことないよぉ!!」
遊馬「お、俺だってそうだ!!え、演技なんて一体どうすりゃ…」
太田「待って下さい隊長ォ!!何故自分等がこんな子供騙しに……」
後藤「確かにヒーローショーごときで子供を釣ろうなんざ、まさに子供騙しもいいところだが」
後藤「コレは絶対なワケ。強制なワケ。任務なワケ。」
進士「に…任務…」
山崎「ひ、人前で…お芝居…」サアァ
野明「…ひ、ひろみちゃん、顔が真っ青だよ?」
14 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:19:54.00 ID:rxsewvk7O
後藤隊長「んで、肝心の配役だが、司会が熊耳。」
後藤隊長「レッドが泉。ブルーが篠原。グリーンが太田で、イエローが進士。んでピンクが山崎。」
山崎「ぴ…ピンク…?」
遊馬「ひろみがピンクってwwwww傑作だこりゃwwwwwww」
野明「ちょっと隊長!!普通、ピンクって言ったら私じゃあ…」
太田「隊長ォォォ!!何故泉がレッドなのですかアア!!!」
太田「赤く燃える、熱い気持ちなら自分の方がア!」
後藤隊長「そんな事言われても俺には、どーにも出来んのよぉ。」
後藤隊長「配役も台本もみーんな本庁の広報が決めちゃったんだからさぁ…。」
後藤隊長「と言うわけで台本。これ、明後日までに覚えてきて頂戴」
どっさり
野明「あ、明後日ぇえ!?」
遊馬「こ、この量を明後日までにぃ!?」
15 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:20:16.37 ID:rxsewvk7O
後藤「俺だってさぁ、参っちゃってるんだよぉ?本番の2日前に通知なんてさぁ…。」
野明「だ…だけど……」
後藤「ボーナス、掛かってるんだし、やらない、な~んて言わないよ…ねぇ?」
一同「……」
16 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:27:23.86 ID:rxsewvk7O
―――
野明「ゆくぞ!正義のロボット、アルフォンス!」
野明「あ~あ~…」
遊馬「溜め息なんかつくなよな。余計に憂鬱になる。」
山崎「えっと…悪の組織ダイイチショウタイ…覚悟しろ…」ブツブツ
太田「ゆるさんぞ!このむねのたかなりが…」
太田「……ええい!!!頭がごちゃごちゃするわ!!!」
進士「でも第一小隊が悪役なんて、なんだか意外ですよねぇ…」
山崎「よく引き受けてくれましたよね…」
熊耳「仕方がないわよ。あくまでイングラムを売り込むイベントだし、その為には相手になるレイバーが必要なんだから。」
遊馬「なーんか第一小隊ってのは貧乏くじ引いてばっかりだなぁ」
熊耳「第一小隊には感謝しないと…。」
野明「それより熊耳さん、もうセリフ、覚えなくても大丈夫なの?」
熊耳「ええ。大方は。」
野明「すごぉ~い!私なんかまだ1ページ目だよ…」
野明「コレ、明後日までに憶えきれるのかなぁ…」
17 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:32:15.48 ID:rxsewvk7O
【隊長室】
南雲隊長「アイドルを送り込んできたかと思えば…今度はあまり腑に落ちない理由でヒーローショー…ね。」
南雲隊長「…本庁の広報部は何を考えてるのかしら。」
後藤隊長「……」
南雲隊長「……」
後藤隊長「……」
南雲隊長「…今日はヤケに静かね、後藤さん」
後藤隊長「いやぁね、台詞がなかなか憶えらんなくってさぁ~…」
南雲隊長「あら、お芝居は得意そうなのに?」
後藤隊長「『得意そう』ってしのぶさぁ~ん……」
18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:34:44.74 ID:rxsewvk7O
後藤隊長「もしかしてしのぶさん…ぜーんぶ覚えちゃったの?」
南雲隊長「他にもやらなきゃならない仕事は山ほどあるでしょう?」
後藤隊長「そりゃすごいやぁ…。やっぱり、寄る年波には勝てないのかね…」
南雲隊長「で、後藤さん」
後藤隊長「な、なに?」
南雲隊長「私の衣装、まだ受け取ってないんだけど。」
後藤隊長「衣装?ああ~…もう少しすれば届くんじゃない?」
南雲隊長「……」
南雲隊長「そう。話し掛けて悪かったわね。」
後藤隊長「…んじゃあ、気分転換におしっこでもして来ようかなぁ~?」
南雲隊長「…一々報告しなくても結構」
20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:47:17.00 ID:rxsewvk7O
【整備班】
シバ「……」ゴクリ
整備員一同「……」ゴクリ
シバ「俺達は今から、重大かつ、極めて危険な任務をとり行おうとしている。」
整備員A「…はい」
シバ「い、いくぞ」
整備員B「い、いいんですかね」
シバ「後藤隊長直々のお願いだ。聞くしかないだろぉ?!」
整備員B「しかし…」
シバ「これはいわゆる『お互い様』ってヤツだ。こう言う状況の時、あの人には素直に従った方がいい。」
整備員A「お前は新入りだから知らないだろうがハゼの一件は全て後藤隊長のお膳立てなんだよ」
整備員B「…えっ!」
22 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:48:21.36 ID:rxsewvk7O
整備員C「利害が一致した時の後藤隊長は…最高のビジネスパートナーってヤツだ。」
シバ「いいか。あの人は本庁じゃ『カミソリ後藤』と呼ばれてる」
シバ「カリスマ理髪師にも、切り裂きジャックにもなりかねない。そう言う男なんだよ……」
「俺の悪評は今更ど~にもならんのは分かっとるんだけどね」
後藤「そう言うのは、せめて本人がいないところで言ってくれない?」
シバ「ご、後藤隊長オオオオオオオオオ!?」
整備員一同「う、うわアアアアアァァァァ!?」
後藤「なによ、皆してスウィーニー・トッドに出会っちゃった~みたいな顔しちゃってさぁ…」
23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:52:20.70 ID:rxsewvk7O
シバ「いや!あの…例のブツは今からァ…」
後藤「ま、当日まで見つからない様に頼むわ。」
シバ「そりゃ勿論ですけど…ど、どのくらい切りゃあ良いっすかね?」
整備員「多分上は4センチ、下はもう7センチくらい行けると思うんですが…」
後藤「……」
後藤「思い切って上7、下10で行かない?」
シバ「じゅ、10センチですかアアアアアアアアアアあああああああああ!?」
整備員「さ、流石に10センチはやり過ぎじゃ……」
後藤隊長「いが~いと大丈夫なもんよ?そう言うのは、大抵大きめに作られてるんだからさぁ。」
整備員A(こ、この人…)
整備員B(さ、流石は札付きのワルだ……)
後藤「…んじゃ。頼むわ。」
シバ「りょおおおおおおおかいしやしたああああああ!!!!!!」
――――
南雲「……あら」パキッ
南雲「いやだ、またステープラーの針が詰まっちゃったわ……」
24 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:58:40.66 ID:rxsewvk7O
野明「行け!アルフォンス疾風の如く!」
野明「……」
野明「あれ…次はなんだっけ」
遊馬「もしかして野明ぁ、お前まーだ憶えてないのか?」
野明「…そう言う遊馬はどうなんだよ」
遊馬「さーっぱり」
野明「人のこと言えないじゃないかぁ!」
遊馬「ま、キメ台詞さえ言えりゃあ後は第一小隊と俺達の柔道戦に、イングラムとパイソンのデモ戦がメインみたいなもんだろ。」
野明「それもそうかぁ。適当に流して、さっさとデモ戦に持ち込んじゃえば……」
太田「お前らはいつまでもそんな甘い考えだから成長せんのだ。」
野明「じゃあ太田さん、p37の台詞、言ってみてよ」
太田「ふん。『俺のこの胸に灯ったランプは犯罪者を許さぬオービスの……』」
野明「それ、後藤隊長のセリフ」
太田「う…うえ?」ペラペラ
太田「うおっ……」ペラペラ
太田「ウオオオオオオオオ!!!!!!?」
遊馬「もしかして太田、お前、後藤隊長のセリフを自分のセリフと間違えて暗記してたのか?」
太田「あ…ああ…あ………」
野明「き、気の毒だ」
25 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:59:08.63 ID:rxsewvk7O
野明「しかし…蒸れるなぁこの衣装…これ着たままアルフォンスに乗らなきゃならないんだよねぇ……」
熊耳「あら、でも中々似合ってるわよ泉巡査。」
野明「熊耳さん!」
遊馬「お、おおおお……」
熊耳「ふふっ。似合ってるかしら。」
遊馬「それは!それはもう!!」
野明「遊馬、ヨダレ垂れてるぞ」
26 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 03:59:52.17 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「……」
後藤隊長「遅いなぁ」
南雲隊長「…もう、あと30分もないって言うのに……」
シバ「お待ちどおさまあああああああああ!!!!」
南雲隊長「……シゲさん?」
シバ「さっき二課に届いてさぁ、いやあ、間に合ってよかったああああああああwwwwwwwwwwwwwww」
南雲隊長「ありがとう助かったわ…まさか制服のまま悪役を演じるわけにもいかないし……」
シバ「……」ニヤニヤ
27 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:01:19.82 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「着替えの出来る場所は…」
後藤隊長「あっち。打ち合わせもあるからなるべく早めにお願いします。」
南雲隊長「分かってます。制服がまんま衣装…って人が羨ましいわ。」
後藤隊長「四十男が普段から特撮の登場人物みたいな格好をしとる、って言うのも考えもんだなぁ~……」
南雲隊長「お互い、歳の事を考えると色々堪えるわね」
南雲隊長「それじゃ後藤隊長、この場はよろしくお願いします。」
後藤隊長「はいはい。行ってらっしゃ~い」
28 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:01:36.98 ID:rxsewvk7O
タタタタタッ……
シゲ「ここまでは計画通りっすね…」
後藤「……ああ。」
整備員「着ますかね、南雲さん」
後藤「按兵不動。その為にわざわざ、当日ギリギリまで待ったんじゃないの。」
後藤「『着ない』って選択肢はもう、南雲隊長にゃ残されちゃいないよ。」ニヤッ
29 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:03:18.07 ID:rxsewvk7O
――――
野明「あ、南雲隊長だ。やっと衣装が届いたのかぁ…」
遊馬「ど、どんな衣装なんすか!?」
南雲「私もまだ見てないのよ。お楽しみって所かしらね。」
遊馬「お…お楽しみ……」
野明「遊馬、鼻の下が伸びてるぞ」ジトッ
南雲「じゃあ着替えるから…5分経ったら知らせて頂戴」
一同「了解!」
シャッ…
南雲(『悪の女幹部』、ね。漫画やアニメ、特撮の類いは見なかったから、よく解らないけれども……)
南雲(ふふっ…確かに、追い詰められる側にとっては…私はそんな風に見えているのかも知れないわね…)
31 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:03:42.42 ID:rxsewvk7O
南雲「さて、早々に着替えを済ませないと時間が…」
がさごそ
南雲「……」
がさ…
南雲「………えっ?」
南雲「なっ……」
がさごそがさごそ
南雲「な、な、な……!」
南雲「な……」
南雲「何よ…これ……」
32 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:04:41.75 ID:rxsewvk7O
野明「『悪の女幹部』って、どんな衣装なんだろう…?」
遊馬「そりゃあーアレだろう。テンプレ通りにだなぁ、へーんなムチもって、へんな冠も頭にのっけて」
遊馬「おまけにでっかいマントもつけちゃったりして、極めつけにゃギリッギリのミニスカートなんかも履いちゃったりしてだなぁ…」ニヤニヤ
進士「南雲隊長のミニスカート姿…ですか」ゴクリ
遊馬「普段はズボンと言う名の分厚いベールに覆われてる南雲隊長の太ももが遂に露に…!!」
進士「おおおおおおお……!」
山崎「………///」
33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:05:11.58 ID:rxsewvk7O
太田「篠原ぁ!!か、仮にも上司だぞぉ…そんな…」
遊馬「とか言いつつも顔が真っ赤っかなのは何でかなぁ、功ちゃ~ん」
太田「な、なぁ…っ!!!」
遊馬「…っと、そろそろ時間だな。野明、南雲さんに知らせて来い。」
野明「…りょーかい」
遊馬「な、なんだよその目は」
野明「べっつに~ぃ」
34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:05:58.47 ID:rxsewvk7O
――――
野明「南雲隊長~、時間になりましたよ~」
南雲隊長「…」
野明「あれ、南雲隊長?」
南雲隊長「…」
野明「なぐもたいちょお~」
南雲隊長「…」
野明「へ、返事がない…?」
南雲隊長「……」
野明「ど、ど、どうしよう…!!」
熊耳「…どうしたの泉巡査?」
野明「な、南雲さんを呼んでも返事が…っ!!」
熊耳「南雲隊長?南雲隊長?お時間ですが…」
南雲隊長「…」
熊耳「やはり…返事がないわね……」
35 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:06:11.36 ID:W7CzuKyV0
もりあがってきましたw
36 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:06:50.80 ID:rxsewvk7O
太田「…も、もしや、南雲隊長に、何かあったのか!?」
進士「な、中で倒れてたり…」
遊馬「の、野明!だ、誰か…そうだ、後藤隊長を呼んでこい!!」
野明「う、うん!」
南雲隊長「…待って頂戴、泉巡査」
一同「!!」
野明「な、南雲隊長!」
熊耳「大丈夫ですか…?」
南雲隊長「ええ。聞こえてはいたのよ…すまなかったわね…」
山崎「なんだか具合、良くないみたいですが…」
進士「やっぱり隊長を呼んできた方がいいんじゃあ…」
南雲隊長「…その必要はないわ。」
南雲隊長「…ただ」
一同「…ただ?」
南雲隊長「……」
38 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:07:38.15 ID:rxsewvk7O
後藤「南雲さぁん、着替え、終わった~?」
後藤「そろそろ打ち合わせ、始めたいんですけどねぇ」
南雲「……後藤隊長」
後藤「……はい?」
南雲「あなた、私を嵌めたわね?」
後藤「そんな『ハめた』なんて若い奴らがあらぬ誤解を……」
南雲「下らない冗談は結構!!」
南雲「…アナタは広報から支給された衣装に故意的に手を加え…もしくは加えさせ」
南雲「かつ、衣装を変えられぬようにと、敢えて当日ギリギリまで私に渡さなかった。」
南雲「……違う?」
野明(う…うわぁ……)
遊馬(え、えげつない…)
40 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:08:52.71 ID:rxsewvk7O
後藤「やだなぁ~南雲さん、証拠もなしにそんなぁ……」
南雲「…シラを切る気?」
南雲「証拠ならあるわよ…!!」
ガラッ
南雲「……こんな衣装、本庁が用意する訳がないでしょう!!」
一同「!!!!!!」
南雲「……っ///」
後藤「おほっ!」
野明「な…南雲隊長……」
進士「ミニスカートどころか……」
遊馬「は…ハイレグ…?」
熊耳「……いえ、アレはハイレグの中のハイレグ…スーパーハイレグよ……」
山崎「す、スーパー……」もじもじ
太田「オレハナニモミテナイオレハナニモミテナイオレハナニモミテナイ」ブツブツブツブツ
41 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:15:13.39 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「……後藤さん。」
後藤隊長「い…いやぁね?誤解だって南雲さん」
南雲隊長「誤解?」
後藤隊長「だからね、これには深ぁ~いワケが……」
野明(さ…寒そうだ……)
遊馬(絶対にあのムッツリオヤジ、南雲隊長にこの格好させたいが為に引き受けたな…)
太田(オレハナニモミテイナイオレハナニモミテイナイオレハナニモミテイナイ)
山崎( )
42 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:15:59.85 ID:rxsewvk7O
五味丘「あ…あの……」
五味丘「お、御話し中失礼致します」
五味丘「南雲隊長、そろそろ時間ですが…」キョロキョロ
後藤「あれ?もうそんな時間?」
南雲「……わかった。すぐに行く。」
後藤隊長「……」
南雲隊長「……」
熊耳「あの…南雲隊長、衣装は……」
南雲「もう変える時間も無さそうだし……このまま行くしかなさそうね」ギロッ
後藤「………」
43 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:17:43.46 ID:rxsewvk7O
