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集「小野寺が楽に告ろうとすると事故が起こるらしい」

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 16:20:48 ID:Dhl4I64T0
小野寺「私、一条君のことが…!」

ブォォオオオン!!!

楽「ちょ!!?」

小野寺「!?」

楽「!!危ねえ!!トラックが突っ込んできやがった…!?!」

小野寺「こ、怖かった…っ」

楽「ケガはなかったか小野寺!?」

小野寺「うん、平気。大丈夫だよ」(また言えなかった…)

―物陰からそれを見ていた二人―

るり「前々から思ってたけど…あなたはこの現象どう思う?」

集「なんというか不自然だよなぁ」

るり「というわけで、私たちでこの現象を解明しましょう」

集「へ?」
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 16:22:38 ID:Dhl4I64T0
集「っていうか、私“たち”って?俺も一緒に調べるってこと?」

るり「どうせあなた暇でしょ」

集「さらっと酷いこと言われた気がする」

るり「へえ。忙しかったのね」

集「いや、暇だぜい!!」

るり「うざ」

集「るりちゃんってさ、毎度のことだけど俺に対する扱いヒドイよね」

るり「日頃の行い」

集「なるほど」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 16:28:17 ID:Dhl4I64T0
集「それはなんか分かる気がする」

るり(自覚してるならちょっとは改めてよ…)

集「というか、また何で?るりちゃんはそんな現象を調べようと思ったんだい?」

るり「それ話すと長くなりそうだから、とりあえず場所を移しましょ。そうね、静かなところに」

集「静かなところか…なんかいろいろ想像を掻き立てられるなぁ」

るり(こいつを誘ったのは間違いだったかしら…)

……

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 16:33:19 ID:Dhl4I64T0
るり「ここら辺でいいわね。で、さっきの問いについてだけど―」

集「ちょ、ちょっと待ってくれやい宮本の嬢ちゃん」

るり「何で急に呼び名変わったの?」

集「え?いや、なんとなくそういう雰囲気だったじゃん」

るり(何言ってんだこいつ)

集「動機の前にそもそも…その現象ってのは、一体何のことよ?」

るり「何のことって、あなたもさっき言葉返してたでしょ。不自然って」

集「いや、あれはノリで」

るり「そうだったんだ」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 16:36:05 ID:zMn+Zm8EO
!?

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 16:37:45 ID:Dhl4I64T0
集「詳しく説明してくれないと分かんねえよおおー!いくらこの舞子集でもよ!」

るり(…まあ確かに、ろくな説明もせず誘ったのは唐突だったわね)

るり「その、小咲についてなんだけど―」

るり(と言っても、友達のプライバシーを易々と話すわけにもいかない。
でも、こいつならなんとなく気付いてそうな気はする)

るり「小咲の気持ち、あなたは気付いてる?」

集「え?」

るり「……」

集「…ふっ、俺も罪な男だぜ」

るり「は?」

集「いやー!まさか小野寺が俺のことを好きだったなんてよ!!HAHAHA!!幸せ気分でいっぱいだぜい!」

るり「話す相手を間違えた。さよなら」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 16:41:11 ID:Dhl4I64T0
集「冗談だって!楽のことが気になってんだろ?それくらい態度見てりゃ分かるよ」

るり「冗談言うのやめてくれる?」

集「すんません」

るり「にしてもやっぱ気付いてたのね。そこまで知ってるなら、
さっきの“現象”って言葉の意味も…なんとなく推測はついてるんじゃない?」

集「当たり前だろ!俺に分からんことなんてないんだぜー」

るり「調子にのんな」

集「すんません」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 16:45:46 ID:Dhl4I64T0
集「要は、二人の雰囲気が良くなると邪魔が入る。そういうことだろ?」

るり「驚いた」

集「え?」

るり「いや、普通に言い当てられたからビックリしたのよ」

集「そうなん?」

るり「そうよ。だって、自分で言っててちょっと変に思わない?」

集「あー。確かに、現象って表現するには違和感あるかも」

るり「ええ。だって単なる偶然なわけだし」

集「けど、単なる偶然だったらるりちゃんはそんなこと言わないだろ?
つまり、“偶然じゃない”って思ってるわけだ」

るり(何こいつ。物分かりが良すぎて気持ち悪い)

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 16:48:18 ID:Dhl4I64T0
るり「なんというか、ぶっちゃけて言えば。あの子(小咲)、凄く運が悪いのよ」

集「そうだな」

るり(即答か)

るり「例を挙げればいろいろあるけど…ここではそれは割愛するわ」

集「…つまりさ。るりちゃんは小野寺の親友として、彼女をなんとかしてあげたいんだな?」

るり「端的に言えばそゆこと」

集「うーん、どうやったら二人はくっつけられるのかなー。桐崎さんのこともあるから簡単にはいかんぜ」

るり「いや、それ自体は問題じゃない」

集「?」

るり「小咲と一条君がくっつくこと自体、今の本題じゃないって言ってるの」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 16:50:20 ID:Dhl4I64T0
集「んー?るりちゃんは小野寺が楽と結ばれることに反対なん?」

るり「そうじゃないわ。実際応援してたもの」

集「あれ?」

るり「どうしたの」

集「今、過去系じゃなかった?」

るり「ええ。そうね」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 16:52:50 ID:Dhl4I64T0
集「つまり今はるりちゃん、小野寺ちゃんの恋を応援してないわけだ?」

るり「別に反対してるわけじゃないけど、最近はそこまで推してないのも確か」

集「おいおいどうしたんだるりちゃん?仮にも友達の恋なら、応援してあげたほうがいいんじゃ?」

るり「ふーん。あなたでも正論を言うのね」

集「え。その言い方だと、俺が普段正論言ってないみたいに聞こえるよ?」

るり「事実でしょ」

集「相変わらずきついなぁるりちゃん」

るり「むしろ友達なら、私はそれ(恋)以上に気にしないといけないことがあると思ったのよ」

集「どういうこと?」

るり「純粋に、友達には生きていてほしいわよね」

集「え…?」

るり「……」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 16:55:30 ID:Dhl4I64T0
集「ちょっと待って。小野寺って何か病気持ちだったっけ」

るり「違うわ」

集「やばいストーカーでもいるとか?」

るり「それも違う」

集「るりちゃん」

るり「何?」

集「るりちゃんってさ、ミステリアスで惹かれる子だなぁとは思ってたけど、どことなく変だよねなんか」

集(とか言ったら、ここでるりちゃんが『あんたのほうが変人よ』って返してくるんだろうなぁこれが)

るり「確かに、言ってることが変かも」

集(なん…だと…。いつものSっ気あるるりちゃんはどこへ逝ってしまったんだ!?)

るり「今あらぬことを考えなかった?」

集「いや、気のせい」(うわ、ガン飛ばされた。よかった、いつものるりちゃんだ)

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 16:57:53 ID:Dhl4I64T0
集「で、それがさっき言ってた現象とどういう関係が?」

るり「あなたもさっきの光景見てたでしょ」

集「あ…」

るり「難を逃れたからよかったけど、一歩間違えれば大参事だったから」

集「そうだったね…。二人に何もなくて本当によかったと思うよ」

集(こればかりは、お気楽野郎な俺でもハッとせざるを得ないもんなぁ)

るり「あのトラックのナンバープレート覚えたから。あとで通報しに行く」

集(え?普通に凄いよるりちゃん?あのとっさの出来事で覚えてたなんて。
友達のためにるりちゃんも本気なんだろうな。そこに痺れる憧れ―)

るり「ねえ。あなたは…今回のこういうの、一時的なものと思ってる?」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 16:59:18 ID:Dhl4I64T0
集「というと?」

るり「勘でいいから答えて。どう思ってるか教えてちょうだい」

集「え…、そりゃぁ普通に考えりゃただの不幸な偶然って話だけど―」

るり「……」

集「でも、なんかおかしいよな」

るり「…やっぱりそう思う?」

集「この前もなんかなかったっけ。そうそう、ボールが窓ガラス突き破ってきたやつ」

るり「知ってたのね」

集「いやいや、当然でしょ。教室中の窓ガラスが破損して知らないとか有り得ないよ」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 17:03:18 ID:Dhl4I64T0
るり「そのときの状況は知ってる?」

集「もちろん」

るり「何で知ってるの?」

集「いや、何で知ってるって言われても…。知ってる?って質問に対して
オフコースの返事をしたら、それに疑問で返されるとはこれいかに」

るり「だってどうも話の流れが良すぎるから、あなた小咲のストーカーでもしてるんじゃないかと」

集「酷いよるりちゃん!ストーカー扱いなんて、さすがの俺も心が折れそうだよ!」

るり「折れそうなのに何で嬉しそうな顔してるの?」

集「それは気のせいだよ。るりちゃん」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 17:08:56 ID:Dhl4I64T0
るり「とまあ冗談はこれくらいにして」

集「まさかるりちゃんが冗談を言うなんて…」

るり「さっきの仕返し」

集「るりちゃんさ、最近良い意味で人間っぽくなってきたよね?俺はその傾向大歓迎するぜ」

るり「それはともかく、情報屋のあなたならそれくらいは知ってるとは思った」

集「いつのまに俺に情報屋の通り名が…。まさに誇らしいって感じ?」

るり「私が独断と偏見でそう呼んでるだけ」

集「うん。それは知ってた」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 17:13:56 ID:Dhl4I64T0
集「それと、あの事件も一歩間違えてれば大惨事だったのも知ってた」

るり「もし頭に直撃でもしてたら。そう考えると恐ろしいわね」

集「窓ガラス突き破るくらいだし、頭以外の場所でも大事だったかもなー。二人とも無事で良かったよ」

るり「だから、ちょっと尚更考えるっていうか」

集「…るりちゃん」

るり「偶然の一言で片付けるのは容易い。自分の考えすぎとも思う。でも―」

集「友達だから心配だよな。俺も一応楽の友達だから、
その気持ちは分かってるつもり。俺も、あいつにケガなんてしてほしくない」

集「るりちゃん。その嫌な予感は、たぶん気のせいじゃないと思うぞ」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 17:22:11 ID:Dhl4I64T0
集「根拠はないけど、なんとなくエスカレートしていってる感はある。このまま行ったら―」

