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杉下右京「阿知賀のレジェンド…ですか」

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 00:32:24.97 ID:u9277lXx0

小鍛治「…呼び出しって何ですか?」

???「…」

小鍛治「え?」

ガスッ

小鍛治「…!!」

バタン

???「…」

スタタタ
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 00:42:45.64 ID:u9277lXx0

フォンフォンフォン

伊丹「ふう、暑っちいなあ」

芹沢「夏ですから仕方ないですよ、先輩」

伊丹「今年は冷夏じゃねえのか?ったく。で、ガイシャは?」

芹沢「はい、小鍛治健夜さん27歳。プロ雀士の方だそうです」

伊丹「プロ雀士?」

芹沢「あれ?先輩知らなかったんですか?今、高校生麻雀の全国大会の真っ最中じゃないですか。
小鍛治プロはその解説者ですよ」

伊丹「ああ、そんなのもあったな。で、死因は?」

米沢「被害者の傷の形状を見るに頭部を鈍器一発、という感じですな。
他に外傷などは見当たりません。
また、所持品が漁られた形跡や着衣の乱れなどはなく、物取りや強姦の線は薄いかと思われます」

三浦「怨恨か」



6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 00:51:53.41 ID:u9277lXx0

恒子「小鍛治プロ…そんな…」

伊丹「…彼女は?」

芹沢「え?先輩、こーこちゃん知らないんですか?」

伊丹「いちいちうるせえんだよ!」ボカッ

芹沢「あいた!…福与恒子。アナウンサーですよ」

伊丹「アナウンサーが随分ガイシャと親密そうじゃねえか」

芹沢「福与恒子は全国大会で実況を務めていて、小鍛治プロと組んでたんですよ。
あと、一緒にラジオ番組もやってますね」

伊丹「へ~、じゃあ詳しく話を聞かねえとな」

芹沢「ですね」



9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 01:01:45.70 ID:u9277lXx0

(鑑識課)

右京「…で、一課は、福与恒子さんを犯人と見て捜査しているということですね?」

米沢「ええ。何でも、被害者が死亡する数時間前に近くのファミレスで何やら言い争いをしていると
目撃証言があったそうで、一課はそれを動機と見ているそうです」

神戸「他に動機のある人物はいないんでしょうか?」

米沢「被害者は基本的に福与恒子と行動を共にしていたようで、
他に付き合いはあまり無かったようですな」

右京「しかし、彼女が犯人だとしたら些か疑問が残りますねえ」



16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 01:08:53.09 ID:u9277lXx0

神戸「と、仰いますと?」

右京「被害者の小鍛治さんは事件現場で待ち合わせをしている最中に
鈍器のようなもので殴られた…。確かそうでしたよね?」

米沢「ええ、事件現場に被害者が飲んだと思われる缶コーヒーが落ちていたことからも
誰かと待ち合わせをしていたことは間違いないと思われます」

右京「事件の数時間前に言い争いをした相手とわざわざ待ち合わせなんてしますかねえ?」

神戸「喧嘩の仲直りとかじゃないですか?」

右京「だとしても、会場で待ち合わせというのは不自然のような気もしますねえ。
小鍛治さんと福与さんは何処のホテルに泊まっていたのでしょうか?」

米沢「二人とも、会場近くの○○ホテルに部屋を借りています」

右京「ならば、ホテルで待ち合わせればいいじゃないですか。
わざわざ会場で待ち合わせをする必要は無いと思いますがねえ」



18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 01:14:52.84 ID:u9277lXx0

神戸「ということは、誰か別の人物と待ち合わせをした…ということですか?」

右京「その可能性が高いと思いますよ。
…米沢さん、被害者の携帯電話の履歴はありますでしょうか?」

米沢「ええ、こちらに」

右京「…神戸君、こちらを見て下さい」

神戸「…ん?被害者の死亡推定時刻の2時間くらい前に公衆電話からの着信がありますね」

右京「気になりますねえ」



19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 01:22:47.40 ID:u9277lXx0

(取調べ室)