おタケおねえさん「みんなー!こんにちはー」
子供「こんにちはー」
大きなお友達「こんにちはあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
遊馬「皮肉にも満員か……」
野明「結局…南雲隊長はあの格好で出るハメになっちゃったけど…大丈夫なのかなぁ…」
進士「僕らがこう言うのもなんですけど…南雲隊長って本当に不憫…ですよね……」
遊馬「あーのカミソリ中年は相変わらず楽しそうだけどな」
後藤「♪あ~いしてると~、いーわーずにいたぁ~……」
山崎「そ、双眼鏡…わざわざ持って来てたんですね」
遊馬「…間違いなく、南雲さんの言う通り、ありゃ計画的犯行だな」
野明「わ、ワルだ!」
進士「…あの人が警察官で本当に良かったっていうか…なんて言うか……」
遊馬「……良かったのか?」
太田「……」
遊馬「あれれぇ、太田ぁ~、さっきからずぅ~っと無言だけど、どうしちゃったのかなぁ??」
太田「………」
遊馬「太田?太田ぁ?」
44 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:18:27.87 ID:rxsewvk7O
―――――
おタケおねえさん「ねえねえ、ところでみんなはレイバーの事はしってるかしら?」
子供「しってるー!!!」
子供「みんなのために、はたらいてくれてるんだよ!」
おタケおねえさん「あら、たくさん手が挙がったわね」
おタケおねえさん「じゃあ、みんなは『第二小隊』って知ってますか?」
子供「しってるー!!」
子供「ただめしぐらい!!」
子供「ひるあんどん!!」
子供「まぬけ!!」
子供「ふーてん!!」
子供「やくたたず!!」
子供「ごくつぶし!!」
子供「ろくでなし!!」
子供「いきはじさらし!!」
子供「のらくろもの!!」
子供「うじむし!!」
おタケおねえさん「………」
45 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:19:07.82 ID:rxsewvk7O
野明「う、蛆虫って…」
進士「僕達、子供達からそんな風に見られてたんですね…今更ですけど……」
山崎「一生懸命頑張ってるんですけどね…」
遊馬「それもこれも、誰かさんがところ構わず撃ちまくったり、暴れまくったりするせいなんだけどな。」
太田「なっ、何で俺を見るぅ……」
46 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:19:42.38 ID:rxsewvk7O
おタケおねえさん「……おほん」
おタケおねえさん「とにかく、まとめると…『第二小隊』は簡単に言えば建物を壊したり、悪いことをするレイバーを退治する、正義の味方なのよね?」
子供「えー!違うとおもーう!!」
子供「この間テレビで第二小隊が家をこわすとこみたー!!」
子供「警察のくず箱って先生がいってたー!!」
おタケおねえさん「……あ、そうだわ。今からここにイングラムと一緒に戦う正義の味方、『パトレンジャー』を呼んで、イングラムの秘密とか色々聞いて見ようかしら」
野明「な、なんだこりゃ…」
遊馬「まるで、おねえさんと子供の会話が噛み合ってないぞ…」
進士「なんか設定自体も甘いっていうか…強引っていいますか……」
47 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:20:26.59 ID:rxsewvk7O
子供「パトレンジャー?なにそれー!!」
子供「イングラムと戦ってるのは落ちこぼれの第二小隊じゃないのー?」
子供一同「おっちこぼれーwwwwwwwおっちこぼれーwwwwwww」
太田「黙っていりゃあ調子に乗りおってえええ……」
太田「なあああにが子供だあああああああぁぁ!!どいつもこいつも媚を売りおってえええええ!ああああああああああ!!!!!!」ガタッ
野明「お、太田さん落ち着いて!!!」
進士「だ、ダメですよ!子供相手に……!!」
太田「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」
遊馬「野明!お前は右足を押さえとけ!!」
太田「とめるなああぁぁ!!!!!」ジタバタ
野明「太田さん!ダメだってぇ!!」
48 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:20:45.67 ID:rxsewvk7O
おタケおねえさん「はーいじゃあ、みんないいかしら?」
おタケおねえさん「おねえさんがせーのっていいますから、大きな声でパトレンジャーって、一緒に呼んでね」
おタケおねえさん「いくわよ~!せーの!!」
子供「………」
大きなお友達「ぱーとれんじゃーー!!!!!」
おタケおねえさん「も、もっとおおきなこえで~」
子供「……どうする」
子供「おねえさんがかわいいからつきあってやるか」
おタケおねえさん「もういっかい!せ~の~」
一同「パトレンジャー!!!!!!!!!」
49 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:23:12.71 ID:rxsewvk7O
「ふ……ふふふふ……」
おタケおねえさん「だ…誰の声かしら」
「ぱ…ぱ、ぱ、パトレンジャーは、こ…ここには……こ、こないわ……よ…」
子供「なにこれwwwwwwwwwwww」
子供「こえふるえてるwwwwwwwwwwwwww」
おタケおねえさん「誰!誰の声なの!?」
「わ…わたしたち悪の組織…だ、ダイイチショータイが…この会場を…支配したのだから……」
おタケおねえさん「なに?なんなの!?」
五味丘「……」
南雲「……」
おタケおねえさん「キャー!!!!!!」
一同「……」
野明「…棒立ちだ」
遊馬「……棒立ちだな」
51 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:25:24.70 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「も、もう…イングラムは…こ、ここにはこれない…わ……」
南雲隊長「わ、我がしもべ、パイソンが…この会場を支配した…」
南雲隊長「……」
大きなお友達A「なんぞこれwww棒読みでござるwwwwつか衣装自重汁wwwえwwろwwwいwwwww」
大きなお友達B「テラ真っ赤wwwww警察は病気杉wwwwwwwwwww」
大きなお友達C「うはwwwwwwwwwwwww」
大きなお友達D「ちょwよく見れwwwwww第一小隊のババアだぞwwwwフヒッwwwwwwwwwwww」
南雲隊長「それに…こ、こ…こうして……第二小隊隊長まで…人質に…とったのだ…」
後藤隊長「わぁ、捕まっちゃった~…」
南雲隊長「……」
53 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:26:45.14 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「わ…わが…ダイイチショータイの…」
大きなお友達A「ハァハァ」
大きなお友達B「ババアのハイレグタマンネ」
子供「……つまんないー」
子供「棒読みだし、迫力ないしさぁ」
子供「悪役が魅力的じゃないってのはちょっとなぁ」
子供「へったくそ!へったくそ!」
一同『へったくそ!へったくそぉ!!』
南雲隊長「………」
おタケおねえさん「あ…あの…ちょ、ちょっとみんな……」
54 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:29:19.39 ID:rxsewvk7O
へったくそ!
南雲隊長「……」
へったくそ!へったくそ!
南雲隊長「……ふ」
へったくそ!へったくそ!へったくそ!
南雲隊長「……ふ……ふ……」
後藤隊長「……しのぶさん?」
へったくそ!へったくそ!へったくそ!へったくそ!
南雲隊長「ふ……ふふふ……」
後藤隊長「あ、あの…し……しのぶさぁん?どうしたn…」
ぎゅうううううう
後藤隊長「……んぐっ!?」
南雲隊長「ふふふふふ……」
南雲隊長「ふふふふふふふふふふふふふふふふふ!!!!!!!!!!!」
南雲隊長「あははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!!!!!」
一同「!?!?!?」
55 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:31:12.39 ID:rxsewvk7O
南雲「我が悪の組織、ダイイチショータイの完全なる勝利である!!」
南雲「ダイイチショータイ、バンザーイ!!!!!」
南雲「さあ言ってごらん!ダイイチショータイ、バンザーイ!!!」
子供「 」
大きなお友達「 」
野明「 」
遊馬「 」
進士「 」
山崎「 」
太田「 」
後藤「 」
南雲「さあ、とっとと言ええぇぇぇぇええええっっっ!!!!!!!」
一同『だ…ダイイチショータイ…ば、バンザーイ…』
南雲「あっはははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!」
56 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:33:54.09 ID:rxsewvk7O
おタケおねえさん「……きゃ、キャー!!」
南雲隊長「このまま子供達を洗脳して、悪のレイバー戦士にしてしまえ!一人残らず捕まえろ!!!!!!」
戦闘員(シバ)「あ、あの…えっとぉ…りょ…了解……」
南雲隊長「あっははははははははは!!!!!!!やれえ!!!!!!!!一人残らずだあああああああぁぁぁああああ!!!!!!!!!!!!!!!」
子供「いやあぁぁぁぁ!!!!!」
子供「こ、来ないでぇ!!!!!」
子供「うわああああ!!!あのおばさんこわぁぁぁあああああいぃぃぃ!!!!!!!!!」
野明「か、完全に……」
遊馬「な、南雲さんが……」
太田「こ、壊れた……」
57 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:34:43.69 ID:rxsewvk7O
子供「いやああああああ!!!!!!来ないでえええええええええええ!!!!!!!!!!!!」
後藤隊長「い…いや、何て言うか、しのぶさんは何でもこなせるんだなぁ…あはは~…?」
南雲隊長「………」ぎゅうううう
後藤隊長「く…苦しい…しのぶさぁん……」
おタケおねえさん「それじゃあみんなー!!!パトレンジャーを呼ぶわよ!!」
おタケおねえさん「せ~の!!!!!!」
子供「バ………ばどれんじゃあ゛……!!!!うわああああああああああああああああああ!!!!」
58 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:36:18.38 ID:rxsewvk7O
おタケおねえさん「もっと大きな声で!!せ~の~!」
子供「ぱ、ぱ、パトレンジャーあああああああ!!!!!!!!!!」
遊馬「出番だ!行くぞ野明!」
野明「う……うん!!」
野明「ってあ、あれ……なんか…セリフが飛んじゃった……」遊馬「…なぁ、なんだとぉおお!?」
野明「だ、だって仕方ないじゃないかぁ!!!」
進士「あ……あれっ……そう言えば…僕も最初のキメ台詞以外は何だか不安に……」
山崎「ぼ、僕もです……」
太田「………」
遊馬「と……とにかく今更逃げ出す訳にもいかんだろうが!」
野明「そ、そんなこと言ったってぇ……!!」
遊馬「もう腹を決めて行くしか……」
おタケおねえさん「もっと大きな声で!!!!!!」
子供「パトレンジャーああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
59 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:37:07.88 ID:mxdRtEXX0
寝る前に爆笑させんなwwwww
60 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:38:28.67 ID:E4M0nyC5P
支援するぞ
61 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:39:24.19 ID:rxsewvk7O
そして話は>>1に繋がり、>>7へ戻る。
―――――
野明「一つ、非番でも笑顔で出撃!」
遊馬「二つ、不可思議月月火水木金金!」
山崎「三つ、み、身内が起こした犯罪でも…」
太田「四つ、容赦はしないぞおおおおお!!!犯罪者あああああ!!!!」
進士「五つ、胃痛は日常茶飯事……」
一同「M.P.P!特車戦隊パトレンジャー!!」ビシッ
シゲ「火薬点火ああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
シーン………
シゲ「ってありゃ……?」
整備員「あの……1回分しか………」
シゲ「あああああああっ!!そうだったあああ…!1回分しかもってこなかったんだわ……」
一同「………」
63 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:42:04.65 ID:rxsewvk7O
おタケおねえさん「と…とにかく……みんな階段の上を見て!」
おタケおねえさん「パトレンジャーが来てくれたわよ!」
南雲隊長「くっ……パトレンジャーめっ!!」
野明「な…何だったっけ…この後……」コソコソ
遊馬「……適当にカッコいいことでも言って、ごまかせ」コソコソ
南雲隊長「パトレンジャー!何をコソコソやっている?」
南雲隊長「この男がどうなってもいいのか?」ニヤッ
ぎゅううううっ
後藤隊長「南雲さん、ほ、ホントに…く、苦しいってぇ……」
野明(と、とりあえず何かカッコいい台詞、言わなきゃ…)
野明(カッコいい…カッコいい……)
野明「……」
野明「あああああ!!ダメだ、全然思い浮かばないよぉ!!!!!」
64 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:45:30.01 ID:rxsewvk7O
野明「頭の中がごちゃごちゃして全然思い浮かばない!!!!!」
遊馬「なんとかひねり出せ!」
野明「そんな無茶な事言わないでよ遊馬ぁ!!」
子供「ヒーローがなかまわれwwwww」
子供「さすがは落ちこぼれwwwwwwwwww」
大きなお友達「第二小隊は芝居もロクに出来ないwwwwwww」
太田「泉いい!!」
野明「ぐぐぐぐ………!」
野明(落ち着け野明…このままだと子供にバカにされっぱなしだぞぉ……)
野明(マズは落ち着いて…それから……)
野明(そうだ。南雲隊長みたいに役に集中すれば…)
野明(集中…集中…集中……)
野明「………」ぐっ
65 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:47:09.49 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「あっははははははははははははははは!!!!」
南雲隊長「どうした!掛かってこないのかパトレンジャー!!我々に恐れを為したか!?」
野明「そんなこと……あるもんか!!」
野明「正義の名のもとに、お前達犯罪者を逮捕する!覚悟しろ!!」
野明(よ、よし…なんとか恥を捨てたら…セリフが……)
遊馬「……ああ、えーっと……お前達の悪事は…今日で終いにしてやる!!俺達の力をなめるなよ!!!」
太田「し、篠原ぁ!!そこは俺のセリフっ…!!」
遊馬「いいじゃねーかよ。一言くらい。ケチ臭いぞw」
太田「こ…こいつ!!!!」
山崎「ちょ、ちょっとお二人とも…子供達が見てますから……」
遊馬「正義の警察官が子供が見てる前で仲間を殴っちゃうのかなぁ~?」
太田「ぐぬぬぬぬ……!」
67 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:53:10.31 ID:rxsewvk7O
進士「さ…さあ、降伏しませんか?今ならごめんなさいするくらいで済まされるかもしれませんよ?」
南雲隊長「うるさい!我々の邪魔はさせぬ!!!」
南雲隊長「やれ!!!」
第一小隊員A「りょ、了解!」
野明(こ…ここまでは上手く乗りきったけど……)
山崎(ここから先、リハーサル……出来ませんでしたからね……)
進士(ここからは格闘シーン…確か柔道でしたよね?…空気を読みながら…ですかね……)
遊馬(手合わせをしてもらったこともあるわけだしな。ここも適当に……)
太田「悪は駆逐するまでだああああああああああ!!!!!ウオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」
野明「って、お……太田さん!?」
遊馬「ば、バカ!太田!!無計画に…んないきなり突っ込んでいったら……!!」
太田「覚悟しろおおおおおおおおおおおおおお!犯罪者ぁあああああああああ!!!!!!」
太田「パトグリーンキイイイイイイイイイイイック!!!!!!!!!!」
進士「って…な、なんか」
山崎「なりきっちゃってますよ……正義の味方に……」
68 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:54:16.75 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「!」
太田「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
ガスッ!!!!!!