るり「……」

集「ゴメンるりちゃん。その先は言うべきじゃないよな」

るり「あなたにしては空気よんだわね」

集「さすがにね。言って良いことと悪いことの区別くらいはついてる」

るり「意外」

集「ああ、そうだろうともそうだろうとも。普段の行いが悪い俺だからな」

るり「バカでどうしようもない人間」

集「えぇ…。このタイミングでそれはさすがにきついぜるりちゃん…」

るり「けど、少なくとも悪人じゃないのは分かってる」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 17:28:45 ID:Dhl4I64T0
集「ん?それは褒めてるつもり?」

るり「そのつもり」

集「!!これは!!るりちゃんの中で俺の高感度ぐーんとアップ!!?」

るり「マイナスがゼロになっただけ」

集「相変わらず辛辣なるりちゃんであった」

るり「そのナレーション口調、誰に言ってるの?」

集「そんなふうに聞こえたのはきっと気のせいだぜるりちゃん」

るり「話が進まないんだけど…」

集「分かった。話を進めよう」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 17:32:12 ID:Dhl4I64T0
集「それで、るりちゃんはさ。今回の一連の現象…ぶっちゃけどう考えてるのさ?」

るり「そうね…」

集「もし偶然じゃないのだとしたら、考えられる線は二つ」

るり「言ってみて」

集「一つ目は陰謀論。誰かが仕組んだ」

るり「…現実的じゃないわね。誰かの意志で貫徹して行われてるなんてにわかには信じられない」

集「俺も同感だよ。でも二つ目はもっと信じられない。それは、オカルト」

るり「そうきたか」

集「理屈や科学じゃ証明できない現象をオカルトってことにしちゃうけど。
まあ、ある種の思考停止だけど一応挙げてみた!!」

るり「楽しそうね」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 17:37:19 ID:Dhl4I64T0
集「幽霊とかUFOとか、こういう話って基本ワクワクするんだよな―俺って」

るり「つまり何らかの怪奇現象が小咲を襲ったってこと?」

集「そう」

るり「でもそれってバカげてるわよね。陰謀論もそうだけど」

集「おっしゃる通りで」

るり「まあ…私も、結局は偶然ってのが一番現実的で納得いくってのは分かってるんだけど」

集「不服そうだねるりちゃん」

るり「……」

集「頭では分かってても、それを受け入れられない感じかい」

るり「そうかもしれない」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 17:40:36 ID:Dhl4I64T0
集「うーん…悩んでても仕方ないな。ここはちょっと発想を変えてみようよ」

るり「?」

集「原因の究明にこだわるんじゃなくて、現象そのものの定義について考えれば…
また違った見方ができるかもしれないよ!」

るり「定義…」

集「たとえ偶然だったとしても。とりあえず把握しとこうよ。
いつ、どういうタイミングでそれが起こるのかってのをさ」

るり「そうね。出ない答えを探し回ってるより、そっちのほうがよっぽど良いかもしれない」

集「というわけで定義といこう。この現象は、どういうときに起きてる?」

るり「…二人の仲がいいときね」

集「でもそれだと漠然としすぎだから、もっと条件をしぼっていこう。だってそうだよね?
仲良くしてるだけで起こるのなら、今頃楽も小野寺も入院してておかしくないレベルだと思うから」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 17:45:40 ID:Dhl4I64T0
るり「ちょっと曖昧だったわね。もう少し考えてみる」

集「そうなると、考えられるのは頻度の低いもの。即ち、接触が濃厚なとき!これに限る!」

るり「……」

集「え?ちょ、ゴミを見るよう目で俺を見ないで!」

るり「小咲で変な想像したら許さないから」

集「何か勘違いしてるよるりちゃん?接触が濃厚って、精神的な意味ってことで言ったつもりなんだけどなぁ」

るり「え」

集「友達から恋人へ関係が一歩進みそうとか、そういうライトな表現
したつもりだったんだけど。むしろるりちゃんこそ何を想像したのさ?」

るり「う…」

集「俺よりも、るりちゃんのほうがよっぽどエッチだよ♪」

るり「……」

るり「KOROSU」

集「ゴメン許して」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 17:48:22 ID:Dhl4I64T0
るり「とりあえず関係が進みそうな状況となれば、シチュは限られてくるわ」

集「告白とか告白とか!」

るり「二回言わなくていいから」

集「そういやさっきも告ろうとしてたんだよね」

るり「そういうときは要注意…か」

集「でも、それって注意のしようがないと思うよ?大体小野寺には何て言うんだ?
告白するときはいつも運が悪いから周りに気をつけとけと言ってもなぁ…」

るり「頭おかしい人と思われるでしょうね。もっとも、小咲は優しい子だから。そんな発想すらしそうにないけど」

集「お!じゃあ今度俺、それを小野寺に言ってみようかな!」

るり「ただし人と場合による」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 17:50:12 ID:Dhl4I64T0
集「俺の信頼どんだけないのよーるりちゃん」

るり「でも、実際のところどうしたものか」

集「今は見守っとくしかないんじゃないかな。それでもし、
明らかにこれはおかしい、偶然じゃないと思えるようなら…またそのときに動けば」

るり「まともなことを言うのね」

集「見直した?」

るり「ちょっとだけ」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 17:52:14 ID:Dhl4I64T0
―数日後―

小野寺「るりちゃん…。私、今度こそ告白してみようと思う。…一条君に」

るり「……」

小野寺「るりちゃん?」

るり「ん?ゴメン。ボーっとしてた。でも話は聞いてた。一条君のところへ行くのね」

小野寺「うん…今度は成功できたらいいんだけど…」

るり「小咲。あんたさ…」

るり(告白するのはやめろって言いたい。けど…)

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 17:54:10 ID:Dhl4I64T0
るり「分かった。健闘を祈る」

小野寺「ありがとうるりちゃん」

るり(私の勝手な思い込みでやめろなんて言えない。
だって、告白しようとして事故が起きるとか、普通に考えたらバカげてる。でも―)

るり「小咲」

小野寺「ん?なぁにるりちゃん?」

るり「その…外で告白するんなら車が走ってないところがいいと思う。この前、あんなことがあったばかりだし」

小野寺「!うん、気をつけるよ!心配してくれてありがとう」

るり(小咲…)

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 17:56:31 ID:Dhl4I64T0
楽「小野寺、用事って何なんだ?」

小野寺「え、ええっと。それはね…」

るり(…心配でついてきてしまった。覗き見するような真似してゴメン小咲)

るり「……」

るり(静かな公園。確かに、ここなら車は入ってこないし安全とは思う)

小野寺「一条君…!私、ずっと前から―」

るり(…なんとか言えそうね。…変なことに気を使って何やってるんだろう私は。心配性もここまで来たら病気ね)

小野寺「ずっと前から一条君のこと…っ!」

るり(頑張ってね小咲。私は先に戻って報告を待って―)

るり「…?」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 17:59:17 ID:Dhl4I64T0
るり(何この音?何かが落ちてくるようなこれは―)

集「楽ゥ!!小野寺ァ!!今すぐその場を離れろ!!早くッ!!!」

るり(え…!?)

集「お前も早く逃げろ!!巻き込まれるぞ!!?」

気付く間もなく、私はこの男に手を引かれていた―

……

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 18:05:16 ID:Dhl4I64T0
『臨時ニュースをお知らせします。今日午後5時35分頃、○県△市□町~近くの公園にて
人工衛星の破片が落下。繰り返します。今日午後5時35分頃―』

集「…楽や小野寺にケガがなかったのも幸いだけどさ、るりちゃんも無事でよかったよ」

るり「…どうしてあの場所に?」

集「ん?どうしてって、俺は俺なりに二人のことが心配だったからさ。
るりちゃんとは違う物陰から二人を様子見してたんだよ」

るり「そうだったんだ…。にしてもまさか―」

集「上から来るとはな」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 18:08:12 ID:Dhl4I64T0
るり「…いきなりのことすぎて、まだ頭が混乱してる」

集「人工衛星の破片が近々落下するってニュースは知ってたけど、
日本、それもまさかこの町に落ちるなんて…俺もびっくりしてる」

るり「…エスカレート」

集「え?」

るり「規模がどんどんエスカレートしていってる…」

集「…るりちゃん」

るり「小咲の命が…危ない…っ」

集「……」

集(こんな時だからこそ、俺が落ち着かなくちゃ)

……

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 18:12:33 ID:Dhl4I64T0
集「…落ち着いた?」

るり「さすがに1時間もすれば、ね」

集「帰って休んだほうがいいんじゃないかな。家まで送っていくよ」

集(ここで普段のるりちゃんなら『舞子君に送ってもらうとか絶対嫌』とか言うんだろうけど)

るり「…大丈夫。一人で帰れる」

集(さすがにそんな元気もないか…。るりちゃんがコレだと、
俺もテンション上がらないよ。まあ、そんな場面じゃないのは分かってるけど)

るり「でも、帰る前に少し話しときたい。今日の出来事について」

集「…るりちゃんがいいなら、俺はそれに付き合うよ」

るり「そういえば、まだ助けてもらったお礼言ってなかった。ありがと」

集「あ、あぁ…?」

集(るりちゃんにこんなこと言われるのは、なんか変な気分だな)

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 18:16:46 ID:Dhl4I64T0
るり「…正直なところを言うと―」