三浦「福与さん、死亡推定時刻の数時間前に
あなたが被害者と口論していたのが目撃されてるんですよ」

恒子「あ、あれはちょっかいというか、いつものやり取りで…」

伊丹「口論で頭に血が上って、そのまま殺っちまったんじゃねえのか!?」

恒子「そんな…私がすこやんを殺すわけがないじゃないですか!!」

伊丹「まあ、いい。まだ時間はたっぷりある。じっくり付き合ってやるから覚悟しろよ」

恒子「ひ、酷い…」



24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 01:28:24.16 ID:u9277lXx0

(会場)


右京「ここが、着信先の公衆電話ですか」

神戸「○○ホテルの近くですね」

右京「ええ」

憧「…でも残念だったよねー」

穏乃「うん、じゅんけつが延期なんて」

玄「仕方ないよ…あんなことが起きたんだから」

赤土「ま、中止にならなかっただけマシだと考えようね」



25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 01:32:31.60 ID:u9277lXx0

宥「それで赤土さん。今日は何を?」

赤土「せっかく時間が空いたんだから、その時間を利用して特訓しなきゃ!
あんたたち、今の自分たちの実力分かってる?」

穏乃「うっ…」

赤土「来るべき準決勝のために、今は少しでも力をつけないと」

灼「…そうだね」

右京「失礼します」

赤土「ん?」



26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 01:38:56.23 ID:u9277lXx0

右京「このホテルから出て来た…ということは、このホテルに宿泊されているのでしょうか?」

赤土「そうですけど…あなたたちは?」

右京「失礼、警視庁特命係の杉下と申します」

神戸「同じく、神戸です」

右京「先日、ここで亡くなられた小鍛治さんの件で捜査をしているんですよ」

赤土「そう…ですか」

右京「見たところ、お連れの方は学生のようですが…教職員の方でしょうか?」

赤土「あ、いえ。私はこの子たちの保護者みたいなものです」

穏乃「赤土さんは私たちの監督兼コーチなんですよ」

憧「私たち、阿知賀高校麻雀部なんです」



29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 01:44:20.87 ID:u9277lXx0

神戸「そういえば、確か高校生麻雀の全国大会が開催中でしたね」

右京「阿知賀…というと奈良県の方でしょうか?」

赤土「ええ。奈良代表として来てるんですよ」

右京「そうでしたか。こんなことになってしまい、大変でしょうねえ」

赤土「ええ…。でも、不幸中の幸いと言いますか、大会が中止になったわけではないので
これも天が与えた時間だと思って、有効に使わせて頂こうかなと」

右京「とてもチーム思いなんですねえ」

灼「ハルちゃ…赤土先生はいい監督だから」

憧「そうそう」

赤土「こら、おだてたって何も出ないぞ!…では、これで失礼します」

右京「あ、もう一つよろしいでしょうか?」



30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 01:47:40.91 ID:u9277lXx0

赤土「はい、何ですか?」

右京「こちらのホテルには、あなた方以外の参加校の選手や
関係者も泊まっているんでしょうか?」

赤土「ええ、全員では無いと思いますが」

右京「有難うございました。大変参考になりました」

赤土「そうですか、それでは」

スタスタ

右京「では、ホテルの宿泊客を調べてみましょうか」

神戸「ええ」



32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 01:53:46.30 ID:u9277lXx0

支配人「はい、こちらが宿泊名簿となっております」

右京「お借りいたします」

神戸「ふーむ。こうして見ると
結構、全国大会に参加している高校とその関係者が宿泊しているんですね」

右京「ええ、大会で解説を行うプロの方々や報道関係者の名前もありますねえ」

神戸「被害者との関係を考えるに、それ以外の宿泊客は外しても大丈夫そうですね」
え~っと、被害者の部屋の近くに部屋を取っている関係者は…と」

右京「三尋木咏さんですね」



34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 01:59:38.56 ID:u9277lXx0

三尋木「う~ん、わっかんね~」

右京「そうですか」

神戸(何かイライラする人ですね、この人)

右京(おや、カルシウムが足りてないんじゃないですか?)