太田「んふっ!?」
南雲隊長「……あっ」
子供「グリーンよええええええwwww」
子供「女にやられてやんのwwwww」
子供「パトレンジャーよえーwwwwwwww」
太田「 」
後藤隊長「…こりゃ確実に急所に入ってるわ」
70 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:58:51.66 ID:rxsewvk7O
進士「ってそんなこんなしてる間に随分時間、押しちゃってますよ」
野明「ど、どうしよう…!」
遊馬「ど、どうするも…こうするも…」
遊馬「………」
遊馬「こうなったら…飛ばすしかないだろう」
野明「と、飛ばすって遊馬ぁ…!」
遊馬「一応格闘もしたしな、十分だろう。さっさとデモ戦を始めなきゃならん。デモ戦あってのヒーローショーなんだし。」
野明「でもどうやって…」
遊馬「そこは…」
野明「そこは?」
遊馬「…南雲さん達に空気を読んで貰おう」
野明「だからどうやって」
遊馬「そこはアレだ…知恵と勇気で……」
野明「ち、知恵と勇気って…」
71 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 04:59:57.83 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「…どうした作戦会議か?ふふっ…勝てないという結論でもでたか?」
子供「だめだ…おしまいだ…」
子供「パトレンジャーはよわいし…たよりにならないし…」
子供「ダイイチショータイにせんのうされちゃうんだわ…わたしたち……」
後藤隊長「子供達、本気で怖がってますよぉ~しのぶさんのこと」ニヤニヤ
南雲隊長「…あなたも少しは怖がったら?」
後藤隊長「怖いですよぉ、特にこの後がすごく」
南雲隊長「そうは見えないけど。寧ろ楽しそうよ」
後藤隊長「俺、演技の才能がないんだなぁ…きっと」
南雲隊長「……よく言うわ」
72 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:01:30.01 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「パトレンジャー!我々に屈するか!!膝をつき、我に忠誠を誓うなら命だけは助けてやるぞ?」
野明「え……えっと……」
野明「私達は警察官だ!子供達が見ている前で…例え敵であっても人を殴るのは…あんまり良くないことだ!!」
子供「さっきグリーン、南雲隊長に殴りかかってたじゃーん!!」
遊馬「あ、あれは洗脳だ!そうだ、グリーンは南雲隊長に洗脳されて警察官にあるまじき行為をだな……」
子供「ええー」
子供「なんか後付けっぽーい」
野明「と、とにかく殴り合いはいけない!!」
野明「だから、パイソンとイングラムで勝負だ!イングラムが勝てば、隊長とグリーンは返してもらうぞ!!」
子供「レイバーどうしのなぐりあいはいいのかよー」
子供「素手でかてないからってレイバーにたよるなよ」
子供「よけいにかねがかかるじゃーん」
子供「かねくいむし!!」
73 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:03:09.46 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「………」
野明「………」ゴクリ
遊馬「………」ゴクリ
南雲隊長「……」
南雲隊長「面白い…よかろう!その勝負受けた!!イングラムをボロボロにしてやれ!!!!!!」
南雲隊長「今日こそパトレンジャーの息の根を止めてやるのだ!!!!!!」
南雲隊長「あっはははははははははははは!!!!!!」
74 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:04:26.47 ID:rxsewvk7O
―――――
子供「なあなあ、どうだったよ」
子供「まあまあだな…でも南雲隊長がこわかった……」
子供「パトレンジャーにたおせると思えないんだよな…」
子供「ぼくたち…どうなっちゃうのかなぁ……」
子供「あれ、でもわたしは南雲隊長…すきかも……」
子供「あのとき、パトレンジャーをたおせたかもしれないのに…わざわざパトレンジャーにチャンスをあげたのよ」
子供「てきにしおをおくる……ってやつか……」
大きなお友達A「あのババア…なかなかイキだよな……」
子供達「……」
75 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:04:45.14 ID:rxsewvk7O
おタケおねえさん「それではよいこのみんな、よく聞いてね。」
おタケおねえさん「これから第二小隊ことパトレンジャーのイングラムとダイイチショータイこと第一小隊のパイソンが戦うわ。」
おタケおねえさん「ちょっと準備があるから、その間、おねえさんとパトレンジャーへの応援を練習しましょうね!」
子供達「はーい!」
大きなお友達「はああああああああああああい!!!!!」
76 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:08:23.61 ID:rxsewvk7O
――――
後藤隊長「……と、いうワケで、熊耳が適当に時間を稼いでくれることになったが、それでも持って10分ってとこだから、準備はなるたけ、早めによろしくね。」
野明「了解!」
太田「隊長!どうして搭乗するのが泉なのですかァァ!!」
後藤隊長「お前の2号機は修理中だろうが」
太田「ディスクなら…!」
後藤隊長「あんまり無茶言うもんじゃないぞ太田ぁ~…」
後藤隊長「それにお前今、敵に洗脳されて捕まっちゃってるって設定なんだからさぁ、戦えんだろう?」
太田「…ぐううううう!!!!!」
77 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:10:06.08 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「………」
後藤隊長「あの、しのぶさ~ん……怒ってる?」
後藤隊長「あれは、わざとじゃなくてね?しのぶさんの衣装にさぁ……」
南雲隊長「……言い訳は終わった後、じっくり聞くわ。」
後藤隊長「ああ…そう……」
南雲隊長「五味丘」
五味丘「はっ……はい」
南雲隊長「いいか。絶対に手を抜くな。勝つつもりで行け。」
五味丘「し…しかし……」
南雲隊長「勝ったときは勝ったときだ。…ねぇ、後藤さん?」
後藤隊長「……やっぱり怒ってますよね?しのぶさん」
78 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:12:34.85 ID:rxsewvk7O
同時刻・同交通安全フェスティバル会場内
男A「で、潜入したのはいいものの」
男A「…下町のイベントを滅茶苦茶に…ってどうなんだよ」
男B「それがさ、ただのイベントじゃないらしいんだよ」
男B「警察が協力してるとかなんとか」
男A「マジでか!!!!」
男B「防衛軍に入ってまだ1ヶ月なのにこんな大役を……胸が熱くなるな」
男B「…これからこのイベントをメチャクチャにしてやる!」
男A「一度は没落した『地球防衛軍』の名を再び、この世に広く知らしめる事が出来ると同時にだ」
男A「警察の信頼を貶めることも出来る!!」
男A「そして街は恐怖に包まれる!!!!!」
男B「しかし警備が適当にも程があるぜ」
男B「この豊作くんを違法改造した『豊作くんプロ』をこんなにも簡単に会場内に持ち込めちまう…なんてなぁ!」
79 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:13:48.82 ID:rxsewvk7O
男A「……」
男B「どうしたよ急に静かになって」
男A「い…いや…やっぱ止めない?」
男B「何を今更…」
男A「何が悲しくて男二人、クリスマスにこんなことしなきゃならないんだよ」
男B「これも任務だろ!ボス直々の!」
男A「でもさ、俺達が豊作くん乗り回してる間にイケメンは豊乳ちゃんを乗り回しt…」
男B「言うな!皆まで言うな!」
男B「いいか?これは警察だけじゃない!社会への復讐なんだよ。」
80 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:14:28.43 ID:rxsewvk7O
男B「当然…今回のテロが上手く行けば、幸せなクリスマスを送る連中を震え上がらせる事が出来る」
男B「見ろ…あの純真そうな子供…家族連れ、あの煽りに来てるカップル……ムカつくだろ?」
男A「ムカつく!」
男B「あいつらを恐怖のズンドコに落とせるんだぜ……」
男A「恐怖の…クリスマス…」
男B「そうだ!二度と楽しいクリスマスを送れないようにしてやろう」
男A「だけど…そんなことをしたって俺達は幸せになれないぞ…」
男B「だが、他人の幸せは奪える!!!!!」
男A「!」
男A・B「ふっ……ふふふふふふふふふ……!!!!!!!!!!!!」
81 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:17:49.54 ID:rxsewvk7O
おタケおねえさん「せーの」
子供「頑張れ!頑張れ!パトレンジャーあああああああ!!頑張れ!頑張れ!イングラムうううううううう!!!!!」
おタケおねえさん「もっと大きな声で~!」
子供「……もうこれ以上でないよぉ」
子供「喉いたぁい……」
子供「レイバーはまだかよー!!」
おタケおねえさん「も、もうちょっと待っててね…」
ガラッ
熊耳「まだかしら?…こちらもそろそろ限界よ」
遊馬「野明ぁー!だから着替える時間なんてないって言っただろうがぁ!」
82 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:18:13.37 ID:rxsewvk7O
野明「で、でも何だか…この衣装だとお尻が滑って…せめてズボンだけでもぉ……」
太田「ですから隊長おおおおおお!外からでは乗っとる人間は分からんのですから、自分にぃぃぃぃ……!!!!」
後藤「と、言われてもなぁ…お前に行かせると、あんまり教育上よろしくなさそうというか……」
進士「………」
太田「なああああああんだとおおおおおおおお!?」ガバッ
進士「ちょ、ちょっと太田さぁぁぁん!僕はまだ何にも……」
83 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:18:31.93 ID:rxsewvk7O
太田「『まだ』ってことは何か言うつもりだったんだろおおおおおおおお!?」
進士「そんな、当たりどころがないからって、いちゃもんも……」
山崎「あ…あの……僕は何か手伝えることは……」おろおろ
南雲隊長「……」
84 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:18:55.96 ID:rxsewvk7O
おタケおねえさん「おまたせしました」
おタケおねえさん「パイソンとイングラムのバトルが始まるみたいよ」
おタケおねえさん「危ないのでこのロープの外からは出ないようにお願いします。」
子供「はーい!!」
大きなお友達「はああああああああああああい!!!!!!」
ガシン!ガシン!
パイソン「………」
子供「うわあああああああああああああああ!!!!!!ダイイチショータイのパイソンだぞ……」
子供「なんか暗い色でこわぁい!悪のレイバーね…!!!!!!」
85 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:19:52.62 ID:rxsewvk7O
子供「私達…悪のレイバー戦士にされて、あれにのせられちゃうのかなぁ……」
パイソン「………」
ガシーン…
後藤隊長「いやぁ、映えるねぇ。お宅のパイソンはぁ。」
南雲隊長「…どうもありがとう。」
子供「みろよ!南雲隊長が来たぞ!」
大きなお友達「うひょwwwwwww太ももwwwwwwwwwwwwww」
子供「うえええええええええん!!!!!ままあ、こわいよおおおおおおお!!!!!!!」
大きなお友達「ババア!結婚してくれ!!!!!!!!!!!!」
子供「あくまだ!!あくまのおんなだ!!!!!!」
86 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:20:17.28 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「………」
後藤隊長「あ、あの…しのぶさん?この借りはいずれ……」
南雲隊長「………」
ぎゅうううううううううう
後藤隊長「ぜ…精神でぎに゛……………」
87 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:24:10.37 ID:rxsewvk7O
野明「……結局、着替えられなかったなぁ」
野明「うーん…なんかツルツルしてやりにくいし……」
ガシン!ガシン!
子供「うおおおおおおおおお!!!!!!」
子供「イングラムだ!イングラムだ!!!!」
野明「あんなに子供達がアルフォンスを見てよろこんでくれてる……」
野明「…へへっ」
子供「かねくいむしだ!!!!!」
子供「ウドの大木だ!!!!!!」
子供「見かけ倒しだ!!!!!!」
野明「な……なな……!」
野明「ひ、酷いっ!私のアルフォンスになんてことぉ……」グググググ…
88 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:24:36.16 ID:rxsewvk7O
遊馬「の、野明!落ち着けー!!」
太田「あのガキ共!今すぐ根性叩き直してくれるわあああああああああああ!!!!!!」ジタバタ
山崎「お、太田さん…あんまり動かないで下さい……」ガシッ
太田「放せええええええええええええええええ!!!!!!」グググググ…
進士「……2号機が修理中で助かったような」
太田「何だと進士いいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!?」
山崎「お、太田さぁん……!」
89 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:25:10.53 ID:rxsewvk7O
野明「えっと……この後の台詞は……」
野明「そ、そうだ……か、覚悟しろ!ダイイチショータイ!!」
野明「お前のやっていることは…許されないことなんだぞ!!!」
南雲隊長「ふん!口の聞き方に気をつけるんだなパトレッド!!」
南雲隊長「覚悟するのはお前達の方だ!!」
南雲隊長「やれ!パイソン」ニヤッ
子供「うわああああああああ!!こっちみたああああああああああああ!!!!!!」
子供「ニヤッって笑ったああああ!!!!!!こわいよおおおおおおおお!!!!!!」
南雲隊長「………」
90 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:25:49.88 ID:rxsewvk7O
遊馬「お、俺達の…」
山崎「せ……せいぎのこころを……」ボソボソ
進士「あなたとイングラムに……」
太田「あ……預けるぞ…」
野明「い、行くぞアルフォンス!疾風のごとくー!!」
南雲隊長「容赦はするなパイソン!!!二度と光を見れぬようにしてやれ!!!」
ガシン!ガシン!ガシン!
大きなお友達「うわあああああああああああああああ!?」
一同「!?」
91 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:28:06.96 ID:rxsewvk7O
ガシャーン!ガシャーン!!
男A「ぐっへへへへへへへ!!!!!!俺たちゃ地球防衛軍だあああああ!!!!!!」
ガシャアアアアン!!!