集「…うん」

るり「もう私、偶然だって思えなくなってる」

集「…さすがにな。俺も何か、恐ろしいものを感じた」

るり「あなたがこの前言ってた…陰謀論だっけ。あながち嘘でもないのかもね」

集「いや、気持ちは分かるけど。人工衛星の破片なんか狙って落とせるもんじゃ…」

るり「……」

集「まさか国家権力や軍産複合体?とかが仕組んでもない限りそんなバカげた話―」

るり「でも、それ以外に説明のつく道理なんて…」

集「…落ち着こう、るりちゃん」

るり「私は落ち着いてる」

集「分かってる。だから、この前みたいにもう一度違う視点で見てみるんだよ」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 18:20:12 ID:Dhl4I64T0
るり「違う視点…?」

集「陰謀ってやつが仮に本当だとして、だとしたらそんなものを仕組んでる奴らには当然目的があるはず」

るり「…そうでしょうね」

集「それを知れば、少なくとも何らかの手がかりにはなるんじゃないかと俺は思ってる。そうだな」

集「…例えば、楽と小野寺の仲を停滞させることで 誰 が 得 し て る の か を考えるとかな」

るり「それって―」

集「……」

るり「で、でも。それって凄くプライベートな範囲よね…?」

集「けど結果として楽と小野寺の仲が進展しないんだから、それを目的として仮定しても、理屈としてはおかしくない」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 18:26:00 ID:Dhl4I64T0
るり「そんなもののために、こんな大がかりな事故を起こす輩が本当にいるなら…。そいつは狂ってる」

集「……」

るり「そもそも、そんな大それたことを実行できる人間なんて―」

集「るりちゃん。今、楽を好きなのは誰だ?」

るり「…いきなりどうしたの?」

集「思いつく限り答えてみて」

るり「…?そりゃ…小咲に桐崎さん、それと…橘さんよね」

集「その中でトラック指示や軍事機密を握れそうな強大な権力…例えば国家権力と結びついてる人間は、誰だ?」

るり「ちょ、ちょっと待って。まさかそれ警察権力のこと言って―」

集「自分も本気で言ってるわけじゃない。ただ、こういうのは暴論であったとしても、
何かしらの仮定を作っておかないと結論なんて永遠に出ない」

るり「本当に暴論ね…」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 18:30:59 ID:Dhl4I64T0
集「楽には絶対言えないことだが…。実際、当初は一条組の線も洗ってた」

るり「それは…私も考えたことならある」

集「トラックで突っ込ませるレベルなら、ましてやヤクザ集団ともなれば可能性としてできない話じゃない」

るり「でも、それはないと思う。私たちは彼らの人の良さを知ってるわ」

集「ああ。だから彼らがそんなことをやったなんて自分も考えてない。重要なのは実行可能かどうか。そこだしな」

るり「ただ、どう見ても人工衛星の件については無理…」

集「…さすがに単なる一圧力団体にそこまでの権限がないのは自分にも分かってる」

るり「警察にも同じことが言えるんじゃない…?いくら警視総監とはいえ、そこまでの権限あるはずがないもの」

集「ただ、話だけは会って聞いてみる価値はあるかもしれない。明日…時間はあるかい?るりちゃん」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 18:40:46 ID:zMn+Zm8EO
>>57
Yes

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 18:36:17 ID:Dhl4I64T0
るり「会うって、まさか家に乗り込むの?」

集「それが手っ取り早い。全然関係なくても、父親が警察のトップなんだ。
怪しいことがあれば、何か手掛かりは得られるかもしれないよ」

るり「…仮に何か知ってても、一般人にそんな情報教えてくれるとは思わないけど」

集「それでも、何もしないでこのままボーっとしてるのよりはマシだと思う」

るり「…そうね。橘さんの家に行ってみましょう」

……

―翌日―

るり「ここが橘さんのマンションね」

集「あの一番高いところなんだっけ?さっすがお嬢様だなー」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 18:41:42 ID:Dhl4I64T0
インタホーンを鳴らしてみる

るり「あ、こんにちは。あの、橘さんの同級生の宮本るりと舞子集です。今、万里花さんはいらっしゃいますか?」

本田「…申し訳ございません。今お嬢様は風邪のため自室で療養中です」

るり「そうなんですか…」

本田「ええ。ですから残念ですが、今日のところはお引き取りを―」

??「…お待ちなさい本田。誰が訪ねてきたですって…?」

本田「同級生の宮本様と舞子様にございます」

??「あらあら!せっかくこんな所まで来てくださったんですもの…。どうか入れてあげて本田」

本田「いけませんお嬢様。いまだ体調が優れていないというのに」

マリー「少しくらいなら大丈夫ですわ。それに、誰かの顔も見たかったところでしたから…」

本田「…分かりましたお嬢様」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 18:45:47 ID:Dhl4I64T0
集「というわけで、こんにちはマリーちゃん!」

マリー「あら。その呼び名は楽様ですらまだ使われていないのに…」

集「あれ?」

るり「あなたのすぐ下の名前で呼ぶ癖、やめなさいってば。嫌がる人もいるんだし」

集「そんな堅いこと言うなよー、るりちゃん」

るり「ちなみにその“るりちゃん”っていうのも、私まだ認めてないから」

集「え?そうだったの!?てっきり公認なのかと思ってた…」

るり「こんなバカは放っといて、こんにちは橘さん。お体のほうは大丈夫?」

マリー「ええ。同級生の顔を見てたら元気になってきましたわ」

るり「こいつの顔を見ても?」

集「♪」

マリー「ええっと…」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 18:47:55 ID:Dhl4I64T0
集「ふっ、覚悟してたさ。この扱いはね!るりちゃんでしっかり鍛えてるからそこは問題なし!」

るり「自慢にもならないこと言ってどうする」

マリー「二人とも仲が良いのですわね」

るり「…はぁ。それはどうでもいいとして―」

るり「橘さん。思ったり覇気がなさそうに見えるけど、大丈夫?本当は体のほう結構きついんじゃ…?」

集(そういや会話もあまり軽やかって感じじゃないよな。いつもなら!マークくらい普通に付きそうなのに)

マリー「大丈夫、気のせいですわ。まあ…敢えて言うなら
楽様の姿を目に留めておきたいところでしたが…贅沢は言いません」

集「楽がいるときのマリーちゃんホント楽しそうだからなぁ。見てるこっちまで元気になってくるよ!」

マリー「それは良かったですわ」

るり(ん?今彼女はマリーちゃん呼びを許容したのかしら?それともスルー?本人のみぞ知るところね…)

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 18:50:04 ID:Dhl4I64T0
マリー「ところで、お二人は今日は何の用でこちらに?」

るり「ええっと、そのことなんだけど…」

集「いきなりで面喰う質問かもしれないけどさ、マリーちゃん人工衛星落下の件については知ってる?」

マリー「あぁ…昨日テレビで大騒ぎになっていましたものね。
ましてやこの近くとあれば尚更。父も何やらお忙しそうでしたわ」

集「それでさ、よかったらマリーちゃんの知ってること全部教えてほしいんだ」

マリー「え?」

るり「あなたね…もっと言い方ってのを考えなさいよ。本当に橘さん面喰った顔してるじゃない」

集「あー、そうだな。ゴメンねマリーちゃん。お父さんから何か話聞いてないかなと思ってさ」

マリー「なるほど。そういうことですか」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 18:52:55 ID:Dhl4I64T0
マリー「やはり、お近くに落下しただけあって興味があるのですか?」

集「ま、まあね!こんなことってめったにないし!」

マリー「確かにそうですわね…気持ちは分かります。それと、警視総監の娘の私ならば
何か情報を掴んでいるかもしれない、との見方も分かります」

集「うんうん!」

マリー「しかし残念ながら…。平時ならともかく、昨日から私は風邪で寝たきりでしたので、
テレビで報道されてる以上の情報については、ほとんど持ち合わせてはいないのですよ」

集「そ、そうなんだ…」

マリー「ご期待に沿えず申し訳ございません…」

るり「それは仕方ないわ。むしろ勝手に押しかけた私たちこそゴメンなさい」

マリー「それこそ謝る必要はありません。偶然とはいえ私を見舞ってくれたのですから…」

集「早く体のほう治してねマリーちゃん」

マリー「はい。そうそう、楽様はどうされてますか?」

集「どうって…いつも通りの一条楽だと思うぜい?」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 18:55:22 ID:Dhl4I64T0
マリー「まあ。いつも通りなのであれば、それに越したことはありません。普通が一番です」ゴホゴホッ

本田「…!お嬢様、そろそろお休みになられたほうが」

マリー「そうね。宮本さん、舞子さん。今日は来てくれてありがとうございました」

……

本田「お二人とも、今日はありがとうございました。お嬢様も喜ばれていたようで何よりです」

集「ならまた来ます!!」

るり「……」

集「え、ええっと。ところで本田さん。マリーちゃんはいつもあんな感じなんですか?」

本田「ここのところは」

るり「え、昨日からじゃないんですか?」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 18:58:24 ID:Dhl4I64T0
本田「はい。2週間ほど前からこんな感じで…」

集「あの、さすがに2学期までには来れますよね?」

本田「さすがに大丈夫、と言いたいところですが…入院を検討されたこともあったので断言はできません」

集「何か重い病気なんですか?」

本田「それについては個人情報ですので私の口からは…」

るり「…そうですね。すみません」

―外へと出る二人―

るり「普通が一番ですって橘さん言ってたけど。彼女にそれを言われると、何か奥底に来るものはあった」

集「俺、モテないし扱いヒドイわでろくな人生じゃないと思ってたけど!体丈夫なだけマシなんだなと思ったよ…」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 19:00:57 ID:Dhl4I64T0
るり「それにしても―」

集「だから言ったでしょうが!マリーちゃんがそんな極悪非道なことするはずないって!」

るり「いっぺん死んでみる?それ言い出したのは舞子君でしょうが」

集「そうだった…」

るり「あなたって頭いいのか悪いのか本当に分からない人ね…昨日はあんなに得意げに話してたのに」

集「というか、昨日の俺は今思うとバカだったと思う」

るり「そうね」

集「それに流されてたるりちゃんもバカだけどね」

るり「……」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 19:06:33 ID:Dhl4I64T0
集「だってよくよく考えてみたら、人工衛星の“破片”を意図的に当てるなんてありえないって」