神戸(お言葉ですが、カルシウムなら毎日摂っていますよ。誰かさんのせいで)

右京(おやおや)

三尋木「ごめんねぃ。私、あまり小鍛治プロと親しく無いんだよ」

右京「そうですか。では、事件前後に何かおかしな様子など無かったでしょうか?」

三尋木「…いや、知らんし」



37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 02:04:18.06 ID:u9277lXx0

神戸「他に小鍛治さんと親しくされていた方はいないんでしょうか?」

三尋木「う~ん、どうだろうねぃ。あの人、10年前のインターハイでは
対戦者に数々のトラウマを残したような人だしねぃ」

右京「トラウマですか」

三尋木「そんだけ強かったってこと。
だからか当時からプライベートでも結構余所余所しい扱い受けてたって聞いたねぃ」

神戸「強者故の孤独…って奴ですか」

三尋木「だから、あのこーこちゃんって女子アナはあの人にとって
唯一の友達だったと思うよ。知らんけど」

右京「そうですか。有難うございました」



38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 02:12:46.61 ID:u9277lXx0

神戸「被害者のこと、調べれば調べるほど
福与恒子以外の人物との接点が見つからない感じですね」

右京「ええ、ですが見方を変えるとどうでしょうか?」

神戸「見方を変える?」

右京「彼女の知らない、彼女への繋がりですよ」

神戸「彼女の知らない、彼女への繋がり…」

右京「彼女はプロです。第三者が彼女へ強い思いを寄せる可能性は充分にあると思いますよ」

神戸「しかし、そうなると犯人の特定が難しくないですか?」

右京「そうですねえ…」



39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 02:19:07.82 ID:u9277lXx0

(花の里)


幸子「はい、生ハムを蒸してみました」

神戸「蒸しちゃったんだ…頂きます」

幸子「…麻雀の全国大会ですか。私も好きでよく見てましたよ」

右京「よく見ていましたか」

幸子「ええ。特に印象に残ってるのは阿知賀のレジェンドですね」

右京「阿知賀のレジェンド…ですか」

幸子「当時無名だった奈良の阿知賀高校をベスト8まで進出させた立役者なんですよ。
とても強かったんですから」



42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 02:24:02.27 ID:u9277lXx0

神戸「へえ。でもベスト8…ってことは、準決勝で敗退したんですか?」

幸子「そうなんですよ。当時は小鍛治さん…あ、この間お亡くなりになられた方ですね。
彼女が最強と称されてまして…。阿知賀のレジェンドも彼女に完膚なきまでやられて
再起不能になったらしく、翌年から阿知賀高校共々姿を消したそうですよ」

右京「その方のお名前はお分かりでしょうか?」

幸子「え~っと、確か赤土晴絵…だったかな?」

神戸「赤土晴絵って…」

(穏乃「赤土さんは私たちの監督兼コーチなんですよ」 )