男B「壊してやるぞ!!ぶっ壊してやるぞ!!覚悟しろおおおお!!!!!!」
子供「きゃああああああああ!!!!」
子供「あっちからも変なレイバーが出てきたぞ!!!!!!」
南雲隊長「な、何事!?」
警備員A「大変です!大変です!」
後藤隊長「一体どうしたってのよアレは……」
警備員B「それがですね…その……テロリストがどうも会場内に潜入してたらしくて…」
警備員C「暴れまわっとるんですわ!!」
後藤隊長「潜入って、…あんな『いかにも』なレイバー持ち込んどるワケなんだからさ、わかるでしょう普通」
警備員A「でも、『特車二課整備班』って言われたら…なぁ?」
警備員B「通しちゃうよなぁ……?」
警備員C「違法改造のレイバーの一つや二つ、作ってそうなもんだよなぁw」
整備員A「お……俺達まで」
整備員B「そんな目で見られてたのか……」
シバ「うがああああああああああああああああああ!!!!!!」
整備員A「ちょ、ちょっとシゲさん落ち着いてくださいってえ!!!!」
93 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 05:55:22.09 ID:lST6v3+/0
脳内再生って偉大だよな
94 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 06:30:54.40 ID:Ckruw7eQ0
まさかのパトレイバーSSだと
99 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:15:23.10 ID:rxsewvk7O
男A「叫び狂え!!!!」
男B「革命には犠牲はつき物なのだ!!愚民どもよ、喜びながら血を流すがよい!!!!!!!!!」
子供「うわああああああ!!!!!!」
後藤隊長「いやぁ…しかし、ありゃ、まるで特撮の悪役だなぁ~…」
遊馬「隊長!そんな暢気な事言ってないで、早く観客を避難させないと…」
後藤隊長「って言ったって…、逃げ場なんて今更どこにも無いでしょうに…」
遊馬「……あっ」
南雲隊長「逃げ惑ってパニックが起きるよりか、このまま一ヶ所に集めて置いた方が良いわ。」
遊馬「でもそんな…いくらなんでもそりゃ……」
後藤隊長「そりゃあ、危なっかしいだろうけどさ、危なっかしいのはいつものことだろうに」
遊馬「た…隊長ぉ!」
100 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:21:20.80 ID:rxsewvk7O
後藤隊長「こうなっちまった以上仕方ない。」
遊馬「と言ったって、もしも……」
後藤隊長「だからさ、その『もしも』が起きない様にするのが、今の俺達の仕事でしょ?」
遊馬「……」
後藤隊長「それに都合のいい事に観客は、出し物の一部だと、てっきり勘違いしてくれてる。ほらアレ」
子供「な…なんかワクワクしてきたぞ!」
大きなお友達A「パイソンとイングラムの戦いに見せて第三の敵を投入…警視庁ktkrwwwwwwwwwwwwww」
遊馬「………」
南雲隊長「……」
101 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:23:16.45 ID:rxsewvk7O
後藤隊長「ああ、泉。聞こえるか?」
野明「は、はい!た、隊長ぉ、向こうから何か変なレイバーが……!!」
後藤隊長「ああ、どうやらテロリストが会場に堂々と潜入しとったらしくてな。日本語がおかしなことになっとるけども」
野明「じゃ、じゃあ、もしかして…!」
後藤隊長「そう。そのもしかして。予定を変更して、パイソンじゃなくて、豊作くんとやり合う。」
野明「ええええ!!」
後藤隊長「篠原、泉のバックアップを頼む」
遊馬「りょ、了解!」
南雲隊長「こ、ここでやり合うって後藤さん……」
後藤隊長「それしかないでしょう。相手をどっかに誘導しようにも街のど真ん中だし、被害をかえって広げるだけだ。」
後藤隊長「本庁への報告は、どーせ出動命令が出るんだから単に時間の無駄だし」
後藤隊長「外にでるなと子供達には熊耳が念を押してる。それに一応大田達に監視もさせて置いてるワケだし大丈夫でしょ。」
南雲隊長「……」
102 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:24:20.64 ID:rxsewvk7O
後藤隊長「それに警察章の付いたレイバー同士、戦わずに済むじゃないの」
南雲隊長「…この期に及んでまでそんなことを。」
後藤隊長「………」
南雲隊長「どうしたの?」
後藤隊長「いや…なんか嫌な予感がするなぁ~なんて…」
南雲隊長「………」
後藤隊長「ま、と言うわけで頼むわ」
野明「りょ、了解!」
103 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:25:26.32 ID:rxsewvk7O
太田「た、隊長ォ!!!自分にも戦わせてください!!!」
後藤隊長「埋立地から修理中の2号機を運んで来るって言うのか?無茶言わんでくれよ」
太田「し、しかし…万が一と言う場合もおおおお……!!」
後藤隊長「万が一の時はパイソンが助けてくれるでしょ。ねぇ、南雲隊長?」
南雲隊長「…利子はかなり高くつくわよ」
後藤隊長「と、言うわけだから。太田はそのまま子供達を『大人しく』監視しとるように。」
太田「……」
太田「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」
山崎「ちょ、ちょっと太田さん、暴れないで下さい……」
104 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:38:33.55 ID:rxsewvk7O
ガシーン…ガシーン…
男A「ギャハハハハハハハ!!!!!!」
男B「グヘヘヘヘヘヘヘヘ!!!!!!」
後藤「あーあー…」
男A「げ!」
男B「と…特車二課!?」
後藤隊長「あー…そこのレイバー、止まりなさい」
男A「やなこったーwwwwwww」
男B「っつうかお前に言われてやめるくらいならやってねーよwwwwwww」
後藤「まぁ…そりゃあそうだよなぁ~…」
南雲隊長「……後藤さん!」
105 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:39:03.46 ID:rxsewvk7O
後藤「おほん…」
後藤「今ならまだケガ人も出てないしさぁ、免停くらいで済むかも知れないよぉ~?」
男A「まだ今なら…め…免停……」
男B「騙されるな!コイツのやり口だ!!そう言って投降して実刑くらったヤツがいるんだぞ!!!」
男A「そ、そうなのか!」
男B「相手は通った後にはペンペン草も生えない特車二課だ。」
男A「そうだな…危うく…」
後藤「あー、これ以上暴れると、発砲も余儀なく行うけど、いい?」
男A「は…発砲?」
後藤「そう。発砲。リボルバーで、その豊作くんを撃つの。」
男A「……で?」
後藤「で?」
106 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:46:58.64 ID:6kbik6Zv0
太田さんならすでに全弾ぶっぱなしてるな
107 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:50:23.54 ID:rxsewvk7O
男A「で?」
後藤隊長「で?」
男A「…で?」
後藤隊長「で…?」
男A「んで?」
後藤隊長「んで?」
男A「んで?」
男A「ってああああああああ!!!!!」
男A「だーかーらー!!!!!で、どうなるかって聞いてるんだよ!!!!!」
後藤隊長「……」
後藤隊長「……当たったら痛いだろうなぁ」
108 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:52:14.33 ID:rxsewvk7O
男A「だってよ!!!」
男B「お前はさっきから何にビビってるんだよ……」
後藤隊長「やめない?」
男A「……」
後藤隊長「やめようよ。俺だってさ、クリスマスの日に、こんな年甲斐もなく黄色いチョッキ着込んでヒーローショーなんてさ、本当に辛いのよ。」
後藤隊長「クリスマスに男二人が嫉妬と寂しさのあまりにレイバーで街を襲う!!なんて一面記事、情けないでしょ?」
後藤隊長「その上、田舎の両親は全国に晒されたバカ息子のバカな面を見ながら、新年早々世間様に顔向け出来ないと泣き叫ぶワケ。」
後藤隊長「かと言って、カップルには何のダメージも与えられないワケ。」
後藤隊長「精々、熱い夜を過ごしたホテルの一室のドアに、情けない一面記事の乗った新聞が挟み込まれ、他人事として怖がられるのが関の山なワケ。」
男A「……」
男B「……」
後藤隊長「やめちゃえばさぁ、一面記事は免れるし、俺達もさっさとこんな格好脱いじゃえるのよ。」
後藤隊長「…みんなで幸せになろうよ」
男A「………」
110 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:52:42.80 ID:rxsewvk7O
男B「よ…余計なこと喋んなカス!!!!!」
後藤隊長「いやね、こっちも金食い虫と煽られてる手前、あんまり無意味なことはしたくはないのよ。」
後藤隊長「でもさ、形式踏まなきゃならんのよ。決まりなワケ。」
子供「なんだよあの会話wwwwwww」
子供「さっさと攻撃しろよwwwwwww犯人ビビりwwwwwwwwwwwwwww」
子供「チーキーン!!!!!チーキーン!!!!!チーキーン!!!!!」
熊耳「ちょ…ちょっと!」
111 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:55:02.84 ID:rxsewvk7O
男A「なっ……!!!!」
男B「あのクソガキ共……!!!!」
子供「社会のゴミwwwwwww」
子供「ああいうの『負け組』って言うんだぜwwwwwww」
男A「ち…チキショー…女子供は逃してやろうかと思ったけど………」
男B「二度と笑えない様にしてやる………!!!!!」
後藤隊長「そうやって人の幸せを奪っても意外と虚しいもんよ?」
男A「うるせー!!!!!ぶち殺すぞ!!!!!」
後藤隊長「……限界かなぁ」ボソッ
112 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 12:56:24.90 ID:rxsewvk7O
後藤隊長「……あの」
警備員「は…はい」
後藤隊長「あのレイバーが暴れ出してから大体どのくらい経ちました?」
警備員「え…ええっと……15分くらい…ですかね」
後藤隊長「15分か…まあ、良く付き合ってくれた方か」
警備員「?」
男B「うおおおおおおおおおお!!!!!」
男A「皆殺しじゃあああああああああああああああ!!!!!」
114 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:07:21.05 ID:rxsewvk7O
後藤隊長「と言うわけで交渉決裂だ。泉、篠原」
野明「う…うわぁ…犯人、余計に興奮しちゃってるよ…」
遊馬「あのオッサン掻き回すだけ掻き回しやがって……」
男A「単なる豊作くんだと思って貰っちゃ困るぜ!」
男B「今日の俺達はな、怖いもんなしなんだ!!!!!」
男A「クリスマスなんかぶち壊してやる!!」
野明「あ、そうかぁ。今日はクリスマスだったっけ……」
野明「……」
野明「クリスマスに何やってんだろう…あたし……」
115 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:07:53.33 ID:rxsewvk7O
遊馬「って、んなことは後だ野明!!!」
野明「そ、そうだ!!妙に落ち込んでる場合じゃない!」
野明「お前達、これ以上抵抗を続けるなら公務執行妨害も罪に加わるぞ!!」
男B「うるせぇええええええええええええええ!!!」
ガシーンガシーン!!!!!
野明「ぐぐぐ………!」
野明「い、意外と力が……」
男B「そうだろう?そうだろう?」
男A「色々付けすぎたせいか、二人がかりで操縦しなきゃならなくなっちまったが、その分パワーも二倍だ!!!!!」
野明「ぐっ……」
男B「チキショー!お前もどうせこれが終わったら、あそこのニーチャンとズッコンバッコンするんだろ!!」
野明「ず…ずっこんばっこん?」
男A「かあああああああ!!!!!惚けた顔しやがってええええええええええええ!!!!!」
男A・B「死ねええええええええええええええ!!!!!氏ねじゃなくて死ねええええええええええええ!!!!!」
116 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:08:13.75 ID:rxsewvk7O
野明「……なっ!」
遊馬「の……野明!大丈夫か!!」
ズドオオオオ…
野明「つっ…強い……」
遊馬「な、何なんだよあのレイバーは……」
後藤隊長「結局レイバーってのはそれ自体のスペックより、乗る人間次第……か」
子供「い、イングラムがやられちゃったよ!!!!!」
子供「ず、ズドンて!!ズドンて!」
117 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:09:01.25 ID:rxsewvk7O
大きなお友達A「ちょっと話の流れが分からなくなって来たず……」
大きなお友達B「とりあえずイングラムとパイソンが戦う予定だったが、間に豊作くんが入って来たと……」
大きなお友達C「あの豊作くんってのは第一小隊の手下なのか?」
大きなお友達D「いや、南雲隊長は一瞬困った顔をしてたからな…」
大きなお友達E「じゃあ……」
大きなお友達一同「…新たな敵要素?」
大きなお友達A「興奮してキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!」
大きなお友達B「やべえwwwwwww第一小隊でビビらせといて第2の敵出すとかwwwwwww」
大きなお友達C「うぇっwwwwwww警視庁わかってるwwwwwww」
大きなお友達D「っつうかクリスマスの下りとか脚本ネ申wwwwwww」
大きなお友達E「うはwwwwwwwwktkしてキタコレwwwwwww」
119 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:09:57.68 ID:rxsewvk7O
野明「……ぐぐぐぐ」
男A「オラオラオラ!!!!!」
男B「ヒャッホー!!!今日のオレ達怖いもんねええええー!!!!!」
子供「ど…どうしよう…このままだとイングラムがやられちゃうよ!!!」
野明「ぐうううう……」
男B「あははは!!!!!他人の幸せを壊すのは楽しいなぁ」
男A「幸せは掴めなくても他人の幸せは壊せる!!!!!」
野明「そんなの……間違ってるぞ……」
男B「そら、お巡りさんからしたら間違ってるだろうよwwwwwww」
遊馬「なんとか…体勢を持ち直したいが、ああ押さえこまれたんじゃ…」
遊馬「野明!もっと右に寄れないのか!」
野明「や、やってるよ!…だけど意外とこのレイバー、力が……」
南雲隊長「五味丘!イングラムの支援に回れ!!」
五味丘「了解!」
子供「しえん?しえんって……」
子供「助けにいくこと…だよな」
子供「も…もしかして第一小隊がイングラムのこと…助けに行ったのか!?」
120 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:10:58.36 ID:rxsewvk7O
男B「……何だか騒がしいな」
パイソン「だあああああああ!!!」
男B「!」
男A「ガキのお陰で気が付いたぜ…」
男B「今日の俺達はついてるなぁぁぁぁぁぁぁ!」
ガシーン!!!!!
五味丘「……な!!」
遊馬「ぴ、ぴっけるくんのロケット打ち出し式ハーケン…!って何で豊作くんにくっついてるんだよ……」
男B「そりゃぴっけるくんの部品をそのまま取って着けたに決まってるだろ」
整備員A「無茶苦茶だ…無茶苦茶な改造だ…」
整備員B「ま、まるで後先考えちゃいねえ」
整備員C「使い捨てレイバーだなぁ…こりゃ」
整備員D「俺達には到底マネ出来ねぇ……」
121 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:12:16.17 ID:rxsewvk7O
男B「さーて、これをお前に向けて撃つと!」
男A「お前が避けると…どうなるかなぁ???」
五味丘「!」
子供一同「………?」
男B「子供達に当たっちゃうよね~wwwwwww」
男A「当たったら痛いよね~wwwwwwwwwwwwww」
野明「ひ……卑怯だぞ!!」
男A「何とでも言え!!!!!」
男B「どうせ正攻法じゃお前らには勝てないんだ!!!!!」
122 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:13:45.35 ID:rxsewvk7O
男B「発射ああああああ!!!!!」
パイソン「…………!」
ガシュッ……
ドオオオオオオオオオオ!!!!!