るり「明らかな攻撃対象として放たれるならともかくね…。
老朽化したすえに落下とか、それで特定の人物に当てるのは効率悪すぎだし有り得ないわね…」

集「俺が犯人なら!衛星軌道上を漂うレーザー砲を!地球の特定座標軸に向かって撃ち込み!!
ターゲットを確実に消す!!これ完璧!!」

るり「なにそれ怖い」

集「でも、マリーちゃんの家に来た甲斐はあった。おかげでとある情報は得られた」

るり「?」

集「俺さ、以前こんなこと言ったよな。陰謀ってやつが仮に本当だとして、
だとしたらそんなものを仕組んでる奴らには当然目的があるはずだって」

るり「覚えてるわ」

集「そして俺は結果論として、楽と小野寺の仲を停滞させることで誰が得してるのかも考えた」

るり「それを元にして辿り着いた結論が、結局暴論(警察権限説→橘さん説)だったのも覚えてるわよね?」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 19:10:48 ID:Dhl4I64T0
集「あの、言い訳させて!」

るり「聞かない」

集「えー、せっかく今回のことで新たな展望も見えてきたのに」

るり「…一応聞いてあげる」

集「それは、マリーちゃんが重病にかかってるかもしれないって事実だよ」

るり「?それがさっきの話とどう繋がってるの?」

集「俺たちは小野寺だけに対象をしぼって捜査をしてたけど。それが落とし穴だったかもしれないってこと」

るり「落とし穴も何も、もとはと言えば小咲のために始めたのがこの調査なんじゃないの」

集「…るりちゃん」

るり「な、何?改まって?」

集「マリーちゃんは…。友達だよな?」

るり「…?質問の意図が分からないけど…。でも、そういう認識でいいと思う」

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 19:19:28 ID:Dhl4I64T0
集「小野寺がケガするかもしれないってことで、俺たちはいろいろ奔走してたわけだけど。
それはマリーちゃんにも似たことが言えないか?」

るり「…?」

集「むしろ考えようによってはマリーちゃんのほうが状況は酷いかもしれない。
彼女は、そもそも最近楽と会うことすらできていない」

るり「けど、一方の小咲は普通に会ったりはできる…」

集「『普通が一番です』って本人も言ってたけど、あの言葉が身に染みてくるよ」

るり「つまり程度の差はあれど、小咲と橘さんを同じ立場で考えろってこと?」

集「そう」

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 19:23:11 ID:Dhl4I64T0
集「それで、もう一度結果を再構成して考えてみるんだよ」

るり「それってつまり―」

るり「こういうこと?小咲と一条君の仲を停滞させることで誰が得してるのか
っていうふうに、小咲単体で見るんじゃなくて―」

集「小野寺とマリーちゃん、その二人が…楽との関係を発展できない。そんな中で誰が得してるのかを考える」

るり「……」

集「どうしたの?」

るり「いや、だって…。その論法でいくと、また身近な人に
疑いの眼差しが向けられるんだけど…、それも一人の人物に」

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 19:28:35 ID:Dhl4I64T0
るり「また無実の人を疑うつもり?橘さんのときみたいな暴論はもうたくさんよ」

集「……」

るり「しかも橘さんも対象に加えるのなら、彼女の置かれた境遇、
それに対する手段は一体どうやって説明するの?」

集「言いたいことは分かる。病気を誰かの意志で意図的に発動させるなんて、普通は無理だ」

るり「細菌やウイルスをばらまかない限り、っていうかそれただのテロ…」

集「しかもマリーちゃんは警視総監の娘さんであるだけに警備体制も万全。
とてもじゃないがそんな隙はありそうにないや」

るり「『ないや』じゃないわよ。そもそも、元から彼女の体が弱かったのだとしたら、
病気になったのも自身の体質的なものでしょ?意図説を唱えること自体バカらしいわ」

るり「まあそれを言ってしまえば、トラックはともかくとして人工衛星の件も実質不可能なんだけど」

集「どうする…言うか言わないか…」

るり「?何か言いたいことでもあるの?」

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 19:31:55 ID:Dhl4I64T0
集「一つだけ、これらの謎を突破できる方法がある。合理的に見立てられる方法がある」

るり「聞くだけ聞くわ。何?」

集「前に言ったことだけど、もし今回の一連の現象が偶然ではない場合、
考えられる線は二つ。一つ目が陰謀論。二つ目がオカルト」

るり「まさか…」

集「そう!科学的・理論的に説明できないのなら答えは一つ!ずばりオカルトよ!
怪しげな呪術や呪いを駆使して確率操作や病気を発動させたりしたのさ!!」

るり「バカ?」

集「ですよねー」

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 19:36:20 ID:Dhl4I64T0
るり「こんな情けない思考放棄も初めて見たわ。確かに、これなら何でも説明つけるものね」

集「オカルトをバカにするな!!」

るり「オカルトじゃなくあなたをバカにしてるんだけど」

集「相変わらず辛辣だなぁるりちゃんは」

るり「いや、これ私じゃなくても同じ反応してると思うけど」

集「うーん。こりゃ平行線だな」

るり「オカルトを平然と持ち出す人間にどう対応すればいいのよ…当然でしょ」

集「だってもう、それくらいしか考えようがないんだよなぁ。偶然じゃないとするとさ…」

るり「ふざけてるんなら、私帰るから」

集「ちょ、るりちゃん!」

るり「知らない」

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 19:41:46 ID:Dhl4I64T0
―家へと帰ってきたるり―

るり「……」

るり(ちょっと言いすぎたかな…)

るり「……」

るり(そういえば、もとはと言えば一連の現象を偶然じゃないって言い出したの
は私だったんだっけ…。あいつはあいつなりに、それを支持しようとしただけだったのかも)

……

Prrrrrrrrrrrrr

るり「!電話…。あら、橘さんね」

実は先ほどマリーの家に行ってきた際、るりと集は彼女と電話番号を交換していたのであった

マリー『夜遅くにすみません宮本さん』

るり『こんばんは。別にいいけど、そっちこそ体のほうは大丈夫?』

マリー『心配ご無用。それより、ちょっと耳に入れたい話があって…
宮本さんにも一応話をしておいたほうがいいと思いまして』

るり『?』

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 19:45:40 ID:Dhl4I64T0
―翌日―

集「はぁ…昨日はやっちまったなぁ…」

集(そりゃ、今まででもるりちゃんに呆れられることは多々あったけど!!
今回はマジもんに幻滅されたっぽいしへこむぜええぇぇ!!)

Prrrrrrrrrrrrr

集「?電話?もしもーし!おはようございまーす!舞子集でーす!」

るり『相変わらず朝からバカテンションなのねあなたは』

集『!?る、るりちゃん!?』

るり『まぁ、元気なのはいいことだけど。とりあえず今日暇?』

89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 19:47:39 ID:Dhl4I64T0
集『え、ええっと…』

るり『あなたのことだから暇よね。ちょっと付き合ってほしいんだけど』

集『え!?そ、そんな…!まさか、るりちゃんが電話越しに告白してくるなんて…っ!!』

るり『切る』

集『ふざけてすいまそん』

るり『でも、あなたらしい返しかも』

集(…え?今、俺、褒められたのか??るりちゃんに??今日はミゾレが降りそうだな…)

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 19:49:15 ID:Dhl4I64T0
―数時間後―

集「で、今日もまたマリーちゃんの家へ行くとは…。一体どういうことなの?るりちゃん」

るり「行けば分かるわ」

集「?」(マリーちゃんのことだから、何か事件について分かったのかな)

―マリーの家にて―

マリー「お待ちしていましたわ二人とも!さあさあ上がって!」

集「あれ?マリーちゃん昨日より顔色がいいね」

マリー「まだ完治はしてませんけど、昨日よりは幾分かはマシですわね」

るり「調べてもらってゴメンね橘さん」

マリー「いや、むしろ望むところですわ。こんな…あろうことにも
楽様をひき逃げしようとした曲者を、私は許すことができませんもの」

集「え?るりちゃん説明してくれよ。どういうことなんだい?」

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 19:52:28 ID:Dhl4I64T0
るり「2週間前のこと覚えてるでしょ?小咲と一条君のところへトラックが突っ込んできた、あの事件」

集「あ、あぁ…なるほど。確かに、楽もあのとき危なかったもんな」

マリー「楽様もですが、小野寺さんを怖い目に遭わせたというのも
許し難いですわ。彼女は私の大切なお友達ですから」

るり(小咲はどんな子ともすぐ仲良くなれるから…橘さんもそれは例外じゃなかったのね)

集「ん?っていうかマリーちゃん、そのトラック事件のこと知ってたんだね?」

マリー「ええ。といっても知ったのは後になってからですからお恥ずかしいのですが…」

るり「知らせたのは私」

集「そうなんだ。いつ知らせたの?」

るり「覚えてた車のナンバープレートを警察に届け出たとき。
橘さんへは、それから警察を通して間接的に伝わったみたい」

集「なるほど。直接るりちゃんから伺ったわけじゃないんだな」

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 19:56:17 ID:Dhl4I64T0
マリー「そういうことです。後で、父から私の友達が事件に巻き込まれたと聞いて、それで調べてみたら…」

るり「それが一条君と小咲だったわけだから、そりゃ驚くわよね」

マリー「ええ、とても。本当は当事者の楽様、小野寺さん、宮本さんたちとも連絡を取りたかったのですが…
いかんせん病気で伏せていた上に、宮本さんと舞子さんに関しては連絡手段をもっていなかったので、
昨日あなたたちが訪れて電話番号を交換できたことは大変良かったと思ってます。
ちなみに新事実も昨日の夜に分かりましたので。タイミング的にはちょうど良かったのですわ」