右京「ええ、ホテルの前であった彼女ですね」



44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 02:32:05.43 ID:u9277lXx0

憧「ハルエ~、今日は何処行くの?」

穏乃「流石に寝ている時間以外に麻雀ばっかしてると目がしばしばしてくるよ…」

赤土「今日は息抜き!いっぱい特訓した後はいっぱい遊ぶ!これが強くなる秘訣」

憧「やった~!ハルエ大好き!」

灼「ハルちゃん、一緒に行きたいところがあるんだけど…」

右京「失礼します」

宥「あ、この間の…」

神戸「歓談しているところ、申し訳ないんだけど、赤土さんを少し借りるよ」

赤土「…はい」



47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 02:37:22.84 ID:u9277lXx0

赤土「…今日は一体何の用でしょうか?」

右京「いえ、二三お伺いしたいことがあるだけですよ」

神戸「この人、気になりだすと止まらないもので」

右京「ええ、僕の悪い癖」

赤土「はあ…」

右京「それで早速伺いたいのですが、赤土さんは小鍛治さんと面識がおありですよね?」

赤土「藪から棒にそれですか。ひょっとして私を疑っています?」

右京「お気に障ったのであれば、申し訳ございません」

赤土「…無いと言ったら嘘になりますね」

右京「やはりそうでしたか」

赤土「…でも、10年前に1度対戦してそれっきりです。以降は個人的にも会ってません」



49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 02:46:08.52 ID:u9277lXx0

神戸「10年前のインターハイで記録的な大敗を喫したあなたは翌年の大会には出ていませんね?」

赤土「…お恥ずかしながら、彼女に負けてから牌を握れなくなりまして」

右京「しかし、あなたはその後福岡の実業団リーグに参加しておられましたよね?」

赤土「そんなことまで調べたんですか?」

右京「競技麻雀に復帰されたということは、トラウマを払拭なされたのでしょうか?」

赤土「さあ、どうでしょうね?」

神戸「その後、親会社の経営不振によりチームは解散。
それで奈良へ戻って今度は麻雀部の監督をやっているんですか」

右京「本当に麻雀がお好きなんですねえ」

赤土「そう…ね。確かに好きじゃなければ、こんなに続けては無いですね。
嫌いになれればもっと楽になれたと思うんですけどね」



50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 02:51:40.69 ID:u9277lXx0

赤土「…もうよろしいですか?」

右京「ええ。あ、もう一つ」

赤土「何ですか?」

右京「奈良からは車で来られていますよね?」

赤土「何でそれを?」

右京「この間お会いした時に、あなた方が停車してある車に向かって行くのをお見かけしたので」

赤土「よく見ていますね」

右京「車の中、拝見してもよろしいでしょうか?」

赤土「…令状はあるんですか?」

右京「…いえ」

赤土「ならば見せる義務はありませんね」

右京「そうですか」



51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 02:56:34.53 ID:u9277lXx0

神戸「…彼女、怪しいですね」

右京「君は何でそう思いましたか?」

神戸「彼女、被害者の名前を聞いた途端、明らかに顔色が変わりました。
そして、被害者との関係を聞いただけで『私を疑っている?』と尋ね返しました。
これは彼女が被害者と何らかの関係があり、疑われる要素があると自覚している証拠です」

右京「ええ、そしてその関係とは決して良好なものでは無いでしょうねえ」



53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 03:00:50.21 ID:u9277lXx0

(鑑識課)