子供「………!」
パイソン「………」ガガガ…
男A・B「……」ニヤニヤ
子供「…ぱ、パイソンの両腕が」
子供「な、なくなってる!!!!!」
男A「両腕を犠牲にして受け止めたのはお見事wwwwwww」
男B「腕だけとは残念。あ、ちょっとメインモニターも攻撃出来たかなぁ?」
子供「ぱ…パイソン……」
子供「僕らを庇って…動かなかった………」
123 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:15:17.66 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「五味丘!五味丘…大丈夫か!?」
五味丘「何とか…しかし…システムが…」
南雲隊長「…ぐっ」
子供「た…大変だ!本当にこのままだとやられちゃうぞ……」
子供「ど、どうしよう……」
男A「やべえ…今日の俺達半端ねーわ」
男B「行くとこまで行っちゃおうず!!!!!」
男A「うはwwwwwwwおkwwwってリアルでネットスラングきめぇwwwwwwwwwww」
ぐぐぐぐぐ…
遊馬「野明!大丈夫か!?」
野明「だ、大丈夫だけど…何とか体勢を持ち直さないと……」野明「くっそう……」
熊耳「イングラムはどうにか体勢を変えようにしても…今の状態じゃ……」
太田「2号機があればぁぁ………」ググググ
進士「お、太田さん…僕の髪の毛掴むの止めて下さい…抜けちゃいます…」
124 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:15:41.43 ID:rxsewvk7O
後藤隊長「絶体絶命、か」
南雲隊長「……の割には余裕なのね」
南雲隊長「後藤さん、あなた今の状況を把握してるハズでしょ?」
後藤隊長「イングラムが下敷きにされて、その上頼みのパイソンもダメージを受けて、そんでもって紙一重でパニックも起きかねない…余裕なんてありませんよ」
後藤隊長「だけどそんなに追い込まれなくてもいいじゃない」
南雲隊長「…現に追い込められてるじゃない」
後藤隊長「シゲさん、あと何分?」
シバ「…こりゃあもうすぐですねぇ」チラッ
南雲隊長「……もうすぐって?」
125 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:16:50.08 ID:rxsewvk7O
整備員A「このレイバー、後先考えちゃいない無茶苦茶な改造をしてるワケですよ。」チラッ
整備員B「となると、当然パワーの配分なんか考えちゃいない。」チラッ
整備員C「最初にパワーをガッと出して、その後急激にパワーが落ちていく訳です。」チラッ
整備員D「まぁ…戦法としてはありっちゃありなんですけどね。ただ力の配分が出来ないとあっちゃワンパターンな戦い方しか出来ない。」チラッ
南雲隊長「成程…『使い捨て』ってそう言う意味だったのね」
シバ「ただぁぁぁぁぁーっし!!!!!」
シバ「いくら相手のパワーが下がったとは言え、さっきの攻撃でパイソンはかなりのダメージを負った上」チラッ
シバ「イングラムも結構パワーを消費してますし、パイソン程ではないにしろ、ダメージも受けてますしね」チラッ
南雲隊長「勝てるかどうかは…」
シバ「まあある意味賭けって事ですかね」
126 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:17:20.24 ID:rxsewvk7O
ビュウウウウ…
南雲隊長「……やっぱり寒いわね」
一同「………」ジーッ
南雲隊長「?」
熊耳「あ…あの…南雲隊長」
南雲隊長「…どうしたの?」
熊耳「腕は…あまり組まない方が」
南雲隊長「……」
南雲隊長「……///!」
南雲隊長「……」ギロッ
一同「………」
127 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:18:47.71 ID:rxsewvk7O
子供「うわあ…やられちゃうよ」
子供「……そうだ!」
子供「どうしたの?」
子供「こんな時こそ…!!」
子供「……そうか!」
野明「ぐぐぐぐぐ……!」
男A「ほーれwwwほれほれwwww」
男B「もう体勢の立て直しとか無理だから、潰されちゃいなYO!!」
野明「………うるさい!!」
男A「元気がいいねお嬢ちゃん」
男B「っつうか意外とタイプwwwwwwwwwwwwww」男A「じゃあさ、明日一日人質になりながら俺達とランデブーしてくれたら特別に助けちゃうwwwwwwwwwwwwww」
野明「お……お断りだぁ!」
男A「ケッ!そんなに彼氏がいいのかよ!!」
野明「…そ、そう言う訳じゃ!」
男B「じゃあどう言う訳?」
野明「やっぱり…幸せになれないからって他人まで巻き込んで良いはずがない!」
男A「まーた正義論かよぉ~」
男B「フヒヒwwwwwww若い身体に教えこんでやりまするかぁ~?」
男A「おkwwwwwwwwwwwwww」
128 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:19:31.55 ID:rxsewvk7O
ググググ………
野明「ううううう………」
遊馬「野明!」
野明(も……もう………)
野明(ダメかも…しれn……)
頑張れ……
野明「!」
頑張れ…頑張れ……
野明「……これは」
頑張れ頑張れイングラム!
子供「頑張れ!頑張れ!イングラムうううううううううう!」
子供「頑張れ!頑張れ!パトレンジャーあああああああああ!!!」
129 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:24:02.99 ID:rxsewvk7O
野明(そうだ……皆が見てるんだ!)
野明(ここで引き下がったら……)
ガガガガガ!!
男A「………あれっ」
男B「どうした?」
男A「なんか…パワーが落ちたって言うか…手応えがなんか…」
ガガガガガ……
男B「………本当だ」
男B「だ、だがビビるんじゃねーぞ!!」
男A「そ、そうだな…機動隊みたいのは両腕ねーし、イングラムはちゃんと押さえつけてるから俺達が優勢なのは変わりないし………」
男B「さっさと負けを認めてさぁ、降伏しちゃいなよぉwwwwwww」
子供「頑張れ!頑張れ!イングラム!!」
男A「うるせーよクソガキ!!テメーらが叫んだところで何も変わりゃしねーよ!!!!!」
男B「じゃあお嬢ちゃん、留めだああああああああ!!!!!」
野明「…………」
ガコン!!!!!
男A「……なっ!」
野明「……変わらなくなんか」
野明「ないんだぞおおおおおおおおおおおお!!!!!」
130 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:26:12.24 ID:rxsewvk7O
ググググ………
男A・B「……なっ」
おタケおねえさん「!」
おタケおねえさん「…みんな!もっとイングラムを大きな声で応援しましょう!」
お友達一同「はい!!!!!」
子供「頑張れ!頑張れ!イングラム!!」
子供「頑張れ!頑張れ!パイソン!!」
子供「頑張れ!頑張れ!第一小隊!!」
子供「頑張れ!頑張れ!パトレンジャー!」
大きなお友達A「頑張れ!頑張れ!イングラムぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
大きなお友達B「頑張れ!頑張れ!野明ちゃあああああああああああああああん!」
大きなお友達C「頑張れ!頑張れ!頑張れ!ババアあああああああああああああ結婚してくれえええええええええええ!!!!!」
大きなお友達D「あ、頑張れ頑張れパイソン」
お友達一同『頑張れ!頑張れ!イングラム!!頑張れ!頑張れ!パトレンジャー!』
お友達一同「頑張れ!頑張れ!パイソン!!頑張れ!頑張れ!第一小隊!」
131 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:26:41.31 ID:rxsewvk7O
男A「うるせええええええええ!!!!!耳障りだ!!!!!」
男B「ロケット打ち出し式ハーケンでも喰らわせれば大人しくなるかもよwwwwwww」
男A「うほっ!いいアイディア!!」
男A「発射ああああああああああああ」
パイソン「!」
五味丘「やらせない……!!」
ガシーン!!ガシーン!!!
男A「なっ………!!!!!」
男B「ぱ…パイソンが…こ、こっちにくる……?」
男A「う、嘘だろ?両腕もねー上にモニターやシステムにもダメージがあるし……」
南雲隊長「ご…五味丘!?」
男A「ま、まさかとっしんでも仕掛けてくるつもりか!」
男B「ん…んな滅茶苦茶な!!!!!」
132 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:27:09.37 ID:rxsewvk7O
パイソン「…………」
ガシーン!ガシーン!ガシーン!!!
男A「な、なんとか…!!!!!」
男B「な、なんとかって言われても!お前こそなんとか!!!」
男A「な…なんとかって!お前…そ、そうだ…ミサイルのボタン……」
男B「んなもん分かんなくなっちゃったよ!」
パイソン「…………」
ガシーン!ガシーン!ガシーン!ガシーン!ガシーン!
男A「う………」
男A・B「うわあああああああああああああああ!!!!」
……ドオオオオオオオオオ!!!!!
133 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:27:53.93 ID:rxsewvk7O
パイソン「………」
豊作くん「………」
男B「ぐっ……」
男A「なあああああああ!!!!!」
男B「………どうした」
男A「……ミサイルが」
男A「………壊れた」
男B「……えっ」
野明「うりゃああああああああああああああああ!!!!」
ググググググ……
男A「こ、今度は左足が………」
男B「や、ヤバい!ヤバいぞおおおおおおお!!!!」
頑張れ!頑張れ!イングラム!!
スドオオオオオオオオオ……
野明「もう……許さないぞ」
134 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:28:22.75 ID:rxsewvk7O
男A「け、形勢逆転しちゃったじゃないかぁぁぁぁぁぁ!逆に俺達が押さえつけられてるぞおおお……」
男B「ほ…本格的…にヤバい………かも……」
野明「お前達……脅迫罪、公務執行妨害…その他もろもろの罪で逮捕する!!!!」
野明「子供達を傷付けようとしたことは…絶対に許さないんだからなあああああああ!!!!!」
遊馬「野明!!!!講釈垂れるのは後だ!今の内にスタンスティックで留目をさせ!!」
野明「了解!!」
野明「たああああああああああああああ!!!!!!」
男A・B「ゲ…ゲゲッ!」
野明「往生しろおおおおおお!!!!犯罪者ああああああああああああああああ!!!!」
ビビビビビビビビビビビ!!!!
男A「びゃあ゛ぁ゛゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛!!!!!」
男B「そ、それは初代い゛い゛いい゛いい゛いい゛い゛いいい!!!」
135 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:28:59.31 ID:zbKi8M+VO
>>128
これは熱い
136 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:30:03.92 ID:rxsewvk7O
ビビビビビビビビビビビビビビビビビ………
「…………」
……ガコン
男A・B「 」
野明「…………」
一同「………」
遊馬「や……やったか?」
子供「わっ………」
子供「うわあああああああああ!!!!!やったぞおおおおおおお!!!!!」
子供「敵を倒したぞおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
137 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:30:31.20 ID:rxsewvk7O
大きなお友達A「やべぇ…感動した………」
大きなお友達B「なんだかんだでパトレンジャーのピンチには手を貸しちゃう第一小隊………腕まで……」
大きなお友達C「すげぇ…やべぇ……ネ申シナリオだ……」
子供「やっぱり南雲隊長はいい人だったのよ!」
子供「俺が言った通りだな!!!!!」
138 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:41:32.90 ID:rxsewvk7O
後藤隊長「ああ泉、聞こえとるか」
野明「あっ…はい!」
後藤隊長「とりあえず犯人をレイバーから引き摺り出した。お疲れさん」
後藤隊長「とりあえず、事後処理とかあるからさ、こっちに戻ってくるように。」
野明「了解!」
野明「……一件、落着かぁ」
野明「見る限り怪我人も出なかったみたいだし…」
タタタタッ!!!!!
野明「?」
子供A「お姉さあああああああん!!!!!」
野明「!」
139 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:44:46.51 ID:rxsewvk7O
野明「ど、どうしたの?何か……」
子供A「ありがとう!!」にぱっ
野明「へっ」
子供B「ありがとう!助けてくれてありがとう!!」
野明「えっ……あ…あたしに?」
子供B「そう!お姉さん、僕らを助けてくれてありがとう!!」
野明「ど…どういたしまして……」
子供C「そうだ………」
ガサゴソガサゴソ
子供C「お礼のしるし!飴あげる!!!」
野明「………!」
野明(こ…こんなに感謝されたのは…初めてかもしれないぞ……)
野明「………///」
野明「ありがとう!」ニコッ
140 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:45:37.26 ID:rxsewvk7O
子供D「さっきはイングラムと第二小隊を悪く言ってごめんなさい」ペコリ
野明「いや、別に気にしてないって言うか…若干合ってたって言うか……」
子供E「僕!イングラムはスゲーカッコイイと思う!!」
野明「やっぱりそう思う!?」
子供F「うん!僕、将来はお姉さんみたいなレイバー乗りになりたい!!」
野明「………」ジーン
野明「よぉ~し!じゃあ特別に私のイングラム、触らせてあげちゃうぞ!!」
子供一同「やったー!!!」
ざわざわ……
野明「このメタルボディの肌触りなんだけど……」
子供「うわぁ!!ツルツルピカピカ!!」
141 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 13:46:18.39 ID:rxsewvk7O
山崎「泉さん、とっても嬉しそうですね」
遊馬「ああ…イングラムに乗ってからと言うものの、罵られることはあっても誉められることは滅多になかったからなぁ……」
進士「泉さんは勿論ですけど、熊耳さんも大人気ですね」
子供G「お…おねえさん……す、好きです……」
おタケおねえさん「ありがとう。私も皆の事が大好きよ。」
子供G「そ…そうじゃなくて………」
子供H「あ、何抜け駆けしてるんだよ!!俺だっておタケおねえさんのこと好きなんだぞ!!!」
子供I「俺だって!」
子供J「俺だって!俺だって!」
熊耳「あらあら……」
144 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 14:20:59.48 ID:ie0fI2ZD0
久しぶりに劇場版でも見るか…
148 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:11:14.77 ID:rxsewvk7O
遊馬「…それに比べて俺達は」
進士「……閑古鳥が鳴いちゃってますね」
太田「……ぐううううううう」
太田「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
ダダダダダダダダダダ!!!!!
進士「ちょ、お…太田さん!?」
太田「うおおおおおおおお!!!!!」
ダダダダダダダダダダ!!!!!