るり「だから舞子君、あなたには感謝してるの。橘さんの家へ行こうって
誘ってくれてありがとう。例の暴論も無駄じゃなかったってことね」

マリー「例の暴論?」

るり「こ、こっちの話だから」(言えない。警察権限を軍事領域にまで拡大してたなんて妄言絶対言えない)

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 19:59:44 ID:Dhl4I64T0
集「でも、一般人の俺らにそんな新事実教えちゃっていいのマリーちゃん?
まだ一般にも出回ってない情報なんだよね?」

マリー「…一般どころか、そもそも公開すらしないのではないでしょうか」

るり「え?」

マリー「さっきは犯人許し難しとか威勢のいいことを叫んだ私ですが…
なんとも不明瞭な点が多くて、警察もこれを表に出すかどうかは悩んでいるようなのです」

るり「不明瞭…」

マリー「とにかく、この情報の責任は私が持ちます。だから、あなた方も他言しないでくださいましね。
もちろん、私のしていることも本当はいけないことなのですが…」

集「何言ってんだよマリーちゃん。俺らも知りたがってるんだから、悪いのはマリーちゃんだけじゃないよ」

るり「そうよ。だから、一人で抱え込まないでね?」

マリー「…ありがとうございます。楽様も小野寺さんも、良いご友人を持ちましたね」

……

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 20:03:29 ID:Dhl4I64T0
マリー「それで、これがそのナンバープレートの車の写真なわけですが…」

集「…海から引き揚げられてるね、この写真。しかもこの海、ここから近くの場所だよ」

るり「これって…つまりあの事件の後、波止場から海へと突っ込んだってこと?え、じゃあ運転者は…」

マリー「ところが…。おかしいのはここからなんです」

集「?」

マリー「このトラック、人が運転していた…いや、そもそも
人が乗っていたという形跡、痕跡がないのですよ。もちろん助手席にも」

集「??それって…自動操縦車だったってこと?」

マリー「いや、まさか。さっきも言いましたが、人が乗っていた形跡すらないんです」

99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 20:08:19 ID:Dhl4I64T0
るり「それはおかしいわね…」

マリー「極めつけはこの防犯カメラです。見てください」

集「どれどれ」

マリー「このトラックは、どうやら2週間前の早朝頃、とある工事現場から盗まれたものらしいのですが」

るり「やっぱりとは思ってたけど盗難車だったのね」

マリー「盗まれる早朝、工事現場付近の防犯カメラが
その外へと出ていく車を捉えました。それがこの映像ですが―」

集(え?)

るり(何…これ?)

マリー「分かっていただけましたでしょうか。
運転席にも、助手席にも。人らしき姿がどこにも見えないんです…」

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 20:13:52 ID:Dhl4I64T0
集「……」

集(背筋が寒くなるってこういうことを言うんだな)

るり「え…ちょっと待って。これ本当にどういうこと?」

マリー「私にも分かりません…」

集「あの、遠隔操作の類は?これなら無人で車が動いたのも説明できるし―」

マリー「私もその線は考えましたが、現実的ではないです。
確かに、そういう類の…リモコンに対応した車というのは存在するようですが」

るり「…そんな超レアな車が、こんな一般の工事現場レベルで普通に使われてる道理もないものね」

集(これじゃぁまるで…)

マリー「お分かりでしょうか?警察が公表できないのは
こういう理由もあるんです。どうにも説明がつかないことが多くて―」

集(本当にオカルトじゃないか)

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 20:21:09 ID:Dhl4I64T0
マリー「だからこそ、私は思うんです。説明がつかないからこそ、実はこの事件って―」

マリー「………」

集(こんな得体の知れない車に、楽や小野寺は轢かれそうになったのか…?)

マリー「………」

集「…?マリーちゃん?急に黙ってどうしたの?」

るり「た、橘さん…?」

ドサッ

マリー「」

集「!!?」

るり「っ!!橘さん!?」

104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 20:25:13 ID:Dhl4I64T0
本田「何事ですか!?」

集「ま、マリーちゃんが急に倒れて…!?」

本田「これは…!お二方、ただちに救急車を手配してください!私はその間に応急処置を」

集「マリーちゃんはどうしてしまったんですか??」

本田「…意識がありません」

るり「え…?」

集(さっきまで…あんなピンピンしてたマリーちゃんが…意識ないだって…?冗談だろおい―)

訳も分からないままに橘万里花は病院へと運ばれた。数日経った今も、彼女は目を覚ましていない

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 20:35:43 ID:zMn+Zm8EO
携帯から失礼。さるを喰らってしまったので
解けるまでちょっとかかります。すみません

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 20:49:23 ID:zMn+Zm8EO
―数日後―

るり「……」

集「……」

るり「…以前さ、あなたが言ってたオカルト。あれ本当なのかもね」

集「るりちゃん…」

るり「もう私、何が何だか分からなくなってきた。少なくとも、
常識的な頭でこの一連の事件を考えるのは、もう無理そう…」

集「…立て続けにいろんなことが起こったからね。無理もないよ」

るり「…あのさ」

集「ん?」

るり「確かに小咲は私の大切な友達で…ケガなんてしてほしくないし
平和に生きてほしい。でも、この前気付いたのよ。橘さんも友達なんだって…。」

111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 21:00:29 ID:Dhl4I64T0
るり「だから、まずは目を覚まさない橘さんをなんとかしてあげたい。なんとかならないのかしら…」

集「俺もそれについてはいろいろ考えてたんだけど。そもそも、何でマリーちゃんはあのタイミングで
倒れたのかなって…。気分が悪くなることはあっても意識を失うなんて、いくらなんでも行き過ぎだよ」

るり「あのとき、橘さんは例のトラック写真や防犯映像を見てたわね」

集「俺はそれがキッカケになったと思ってる」

るり「…やめてよ。その言い方だとまるで呪いじゃない」

集「でも、それ以外に一体どういう説明ができるのさ…」

るり「待って。あなた、本気で呪いとかそういう類のものって思ってんじゃないでしょうね?」

集「いや、違う。さっきも言ったけど、あくまでそれはキッカケに過ぎないって思ってる」

るり「どういうこと?」

集「これから言うこと、笑わないで聞いてくれたら言う!!正直…ちょっと恥ずかしい論を展開する」

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 21:04:48 ID:zMn+Zm8EO
るり「あなたにも恥の概念があったのね」

集「おうよ!なんせ日本人だしな!」

るり「ああそう」

集「で、俺の考えを言うとさ…」

集「ずばり、マリーちゃんはこの世界の秩序に反するようなことをしたから!弾かれたんじゃないかと」

るり「……」

集「いや、『何言ってんだこいつ』みたいな顔されても…」

るり「だって本当にそう思ったんだから仕方ないわ。世界って?秩序って??ちゃんと説明して」

集「自分でもバカげてるってのは分かってるけどさ。とりあえず話すよ」

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 21:07:20 ID:Dhl4I64T0
集「まず、今回の事件を順を追って話すぞ。最初に俺たちは、楽と小野寺に突っ込むトラックを見かけた」

るり「そうね」

集「その後、人工衛星の破片落下もあって…。原理は不明だけれど、
小野寺が楽に告ろうとすると事故が起こるらしいとの因果関係を見つけた」

るり「そして、次に私たちは橘さんの家へ行って、彼女がここ最近ずっと寝たきりになってたことを知った」

集「最後に、俺たちが最初のトラック事件の詳細をマリーちゃんに依頼して…
それを俺たちに提示してくれてた最中、彼女の容態が急変した…と」

るり「私もなんとなく気付いたんだけど…言っていい?いつもあなたにばっか解説されるのは癪だから」

集「いいよー。どしどし言っちゃってー」

るり「…この一連の事件って、必ず一条君の要素があるわよね?」

集「そこに気付くとは。お主、天才か」

るり「煽りはいいから。そうなると、一つの法則が自分の中で出来上がった」

116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 21:12:10 ID:zMn+Zm8EO
集「それは?」

るり「小咲と橘さんの状況を鑑みるに、一条君と仲良くなれば仲良くなるほど不幸になる…ってことが、ね」

集「ひどいなぁるりちゃん。それだと楽の奴が元凶みたいじゃないか。
あいつがトラックに轢かれそうになったのは、るりちゃんも見たろ?」

るり「別に彼が犯人とは言ってないわ」

集「…俺からも見つけた法則を言わせてくれ。さっきの世界やら秩序ってのはつまり、とある条件下で
必ず起こる小野寺を取り巻く一連の現象。楽に告白しようとすれば必ずといっていいほど事故が起こる、
そんな現象。これについて調べようとするものなら、その人が何かしらのペナルティーを受けるってことだよな…」

るり「最初からそう説明してくれれば、私も『何言ってんだこいつ』って思わなかったのに」

集「そりゃあ悪うござんしたねー」

るり「でも、ただまとめただけじゃ意味がないわ。問題は、ここから何が導けるか」

集「俺たちの言った二つの法則を見るなら、次に狙われるのが俺、るりちゃん、そして桐崎さんだよな」

117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 21:16:20 ID:Dhl4I64T0
るり「私たちは当然のごとく事件について調べ回ってるし…」

集「桐崎さんは楽とカップル。あいつと仲良くなれば仲良くなるほど
不幸が起きるってんなら、次に一番危ないのは彼女だ」

るり「でも…彼女の身に何かあったって話はまだ聞いてないわよね…?」

集「あの子、楽にツンツンしまくりだからなぁ。なかなかデレないから法則も発動してないんじゃないかな」

るり「……」

集「?どうしたの?」

るり「いや、その…いざ分かっちゃったら罪悪感覚えちゃって。
だって、言わば私たちのせいで橘さんは倒れてしまって―」

集「それは違うよるりちゃん。確かに責任の一端は俺たちにもあるけど、
元々彼女は独自に調べてたって言ってたろ?いずれにしろ、近いうちにこうなってたと思う」

るり「…そっか」

118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 21:20:35 ID:zMn+Zm8EO
集「でも、ただ事件について調べてるだけで発動するなら、警察とか今頃大変なことになってておかしくないよね?」