神戸「凶器が見つかっていない…ですか」

米沢「ええ、現場近辺を捜索しましたが、該当するようなものはありませんでした」

右京「被害者の傷の形状から推測は出来ないのでしょうか?」

米沢「うーむ、何か角ばったものが複数個あるようなもの…としか」

神戸「角ばったものが複数個…か」

右京「…」



55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 03:09:36.19 ID:u9277lXx0

角田「よ、暇か?」

神戸「暇に見えます?」

角田「何だよ、つれないこと言うなよ。
…って、これまたインスタントかよ。たまには挽きたて飲ませろ挽きたて」

神戸「お言葉ですが、喫茶店へお行きになればよろしいのでは?」

角田「喫茶店行く金あったら、もっと別なことに使うよ」



56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 03:15:01.12 ID:u9277lXx0

角田「…ん?その写真、小鍛治健夜か?この間殺されたプロ雀士の?」

右京「ええ」

角田「そういや、昨日久々に雀荘行ったな」

神戸「打ったんですか?」

角田「違う違う。○○会の連中が△△雀荘にヤク隠してな。それ全部押収したんだよ」

右京「それはご苦労様です」

角田「雀荘内の備品をあちこち移動させたからもう疲れてさあ。
またこの雀荘の麻雀牌って真鍮製なんだよ。嵩張ると重いの何のって…」

右京「…なるほど、そういうことでしたか」

神戸「杉下さん?」

右京「僕の推測が正しければ、凶器の場所が分かったかも知れません」



60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 03:26:01.89 ID:u9277lXx0

穏乃「あ、この間の刑事さん」

右京「夜分、遅くに失礼いたします」

憧「ハルエ…赤土先生呼びます?」

右京「いえ…ところでつかぬことをお聞きしますが、以前お会いした時に
あなた方はどちらへ行かれたのでしょうか?」

穏乃「荒川病院ですけど…」

右京「荒川病院ですか。そこで麻雀をお打ちになられた?」

憧「何で知ってんの?」

右京「赤土さんは『空いた時間を有効に活用する』と仰っていました。
あなた方が大会への参加選手であることを考えれば、麻雀を打ちに行ったと考えるのが自然かと思いまして」

宥「すごぉい」

右京「その際、麻雀牌といったものはやはりご自分たちで用意されるんでしょうか?」

玄「はい、自分たちが使用しているものを使いました」

穏乃「向こうに用意させるのも何か悪いしね」

右京「そうですか…有難うございます」



61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 03:31:29.75 ID:u9277lXx0

(荒川病院)


憩「こちらですよーぅ」

右京「こちらが、あなたと阿知賀高校麻雀部の方々と対戦をした雀卓でよろしいでしょうか?」

憩「はーい」

右京「米沢さん」

米沢「はい。えー失礼します」

ガタッ

右京「…やはりそうでしたか」

米沢「ええ、これは…」

右京「ピッ 神戸君、そちらはどうでしょう」

神戸「こちらも面白いことが分かりましたよ」

右京「そうですか」



62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 03:33:30.38 ID:u9277lXx0

コツコツ

赤土「…ふう」

右京「赤土さん」

赤土「杉下さん…と神戸さん」

神戸「どうも」

赤土「今日は何の御用で?」

右京「ええ、実はあなたに聞いて頂きたいことがございまして」

赤土「手短にお願いしますよ?明日は特訓組んでるので朝早いんですよ」

右京「努力します」



63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 03:36:56.37 ID:u9277lXx0

赤土「それで何ですか?」

右京「ええ、実は小鍛治さんを殺した犯人が分かったんですよ」

赤土「小鍛治プロを殺したのは、福与恒子っていうアナウンサーじゃないですか?
マスコミがそう噂してるの聞きましたよ?」

神戸「いえ、彼女は無関係です」

右京「真犯人は別にいたんですよ」

赤土「…それは興味深いですね」



64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 03:43:31.16 ID:u9277lXx0

右京「まず、真犯人は小鍛治さんを公衆電話を使用して事件現場へ呼び出し、待ち合わせをしました。
事件現場に残された飲みかけの缶コーヒーからも、彼女が誰かと待ち合わせをしたことは間違いありません。
そして、真犯人は背後から小鍛治さんを凶器で殴り、逃走したのです」