子供「キャー!!!!!パトグリーンがきたぞおおおおおおお!!!!!」
子供「ヤバい!まだ洗脳がとけてないんだああああ!逃げろ!!!!!」
太田「まてええええええええええええ!!!!!俺にも!俺にもおおおおおおおお!!!!」
子供「キャー!!!!」
遊馬「何やってんだ…あの馬鹿は」
149 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:14:45.55 ID:rxsewvk7O
後藤隊長「あれっ、しのぶさん着替えちゃったの?」
南雲隊長「これから現場検証、しなきゃならないって言うのに、いつまでもあんな格好してられないでしょ。」
後藤隊長「似合ってたのになぁ~…」
南雲隊長「……」ギロッ
後藤隊長「あ……あはは~……」
150 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:16:34.94 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「で…どうするの?」
後藤隊長「何が?」
南雲隊長「……所轄への連絡。…どうするのよ」
後藤隊長「どうするったって…この騒ぎじゃ現場検証なんて出来んだろうしなあ………」
野明「あははっ!」
子供「おねーちゃん、これどうやって動かすのぉ?」
太田「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」
子供「キャー!!!!」
南雲隊長「………」
後藤隊長「まぁ、落ち着くまでしばらくこのままでもいいんじゃないの?犯人はとりあえず逃げられない様にしてあるんだし。」
151 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:17:41.72 ID:rxsewvk7O
犯人A「………」
犯人B「………」
整備員A「……オメーらのせいでさぁ、俺達迷惑してんのよ」
整備員B「『違法改造レイバーの一つや二つ持ち込んでそう』って言われちゃったんだよね」
男A「いや…でもそれは…」
男B「どっちかっていうと、特車二課の日頃の行いが原因じゃ……」
整備員C「お前達にだけは言われたくないわああああああああああああああああ!!!!!」
整備員D「このまま東京湾にぶちこむぞ!!!!!」
男A「すっ…」
男B「……すいません」
152 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:25:08.55 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「……」
後藤隊長「それにお宅の五味丘巡査部長も、大人気みたいですし」
わいわい
子供L「どうしたらお兄さんみたいにカッコ良くなれるの?」
五味丘「い、いや……それは………」
子供M「教えて教えて!!」
五味丘「し、しかし……」
五味丘(ま…参ったな…隊長に報告に……)
五味丘(先ほどの攻撃に加えて、これ以上は……)
子供N「教えて教えて!!!!!」
子供O「わーい!!!!!パイソンの腕だ~!!!!!」
五味丘「い、いや!それは危険だから……」
南雲隊長「……」
南雲隊長「…それもそうね。こんな機会、滅多にあるものじゃ無さそうだし。」
153 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:26:57.57 ID:rxsewvk7O
野明「……あはは!」
子供A「なるほど!ここが…イングラムってスゲー」
子供B「イングラムって機械だけど生きてるみたいだね!」
野明「その通り。イングラムは生きてるんだ!」
野明「ちゃんと勉強だってするし、機嫌だってあるんだよ」
子供C「機嫌が悪いとどうなるの?」
野明「うーん…なんか動かしづらいっていうか…」
子供D「すごーい!」
子供E「この機械なあに?」
整備員A「わああああああ!!!!!それはダメだってぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
154 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:28:52.96 ID:rHFsYHq40
パトレイバースレとか俺得すぎる
155 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:28:57.28 ID:oM5RHuvv0
うん、いつもの第二小隊だな
よくできてる
156 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:29:11.82 ID:rxsewvk7O
後藤隊長「………」ジーッ
南雲隊長「………」ジーッ
後藤隊長「………」
南雲隊長「………」
後藤隊長「………あはっ」
南雲隊長「……うふふっ」
157 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:32:44.33 ID:rxsewvk7O
子供P「……あ、あの!」
南雲隊長「?」
子供P「な、南雲隊長……」
南雲隊長「わ…私?」
子供P「……」コクコク
子供Q「あの…南雲隊長……すごく……カッコ良かったです……」ビクビク
南雲隊長「……えっ?」
子供R「最初、怖い人かなぁって思ったんですけど……」
子供S「パイソンを指示してるときの隊員はカッコ良かったです!!!!」
南雲隊長「そ…そう…」
南雲隊長「ありがとう」ニコッ
子供「………」ほっ
子供T「あの!僕は南雲隊長にひとめぼれしました!!けっ、けっこんしてください!!」
南雲隊長「け…結婚!?」
158 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:35:54.54 ID:rxsewvk7O
子供U「あの!僕も!僕も!!!!!」
南雲隊長「い…いや…あの………」
子供V「あの衣装は素敵でした!また着てください!!」
南雲隊長「あっ…あれは………」
後藤隊長「………」ニヤニヤ
南雲隊長「ちょ、ちょっと後藤さん…笑ってないで何とか……」
整備員A「あの、後藤隊長!所轄の方がお見えになりました」
後藤隊長「あれ…まだ連絡してないんだけどなぁ…」
後藤隊長「まあいいや。ちょっと世間話でもしてこようかなぁ…」
南雲隊長「ちょ、ちょっと、後藤さぁん……!」
160 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:43:28.61 ID:rxsewvk7O
大きなお友達A「ババア結婚してくれえええええええ!!!!!」
大きなお友達B「バカ!ババ結するのは俺だ!」
大きなお友達C「南雲隊長は俺の嫁」
大きなお友達D「抜け駆け死ね」
子供W「南雲隊長、けっこんしてください!僕は本気です!!!!!」
子供X「僕だって本気だ!!!!!」
南雲隊長「……あ、あの」
子供Y「南雲隊長ばんざーい!!!!!」
子供Z「ばんざーい!!!!!」
南雲隊長「ちょ…ちょっと………」
(遠くで)後藤隊長「ああ、どうもご苦労様です」
(遠くで)署員「ああどうも…あの、まずは状況を……」
(遠くで)後藤隊長「ああ、そうだクリスマスカップの結果、どうなったっけなぁ…ラジオ、貸して貰えます?…」
(遠くで)署員「いや…あの……」
南雲隊長「………」
南雲隊長「逃げ足だけは速いんだから……」
161 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:52:32.64 ID:rxsewvk7O
―翌日―
12月25日
13号埋立地・特車二課
野明「……ふぁ…おはよう」
遊馬「おはよう」
進士「おはようございます」
熊耳「おはよう泉巡査。眠たそうね。」
野明「昨日署で色々聞かれた挙げ句、疑問な点があるからって…遅くまで現場検証に付き合わされて……」
太田「ふん。弛んどる証拠だ!」
野明「太田さんは良いじゃないか。片付けが終わったらさっさと帰れたんだから。」
野明「もう大変だったんだからね。後藤隊長も途中でどっかに行っちゃうし……」
162 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:55:06.44 ID:rxsewvk7O
野明「あっ…今朝の朝刊……」
遊馬「喜べ野明。俺達が一面だぞ。」
野明「い…一面?」
遊馬「そう。一面。」
野明「まぁ、昨日は怒られるようなことはあんまりしてないし…悪いことは……」
ペラッ
野明「……なになに」
【“あの”特車二課!テロ発生中にも呑気にヒーローごっこ!?問われる警察官としての資質!!】
野明「………」
野明「な、なんじゃこら……!」
163 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 15:56:01.79 ID:uDJf6CCP0
いいなぁ、これ。
165 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:07:18.17 ID:rxsewvk7O
野明「『任務中にテロリスト相手に馬鹿な隊員がヒーローごっこ。相変わらず二課はお遊びが過ぎる。我々の税金を返してもらいたい。税金泥棒、ただ飯ぐらい……』」
野明「書いてあることが滅茶苦茶だ……」
遊馬「マスコミに一旦悪いイメージを持たれたらさ、もうそっからは、何やっても悪くなるってもんなんだよ。ケッ……」
進士「とは言え、単なるアラ探しの様な気も…」
山崎「折角…子供達にあんなに喜んで貰えたんですけどね…」
野明「………」
166 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:11:14.51 ID:rxsewvk7O
ガチャ
後藤隊長「あら…全員揃ってる?」
野明「ご…後藤隊長…」
一同「おはようございます……」
後藤隊長「どうしたのよお前達、朝から……」
後藤隊長「ああ…これか。」
後藤隊長「ご丁寧にも「あの」に点々付けてくれちゃって…まぁ…」
後藤隊長「あ、これ俺だ。」
野明「……」
167 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:12:55.74 ID:rxsewvk7O
後藤隊長「ああ、そうだ」
後藤隊長「実は今朝、封筒が届いた。」
遊馬「……またカッターの刃か?」
太田「いや、またこの間みたいに液漏れした電池が……」
野明「いや、謎の白い粉が………」
後藤隊長「お前達はさあ、どうしてそう…ネガティブにしか事を捉えられんのよ」
遊馬「…って」
野明「…言われてもなぁ」
後藤隊長「じゃあ、俺は南雲隊長と、この後本庁から呼び出し喰らっちゃってるからさぁ、何かあったら連絡頂戴」
熊耳「了解しました」
ガチャ
一同「………」
168 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:14:58.79 ID:rxsewvk7O
野明「……なんだろう」
遊馬「……開けてみろよ」
野明「い、いやだよ!!遊馬が……」
熊耳「宛名……『とくしゃにか様』…平仮名で書かれてるわね」
野明「ひ…平仮名?」
熊耳「……開けてみるけどいいかしら?」
一同「………」コクリ
熊耳「………」
チョキチョキチョキチョキ……
熊耳「………」
パカッ
進士「あ、あの…中身は………」
熊耳「……紙…かしら?」
一同「……紙?」
169 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:16:05.19 ID:rxsewvk7O
熊耳「それに何十枚も…何か書かれてるわね」
熊耳「ええっと……」
熊耳「『パトレッドこと、いずみのあじゅんさへ』」
野明「!」
熊耳「『昨日はありがとう!』」
熊耳「『たのしかったし、イングラムがかっこよかたです!ぼくは とくしゃにかを おうえんしてます!!』」
熊耳「イングラムのイラスト入りよ」ニコッ
野明「わあ……!!」
172 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:17:54.62 ID:rxsewvk7O
野明「うわぁ!私の似顔絵入りだ!!」
熊耳「あとは…」
熊耳「『おタケおねいさん、かわいいです。まずはお友だちからでもかんがえてみてください』ってあら…私のお手紙も………」
太田「じ…自分のはありますかあああああああああああ!?」
熊耳「太田くんのは…」
ガサゴソ
ガサゴソ
太田「………」
熊耳「……」
熊耳「……あったわ」
太田「!」
熊耳「『パトグリーンとおいかけっこ、たのしかった!こんどは、せんのーされないようにがんばりましょう』」
太田「おお……おおお………」
173 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:19:35.42 ID:rxsewvk7O
遊馬「ヘッ、最初子供騙しとか何とかごねてたクセに嬉しそうじゃねーか」
太田「うっ…うるさい!!!!」
熊耳「そう言う篠原巡査にも何枚か来てるわよ」
遊馬「……で、なんですって?」
熊耳「……」
熊耳「……ここで読むのはやめておきます」
遊馬「…えっ」
174 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:20:42.85 ID:rxsewvk7O
山崎「あ、あのぅ…僕には………」
熊耳「えっと……『がんばれ!』ってメッセージにイラストが入った物が一枚届いてるわ」
山崎「き、来てたんだ……///」
シバ「話は聞かせて貰ったああああああああああ!!!!!」
シバ「俺達にも何か届いてない?届いてない?」
遊馬「し……シゲさん達……」
野明「い、一体どこから……」
175 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:21:18.03 ID:rxsewvk7O
整備員A「そ、そうですね!一応戦闘員役で出てた訳だし……」
シバ「第一小隊にも届いてたらしいしさぁ、勿論俺達にもぉ……」
熊耳「さ、探してみるわね…」
太田「へ、返事を書いた方がいいのか?こう言うのは…」
山崎「ぼ、僕もこう言うのは初めてなので…」
遊馬「おうおうwwwwwww功ちゃんたら浮かれちゃってぇ~」
太田「う、うるさいぞ篠原ぁ!!!!!朝からやる気かぁ!?」
178 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:23:37.56 ID:vnMLaUnGO
後期EDが聞こえてくるようなシーンですな
179 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:24:12.06 ID:rxsewvk7O
熊耳「…あ、これが進士巡査の分です。」
進士「おおお…!帰ったら多美子さんに見せてあげなきゃ………」
熊耳「あと…、これが整備班の分ね……」
シバ「このメガネええええええ!!!!!俺だよなぁあああああああああ!!!!?」
整備員A「これ、俺だよなぁ!」
整備員B「いや、これ、俺だってばあ!」
わーわーわーわー
熊耳「………」
山崎「……あの…熊耳さん、どうしたんですか?考え込んで」
熊耳「あ…ごめんなさい…」
熊耳「何だかこの封筒…不思議だなと思って」
山崎「…不思議?」
181 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:29:39.86 ID:rxsewvk7O
野明「なになに?」
熊耳「ええとね、昨日のあの件があったのは夕方…でしょう?」
山崎「え…ええ。」
熊耳「それに結局、現場に居た人たちは、21時頃まで署で話を聞かれた。」
熊耳「21時以降に投函されたとして、いくら都内でもこんなに早く届くものかしら?」
野明「た…確かに……」
熊耳「その上これだけの量よ。それに全員手紙に書かれいる名前は勿論、筆跡も絵柄も違うし…」
熊耳「それにこの封筒、消印は愚か切手も見当たらないのよ……」
遊馬「ほ…本当だ」
熊耳「これ…誰が一体どうやって二課に……」
一同「………」
山崎「さ…サンタクロース」
一同「………」
一同「ぷっ……」
一同「ぷっはははははははははははははははははははwwwwwwwwwwwwww」
遊馬「ひろみwwwwwwwサンタクロースって!サンタって!!!」
野明「ひろみちゃん…wwwwwww」
山崎「………///」
182 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:31:15.79 ID:rxsewvk7O
×全員
○全部
183 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:32:35.71 ID:uDJf6CCP0
うまくサンタ絡めてきたなw
184 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:41:44.19 ID:rxsewvk7O
特車二課・駐車場
後藤隊長「お待たせー」
南雲隊長「遅刻よ。あの人達は時間に煩いんだから。」
後藤隊長「ああ……ごめんなs…ふあっ」
南雲隊長「もう。会議室で欠伸なんて、よして下さいね。」
南雲隊長「それに…どうしたの?目の下にクマなんて作って」
後藤隊長「ああ、これ?いやぁ…昨日はさぁ、事後処理で遅かったもんだから……」
南雲隊長「………」
南雲隊長「…まあいいわ。急がなきゃならないし、今日は私が運転するわ。」
後藤隊長「ああ、そう?ありがとうぉ~」
186 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:43:43.08 ID:rxsewvk7O
南雲隊長「……」
後藤隊長「………」
南雲隊長「うちの隊員も…喜んでいたわ」
後藤隊長「……何の話?」
南雲隊長「…別に何でもないわ。単なる独り言。」
後藤隊長「そう?」
南雲隊長「……」
後藤隊長「……」
南雲隊長「……ありがとう」ボソッ
後藤隊長「ん?どうしたのしのぶさぁん?」
南雲隊長「なっ、何でも無いわよ!」
南雲隊長「……行きましょう。」
後藤隊長「………」ニヤッ
187 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:45:41.81 ID:rxsewvk7O
野明「……えへっ」
野明(ありがとう…か。)
野明(今まで仕事だったし、『やるのが当たり前』で怒られてばっかりだったけど)
野明(こうやって純粋に誉めて貰えるって嬉しいなぁ…)
遊馬「良かったじゃないか、野明」
野明「…うん。どんなに言われても、ちゃんと見てくれて、評価してくれる人がいるんだよね」
野明「もっと……頑張らなきゃな」
遊馬「…そうだな」
188 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:49:59.75 ID:9Q4ChU/cO
サンタクロースは中年のおっさんかーw
偽手紙… なのか?
189 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:57:09.56 ID:rxsewvk7O
野明「よぉーし!張り切って、今から30周、走ってきちゃうぞおおおおおっ!!!!!」ガタッ
シバ「おう、元気だねぇ」
野明「遊馬も付き合え!!」ガシッ
遊馬「ええっ!?俺は関係ないだろぉ?」
野明「いいから早く!!!!」
熊耳「私も今日は頑張ってみようかしら…」
太田「じゅ、巡査部長殿が行くなら自分も……」
山崎「ぼ、僕もお供します」
進士「じゃ…じゃあ僕も…。」
野明「よぉーし!みんなグラウンドまで競争だあ!!!!!」
シバ「ついでだ!!!!!行くぞ野郎どもおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」整備員一同「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
一同「だあああああああああああああああああああ!!!!!」
ダダダダダダダ!!!!!
熊耳「ちょ、ちょっと!みんな廊下は……」
熊耳「………」
熊耳「もう…待ってちょうだい!」
―おしまい―
190 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 16:59:47.08 ID:rxsewvk7O
>>188
手紙は本当に子供が書いた。以下は想像にお任せします。
お付き合いありがとうございました。
ゆうきまさみ先生開業30周年おめでとうございます!