るり「私もそこが疑問なのよ。何で彼らにはなんともなく橘さんだけが倒れたのか」

集「…これも憶測だけど。マリーちゃん、何かしらの真相に辿り着いたんじゃないかな…
あるいはそれを匂わせる何かを俺らに伝えようとしたから発動したとも」

るり「でも警察にできなくて橘さん個人が真相に辿り着くって、
そんな話が果たしてあるのかしら。それが本当なら警察なんていらないじゃない」

集「マリーちゃんの何よりのアドバンテージは、警察よりも俺たちの人間関係についてはるかに
熟知してるってこと。そこから何か答えを導き出せたのなら、彼女が解に辿り着くのもそう困難なことじゃない」

るり「でもその理屈で言えば、私たちもそれを知れば発動してしまうってこと?」

集「そういうことに…なるよな」

るり「何よそれ…。それじゃ本当に調べられなくなるじゃない…!?」

集「これは、俺たちも攻め方を変える必要があるのかも」

119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 21:25:53 ID:Dhl4I64T0
るり「そんなこと言ったって。原因を知らないままに事態を解決できる方法なんか、本当にあるの?」

集「…あるにはあるよ。向こうが訳の分からないオカルトで来るなら、こっちも同じ土俵で戦うしかない」

るり「…同じ土俵って??具体的には何するの?まさか…こっちもこっちで呪術を使うとか言わないわよね?」

集「うーん、同じ土俵で戦うってのはちょっと語弊があったかな。別に全面対決する必要はないよ。
ただ、秩序に一撃を、ヒビを与えられる程度のものであれば、それで成功すると思ってる」

るり「具体的には?」

集「焦らない焦らない!焦ったっていいことないよー?るりちゃん」

るり「その余裕綽々な態度見ててムカツクけど、今は不問にしとく」

集「そもそもさ、るりちゃん。この現象って一体いつから始まったんだろうね」

122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 21:36:33 ID:zMn+Zm8EO
るり「え?いつからって…ボールが窓ガラス突き破った事件ならもう3、4ヵ月は経ってるわよね」

集「よく考えてほしい。あのときも確かに小野寺に対する妨害はあったけど、最近ほど露骨に顕著じゃなかったろ?」

るり「確かに言われてみれば…」

集「俺が言いたいのは!小野寺にしてもマリーちゃんにしても、
それがいつから悪い意味で激化し始めたのかってことなんだよ」

るり「それって結構最近のことのような気がする」

集「それはつまり、トラック事件の2週間前からじゃないか?」

るり「…そうね。大体その辺りからおかしくなってきた」

集「ちなみに言うと、マリーちゃんの病状が悪化し始めたのも同じ2週間前だ」

るり「…!」

集「その2週間前と後とで、一体何が変わってしまったのか。それが分かれば突破口も開けそうなんだ」

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 21:40:21 ID:Dhl4I64T0
るり「つまり…状態を2週間前のそれに戻すってこと?」

集「そうだよ。端的に言えばそゆこと。以前にはあったはずの要素、おそらく何かが欠けてしまった、
その一つでも今に取り戻せれば何かが変わりそうな気はするんだよなぁ」

るり「根拠は?」

集「ない」

るり「いや、それを即答されても…。というか、ないのね」

集「俺が言った同じ土俵ってのはそういうことだよ。
向こうが何でもありなら、こっちも何らかの創意工夫でどうとでもなると思ったわけ」

るり「そう言われれば分からないことはないけど」

集「2週間前といえば…ああ、そういやお祭りでるりちゃんに殴られたんだっけ」

るり「嫌な思い出」

集「酷いよるりちゃん!俺、今の言葉で傷ついた!」

るり「海へも行ったわよね」

集(スルーされた…)

るり「今思えば、その頃くらいから何かが狂い始めた気がする」

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 21:45:43 ID:zMn+Zm8EO
集「るりちゃんも?俺もだよ。そりゃ直接のきっかけはトラック事件だったけど
あれより以前から、何か違和感みたいのは抱いてたんだよ」

るり「私もそうなんだけど、ただ何がおかしいのかと言われると説明できない。何だろうこのモヤモヤ感」

集「分かる分かる。ネジが一本抜けた的な」

るり「…頭のネジが?」

集「……」

るり「あ、ごめんなさい。モヤモヤしてたから…つい」

集「じゃあ、もっとアタってもいいんだよ?」

るり「何この人変態みたい」

130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 21:47:35 ID:Dhl4I64T0
集「…うん、るりちゃんとのやり取りはいつも通りだ」

るり「え」

集「いや、なんか安心したんだよ。以前とその後で何かが変わってるかもしれない。
そんな世界でも俺とるりちゃんはずっとこんなバカなやり取りしてたんだからね!」

るり(ずっとバカなやり取りって…)

集「これからもよろしくね!るりちゃん!!」

るり「だから調子に乗んな」

集「おっすおっす」

るり「というか、そろそろ真面目に考えたら?」

集「俺はいついかなる時でも全力全開だぜ!?」

るり「はいはい」

集「というか、何の話してたんだっけ」

るり「……」

131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 21:50:42 ID:zMn+Zm8EO
集「そ、そうそう!2週間前に何があったのかって話だよな。忘れちゃいないぜ!」

るり「ついさっき考えてたこと忘れる人が2週間前のこと覚えてるとは思えないんだけど」

集「そんな正論みたいなこと言われたら反論できないじゃん!?」

るり「だって正論だし」

集「くー!!こうなったら意地でも思い出してやるぅ!!
…っていうかさ、そういうるりちゃんはどうなの?何か思い出したの?」

るり「思い出したっていうか、強烈な違和感はある」

集「それさっきと言ってること同じじゃ?」

るり「違う。なんかこう…大事なことを忘れてる気がする」

集「それは…人?」

るり「そうなんだと思う」

132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 21:52:43 ID:Dhl4I64T0
集「…学校へ行ってみよう。何か思い出すかもしれない」

るり「今から行くの?この格好で?」

集「別に私服でいっても問題ないでしょ。休みなんだし」

るり「それもそうね」

―というわけで学校に向かい、自分たちの教室へと入る二人―

るり「……」

集「何か思い出した?」

るり「…それなんだけど。やっぱり誰かがいないわよね」

集「いつも俺たちと一緒にいる…そのうちの誰かの存在が消えてるってことか」

133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 21:55:17 ID:zMn+Zm8EO
るり「それを今必死に思い出そうとしてる」

集「…ちょっと整理してみよう。とりあえず友人の名前を挙げてってみようぜ」

るり「小咲に橘さん…」

集「桐崎さん、そして楽」

るり「それだけじゃない。もう一人、確かに誰かがいたはず」

集「元から俺たちと一緒にいた人だっけ…?」

るり「いや、なんとなくだけど違うと思う。昔からの友達って感じじゃない」

集「高校に入って知り合った…?」

るり「それも違う感じがする」

集「じゃあ転校生とか―」

136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 21:57:18 ID:Dhl4I64T0
るり「それなら桐崎さんや橘さんがそれに該当するけど…」

集「うん、言いたいことは分かる。もう一人、誰かいたんだよ。転校生でもう一人…な」

るり「ここまで分かってるのに思い出せない。悔しい」

集「…怖いもんだな」

るり「え?」

集「怖いよなこの世界って。だって、昨日まで普通にしゃべっていたであろう友人が
翌日には忘れ去られてる。正直嫌だよそんな世界」

るり「まったくもってその通りね」

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 21:59:24 ID:Dhl4I64T0
集「せめて何かその子の特徴だけでも思い出せれば、一気に打開できそうな感はあるけどなー」

るり「女の子…」

集「?」

るり「今あなた、“その子”って言ったわよね」

集「ああ。女の子だったと思うよ、確かね」

るり「でもその子、初めて私たちの前に現れたときは…男装してなかった?」

集「そういやそんな気も…」

るり「そして、その直後にその子…桐崎さんに抱きついてた覚えがある」

集「女の子同士の絡みって素晴らしいよね」

るり「今真剣に話してるから水を差さないで」

集「ごめんなさい」

139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 22:04:12 ID:zMn+Zm8EO
るり「ということは、その子は桐崎さんと仲が良かった人とみて間違いない」

集「仲が良いあまり、桐崎さんを賭けて楽と勝負なんてこともあったな」

るり「あなたもだいぶ思い出してきたわね」

集「そうだねー。後ちょっとで断片的だった情報が一つに繋がりそうな感じ」

るり「…せっかく教室に来たんだから、その子の座ってた席でも分かればまた何か思い出せるかも」

集「どこに座ってたっけその子」

るり「確か…この辺りだった気がする」

『…ぅっ…、ぅ…』

集「?何か聞こえないか?るりちゃん」

141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 22:07:21 ID:Dhl4I64T0
るり「うん。…すすり泣くような声が聞こえる」

『…っ!私に…気付いてるのですか…?二人とも…?』

集「!!き、君は…!」

そのとき。うっすらとではあるが、その子が座ってたであろう席に、
その“彼女”の姿が、静かに浮かび上がる。そして…二人は思い出す

集「そうか…そうだったよ。どうして俺たちは、今の今まで君のことを忘れていたんだ…!?」

るり「…っ!!」

つぐみ「……」

顔は俯いていた。彼女がどういう表情をしているかは分からなかった
桐崎千棘の幼馴染にして用心棒、 鶫 誠士郎の姿が…確かにそこにはあった

144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 22:11:49 ID:zMn+Zm8EO
つぐみ「もうずっと…気付いてもらえないものと思っていました」