赤土「…だとしたら、私は犯人じゃないですね」

神戸「何故でしょう?」

赤土「私は小鍛治プロの連絡先を知らないもの。
杉下さんの言う通りなら、その真犯人は小鍛治プロの連絡先を知ってなければいけない」

右京「ええ、その通りです」

赤土「なら…」

神戸「残念ですが、あなたは彼女の連絡先を知っていた筈です」

赤土「!?」



65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 03:46:44.69 ID:u9277lXx0

神戸「三尋木さんから伺いました。あなた、瑞原はやりさんからプロの誘いを受けたそうですね?」

赤土「…」

右京「その瑞原さんから伺ったところ、
あなたから『小鍛治さんの連絡先を教えて欲しい』と言われたことを証言して下さいました」

神戸「そして、あなたに教えた…とも」

右京「あなたが小鍛治さんの連絡先を知らない筈が無いんですよ」

赤土「…」



67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 03:52:04.40 ID:u9277lXx0

赤土「でも、それだけじゃ私が小鍛治プロの連絡先を知っていた。
それを証明しただけに過ぎないじゃない!」

右京「ええ、そうです」

赤土「私が殺した証拠はあるんですか!?」

右京「…この事件で一つ、妙な点は凶器が見つかっていないことです」

神戸「凶器は何処へ行ってしまったのでしょうか?」

右京「ところで赤土さん。あなたたちは昨日、荒川病院で麻雀の特訓と称し
何局か打っていますね?」

赤土「ええ、それが何か?」



69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 04:01:36.91 ID:u9277lXx0

右京「その雀卓を調べさせて頂きました。
すると、中から微量の血液が発見されました」

神戸「その血液、照合の結果、小鍛治さんのものと判明しました」

右京「何故、そんなものが雀卓の中から発見されたのでしょうか?
それは凶器に使われたのが、麻雀牌だからです」

赤土「…!!」

右京「犯人は布のようなもので多数の麻雀牌を包み込み、
それをハンマーのように振るって小鍛治さんの頭部へと打ち下ろしたのです」

神戸「恐らく、その時に布に沁み込んだ彼女の血液が中の麻雀牌に付着してしまったのでしょう」

右京「あなたの教え子から借りて持って来ました。
通常、麻雀牌には赤牌と呼ばれるドラとして扱われる牌があります。
その赤い塗料の部分に血液が沁み込んでいたので、気付かなかったんでしょうねえ」

神戸「何故、凶器の麻雀牌があなたのところにあるのか…納得のいく説明が出来ますか?」

赤土「…」

赤土「…」

フッ

赤土「…出来ないですね」



70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 04:06:01.96 ID:u9277lXx0

右京「お認めになられますか」

赤土「…って言うより、潮時だと思ったんですよ」

神戸「潮時?」

赤土「ええ、私、あのインターハイでの敗北から、どうもここぞって時に弱くなっちゃって…
今ももう限界だったんですよ」

右京「そうでしたか」

赤土「はい」



71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 04:08:36.21 ID:u9277lXx0

赤土「杉下さん…何時から私が犯人だと気付いていたんですか?」

右京「あなたと初めて出会った時からです」

赤土「そんなに早く…」

右京「あなたと初めて会った時、あなたは教え子を連れて外出していました。
殺人事件が起きた現場近辺で、しかも引率者であるあなたが率先して外出したことに
僕は引っ掛かりを感じました」

赤土「そっか…それもそうですね」



72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 04:15:38.12 ID:u9277lXx0

神戸「殺害の動機は、やはり10年前の?」

赤土「ええ。その通りです。あの女が、私の全てを狂わしました…。

10年前、私は自分が一番だと信じていました。
私の前に立ちはだかる者は誰もいない…私こそ真の王者だ。
…地元ではレジェンドとも呼ばれましたね。
生きながらにして伝説ですよ。

でも、あの女が私の全てを打ち砕いた。

私の自尊心も、私の夢も、何もかも…!!

あの女に負けてからは、あんなに応援してくれた地元の皆は嘘のように手の平を返しましたよ。
記録に残る大敗でしたからね…恥さらしなんて言われたりもしました。
レジェンド(笑)

私は暫く家の外に出られませんでしたよ」



73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 04:20:24.28 ID:u9277lXx0

赤土「そして、気が付いた時には、私は麻雀牌が握れなくなっていました。
私は麻雀部を辞め、新たな夢も見つけられずに途方に暮れ、空虚な毎日を送りました。

阿知賀こども麻雀倶楽部にしても、あんなのただの子供のお遊びですよ。
…せっかく誘ってくれた実業団でも結果は出せずに廃部。

私の人生はあの日を境に狂ったんです。

私に残った唯一の麻雀さえ奪ったんですよ、あの女は!!」



77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 04:24:29.85 ID:u9277lXx0

赤土「だから…だから殺したんです!!
いや、殺さなきゃならなかったんです!!」


(回想)