南雲隊長バンザアアアアアアアアアアアアアアアイ!!!!!!
193 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 17:21:36.75 ID:WWy2djjj0
脳内再生が半端なかった
乙!
まさか南雲隊長オタはお前自身だったのか
195 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/24(金) 18:02:36.80 ID:NM6Y38oV0
乙でした
原作あんま知らんけど楽しかった
Entry ⇒ 2014.02.24 | Category ⇒ 機動警察パトレイバー | Comments (0)
フェイト「ヴィヴィオ、プレゼントは何がいい?」
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 04:03:42.14 ID:SdAmZGNu0
ヴィヴィオ「プレゼント?なんの?」
フェイト「ヴィヴィオと私達が出逢って、ちょうど1年だから」
ヴィヴィオ「あー・・・もう、そんなに経つんだ・・・」
フェイト「うん、だからお祝いしようかなって、上手い具合に休みもとれそうだし」
ヴィヴィオ「プレゼント・・・う~ん、いきなり聞かれると迷うな~」
フェイト「特別な日だから、ちょっとくらい高いものでも大丈夫だよ?」
ヴィヴィオ「プレゼント?なんの?」
フェイト「ヴィヴィオと私達が出逢って、ちょうど1年だから」
ヴィヴィオ「あー・・・もう、そんなに経つんだ・・・」
フェイト「うん、だからお祝いしようかなって、上手い具合に休みもとれそうだし」
ヴィヴィオ「プレゼント・・・う~ん、いきなり聞かれると迷うな~」
フェイト「特別な日だから、ちょっとくらい高いものでも大丈夫だよ?」
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 04:05:56.46 ID:SdAmZGNu0
ヴィヴィオ「う~~ん・・・そうだ!」
フェイト「ん?なにか思いついた?」
ヴィヴィオ「私、妹が欲しい!」
フェイト「い、妹!?」
ヴィヴィオ「うん!妹!」
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 04:07:06.54 ID:4SzXQn/G0
ゴクリ…
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 04:10:33.72 ID:SdAmZGNu0
フェイト「妹は・・・ちょっと難しいかな・・・」
ヴィヴィオ「え~、きっと可愛いよ~」
フェイト「いや、確かに小さい子は可愛いけど・・・」
ヴィヴィオ「フェイトママが言うと違う意味に聞える・・・」
フェイト「なっ!?」
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 04:16:13.78 ID:SdAmZGNu0
ヴィヴィオ「フフ、冗談・・・でも驚くってことは心当たりある?」
フェイト「いや、断じてないよ?ホントだよ?」
ヴィヴィオ「でも、きっと、私の妹ならなのはママに似てすっごく可愛いよ?」
フェイト「そ、そうだろうけど・・・」
ヴィヴィオ「きっとフェイトママも大満足」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 04:23:01.24 ID:SdAmZGNu0
フェイト「だから、わたしはそういうのじゃないよ?」
ヴィヴィオ「むぅ~~、なのはママに似ててもダメですか?」
フェイト「いや、なのはに似てるのは凄く嬉しいし、凄く可愛いとは思うけど・・・」
ヴィヴィオ「なら、オーケー?」
フェイト「その・・・妹自体が難しいって言うか・・・無理と言うか・・・」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 04:28:29.58 ID:SdAmZGNu0
ヴィヴィオ「ダメですか・・・」
フェイト「ごめんね、その・・・妹とか弟とか以外なら、ね?」
ヴィヴィオ「う~~ん、もう少し待っていただいてもいいですか?」
フェイト「うん、あと2~3日は休暇だから、その間ならいいよ」
ヴィヴィオ「わかりました・・・」
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 04:35:21.67 ID:SdAmZGNu0
はやて「で、それで、なんで私が昼休みに呼び出されてるん?」
フェイト「だって・・・こんなこと急に相談できる人がはやてくらいしか思いつかなくて・・・」
はやて「いや、信頼されてるんは嬉しいけど・・・無理って事で、話ついてるやん」
フェイト「ついてないよ!」
はやて「え?どこが?」
フェイト「このこと、ヴィヴィオがなのはに相談したらどうするの!?」
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 04:39:04.08 ID:SdAmZGNu0
はやて「いや、なのはちゃんなら上手くかわして、話おさめるやろ?」
フェイト「違うよ!」
はやて「へ?」
フェイト「万が一、なのはが本当に妹作ろうとして、男の人とあんなことしたりなんてしたら、私・・・」
はやて「ホント、面白い発想するなー」
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 04:44:59.15 ID:SdAmZGNu0
フェイト「ああ・・・どうしよう、私のなのはが・・・」
はやて「・・・まあ、1つだけ、案があるといえばあるねんけど・・・」
フェイト「ホント!?」
はやて「でもなぁ・・・これはなぁ・・・」
フェイト「なに?私、何でもするよ!?」
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 04:50:10.09 ID:SdAmZGNu0
はやて「ん、言質はとったで?じゃあ、ええ案教えてあげる代わりに私の言う事きいてな?」
フェイト「うん!何でもきくよ!」
はやて「よし!で、その案やねんけど・・・」
フェイト「うん、うん・・・」
はやて「フェイトちゃん自身が妹になってあげればええねん」
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 04:52:33.90 ID:qpWx9xch0
ほうほう、それで
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 04:54:55.85 ID:SdAmZGNu0
フェイト「え!?」
はやて「ん?フェイトちゃん、変身魔法使えるやろ?」
フェイト「いや、使えるけど・・・」
はやて「それで小さなって、ヴィヴィオちゃんの妹になってあげなさい」
フェイト「でも、それは・・・」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 05:00:55.20 ID:SdAmZGNu0
はやて「小さいカッコで、『なのはママ~』なんて言うたら、
なのはちゃんもいつもよりかまってくれるかもしれんで?」
フェイト「はやて!?」
はやて「知ってんねんで~、ヴィヴィオちゃんになのはちゃん取られて寂しがってたん」
フェイト「そ、そんなことないよ?」
はやて「ヴィヴィオちゃんの問題も、フェイトちゃんの問題も解決して、フェイトちゃん大満足!」
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 05:13:19.80 ID:SdAmZGNu0
フェイト「解決と言えば解決だけど・・・」
はやて「ん?何かご不満な点でも?」
フェイト「いや、でも、他にいい案もないし・・・」
はやて「やろ?」
フェイト「そうだよね・・・やるしかないよね・・・」
はやて「それで、交換条件ってのが・・・」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 05:24:05.62 ID:SdAmZGNu0
なのは家
フェイト「これは予行演習・・・予行演習であって・・・」
フェイト「うん、やましい気持ちなんて何もない」
フェイト「なのはに構ってもらいたいとかじゃなくて、
ヴィヴィオも早くプレゼント貰えたほうがきっと喜ぶ・・・」
フェイト「うん、大丈夫、バルディッシュお願い」
バル「Yes.sir」
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 05:29:25.23 ID:SdAmZGNu0
フェイト「こんな、感じかな?」
フェイト「懐かしいな、この視線の高さ・・・リニスと居たときくらいかな・・・」
フェイト「チャイムは・・・いらないよね、今はなのはの・・・ううん、なのはママの子供だもんね」
ガチャッ
フェイト「ただいま~!」
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 05:34:39.01 ID:SdAmZGNu0
なのは「おかえり、フェイトちゃ・・・ん?」
フェイト「ただいま!なのはママ!」
なのは「え?何してるの?」
フェイト「ヴィヴィオが妹が欲しいと言うので、私が妹になってみました!」
なのは「え~と、ツッコミ待ちなのかな?フェイトちゃん?」
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 05:35:43.99 ID:mXbfx6/h0
なのは冷静杉ワラタwww
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 05:42:03.10 ID:SdAmZGNu0
フェイト「ちがうよ!私は本気だよ!」
なのは「え~と、熱はないよね?」
フェイト「うぅ~なのはママがいじめるぅ・・・」
なのは「その・・・とりあえずなのはママは止めて欲しいかな・・・」
フェイト「なんで?ヴィヴィオの妹ってことは、なのはママの娘だよ!?」
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 05:47:35.40 ID:SdAmZGNu0
なのは「う~ん、ヴィヴィオに呼ばれるのとフェイトちゃんに呼ばれるのでは違うよね?」
フェイト「え~、ヴィヴィオだけずるい~!」
なのは「・・・頭も退行しちゃってるのかな?」
フェイト「あの・・・冷静にかえされると、すごく恥ずかしいんで・・・」
なのは「恥ずかしいなら止めようよ・・・」
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 05:53:36.07 ID:OCEQuLWb0
冷たいwwwwww
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 05:54:08.53 ID:SdAmZGNu0
フェイト「いや、でも・・・その・・・」
なのは「ヴィヴィオにそういうこと言われても、フェイトちゃんならなんとか誤魔化せるでしょう?」
フェイト「ヴィヴィオのお願いもきいてあげたかったし・・・」
なのは「もう、過保護なところはヴィヴィオに対しても変わらないんだから・・・」
フェイト「でも・・・」
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:00:37.31 ID:SdAmZGNu0
なのは「とりあえず、変身解こう?今、ヴィヴィオ遊びに行ってて居ないから」
フェイト「うぅ・・・ごめんなさい・・・」
なのは「あの、別に怒ってるわけじゃないんだよ?」
フェイト「うん・・・」
なのは「その・・・私にもちょっと相談して欲しかったな、ってだけで・・・」
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:04:54.25 ID:SdAmZGNu0
フェイト「だって、なのはに言ったら・・・」
なのは「言ったら?」
フェイト「もしかしたらホントに、男の人と妹作ろうとするかもって・・・」
なのは「え~っと・・・笑うところ?」
フェイト「ちがうよ!」
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:10:21.97 ID:ZlMuHKK5P
IPS細胞が云々って誰かが言ってた
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:09:58.14 ID:SdAmZGNu0
なのは「いや、だって、ありえないよ?」
フェイト「わかんないよ、ヴィヴィオのことになるとなのはも結構過保護だし・・・」
なのは「そ、そうかな?」
フェイト「今だって、私のこと、ヴィヴィオとちがってかまってくれないし・・・」
なのは「その・・・フェイトちゃんは構って欲しいからそんなカッコしてるのかな?」
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:14:48.80 ID:SdAmZGNu0
フェイト「いや、その、ち、ちがうんだよ!?これはヴィヴィオの妹になるためであって・・・」
なのは「違うの?」
フェイト「ちがうよ!全然ちがうよ!」
なのは「なら、早く変身解こうよ」
フェイト「う、うん・・・」
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:19:16.41 ID:SdAmZGNu0
なのは「な~んてね」ギューッ
フェイト「な、なのは!?」
なのは「もう、そういうことなら早く言ってくれればいいのに」
フェイト「だ、だって・・・」
なのは「ん~、小さいフェイトちゃん、可愛くて、抱き心地も最高だよぅ~」
フェイト「うぅ・・・///」
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:26:22.55 ID:SdAmZGNu0
なのは「・・・ごめんね、フェイトちゃん」
フェイト「え?」
なのは「やっぱり、その・・・不安だったんだよね?」
フェイト「そんなこと・・・!」
なのは「こんなことしなくても、私はフェイトちゃんのこと大好きだから・・・」
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:30:56.96 ID:SdAmZGNu0
フェイト「なのは・・・」
なのは「今は確かに、ヴィヴィオもいて、
お仕事も忙しくてあんまり構ってあげられてないけど、気持ちはいつも一緒だから・・・」
フェイト「うん・・・」
なのは「それに、フェイトちゃんみたいな大切なひと放っておいて男の人のとこなんか行かないから、ね?」
フェイト「・・・ごめんなさい」
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:34:49.51 ID:SdAmZGNu0
なのは「うん・・・それで、誰にこんなこと吹き込まれたのかな?」
フェイト「え?」
なのは「フェイトちゃんにしては、発想が突飛すぎるよ」
フェイト「そ、そうかな?」
なのは「そうだよ、10年以上も一緒にいるんだから、大体分かるよ」
フェイト「そうだよね・・・」
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:38:01.96 ID:SdAmZGNu0
なのは「はい、尋問中に感慨に浸らない」
フェイト「ごめんなさい・・・」
なのは「で、誰に吹き込まれたの?」
フェイト「・・・はやてに」
なのは「あ~、はやてちゃんか・・・」
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:41:26.63 ID:SdAmZGNu0
フェイト「あ、でも!はやては案をくれただけで・・・」
なのは「フェイトちゃん、バルディッシュ貸して?」
フェイト「え?」
なのは「いいから、貸して?」
フェイト「は、はい・・・」
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:45:09.70 ID:SdAmZGNu0
なのは「・・・やっぱり、録画してる」
フェイト「あ、いや、これは、私が勝手に記念として・・・」
なのは「もう、だめでしょ?こんな交換条件呑んじゃ?」
フェイト「あの、その・・・ごめんなさい」
なのは「じゃあ、おしおきだね」
フェイト「お、おしおき?」
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:51:19.92 ID:SdAmZGNu0
なのは「うん、こんなことしたフェイトちゃんにね」
フェイト「な、なにするの・・・?」
なのは「あと、フェイトちゃんの気持ちに気付けなかった私にもおしおきになること」
フェイト「え~と・・・わからないです」
なのは「うん、説明するね・・・」
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:56:42.18 ID:SdAmZGNu0
数時間後
ヴィヴィオ「ただいま~!」
なのは「おかえり~」
フェイト「おかえりなさい、ヴィヴィオお姉ちゃん!」
ヴィヴィオ「え~と、フェイトマ・・・マ?なにしてるの?」
フェイト「ヴィヴィオの欲しがってた妹だよ~!」
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 07:00:51.41 ID:SdAmZGNu0
なのは「こら!だめでしょフェイト、お姉ちゃんのこと呼び捨てになんてしちゃ!」
フェイト「あっ・・・ごめんなさい」
ヴィヴィオ「では、私はもう一度遊びに・・・」
なのは「あ、待って、ヴィヴィオ!」
フェイト「ヴィヴィオお姉ちゃん!」
ヴィヴィオ「・・・そういうプレイ中ではないのですか?」
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 07:06:11.59 ID:SdAmZGNu0
なのは「フェイトちゃんはわからないけど、私はそういう趣味ないから、ね?」
フェイト「なのは!?」
ヴィヴィオ「あ~、そうだよね!やるとしたら逆だもんね!」
なのは「そういうこと」
フェイト「うぅ~、二人がいじめる・・・」
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 07:10:44.71 ID:SdAmZGNu0
ヴィヴィオ「でも、一周年はまだ先じゃないの?」
なのは「うん、だから今日は予行演習」
ヴィヴィオ「予行演習?」
なのは「本番は違う子が妹になってくれるから、ね、フェイトちゃん」
フェイト「う、うん・・・」
ヴィヴィオ「他の人までコレに巻き込むのですか・・・」
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 07:15:17.80 ID:SdAmZGNu0
なのは「やっぱりこういうのは発案した人にやらせないと・・・」
ヴィヴィオ「発案者・・・はやてさんとか?」
フェイト「ヴィヴィオにまで見抜かれてる・・・」
ヴィヴィオ「いや、あの御方ならやりそうかな~って・・・」