集「…誠士郎ちゃん」

るり「ごめんなさい、つぐみさん」

つぐみ「!?ど、どうして謝るんです…?」

るり「どうしてって、当然じゃない。ずっと私たちはあなたのことを忘れていた。
何度謝ったって足りないくらい、私たちはあなたに酷いことをした」

集「本当にその通りだよ。こんな俺たちを、どうか許してくれ誠士郎ちゃん…!!」

つぐみ「…いいんですよそれについては。むしろ、消えかけてた私を
見つけてくれたことに、自分は感謝しているんですから」

るり「つぐみさん…」

集「その…誠士郎ちゃん。何があったのか聞かせてくれないかな?
何で君が…こんなことに今までなってしまっていたのかを、俺は知りたい」

つぐみ「……」

つぐみ「それは…言えない」

145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 22:15:35 ID:Dhl4I64T0
集「誠士郎ちゃん…」

つぐみ「あなたたちまで巻き込むわけにはいきませんので…」

るり「理由を知れば、“答え”を知れば私たちも同様に、存在を消されてしまうから…。そういうこと?」

つぐみ「!」

集「誠士郎ちゃん。俺たちは今まで一連の事件について念入りに調べてたんだよ。
だから今何が起きてるのかってのも、大体は想像ついてる」

つぐみ「そうだったのですね…。!!ま、まさか私以外にもそうなった人がいるのですか…!?」

集「うん…」

るり「橘さんも答えを知ろうとして、今入院してる。小咲も、それに近いことをして何度も危険な目に遭ってる」

147: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 22:19:53 ID:zMn+Zm8EO
つぐみ「なんてこと…」

集「存在否定、病気、事故…不幸の種類は人それぞれだけど、誠士郎ちゃんの存在否定ほど残酷なものもないよな」

つぐみ「いえ、私はいいんです。それより他のお二方もそういう目に遭ってるということのほうが
ショックでした。私一人が被れば、それで済む話だと思ってましたから―」

集「やめてくれ誠士郎ちゃん。自分一人が犠牲になればそれでいいとか、そういう考えは…俺は嫌いだ」

つぐみ「……」

つぐみ(こんな私でも、この男は心配してくれるのだな…)

148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 22:23:04 ID:Dhl4I64T0
つぐみ「とはいえ、やはり貴方たちまで巻き込みたくはありません」

るり「つぐみさん…」

つぐみ「ですから、核心に迫る部分はぼかしながら説明します。それなら大丈夫なはず」

集「分かった。そこの加減は誠士郎ちゃんに任せるよ」

つぐみ「そうですね、どこから話したものか…。私が消えてしまったこの現状は、
私がとある大切な人に…諫言を申したのが始まりだったように思います」

るり(大切な人…。どうやらその人物が、一連の事件の中心にいると見て間違いなさそうね)

150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 22:29:04 ID:zMn+Zm8EO
つぐみ「本当に大切な人であるからこそ、私は彼女に
悪い点があるのであればそれは指摘し、改めるよう忠告した…」

集「…後悔してる?」

つぐみ「後悔はしていない。確かに私のその行為がいささか出過ぎたものだったのは否めない…
それでも、身近にいる私だからこそ言えることもあると思った」

るり「ちなみに、その時期はいつぐらい?」

つぐみ「みんなで海へ行って遊んだ、その直後ぐらいです」

集「やはりというか何というか、小野寺やマリーちゃんが異変に見舞われ始めた時期と同じだな…」

つぐみ「…っ!」

集「…え?ちょ…!?」

さっきまで実体があったはずの鶫の体が、わずかではあるが透明化し始めていた

152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 22:34:51 ID:Dhl4I64T0
るり「な、何で体が透けて…!?」

つぐみ「…お忘れですかお二方。今私が貴方たちに見えているのは、まさに存在を
認識してくれたからこそなんです。見えてるほうがむしろ不自然なのですよこの状況では」

集「バカなことを言うんじゃないよ!?存在するのが不自然なんて、
そんなバカみたいな話あってたまるかってんだい!!」

つぐみ「ははっ…。まさかお前にバカ呼ばわりされるとはな…舞子集」

るり「でも、さっきまでちゃんと見えてたのにどうして―」

つぐみ「それはたぶん、自分の精神状態が揺らいだから」

るり「…?」

153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 22:38:32 ID:zMn+Zm8EO
つぐみ「責任を感じてるんですよ。私があの人を諌めてしまったから、それをしてしまったせいで
他のお二方にも多大なる迷惑をかけてしまった。私の行動が、事件の発端になってしまったと…っ」

集「…だから?」

つぐみ「え?」

集「まさか、それを考えてるうちに…自分で自分の存在意義を否定し始め、
だからこうやって体が消えつつあると…、そういうこと?」

つぐみ「そうかもしれない」

集「誠士郎ちゃん。ふざけるのも大概にしろよ」

るり(…こんな顔した舞子君、初めて見たかも)

154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 22:43:48 ID:Dhl4I64T0
集「本当に自分が起点になってるって、誠士郎ちゃんがそう考えてるなら…むしろ消えるべきじゃない」

つぐみ「……」

集「それどころか、小野寺やマリーちゃんを助けられるのは誠士郎ちゃんしかいないかもしれないんだよ!!?」

つぐみ「私が…二人を助けられる…?」

集「幕を上げたのが誠士郎ちゃんなら…その幕を下ろせるのも誠士郎ちゃんだけ。分かるよね?」

るり「…ちょっと舞子君!何もつぐみさんだって好きでこんなことやったわけじゃ―」

集「分かってる。本当の原因は誠士郎ちゃんじゃなく、その“大切な人”にあるってのは分かってる」

つぐみ「……」

156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 22:47:27 ID:zMn+Zm8EO
集「ゴメンな誠士郎ちゃん…プレッシャーかけるようなこと言って。でも、それはあくまで建前。
純粋に、俺らは誠士郎ちゃんには生きていてほしい、存在していてほしいって思ってるんだよ」

るり「…私も同じ気持ち。また前みたいに、みんなで一緒に騒ぎましょ?このバカも誘って」

集「バカで結構だから、俺も誘ってね誠士郎ちゃん!」

つぐみ「…なんというか、不思議と元気が出てきたな…。ありがとう。二人とも…っ」

気付けば、消えかかっていたつぐみの体は元の実体へと戻っていた

集「誠士郎ちゃん…」

つぐみ「…そうと決まれば、悩んでる時間はない。実行に移さねば…っ」

るり「実行…?」

集「その“大切な人”のもとへ行くんだね…?誠士郎ちゃん」

つぐみ「…あぁ」

157: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 22:50:13 ID:Dhl4I64T0
るり「っ!でも…!」

つぐみ「分かってます。以前それに失敗してこんなことになってしまった…と。
でも、だからといってそれをやめてしまうのは、言わば逃げです」

るり「…つぐみさん」

つぐみ「舞子集の言った通り。幕を上げたのが私なら、それを下ろせるのも私だけ…。
ただただ、私はそれを実行するだけです。今度こそ、絶対に成功させます…!」

集「確かに、事件の核となってるその“大切な人”にアプローチをかけるのは、極めて妥当な判断だと俺は思う」

るり「舞子君…」

集「ここは誠士郎ちゃんに賭けてみよう?るりちゃん。俺たちが今までやってたような調査…
そうやって回りくどく攻めるよりも、ダイレクトに踏み込んだほうがきっと良い効果が望めるはずだよ」

るり「…けど。だからといって私たちだけが何もせずそれをボーっと見てるっていうのは―」

つぐみ「大丈夫ですよ宮本様。私は二人から励まされ、そして勇気をもらいました。
だから…二人も私を信用して待っていてほしいのです。必ず…やり遂げてみせますから…っ!」

158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 22:53:40 ID:zMn+Zm8EO
……

集「…行っちゃったな誠士郎ちゃん。とても良い顔をしてたように思うぜ」

るり「…私たちはつぐみさんの力になれたのかしら」

集「なったさ。本人もそう言ってたじゃないか?」

るり「…そうね」

集「後は、彼女を信じて待っていてあげよう。きっと上手くいくと、俺は信じてる」

るり「“大切な人”に、つぐみさんの想いが伝わればいいのだけれど」

集「きっと伝わるさ。大切な人なら尚更…!」

るり「…ねえ舞子君。その“大切な人”なんだけど、もしかしてその人って―」

159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 22:56:24 ID:Dhl4I64T0
集「その先は言うなるりちゃん。ここで俺たちが答えを知って、小野寺みたく何か事故に
巻き込まれたり…あるいはマリーちゃんみたいに倒れでもしたら、それこそ余計な心配を
誠士郎ちゃんに与えかねない。せっかくの彼女の決意、ここで台無しにするわけにはいかないよ!」

るり「…そうね、ごめんなさい」

集「そりゃ俺だって、その人についてはなんとなく想像はついてる。
でも、それは言うだけ野暮ってもんだよ。これは不幸な事件だった。
そう、不幸な…。それで片付けておいたほうがいい気がしてるんだ」

るり「…同感ね」

―そしてその日の夜。事態は動いた―

るり「舞子君っ!!橘さんが―」

160: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 22:59:10 ID:Dhl4I64T0
集「…そうか、目を覚ましたんだね。本当に良かった…っ!!」

るり「これってつまり―」

集「言ったろ?誠士郎ちゃんなら、きっとやってくれるって」

るり「これでもう…解決したの?あんな事件や現象は…もう起こらない?」

集「…断言はできないけど、以前みたいな露骨な妨害は起こらない気がしてる。
ましてや事故や病気、命にかかわるものなら尚更…ね」

るり「これで小咲も、今度こそ安心して一条君に告白できる…」

集「もっとも、その安心の主語は小野寺じゃなく、見守る俺たちに掛かってそうだけどなー」

るり「確かにその通りね。あの子は、まさか背後で私たちが調べ回ってたなんて想像もつかないんでしょうし」

集「楽も然り」

るり「みんなお気楽よね…」

集「楽なだけにな」

るり「……」

集(やらかしてしもた!!せっかく良い雰囲気だったのにィ!)