小鍛治「…呼び出しって何ですか?」

赤土「私のこと、覚えてる?」

小鍛治「え?…まさか、赤土晴絵さん?」

赤土「そうだよ。あんたに大失点して負けた、阿知賀のレジェンドだよ!」

小鍛治「その…ごめんなさい」

赤土「…ハァ?」



78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 04:25:43.39 ID:u9277lXx0

小鍛治「あなたがその後苦労したことは人づてに聞きました。
だから…」

赤土「…ぇ」

小鍛治「え?」

赤土「謝ってんじゃ…ねええええええ!!」

ガスッ

小鍛治「…!!」

バタン

赤土「ハァ、ハァ…」



80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 04:34:16.68 ID:u9277lXx0

赤土「…あの女を殺さなければ、私はこのトラウマを克服することなんて絶対に出来ない
だから…だから!!」

右京「同じ台詞を、あの子たちの前で言えますか?」

赤土「!!」

右京「あなたを慕い、共にここまで来たと信じるあの子たちの前で
同じことが言えますか?」

赤土「あ…ああ…」

右京「あなたは愚かなことをしました。
トラウマの克服どころか、一生残る傷をその手でつけたのですよ」



82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 04:43:52.11 ID:u9277lXx0

右京「そして、あなたはあの子たちの未来までも自らの手で閉ざしてしまったのです」

赤土「あぁ…。シズぅ、アコぉ、クロぉ、ゆうぅ、あらたぁ…」

右京「あなたがどれだけ辛い目に遭ったか…我々にはそれを慮ることしか出来ません。
しかし、だからといって他人のせいにし、更に罪を犯すことが許されるなど、
決してありませんよ!」

赤土「うぅぅ…」

右京「あなたは罪を償わなければなりません。
自分のためにも…そして、あの子たちのためにも」

赤土「…」コクッ



83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 04:46:40.54 ID:u9277lXx0

灼「ハルちゃん…」

赤土「あ、灼…」

灼「泣いてる…?」

赤土「…灼、私ちょっと行かなきゃならなくなったよ」

灼「…いつ帰って来る?」

赤土「分からない」

灼「…そう」

赤土「…でも、いつか絶対に帰って来るから…約束する!」

灼「…うん」

右京「…行きましょうか」



84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 04:50:50.88 ID:u9277lXx0

穏乃「先生!!」

憧「先生!!」

玄「先生!!」

宥「赤土さん!!」

赤土「…ごめん。ごめんね。ごめんね、皆」

伊丹「…」

バタン

伊丹「今回も手柄、頂かせて貰いましたよ」

三浦「では、警部殿」

右京「はい」


フォンフォンフォンフォン



85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 04:59:57.92 ID:u9277lXx0

(花の里)


幸子「阿知賀高校、準決勝辞退なんですね」

神戸「まあ、関係者が殺人を犯したのですから、大会どころじゃないでしょうね」

幸子「10年振りのインターハイだったのに、残念ですね…」

右京「ええ。彼女たちの努力を思うと、とても残念で仕方がありません」



87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 05:03:52.21 ID:u9277lXx0

神戸「彼女たち…大丈夫なんでしょうか?」

右京「連れて行かれる彼女を見るあの子たちの目。
それを見る限りは大丈夫だと信じたいところですがねえ…」

神戸「…お注ぎいたしましょうか?」

右京「ええ、お願いいたします」

神戸「では」

右京「有難うございます」



END



89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 05:05:56.52 ID:2fEzw6A+0

乙なのよー



93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/20(日) 06:03:45.54 ID:TU3+SYiO0

元ネタ知らないけど面白かった


http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1358609544/

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