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 07:22:00.34 ID:SdAmZGNu0
なのは「まあ、ということで、今日は三人で、ね?」
フェイト「よろしくね、ヴィヴィオお姉ちゃん?」
ヴィヴィオ「あ、はい・・・」
なのは「じゃあ、フェイト、ヴィヴィオ、晩御飯の前にお風呂入ろっか?」
フェイト「は~い、なのはママ」
ヴィヴィオ「なんか、平和だなぁ・・・」
よもや自分の発言から、こんなプレイが生まれ、
定期的に行われるようになるとは思ってもいなかったヴィヴィオなのでした・・・
おわり
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 07:27:54.31 ID:nkPH+hrk0
おつおつたのしかったお
ヴィヴィオ「う~~ん・・・そうだ!」
フェイト「ん?なにか思いついた?」
ヴィヴィオ「私、妹が欲しい!」
フェイト「い、妹!?」
ヴィヴィオ「うん!妹!」
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 04:07:06.54 ID:4SzXQn/G0
ゴクリ…
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 04:10:33.72 ID:SdAmZGNu0
フェイト「妹は・・・ちょっと難しいかな・・・」
ヴィヴィオ「え~、きっと可愛いよ~」
フェイト「いや、確かに小さい子は可愛いけど・・・」
ヴィヴィオ「フェイトママが言うと違う意味に聞える・・・」
フェイト「なっ!?」
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 04:16:13.78 ID:SdAmZGNu0
ヴィヴィオ「フフ、冗談・・・でも驚くってことは心当たりある?」
フェイト「いや、断じてないよ?ホントだよ?」
ヴィヴィオ「でも、きっと、私の妹ならなのはママに似てすっごく可愛いよ?」
フェイト「そ、そうだろうけど・・・」
ヴィヴィオ「きっとフェイトママも大満足」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 04:23:01.24 ID:SdAmZGNu0
フェイト「だから、わたしはそういうのじゃないよ?」
ヴィヴィオ「むぅ~~、なのはママに似ててもダメですか?」
フェイト「いや、なのはに似てるのは凄く嬉しいし、凄く可愛いとは思うけど・・・」
ヴィヴィオ「なら、オーケー?」
フェイト「その・・・妹自体が難しいって言うか・・・無理と言うか・・・」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 04:28:29.58 ID:SdAmZGNu0
ヴィヴィオ「ダメですか・・・」
フェイト「ごめんね、その・・・妹とか弟とか以外なら、ね?」
ヴィヴィオ「う~~ん、もう少し待っていただいてもいいですか?」
フェイト「うん、あと2~3日は休暇だから、その間ならいいよ」
ヴィヴィオ「わかりました・・・」
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 04:35:21.67 ID:SdAmZGNu0
はやて「で、それで、なんで私が昼休みに呼び出されてるん?」
フェイト「だって・・・こんなこと急に相談できる人がはやてくらいしか思いつかなくて・・・」
はやて「いや、信頼されてるんは嬉しいけど・・・無理って事で、話ついてるやん」
フェイト「ついてないよ!」
はやて「え?どこが?」
フェイト「このこと、ヴィヴィオがなのはに相談したらどうするの!?」
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 04:39:04.08 ID:SdAmZGNu0
はやて「いや、なのはちゃんなら上手くかわして、話おさめるやろ?」
フェイト「違うよ!」
はやて「へ?」
フェイト「万が一、なのはが本当に妹作ろうとして、男の人とあんなことしたりなんてしたら、私・・・」
はやて「ホント、面白い発想するなー」
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 04:44:59.15 ID:SdAmZGNu0
フェイト「ああ・・・どうしよう、私のなのはが・・・」
はやて「・・・まあ、1つだけ、案があるといえばあるねんけど・・・」
フェイト「ホント!?」
はやて「でもなぁ・・・これはなぁ・・・」
フェイト「なに?私、何でもするよ!?」
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 04:50:10.09 ID:SdAmZGNu0
はやて「ん、言質はとったで?じゃあ、ええ案教えてあげる代わりに私の言う事きいてな?」
フェイト「うん!何でもきくよ!」
はやて「よし!で、その案やねんけど・・・」
フェイト「うん、うん・・・」
はやて「フェイトちゃん自身が妹になってあげればええねん」
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 04:52:33.90 ID:qpWx9xch0
ほうほう、それで
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 04:54:55.85 ID:SdAmZGNu0
フェイト「え!?」
はやて「ん?フェイトちゃん、変身魔法使えるやろ?」
フェイト「いや、使えるけど・・・」
はやて「それで小さなって、ヴィヴィオちゃんの妹になってあげなさい」
フェイト「でも、それは・・・」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 05:00:55.20 ID:SdAmZGNu0
はやて「小さいカッコで、『なのはママ~』なんて言うたら、
なのはちゃんもいつもよりかまってくれるかもしれんで?」
フェイト「はやて!?」
はやて「知ってんねんで~、ヴィヴィオちゃんになのはちゃん取られて寂しがってたん」
フェイト「そ、そんなことないよ?」
はやて「ヴィヴィオちゃんの問題も、フェイトちゃんの問題も解決して、フェイトちゃん大満足!」
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 05:13:19.80 ID:SdAmZGNu0
フェイト「解決と言えば解決だけど・・・」
はやて「ん?何かご不満な点でも?」
フェイト「いや、でも、他にいい案もないし・・・」
はやて「やろ?」
フェイト「そうだよね・・・やるしかないよね・・・」
はやて「それで、交換条件ってのが・・・」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 05:24:05.62 ID:SdAmZGNu0
なのは家
フェイト「これは予行演習・・・予行演習であって・・・」
フェイト「うん、やましい気持ちなんて何もない」
フェイト「なのはに構ってもらいたいとかじゃなくて、
ヴィヴィオも早くプレゼント貰えたほうがきっと喜ぶ・・・」
フェイト「うん、大丈夫、バルディッシュお願い」
バル「Yes.sir」
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 05:29:25.23 ID:SdAmZGNu0
フェイト「こんな、感じかな?」
フェイト「懐かしいな、この視線の高さ・・・リニスと居たときくらいかな・・・」
フェイト「チャイムは・・・いらないよね、今はなのはの・・・ううん、なのはママの子供だもんね」
ガチャッ
フェイト「ただいま~!」
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 05:34:39.01 ID:SdAmZGNu0
なのは「おかえり、フェイトちゃ・・・ん?」
フェイト「ただいま!なのはママ!」
なのは「え?何してるの?」
フェイト「ヴィヴィオが妹が欲しいと言うので、私が妹になってみました!」
なのは「え~と、ツッコミ待ちなのかな?フェイトちゃん?」
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 05:35:43.99 ID:mXbfx6/h0
なのは冷静杉ワラタwww
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 05:42:03.10 ID:SdAmZGNu0
フェイト「ちがうよ!私は本気だよ!」
なのは「え~と、熱はないよね?」
フェイト「うぅ~なのはママがいじめるぅ・・・」
なのは「その・・・とりあえずなのはママは止めて欲しいかな・・・」
フェイト「なんで?ヴィヴィオの妹ってことは、なのはママの娘だよ!?」
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 05:47:35.40 ID:SdAmZGNu0
なのは「う~ん、ヴィヴィオに呼ばれるのとフェイトちゃんに呼ばれるのでは違うよね?」
フェイト「え~、ヴィヴィオだけずるい~!」
なのは「・・・頭も退行しちゃってるのかな?」
フェイト「あの・・・冷静にかえされると、すごく恥ずかしいんで・・・」
なのは「恥ずかしいなら止めようよ・・・」
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 05:53:36.07 ID:OCEQuLWb0
冷たいwwwwww
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 05:54:08.53 ID:SdAmZGNu0
フェイト「いや、でも・・・その・・・」
なのは「ヴィヴィオにそういうこと言われても、フェイトちゃんならなんとか誤魔化せるでしょう?」
フェイト「ヴィヴィオのお願いもきいてあげたかったし・・・」
なのは「もう、過保護なところはヴィヴィオに対しても変わらないんだから・・・」
フェイト「でも・・・」
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:00:37.31 ID:SdAmZGNu0
なのは「とりあえず、変身解こう?今、ヴィヴィオ遊びに行ってて居ないから」
フェイト「うぅ・・・ごめんなさい・・・」
なのは「あの、別に怒ってるわけじゃないんだよ?」
フェイト「うん・・・」
なのは「その・・・私にもちょっと相談して欲しかったな、ってだけで・・・」
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:04:54.25 ID:SdAmZGNu0
フェイト「だって、なのはに言ったら・・・」
なのは「言ったら?」
フェイト「もしかしたらホントに、男の人と妹作ろうとするかもって・・・」
なのは「え~っと・・・笑うところ?」
フェイト「ちがうよ!」
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:10:21.97 ID:ZlMuHKK5P
IPS細胞が云々って誰かが言ってた
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:09:58.14 ID:SdAmZGNu0
なのは「いや、だって、ありえないよ?」
フェイト「わかんないよ、ヴィヴィオのことになるとなのはも結構過保護だし・・・」
なのは「そ、そうかな?」
フェイト「今だって、私のこと、ヴィヴィオとちがってかまってくれないし・・・」
なのは「その・・・フェイトちゃんは構って欲しいからそんなカッコしてるのかな?」
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:14:48.80 ID:SdAmZGNu0
フェイト「いや、その、ち、ちがうんだよ!?これはヴィヴィオの妹になるためであって・・・」
なのは「違うの?」
フェイト「ちがうよ!全然ちがうよ!」
なのは「なら、早く変身解こうよ」
フェイト「う、うん・・・」
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:19:16.41 ID:SdAmZGNu0
なのは「な~んてね」ギューッ
フェイト「な、なのは!?」
なのは「もう、そういうことなら早く言ってくれればいいのに」
フェイト「だ、だって・・・」
なのは「ん~、小さいフェイトちゃん、可愛くて、抱き心地も最高だよぅ~」
フェイト「うぅ・・・///」
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:26:22.55 ID:SdAmZGNu0
なのは「・・・ごめんね、フェイトちゃん」
フェイト「え?」
なのは「やっぱり、その・・・不安だったんだよね?」
フェイト「そんなこと・・・!」
なのは「こんなことしなくても、私はフェイトちゃんのこと大好きだから・・・」
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:30:56.96 ID:SdAmZGNu0
フェイト「なのは・・・」
なのは「今は確かに、ヴィヴィオもいて、
お仕事も忙しくてあんまり構ってあげられてないけど、気持ちはいつも一緒だから・・・」
フェイト「うん・・・」
なのは「それに、フェイトちゃんみたいな大切なひと放っておいて男の人のとこなんか行かないから、ね?」
フェイト「・・・ごめんなさい」
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:34:49.51 ID:SdAmZGNu0
なのは「うん・・・それで、誰にこんなこと吹き込まれたのかな?」
フェイト「え?」
なのは「フェイトちゃんにしては、発想が突飛すぎるよ」
フェイト「そ、そうかな?」
なのは「そうだよ、10年以上も一緒にいるんだから、大体分かるよ」
フェイト「そうだよね・・・」
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:38:01.96 ID:SdAmZGNu0
なのは「はい、尋問中に感慨に浸らない」
フェイト「ごめんなさい・・・」
なのは「で、誰に吹き込まれたの?」
フェイト「・・・はやてに」
なのは「あ~、はやてちゃんか・・・」
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:41:26.63 ID:SdAmZGNu0
フェイト「あ、でも!はやては案をくれただけで・・・」
なのは「フェイトちゃん、バルディッシュ貸して?」
フェイト「え?」
なのは「いいから、貸して?」
フェイト「は、はい・・・」
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:45:09.70 ID:SdAmZGNu0
なのは「・・・やっぱり、録画してる」
フェイト「あ、いや、これは、私が勝手に記念として・・・」
なのは「もう、だめでしょ?こんな交換条件呑んじゃ?」
フェイト「あの、その・・・ごめんなさい」
なのは「じゃあ、おしおきだね」
フェイト「お、おしおき?」
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:51:19.92 ID:SdAmZGNu0
なのは「うん、こんなことしたフェイトちゃんにね」
フェイト「な、なにするの・・・?」
なのは「あと、フェイトちゃんの気持ちに気付けなかった私にもおしおきになること」
フェイト「え~と・・・わからないです」
なのは「うん、説明するね・・・」
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 06:56:42.18 ID:SdAmZGNu0
数時間後
ヴィヴィオ「ただいま~!」
なのは「おかえり~」
フェイト「おかえりなさい、ヴィヴィオお姉ちゃん!」
ヴィヴィオ「え~と、フェイトマ・・・マ?なにしてるの?」
フェイト「ヴィヴィオの欲しがってた妹だよ~!」
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 07:00:51.41 ID:SdAmZGNu0
なのは「こら!だめでしょフェイト、お姉ちゃんのこと呼び捨てになんてしちゃ!」
フェイト「あっ・・・ごめんなさい」
ヴィヴィオ「では、私はもう一度遊びに・・・」
なのは「あ、待って、ヴィヴィオ!」
フェイト「ヴィヴィオお姉ちゃん!」
ヴィヴィオ「・・・そういうプレイ中ではないのですか?」
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 07:06:11.59 ID:SdAmZGNu0
なのは「フェイトちゃんはわからないけど、私はそういう趣味ないから、ね?」
フェイト「なのは!?」
ヴィヴィオ「あ~、そうだよね!やるとしたら逆だもんね!」
なのは「そういうこと」
フェイト「うぅ~、二人がいじめる・・・」
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 07:10:44.71 ID:SdAmZGNu0
ヴィヴィオ「でも、一周年はまだ先じゃないの?」
なのは「うん、だから今日は予行演習」
ヴィヴィオ「予行演習?」
なのは「本番は違う子が妹になってくれるから、ね、フェイトちゃん」
フェイト「う、うん・・・」
ヴィヴィオ「他の人までコレに巻き込むのですか・・・」
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 07:15:17.80 ID:SdAmZGNu0
なのは「やっぱりこういうのは発案した人にやらせないと・・・」
ヴィヴィオ「発案者・・・はやてさんとか?」
フェイト「ヴィヴィオにまで見抜かれてる・・・」
ヴィヴィオ「いや、あの御方ならやりそうかな~って・・・」
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 07:22:00.34 ID:SdAmZGNu0
なのは「まあ、ということで、今日は三人で、ね?」
フェイト「よろしくね、ヴィヴィオお姉ちゃん?」
ヴィヴィオ「あ、はい・・・」
なのは「じゃあ、フェイト、ヴィヴィオ、晩御飯の前にお風呂入ろっか?」
フェイト「は~い、なのはママ」
ヴィヴィオ「なんか、平和だなぁ・・・」
よもや自分の発言から、こんなプレイが生まれ、
定期的に行われるようになるとは思ってもいなかったヴィヴィオなのでした・・・
おわり
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 07:27:54.31 ID:nkPH+hrk0
おつおつたのしかったお
Entry ⇒ 2014.02.23 | Category ⇒ 魔法少女リリカルなのは | Comments (0)
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