164: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 23:02:20 ID:zMn+Zm8EO
るり「にしても、以前あなたが言ってたことも強ち間違いでもなかったわね」

集「ん?」

るり「2週間前にあったはずの要素。その一つでも取り戻せれば、何かが変わる…って」

集「うん。そのカギとなったのが誠士郎ちゃんだったわけだな」

るり「にしても今回の一連の事件…改めて考えると、本当に訳が分からないわ」

集「だって、結局 オ カ ル ト でしか説明つかんかったしな!!」

るり「一条君と仲良くなろうとすれば事故や病気が発動する。そして、その仕組みを知ろうとすれば
何らかのペナルティーを受ける。因果は説明できても、その原理を解き明かすのは不可能よ」

集「世の中にはそういう不思議もあるってことさ!」

るり「そんな簡単に済ませてしまっていいのかしら…。地味にやばいことだと思うのだけれど」

集「まさに神のみぞ知るってやつだなぁ」

るり「なんにせよ、つぐみさんが頑張ってくれた。橘さんが回復してくれた。その事実が…私は嬉しい」

集「今はそれを噛みしめるだけでも十分だしな!難しいことを考えるのはやめにしよう」

168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 23:06:39 ID:Dhl4I64T0
―そして後日―

マリー「舞子さんと宮本さんから話は聞きましたよ。つぐみさん」

つぐみ「橘さん…」

マリー「どうやら本田の話では、私は生死をさまよっていたらしいとのこと。
つぐみさん、あなたは私の命の恩人ですわ」

つぐみ「!!た、体調が良くなったのは喜ばしいことだが、
別にお前のためだけにやったんじゃない!勘違いするな…っ」

マリー「それでも助けてくれたのは事実。ありがとうございます、つぐみさん」

つぐみ「あ、あぁ…っ」

集(誠士郎ちゃん照れてるね)

るり(そりゃあ、今まで彼女は橘さんと話し慣れてなかったから。そう簡単に打ち解けるのは無理よ)

170: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 23:11:34 ID:zMn+Zm8EO
マリー「それと舞子さんと宮本さんも。ありがとうございました」

集「俺たちのしたことなんて大したことじゃないよ」

るり「そうね」

つぐみ「いや、二人は私の背中を押してくれたんだ。私も二人には感謝してる」

マリー「良い意味での副産物も生まれましたしね」

つぐみ「?」

マリー「これをきっかけに、みなさんと仲良くなれました♪」

るり「!」

172: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 23:16:12 ID:Dhl4I64T0
つぐみ「そ…そう言われれば」

集「マリーちゃんの家へ普通に遊びに行く仲になったしな!」

るり「みんなでね」

集「それと、誠士郎ちゃんとも以前より仲良くなった気がするしなぁ」

つぐみ「それは貴様の気のせいだ」

集「なんだってー」

つぐみ「冗談だ。お前のことは、正直見直したよ。
あのとき発破をかけてくれていたお前は…まるで別人みたいだった」

集「惚れた?」

つぐみ「それさえなければ、お前も結構まともな人間だと思うのだがな…」

174: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 23:19:44 ID:zMn+Zm8EO
るり「こいつはそういう人間だと思うしかないわよ」

マリー「そうですわね」

集「あれ??マリーちゃんもそっち側!?あんまりだよマリーちゃぁん」

マリー「あの、前々から思っていたのですが。楽様以外の異性の方に下の名前で呼ばれるのはちょっと…」

るり(やっぱり許容してなかったのね)

集「ぐおおおおお…さっきは感謝までされてたのに、この凄まじい落差は一体!!」

マリー「―と思っていたのですが」

176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 23:24:41 ID:Dhl4I64T0
集「え?」

マリー「私もつぐみさん同様、あなたのことは見直しましたよ。
今更下の名前で呼ばれたところで、嫌なんて感情は抱きませんわ」

集「おおおお!?これは脈ありか!?マリーちゃん…この際だから楽から俺に乗り換えよう?」

マリー「はぁ…。これさえなければ、このお方も結構まともな御仁だと思うのですけれどね…」

るり「こいつはそういう人間だと思うしかないわよ」

つぐみ「なるほど。これをデジャヴと言うのだな」

集「ええい!仕切り直しィ!」

るり「あなたがこの流れ作ったんでしょうが」

178: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 23:29:00 ID:zMn+Zm8EO
集「あれから体のほうの調子はどう?マリーちゃん」

マリー「今までの状態が嘘みたいに、体が軽くなった感じですわ!元々の体質自体は
なくなってはおりませんが…。それでも、楽様と遊んだりするには十分といったところです」

つぐみ「それは良かったな橘さん…」

集「あれ?誠士郎ちゃんは本来桐崎さんを応援しないといけないポジションじゃ?」

つぐみ「う、うるさい!別に応援しているわけではない!!
体が良くなった、そのことに対して良かったと述べたのだ私はっ!!」

マリー「つぐみさん…!ありがとうございます!きっと楽様と結ばれるよう頑張りますね!」

つぐみ「お前もか!だから違うと言うとろうがあああああっ!!!!」

るり(つぐみさん、何だか楽しそう)

179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 23:36:11 ID:Dhl4I64T0
楽「お前らなんか楽しそうだな」

集「お、楽じゃねーか。小野寺も」

小野寺「みんなで何話してたの?」

るり「それは―」

集「みんなが俺に惚れたっていうもんだからさー。いやー、俺困っちゃって」

マリー「」

つぐみ「」

るり(何言ってんだこいつ)

181: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 23:41:54 ID:zMn+Zm8EO
楽「集…周りを振り回すのもほどほどにな?」

集「え!?何で嘘だと分かった!?」

楽「何年お前と付き合ってると思ってんだよ…」

小野寺「ははは…ちょっとびっくりしちゃった」

るり(…でも、このバカなところがこいつの良いところでもあるのかも)

るり「……」

るり(私こそ何言ってんだろ)

182: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 23:46:40 ID:Dhl4I64T0
マリー「そうだ!せっかく体調が戻ったんですもの。
楽様と遊びにでかける予定を立てなければ!というわけで楽様っ!いつがお暇ですか?♪」

楽「え、ええっとだな…」

るり「…小咲」

小野寺「?なぁにるりちゃん?」

るり「橘さん、本調子に戻ったから…」

小野寺「そうだね。私もお見舞いに行ってたんだけど、治って本当に良かったなあって思ってる!」

るり「いや、そっちじゃなくて」

小野寺「?」

るり「一条君。アタックしとかないと、このままだと押されるわよ?」

小野寺「そ、それは分かってるよ…でも…」

183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/03 23:53:26 ID:zMn+Zm8EO
るり「…。告白するのが、怖くなっちゃった?」

小野寺「……」

るり(まぁ…それも仕方ないわよね。それをするたびに今まで酷い妨害に遭ってたのが、
この子なんだから。トラウマになってたとしてもおかしくない。でも―)

るり「勇気を出して。小咲」

小野寺「…え?」

るり「大丈夫。今度からは絶対変なことは起こらない。もし起こったら…責任とって私は死ぬわ」

小野寺「!!?」

186: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/04 00:00:32 ID:9Cn2abyU0
るり「小咲…あんた今すごい顔したわね」

小野寺「と、当然でしょー!?いきなり何言い出すのるりちゃぁん!?」

るり「ま、冗談なんだけどね」

小野寺「これだからるりちゃんは…」

るり「でもね、小咲」

小野寺「?」

るり「責任とるって言った言葉は…本当だから」

小野寺「るりちゃん…」

るり(もう二度とあんな妨害が起こらないって、私は信じてる。そう…今度はきっと)

187: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/04 00:07:33 ID:9Cn2abyU0
小野寺「…分かったよるりちゃん。そこまでるりちゃんに言わせたからには、私も…。
もう一度、頑張ってみようと思う…!」

るり「うん。それでこそ小咲だね」

マリー「あ、この日なんてどうですか!?楽様!」

楽「この日は何かあったっけなぁ…」

るり(小咲も自信を取り戻したし、橘さんも復帰できた。本当に…良かった)

集「これで、あとは俺が誰かと結ばれれば!!全ては円満なんだけどなー!!」

るり「舞子君…あなたねぇ…」

189: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/04 00:14:07 ID:9Cn2abyU0
集「どうしたの?るりちゃん」

るり「……」

るり(つぐみさんも言ってたけど…。こいつ、たまに別人みたいになるのよね。
小咲を心配して始まったこの調査、幾度となく彼は…。普段おちゃらけてる人間が
いざ真剣に考察して、しかもそれが結構的中してたから尚更。…いろんな側面を見れた気がする)

集「?」

るり「付き合ってくれてありがと」

190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/04 00:20:35 ID:9Cn2abyU0
集「え」

るり「もとはと言えば、この現象を解明しようって言い出したのは
私だったでしょ。あなたにも苦労かけたなって思ったの」

集「そんなことか。全然気にする必要ナッシングよー。俺も結構ノリノリで調べてたし」

るり「ならいいんだけど」

集「あ、そうだ。楽とマリーちゃんの流れに則って、俺たちもどこかへ遊びに行こうよ!るりちゃん!」

るり「っ!?」

集(あれ?すぐさま否定の言葉が返ってくると思ったんだけど。どうしたんだろーるりちゃん)

193: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/04 00:28:32 ID:9Cn2abyU0
るり「…考えとく」

集「へ?」

るり「暇ならまた返事するわ」

集「ま、待って。今、なんて?」

るり「だから、考えとくって言ったの」

集「……」

196: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/04 00:36:58 ID:9Cn2abyU0
集「君、本当にるりちゃん?」

るり「それどういう意味?」

集「ちょ!!怒らないでって!悪い意味で言ったんじゃないんだって!!」

るり「じゃあどういう意味で言ったのか、詳しく教えてもらおうかしら」

集「俺のバカ野郎ーー、いつも一言多いんだってばよぉ…」

るり「なんだ。自覚してたのね」

そして、そんな二人の光景を微笑ましく見つめる一人の少女の姿が―

小野寺(私もこれくらい一条君としゃべれたらなぁ…。よし、頑張ろうっと!)

Fin

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